【Vol.167】エコビレッジfrom オーストラリア

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食を通して伝えたいこと
feasts in paradise
パラダイスワンでは、食事の提供はとても重要な要素の一つと位置づけています。野菜中心の食事を提供し、お肉がなくても満足の出来る食事を知ってもらう事、興味を持ってもらう事から始めています。私達の敷地では牛、豚、鶏を飼育していません。魚介類も捕れません。しかし野菜、穀物を育てられるだけの敷地はあります。今の段階では育てられる種類、量は限られていますが、この土地で栽培が可能なもので食事を提供することが、菜食主義という選択になっています。

持続可能な生活をする上で、自分たちが収穫できるものでメニューを組み立てた食事を提供する事が重要です。というのも、穀物に関して言えば人間が食べるだけではなく、先進国では穀物の 6割(約4億トン)が、牛、豚、鶏などの家畜のえさになっています。牛肉1キロ作るために穀物11キロ、豚肉1キロ作るために穀物7キロ、鶏肉1キロ作るために穀物4キロを消費しています。結果として、世界の 2割足らずの先進国にすむ私たちが世界の穀物の半分以上消費しているのです。
この現実を直視することで、私たちが食を通して伝えたいことがクローズアップされ、お肉を使わない菜食主義につながりました。まず、食事を楽しんでもらう事から始めようと思いました。そのためにはどうしたらいいかと考えた結果、菜食ディナー付きの音楽イベントを開催する事から始めました。
音楽を楽しみながら食事も楽しんでもらう。回を重ねることで、菜食という食事をした事がなかった人や、菜食ではあまり満足感が得られなかったり、いつも同じ味付けで飽きてしまうという人たちに、新しいスタイルの食事を紹介したり、食そのものの捉え方の幅を広げてもらえるようになりました。中には、料理の仕方を習いたい、レシピを教えて欲しいとのリクエストも貰えるようになり、手応えを感じています。
feasts in paradise2
パラダイスワンが目指すところは、これらの食材はどんな行程で食卓に上がってきたのか、どんな人たちが関わっているのか、など食卓の向こう側に意識を広げてもらう事、そして果たしてこの食材は安心・安全な食べ物なのかなど、自己判断をしてもらう事です。
私たちが提供する食事が持続可能であることは、とても重要なことです。そういった意識を共有してもらい、興味関心を持ってもらい、体験を通して知ってもらう事が、今私たちがここで出来る事です。食への関心は、自分にいいものを選ぶことから始めて、環境にいいもの、生活にいいのもを選択していけるようになるといいなと思っています。   be happy YAO