vol.210 直感力を信じよう

直感力とは

大切な選択をしなければならない時は、人生では何度となくあります。じっくりと考えるべきか、それとも自分の直感を信じるか。あなたはどちら?

そもそも直感とはどのようなものか?
「やっぱりそうだった」と直感通りに行動を起こして、満足した経験はありませんか。そもそも直感とは第六感とも呼ばれ、直接的に本質を捉える認知能力の可能性があります。脳が決断をするメカニズムで、その瞬間に感覚的に真相を感じるのかもしれません。よく考えて出した結論よりも、直感のほうが優れた結果を導く可能性もあるようです。

直感は偶然起こるものではない
直感というのはヤマカンとは違い、感じ取るものには要因があります。なんとなくこちらのほうがよいと直感が働く時、偶然にそんな気持ちが湧いてくるものではありません。直感は、自分の経験や知識を土台にして生み出されるもの。そのため判断が必要な場面では、無意識に自分にとって有利なものを選ぶように、過去の積み重ねが活かされているのです。

意識して無理な場合は直感を信じよう
考えすぎて失敗する経験は誰しもあるはずです。人間の直感は90%もの的中率があるという説も。無意識に直感で物ごとを判断していることも、実際によくあるのです。論理的に考える場合、頭の中では必要以上の情報や知識を使ってしまい、物ごとの本質が見えなくなった状況で判断してしまいます。

ポジティブになり直感を信じよう
困った時に自分を信じるためには、ポジティブ思考を心がけてください。たとえば直感がひらめき判断できそうな瞬間に、ネガティブ思考があると直感を否定してしまいます。失敗しても大丈夫、これなら安心だと、自分を励ます勇気を持つことも時には大切です。

直感を生かす生活のコツ
人の思考パターンや判断力は生活習慣の中で形成されています。たとえば気の進まない行為はやらない、また直感を感じやすいように健康を大切にするなど。イライラや興奮を覚えやすい人は直感を感じ取りにくく、選択を間違えることがよくあります。そうならないためにもリラックスした時間を大切にして、心を穏やかにしておくのも重要です。(参考/ワークポートプラス)

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脳科学者の中野信子さんは、脳の中にはものごとを判断するシステムが二つあるといいます。一つは迅速に判断を下すXシステム、もう一つは論理や理性に基づいてゆっくりと慎重に判断を下すものをCシステム。「直感」を決めているのは前者のXシステムだそうです。

自分の選択が正しいか否か
それを決めるのは自分です。直感で選んだ答えを正解にする力が必要です。直感は必ずしも正解を選ぶ力ではないんです。
選択したことをブレずに正解にする。直感で何を選ぶかよりもそれを実行することが重要だと説く。また、直感を裏打ちする力は、Cシステムの、ゆっくりと理性で詰めていく力だと。

直感と実行力の協働にはマインドフルネスが役立つ
マインドフルネスの本来の意味は非常に単純で、「自分が今やっていることを常に気づくようにしていくこと」。例えば、ミーティング中に話していること以外にも気が回って「あ、気温が低いな」とか「口が乾いたな」とか、そんなふうに自分を外側から見ることをほとんどしていません。だからこそ自分のことを観察する視点を育てましょう、と考えるのが、本来のマインドフルネスです。mind(心)ではなく、mindful、つまり「注意とか気をフルに働かせている状態」ということです。マインドフルネスとは「自分の中に何があるのか、何が起こっているのか気づきましょう」ということであって、決して無になるとか空っぽになるということではありません。もしも禅でいう「無になる」に通じることがあるとすれば、「ジャッジしない」こと。「自分はこう思っているんだ」と気づき、認め、ジャッジする自分をなくそうということです。
一方、メタ(※)な視点ばかり意識しすぎて自分をなくしてしまうと、何も判断できなくなりそうです。だから、直感による判断も必要なんです。それを、専門用語でヒューリスティクスといいます。


例えば、官僚の意思決定がなぜ微妙になってしまうのか?ヒューリスティクス=直感が欠けているからです。知識と前例だけを手がかりにしていると、判断は常に遅れますし、前例のないデータが出現すると対応できません。これは、現時点のレベルでのAIが行う意思決定と同じです。AIに「世界平和はどうやったら実現できるか」と尋ねると、「世界中に核爆弾を落として人類を滅亡させてしまえば平和になる」という答えが出てきてしまう。問題解決にならない答えだけれど、今のAIはそれをおかしいとは思わない。では、人間はなぜこの答えをおかしいと思うのか。その人間的な感覚こそがヒューリスティクスです。直感と論理なら、直感を優先したほうが後悔が少ない。

ひらめきは口に出し人を動かして実行しよう。
思いついたことをプロジェクトにして進めていくことこそ重要ですし、その段階では自分が動き、人を動かすことが必要です。ところがそれを実行していくトレーニングを私たちはあまり受けていません。ひらめきがあっても「みんなに言ったらおかしいかな」「笑われちゃうかな」という思いが先立ち、自分で潰してしまうこともしばしばです。
直感力が優れているといわれる人は、「こんなこと思いついたけど、すごいと思わない?」とすぐに口に出してしまうのだと思います。誰も思いついていなかったわけではなくて、周りの誰かしらは必ず「それ、私もそう思ったよ」と思っているはず。でも「これ、すごいと思わない?」と言った人の勝ち。「すごいでしょ」と言って回って、動き回って「こういうふうにしようよ」と働きかけていく。そうして実現し始めたら、それはもうその人の手柄なんです。だから、思っているだけではだめ。ひらめきは誰にでもある。それを形にする力があるかどうか。それが、最終的に「直感力がある」ということなのです。 (参考Vogue)

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Apple社創設者であるスティーブ・ジョブズ氏も名門スタンフォード大学の卒業式でのスピーチで「直感」の大切さを語っています。
「あなた方の時間は限られています。だから、本意でない人生を生きて時間を無駄にしないでください。ドグマにとらわれてはいけない。それは他人の考えに従って生きることと同じです。他人の考えに溺れるあまり、あなた方の内なる声がかき消されないように。そして何より大事なのは、自分の心と直感に従う勇気を持つことです。あなた方の心や直感は、自分が本当は何をしたいのかもう知っているはず。ほかのことは二の次で構わないのです。」

ドグマとは「宗教や宗派の教え」や「独断的(独りよがり)な考え」

 

 





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