vol.214 ここいく日記 はじめの31歩!

ここいくの活動拠点「あいのね」では平日の夕方に「まちの保健室」を開催しています。そこには子どもから大人まで様々な人が訪れます。
小学生の頃から常連の外国人の少女は中1となり、一気に勉強が難しくなって中学は大変だぁ~と日々の困りごとを話してくれます。年間予定表を見ながら「尿検査、生理の時はどうするの」と聞いてきた時は「もう1日、尿検査の日が書いてあるでしょ。この予備日に提出すれば大丈夫だよ。」と答える。「体育は簡単に休めないんだ」とつぶやくので理由を聞くと、先生が「簡単にダルイと言わない、諦めない、全力でやる、疲れても休まない」と言うらしい。そして、男の先生だから、生理痛が酷くても言えないと漏らす。日本語が分からないお母さんにも、学校の先生にも「性」のことは特に相談しにくいと教えてくれた。
特別支援学級に通う小学生は算数が苦手。先生から、指は使わないでねと言われ、イライラして雑に書くと、やり直しと言われる。新学期、まだ理解できていないから、今年も同じ教科書で勉強しようねと言われた時は「無限ループだ!」と絶望的な気持ちになったと教えてくれた。
各務原市では令和5年3月に多文化共生プランが策定され、言葉や文化をつなぎ心のつながりを作り、子どもたちの学びを支え育むとある。令和7年度には新特別支援学校が開校し、一人ひとりの能力や可能性を最大限に引き出すことができる学校を目指すとある。立派なプランや基本計画はありますが、「まちの保健室」では、置き去りとなっている子どもたちの気持ちがたくさん聞こえてきます。
学校にも「保健室」はあるし、先生もたくさんいます。しかし、不安や悩みを言えない子どもたちがいる。身近な大人と私、「学校」と「まちの保健室」の違いは何だろう?大きな違いは、そこには上下関係がなく「安心」であること。ここいくの「いのちの授業」では人間関係の話をしています。
話し相手、遊び相手、相談相手、喧嘩相手の「相」。
話し合い、触れ合い、助け合い、励まし合い、慰め合い、認め合いの「合」。
「相」と「合」がある関係から「愛」は生まれます。
でも「愛」が生まれるような「相」と「合」のある関係を創るには「安心」な環境が必要です。そのためには互いが対等であること。ヒエラルキー(序列)の関係に陥りやすい、先生と生徒、親子、上司と部下、兄弟姉妹であっても「対等であることが人間関係の基本だよ」と子どもたちに伝えています。支配と暴力の関係の中では「安心」できず、「安全」でもなく「愛」は生まれません。
「ここいく」の仲間たちは、得意なことも苦手なことも違いますが、互いを尊重しあえる関係です。私はみんなと一緒に過ごす時間がとても楽しく、何より気持ちが「楽」です。それは安心して自分らしくいられる環境だからだと思います。
先日、なぜ「ここいく」のメンバーはずっと一緒に(13年)活動ができる関係を保てるのかなぁ~とつぶやいたら、代表の中村に「私たちは繰り返し子どもたちに人権を伝えてきた。その度に私たちは繰り返し学んでいる。伝えたことは、全部私たちに戻ってきていると思うよ。」と言われて、とても納得しました。
「いのちの授業」を届けるだけではなく、私たちもいっぱいもらっている。なんて素敵な関係なんだろう。大人も子どもも関係性をつくりにくい時代ですが、出逢いと学びで関係性は変えられます。

「ここいく」メンバー大募集中です。一緒に心地よい人間関係の輪を広げませんか。

担当:ここいくメンバー 古川明美でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)





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創刊:1987年
発行日:偶数月の第4月曜日
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