「ギャングエイジ」とは? ~自立のスタート~
必ずやってくる超反抗期「ギャングエイジ(gang age)」。親にとっては子育ての山場のひとつといえますが、子どもにとっては発達段階における重要な時期。いわば「自立のスタ―ト地点」ともいえます。この時期を上手く乗り切るために、親はギャングエイジをよく理解しておきたいものです。「ギャング」とはチームやユニット、仲間を意味する言葉です。
「ギャングエイジ」の頃は自我が強くなり、生意気な発言が多くなりますが、それは“成長の証”。 ただ親子間、また人付き合いにおいて、あまりにも敬意に欠く発言や態度が見受けられる場合は、強く叱っても良いでしょう。この頃になると、親にウソをついたり、秘密を持つようにもなります。そんな場合、ウソに気づいたとしても、「さすがにこれは」と思うほどのことでなければ、見て見ぬフリをして、見守ることも必要です。それをとがめたり、叱ったりすると、親に何も話さなくなることもあります。
「ギャングエイジ」になれない子どもが増えている?!
ひと昔前は、子どもは日暮れまで外でかけまわって遊んでいたものです。それが最近はそんな子どもの姿はパッタリ見られなくなりました。こうしたことが原因で、子どもが「ギャングエイジ」になれなくなってきていると、懸念されています。
発達心理学での「ギャングエイジ」は青年期以降の社会生活の基礎となります。
親が注意することを以下にまとめてみました。
①塾や習い事を控えめにし、友達と自由に遊べる時間を確保する。
②子どもができることには手を貸さない。過保護では自主性や意欲が育たず、仲間に入れない子どもになってしまう。
③よほどの問題がない限り、子どもの友達を否定したり、遊び方に干渉したり、子ども同士のトラブルに口出しをしない。
子どもは遊びを通じて成長していきます。
「ギャングエイジ」という時期は小学3年~4年のこの時期しかありません。
「ギャングエイジ」の時期を上手く過ごすことができれば、子どもは社会や他人に関心を持ち、自発的に関わりを持とうとするようになります。それが、その先大人になったときの人間関係や社会生活の基礎となり、自然に社会に溶け込むことができるのです。悩める時期であるとは思いますが、子どもをそっと見守り、つかず離れずの距離で見守っていくのが良いでしょう。
ゴールデンエイジとは?
子どもの運動神経がググっと伸びる黄金の成長期
『ゴールデンエイジとは?』 ◇9歳から12歳頃をいいます。成長が早い時期の5歳と12歳では身体的違いが大きいので、ゴールデンエイジを「プレ・ゴールデンエイジ(5~9歳)」と「ゴールデンエイジ(10~12歳)」に分けて考えます。プレ・ゴールデンエイジ(5~9歳)の特徴は「神経系の発達」神経系の発達がほぼ完成し、動きの巧みさを身につけるのに最も適している時期です。 ゴールデンエイジ(10~12歳)の特徴は一生に一度だけ訪れる、あらゆる動作を短時間で覚えることのできる「即座の習得」を備えた時期として重要視されています。子どもは、パッと見た直感だけで動きのコツをつかみ、その動作を習得してしまいます。
この時期に色々な運動、スポーツをすることが大切。「好きなこと、面白いことに熱中し、すぐ飽きる」という子どもの特性を利用して体を動かす方向に誘導することは、難しいことではありません。
ゴールデンエイジが注目されるようになった理由は「外遊び」の時間と質が変わったから。外遊びで特に注目したいのが鬼ごっこ、けんけんぱ、缶蹴りなどの“昔遊び”です。
遊ぶことによって、身体を動かし、無意識のうちに運動神経を発達させます。
この二つの時代(エイジ)に共通することは、やはり「遊び」。「遊び」は、幼児の脳や体の発達を促進させます。 追いかけっこや鬼ごっこ、ボール遊びなどの外遊びは、動き回るので心肺機能が向上したり体力がつきます。 また、いろいろな動きを経験するのでバランスよく筋肉がつくのをサポートし、 日光を浴びる適度な運動は、丈夫な骨の育成にもつながります。
遊びは日常的なものであり、その知識や感性は蓄積されていきます。一方で娯楽(ゲームやYouTubeなど)は非日常的なものであり、そこで得たものは蓄積されるのではなく消費されていきます。
遊びは、子どもの「やってみたい」「遊んでみたい」という気持ちから始まる自発的なもの。娯楽もときには大切ですが、基本的には子どもの自発性を大切にした遊びを重視するようにしたいですね。特に、【ごっこ遊びは柔軟性・創造性】が育ちます。
少なくシンプルなアイテムのなかで、子どもは独自のルールや楽しみ方を見つけて、脳を発達させていきます。また、ごっこ遊びをすることでコミュニケーション能力を養うこともできます。さらに【外遊びは社会性】を養います。自然に触れることで触覚や視覚、聴覚などを刺激し、好奇心、想像力などを膨らませることができ、遊具を使ったり自然のなかを駆け回ることで体力、身体能力を高めることができます。
参考:Fungoal、ASTEP