vol.210 瞑想のススメ

直感力が鈍る原因とは?答えは簡単で「欲」が強すぎるから!なんだって。
直感力を働かせたい場面はいろいろありますが、どれも「欲」か「余計な感情」によって「失いたくない」「損をしたくない」「少しでも得をする方を選びたい」とあれこれ考えすぎてしまい、せっかく「ピピ」っとひらめいた直感はかき消されてしまうのです。

 

瞑想で直感力が鍛えられる?
なぜ瞑想すると直感力が鍛えられるのでしょうか。それは瞑想が「欲」に気づき、欲を減らす練習に直結しているから。瞑想をしている時に最も大切なことは「頭の中の状態」です。
瞑想中にもさまざまな思考が浮かびますが、この「思考」は大抵「欲」と一致しています。この「思考(欲)」とあなた自身は、全く別物と理解することが大切です。
「思考(欲)」は「AI」のようなもので、さまざまな経験から学習をし、予測することでいつしか暴走します。
例えば本当のあなたの中では「○○に挑戦したい」とひらめいたとしても、「思考(欲)」が「いや、失敗したくないから」「お金を使いたくないから」と勝手に暴走するのです。その結果、あなたは直感に従うことができなくなります。
瞑想中は、「思考(欲)」が浮かんだら「一旦保留(今は考えない)」にします。これを繰り返すことで、やがて「思考(欲)」は静かになり、勝手な推測や判断をしなくなるのです。
つまり瞑想とは「思考(欲)」の存在に気づき、それを静かにさせる練習だと言いかえられます。瞑想を繰り返していると、頭の中が整理されて、どれが「思考(欲)」で、どれが「自分の内なる声(直感)」なのか、きっちり判断できるようになります。
心で感じることやひらめいたこと(直感)には、必ず「思考(欲)」がつきまといますが、瞑想を繰り返すことで「ああ、これは思考(欲)の声だから聞かずに、直感に従おう」と思えるようになるのです。

脳へのリラックス効果
絶えず何かを考えている現代人の脳には疲労が蓄積しています。ちょっとした空き時間にもスマホに手を伸ばし情報をインプットしている方は、特に脳が疲労している可能性が高いです。そんな風に“脳疲労”を抱えていると、集中力や判断力の低下、感情の浮き沈み、イライラしやすいといったデメリットが起こります。
瞑想は、頭の中でできるだけ何も考えない状態をつくり、働き続けている脳を休ませます。集中力や決断力、想像力といったビジネスシーンに必要な能力にも良い影響があります。また、リラックスすることでイライラすることが減り、いつでも心穏やかな人でいることができます。さらに、ストレスに強くなったり、集中力、記憶力、免疫力が向上することもわかっています。

身体へのリラックス効果
仕事や家事、育児が忙しい、人間関係に悩んでいるなどのストレス状態下では身体の筋肉は緊張しています。
すると血流が悪くなり、全身倦怠やコリ、むくみ、冷えを感じるようになります。
瞑想は、全身の力を自然に抜くことができるメソッドです。マッサージ無しで筋肉の緊張をほぐし、身体をリラックス状態へと導くことができます。
瞑想を1日のうち数分でも継続していくと、慢性的な疲労感が抜け、アクティブに動ける身体へと変わっていきます。

瞑想で雑念が浮かんできたときは…
瞑想は、雑念を手放すメソッドです。ですが、頭の中を必ずしも空っぽにする必要はありません。複雑な説明になりますが、頭に考えごとや想いが浮かんでも、それ自体を“気にしない”ことが大切なのです。雑念が浮かんだから失敗だ、瞑想は難しいと思うのではなく、考えが浮かんできたことを「あ、今自分はこういうことを考えていたんだな」「気持ちがそれてしまったな」などと受け止めてみてください。それだけで大丈夫。あ
とはまた、今の呼吸へと意識を戻していけば良いのです。

瞑想のやり方はいろいろ
静かに瞑想
・呼吸を深くして、吐く息、吸う息を意識する
・呼吸を数えていく
・言葉やマントラをただ唱える
・ひたいのあたりに光をイメージする
・音の向こう側にある静けさを感じてみる
・ろうそくの炎を見つめる
・感情や思考を観察する
動く瞑想(自分が今やっている動作を細部まで意識し観察する)
・ 仕事を誠心誠意、心を込めて行う
・ 食事を徹底的に味わう
・ ピカピカに掃除する
・ 大好きなことに没頭する
・ 目の前の人、目の前のことに、奉仕する
自分に向いているものがいくつかあると思います。私は山歩きの時、「一歩一歩に集中して、今に集中!」して登っています。自然の中で遊ぶように瞑想するのもいいですね。
たとえば、海に行って、波の音に集中したり、寄せては返す波を見ているだけでもいい。川に行って、流れる水を見つめたり、キャンプの時は焚き火の炎を見つめる、そこに吹く風の感触を感じたりとか。木々の間から差し込む光を見たり、夜のしじまに星を見つけたりとか。コーヒーを入れる時の時間がとても好きで、瞑想的になったり・・・1日のうち、わずかな時間でも瞑想にあてることで「本当の自分」との繋がりが太くなり、内と外に、美しい世界が現れてくるから不思議です。それが瞑想のすごく素敵なところ。自分の中に溜まっていた“りきみ”が自然に抜けていく感覚を覚えます。

瞑想の脳への影響は?
脳内神経物質・セロトニンが瞑想によって活性化し、心身に作用します。セロトニンは〝幸せホルモン”ともいわれ、ストレスを軽減して免疫力を高めるといわれています。 瞑想を行い、脳の前頭葉にある前頭前野が活性化されることで、このセロトニンの分泌が活発化し、脳内全体を巡ります。
セロトニンの主な働きは5つ。
第1: 精神を安定させる「クールな覚醒」
第2:「交感神経の適度な亢進」で自律神経を調整
第3:医療現場でも応用される「痛みの軽減」
第4:自分へのこだわりを手放す「皮膚感覚の抑制」
感覚をゆるめる作用があり、皮膚感覚が抑制されることで、自分と外界との境界線が曖昧になり、自分へのこだわりがなくなる。
第5:「抗重力筋の促通効果」で良い姿勢を維持
こうしたセロトニンの作用は、瞑想に加え、呼吸や定期的な動きを繰り返すリズム運動、太陽の光を浴びることでも活性化するそう。瞑想実践法で心の免疫力の維持が期待できるセロトニンを活性化させましょう!     (参考/ヨガジャーナル)