Nampulaに行ってきました!お仕事編
北部ナンプラ州MalemaとRibáuèという地域に行ってきました。モザンビークの中でも一番農業生産率が高いのに、一番低栄養の割合が高い地域です。主食のとうもろこしやおかずに欠かせないピーナツ、野菜、果物など、何でも揃っているのに…彼らが一体どういう生活をしているのか、視察の出張となりました。
イハリ!(Emakuwa語:こんにちは!)
ポルトガル語もままならない私が、こう言うたびに大喜びしてくれたナンプラ農民との活動中に思ったこと、第二弾。
私の担当プロジェクトは、バーチャル・ファーマーズ・マーケット( VFM )。インターネット版卸会場です。AGROPONTOというアプリケーション内で農家さんと買い手をマッチング。農産物を農家さんの言い値で確実に売り、生活の安定を計るプロジェクトです。ただ、売ることを優先するばかりに家族の食べ物が無くならないように、同アプリ内に栄養に関する情報もあるし、農作物の質の向上も応援すべく、天気予報や農業技術の配信もあります。
栄養部門が私の担当と言っても、食べることは生活の基本だから、「私たちのプロジェクト」として手を出すべきところからはみ出さないようにするのが本当に大変。だって、栄養と料理、食材と作物、売り上げと家計、収入高と健康、健康と水、水と病気、って生活は無限ループで全部繋がっていきますよね?例えば、農民が気になっていることがマラリア(蚊を媒体とする感染病)だったとしても、VFMとは関係ないからできることはマラリア予防ではないんです。それが、どうも歯痒い!伝えたいことは他にあっても、下手に口出しできない!そう、大きな機関って、できる規模が大きい反面、できる分野が限られているんです。当たり前なんだけれども、生活の質の向上をしようと思うと、そこをどう乗り越えるかが難しいところだなと改めて思い知らされました。
そして、何より、教育の差がある時の関わり方の難しさを感じずにはいられませんでした。学校に行かないこと、アルファベット文字が読めないこと(現地の言葉は文字がありません。No1参照)、計算ができないこと、、、生活する上で大きな問題ではないと思っていました。それが、1から2にいけない、10から9になるのも想像できない、その様子を垣間見て、きっとこれを教育の差と言うんだなと。「アフリカは支援慣れしていて支援を待っている」と言う人がいますが、きっとこれも支援を受けると言う行為が1だとすると、1でしかなく、1の後にそれを生かして2にすると言う発想もないんだと思います。その上、支援をする側の人は大学院まで行って、2ヶ国語以上話せて当たり前の人が揃っているわけですから、思考回路のギャップもあるのでしょう。プロジェクトの目的も、プロジェクトはきっかけでしかないことも、プロジェクト後の目標も、伝わっていない。あるコミュニティでは、「支援が足りてないから自分たちは貧乏だ」と言われ、別のコミュニティでは「農薬が買えないからうまく育てられない」と言われ、その度に、「支援って何だろう?」「農薬を使うって、どうゆうことだろう?」「人生をどうしたいと思ってる?」そんな話し合いをしてきました。きっと、こういう時間が大切。心に種を植える時間が。
「必要なのは時間。この20-30年でモザンビークの暮らしはすごく変わった。何かを変えようとしなくていいから、何も気にせず楽しんでおいで」。そう言ってくれたポルトガル語の先生の言葉が身に沁みるミッションとなりました。