vol.206 そもそもごみってなんだ?

私たちの周りには、たくさんのものがあって便利だけれど、その一方でたくさんのものがごみとして捨てられている。この”ごみ”は、廃棄物となる。廃棄物は “ごみ、粗大ごみ、燃えがら、ふん尿などの汚物や自分で利用しなくなったり他人に売却できないために不要になったもので、液状または固形状のものすべて” と法律で決まっている。
この廃棄物は、一般廃棄物と産業廃棄物に大きく分けられている。産業廃棄物は工場や建設現場など、事業活動によって発生するごみの事。例えば紙くずは、製本業者などから出るものだけを産業廃棄物と言い、一般のオフィスから出るものは産業廃棄物には含まれない。木くずなども、木材製造業、工作物除去などの特定の業種から出されるものだけが産業廃棄物になる。このことを業種指定という。
産業廃棄物以外のものはすべて一般廃棄物になる。私たちの家から出るごみや粗大ごみ(生活系ごみ)、一般のオフィスや商店から出るごみ(事業系ごみ) が一般廃棄物となる。

「おから」は資源なの?廃棄物なの?前代未聞の「おから裁判」での判決は…!?

おから事件判決 最高裁判所
1999年3月10日 第二小法廷決定

この事案は、豆腐製造工場から排出される副産物である「おから」が産業廃棄物であると判断しました。「おからは食品や飼料として活用できる『資源』であり、『不要物(廃棄物)』ではない。つまり、取り扱いに産業廃棄物処理の許可は必要ない」、これが業者の言い分でした。おからは、栄養が豊富で惣菜としてお店で販売されており、なぜ廃棄物に該当するのか分かりにくいです。しかし、・おからが腐敗しやすいという特性(A.物の性状)・多くの豆腐工場がおからを廃棄物として排出している実態(C.通常の取扱形態)・処理料金が支払われていた(D.取引価値の有無、E.占有者の意思)などから、裁判所は、本件においては産業廃棄物に該当すると判断したのです。そして、無許可でおからを受け入れていた業者は、産業廃棄物の無許可営業罪に該当するとされました。

裁判から23年。おからの再利用は進化した!

実はおからは、味もさることながら栄養面でも大変優れた食材なのです。カルシウムやカリウム、さらにはタンパク質も豊富。中でも食物繊維の数値は特に優秀で、便秘解消や腸内の健康維持に力を発揮してくれるのです。「おからクッキー」や「おからパウダー」といった商品は、スーパーでもよく見かけるようになりました。また、おからをバイオ燃料として再利用しようという研究も進められています。かつては廃棄物の烙印を押されたおからですが、およそ20年の時を経た現在、資源として改めて注目を集めているのです。

注目のアップサイクル食品OKARA

実は、アップサイクル食品として、米国で注目されている食材がある。それは、ズバリ、おから。そのまま英語表記で、OKARAとし、「豆乳のサステナブルな兄弟」という、いかにもキャッチーな表現で紹介している。そんなキャッチーでサステナブルなOKARAは、高タンパク質でグルテンフリーな「おからパウダー」へとアップサイクルされ、小麦粉の代用品として多くの支持を獲得している。同パウダーを使ったチョコチップクッキーなども販売され、評判も上々のようだ。

アップサイクルって何?

アップサイクルとは、古くなったものや不要なものを、それらの形状や特徴を生かしたうえで、まったく新しくて魅力的で価値のあるものに生まれ変わらせること。廃棄物を再生利用するリサイクルやリユースとは、似て非なるもので、元のモノよりも高い価値がつく点や、サステナブル(持続可能で環境によいというニュアンスで使用される言葉)な点が、注目されている。
アップサイクルへの取り組みは、ファッションや生活雑貨などの業界で、盛んに行われている。たとえば、自動車のシートベルトや自転車のチューブを、実用的かつデザイン性に富んだバッグにアップサイクルしているスイスの企業などは、世界的に有名。

食のアップサイクルとは

まだ食べられるのに捨てられてしまう食品をはじめ、これまでメインとなる食品の製造段階で捨てられていた食材、規格外のものや商品化されていなかった食材などを使って、さまざまな商品やサービスが開発されています。



生ごみを堆肥に、今は仕組み作りを模索中

産業廃棄物が大きな問題になった30数年前。その頃から「ごみ」に関心があった田辺さんはスキルの違う二人に声をかけ、「いのちの循環プロジェクト」(通称:いの循)を立ち上げた。自宅では生ゴミ(野菜くずなど)は処理をして一切外に出さなかった。自身が運営する事業所でも同じようにしたいと思い立った。家庭から出る生ごみを各家庭で堆肥化し、「生活圏内」に複数ある菜園で野菜を育てるのに使うというしくみ。いい循環ができるよう仕組み作りを進めている。


ふどうの森トレイルラン試走会deごみ拾い for 2022

1月22日(土) 参加人数:約60名

ふどうの森トレランの試走会は、清掃活動も合わせて行いました。毎回ごみ拾いを恒例の作業として各務原地内の公道部(トレランコースの一部)を全員がゴミ袋を片手にごみを拾いながら試走。ごみ拾いと合わせた試走会の方が充実しているようで、ワイワイ言いながら楽しそう。他県など遠くからの参加者もあり本当に感謝、感謝です。
ごみの種類は、ペットボトル、空缶、コンビニのレジ袋など。それにしてもなんとゴミの多いことか!
ごみを拾い終えた参加者はどなたも清々しい笑顔。スタッフが一番いやされる瞬間です。協働することで仲間意識も高まりますね。

関市、各務原市、坂祝町にまたがって行われる、トレイルラン大会。
2022年は5月15日になりました。

ふどうの森トレイルラン実行委員会事務局FAX:0575-24-0099
メール:shojihayashi34011@yahoo.co.jp


リサイクルアートで環境問題を問いかけたい

アンタール アレステギ パズ ルピオさん(36歳) メキシコ人 日本に来て10年。現在は鹿児島県在住。メキシコで生まれ育ち、その多彩な才能を幼い頃からアウトプットし、絵を描く事やアボカドの種を利用した彫刻アート、使用しなくなったプラスチックを利用したリサイクルアートなど、様々な種類のARTを製作し続けている熱心なリサイクルマン。ZOOMでお話を伺った。

アンタールさんはメキシコのさまざまな場所に住み、現在は日本に拠点を置いて、農家で働きながら妻と息子の3人で暮らしている。そこには不要になったビニール袋がいっぱい!道を歩けばいろんなごみが落ちている。それらを拾ってきて、色別に分けて家にストックしている。その中にはまだ使えそうなものもいっぱいある。集めている素材は、スチール、ワイヤー、ロープなど。とても興味ふかいと思うのはいろんなシチュエーションに使えそうな魚網。とりあえずなんでも拾って、キープしておく。ごみを見ると宝物と感じて、もうごみから目が話せないという。
「私は、捨てられたアイテムにセカンドライフを与え、私たちが絶えず捨てているものを再評価するのが好きです。私たちが環境に対して何をしているのか、そして私たちが自然をどのように扱っているのかに注意を払うことは非常に重要だと思います。」
捨てないことの方が大事だが、ごみとなってしまったモノをもう一度価値あるモノに変化させアート作品に仕上げる。みんなもポイッと捨てる前にもう一度命を吹き込むことはできるはず、と地元でワークショップも展開している。
「再利用やリサイクルには多くのやり方があり、私の手法はその中のひとつ」。アンタールさんは、ごみをリサイクルして、子どもや大人の想像力をかき立てようとしている。
「私たちの行為に責任を持つこと、その意識がリサイクルに繋がり、環境に影響を与える重要な行為に繋がります。」

ゴミ問題の根本は、企業がゴミとなるものを作り出さないこと。さらに消費者の意識変革も重要となる。アンタールさんは特に今プラスチックゴミに危惧を覚えるという。
インタビューの内容は引き続き、次号の「熱中人」で紹介します。

 

 

 

 





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