~全国夏期セミナー中国大会in広島~に参加して。
7月30日・31日 一般社団法人“人間と性”教育研究協議会主催の『全国夏期セミナー』が開催されました。全国から集まった性教協の会員や学校の先生、養護教諭、助産師、団体など様々な立場の方が共に学ぶ場です。(ここいくは3年前に発表する側で参加しました)
今年のテーマは いま、広島で考える平和に生きる権利 ―個人の尊厳とジェンダー平等を実現する性教育を!―
研修初日は、記念講演:平尾直政さん「原爆が遺した子ら」、理論講座:水野哲夫さん「『生命(いのち)の安全教育』せっかくやるならいいものに」、シンポジウム「個人の尊厳とジェンダー平等を実現する性教育をどうやって実践してきたか」。3つの話から“人権・身体の権利”や“性教育の歴史的背景”が見えてきました。
2日目の分科会で、男の子の体で生まれ心が女の子“たいちゃん”のお父さんのお話を聞きました。幼稚園ではスカートで過ごしていたたいちゃんが小学校に上がる時、学校から「前例がない」「周りの子どもが混乱する」「男の子はズボン、女の子はスカートが決まりだから」(いつから決まりになった?)「診断書がない」(病気じゃないですけど…)など思わず突っ込み入れたくなるような理由で、男の子がスカートでの通学は難しいと言われてしまいます。校長室で「なんでスカートはいちゃいけんのん!! たいちゃんは女の子なんだからスカートで学校行きたいっ!!」たいちゃんの魂の叫びが。。。そこで病院で診断書「小児性同一性障害」と書いてもらい、名前も「たいじ」から「たいら」へ改名し、やっとスカート登校が認められました。
そんなこんなで小学校生活が始まったたいちゃんでしたが、小学4年生から不登校に。6年生になった今も学校にいけない日々が続いているそうです。小さい頃は堂々と主張していたたいちゃんも、周りの子から噂話が出始め仲の良い子にも伝わった事で怖くなってしまったそう。この学校では、保護者への説明はしていたものの、子ども達へは伝えていなかったようです。
思春期に近づけば、だんだん自分と友達との違いに気づいてくるようになります。不登校は選択肢の1つで決してダメなことではないと思いますが、もしこの学校で入学当初から子どもたちに伝えていたら・・・。たいちゃんはもっと楽しく、自分らしく過ごせていたかもしれませんね。
ここいくの授業では3・4年生のプログラムで、ジェンダーの紙芝居があります。子どもたちは大人が考えるより柔軟です。男らしく、女らしくではなく自分らしくが良いよね、と伝えています。「自分らしくていいと聞いて安心しました」という感想ももらいます。
2日間のセミナーは一つ一つの内容が深く、とてもここで全部は紹介しきれません。。。(^_^;)また次回に続くと思います(笑)。
このセミナーを通して、ここいくのプログラムもさらに深めていけるよう精進していきたいです。
担当:ここいくメンバー・今尾 幸子でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)