人間の目で見える大きさの限界は0.1〜0.2mm。髪の毛1本くらいの太さだといわれます。それより小さなものは目に見えませんが、空気中や土の中、私たちの体内にもたくさんの「菌」がいます。菌は物ではなく、れっきとした生きもの。食べものにも棲み着いて、色々な変化を起こします。小さいけれど私たちの生活に欠かせない、菌ちゃんの世界を見てましょう。
「発酵」は菌のはたらき
私たち人間と同じように、菌も食べものを食べて生きています。例えば、麹菌(カビの一種)が大豆のタンパク質を食べて、アミノ酸(人間が食べると旨みを感じるもの)をつくり出すと、大豆は味噌に変化。人間はこの変化を「発酵」と呼び、昔から食べものづくりに利用しています。
畑も発酵する?
「発酵」が役に立つのは食べものだけではありません。野菜を育てる畑でも重要な役割を持ちます。森や林の中の自然の土では、動物の死体や落ち葉が菌に分解され、植物が根で吸収しやすい形の栄養に変化します。人間がつくった畑では自然に栄養素が出来にくいため、菌を畑に入れて様々な栄養をつくってもらう必要があるのです。
土壌づくりに役立つ“土着菌”のススメ
土着菌とは、その地域に元々棲みついている様々な菌のことを指します。土着菌は地域や採取する場所、季節によって性質がそれぞれ異なりますが、身のまわりにある山林や竹林、田んぼなどからいくらでも採取できることが特徴です。
土づくりに役立つ土着菌の名称として「ハンペン」という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。ハンペンは、林の中にある落ち葉などをどかすと現れる真っ白な菌糸のかたまりを指します。なおハンペン=1種類の微生物ではありません。しかしそんな地域環境に合った強い菌たちを活用することで得られる効果は多々あります。
土着菌の採取方法
もし林にある落ち葉の下などに先に紹介した真っ白い菌糸のかたまり(ハンペン)が見つかれば、それはそのまま土づくりに活用できます。見つからなかった場合には、・腐葉土・硬めに炊いたご飯・通気性のいい弁当箱状の箱やバケツなどを用意します。弁当箱状の箱やバケツにご飯を入れ、腐葉土に混ぜ込むか置くかします。すると数日後にはご飯に様々な色をした菌(麹菌やケカビなど)が生えるはずです。それを採取します。
採取した土着菌を使ってぼかし肥をつくろう
ぼかし肥とは、油かすや米ぬかなどの有機肥料に、土やモミガラなどを混ぜて発酵させて作る肥料のことを指します。土に肥料分を混ぜて薄める=ぼかすという意味合いから”ぼかし”肥というのだそう。さっそく採取した土着菌を使って、ぼかし肥をつくっていきましょう。
必要なもの ・米ぬか・おから・採取した菌・水。
作りかた 1)原材料と水(500cc程度)を混ぜる。2)日陰で発酵させ出来上がり!というシンプルさです。採取した菌と水を入れ、よくかき混ぜたら、<米ぬか:おから=3:1>で混ぜたものに加える。混ぜたものは日陰で発酵させます。一日一回かき混ぜて発酵が進めば、4〜5日ほどで発酵熱が生じます。好気性菌なので、発酵熱が生じ始めてきた頃から切り返し(土の上と下をひっくり返すように混ぜる)を行い、空気を循環させます。
土着菌等を活用した土づくりのコツ
先で紹介した土着菌の採取方法やぼかし肥の作り方ですが、注意点があります。土着菌は当然ながら生きています。そのため、気温や環境によって紹介した日数でうまくことが運ばないこともあれば、発酵が進みすぎることも十分考えられます。
土着菌等を活用して土づくりを行う場合には、彼らが生きていることに配慮して、彼らの変化をよく観察したうえで行動することが大切です。成分が明確に数値化された化学肥料に比べると、手間暇はかかります。しかし微生物と向き合った土づくりには、土の変化が日に日に感じられるという魅力がありますよ! 参:自然派COOP
にらめっこは毎年、味噌用の大豆を作っています。昨年お借りした畑は今年で2年目。以前、その畑は慣行農法で作物を作っていた様子。なので、昨年は、葉ばかり大きくなり、莢の実は小さかった。まぁ、合間を見て草刈りをしなければならないところを、ちょっとサボった面もある。草も随分育っていた。
さて、今年は昨年の大豆がしっかり残留肥料を吸い取ってくれたであろうと、期待は大きかった。草もまめに刈り取り、根元に置いた。苗の間隔も十分。日あたり風通しも申し分ない。先日いそいそと収穫した。期待は膨らんでいたが、莢は膨らまず・・・なぜじゃ〜!!早速ネットで調べる。タネの蒔き時、よし。肥料を与えない、もちろんよし。風通し、良好。雨??うーん今年は長雨が続いたし、水はけが良くない?畝は低かったわ・・・。大豆の幹は太く芯は茶に変色していた。うーん、原因がわからない。来年は、土着菌で堆肥を作って畑を発酵させてみよう。(mi )