vol.199 なんで今SDGs なのか?

 地球益・・・一つの国の力では解決できない地球規模の問題を抱えていることはみなさんご存知かと思います。今はコロナ禍で世界中が右往左往しています。それに加え、地球温暖化、オゾン層の破壊などの環境問題をはじめとして、民族紛争、核の脅威、南北間の経済格差、性・人種差別など、様々な地球規模の問題に直面している現状で、各国が国益だけを追求することは許されなくなっています。 地球社会が持続的に発展していくためにも、地球益に配慮した活動がどうしても欠かせない、ということです。そこには五つのキーワードがあります。

1)つながり を意識する

 たとえば、ローカル(地域)とグローバル(地球)といった空間的なつながり、 過去・現在・未来といった時間的なつながり、 環境・人権・平和・開発などの諸問題のつながり、 さらには、認識・感情・精神・身体などの個人の内面におけるつながりなど、様々なレベルで、ものごとのつながりを意識する。

2)ちがい を尊重する

ちがいを恐れずちがいを受け入れる力を十分に身につける。

3)未来 を展望する

 過去の事実や蓄積された知識は重要ですが、今私たちは、急速に変化する世界に暮らしています。過去-現在-未来のつながりを意識し、その上で未来を見つめることも大切。

4)プロセス を重視する

 一人ひとりの小さな「気づき」を大切に、「結果」にではなく「プロセス」に学ぶこと。

5)社会参加 を目指す

 現状を変える力、今の自分に何ができるか?自分自身に問いかけることを大切にする。 何も行動しないことでさえ、地球の未来に大きな影響をあたえているということを、私たちは自覚する必要がある。これからはグローバル教育を必要とします。
このようにとらえると、SDGsは必然です。

 持続可能な開発目標、といわれるとなんか難しく考えてしまいますが、自分ごととして捉えると、掲げられている17項目は日常生活の中に深く関わっています。この機会に何がどう自分に関わっているのか、「にらめっこ編集室の日々」から検証してみました。

編集室の1日は、窓を開け放ち空気入れ替え。今日はコーヒー豆を焙煎する日。訳あってこの事務所に置かれることになった焙煎機からはいい匂いが漂います。実はコーヒー豆の背景をたどるとコーヒー豆の産地があるアフリカや中南米では、大手企業など買い手の方が立場が強く、低い賃金で働かざるを得ないコーヒー農家。国際人権団体は経済的な不平等をなくし、「正当な価格」で取引するよう呼びかけています。「正当な価格」(フェアトレード)で取引された商品を選ぶことは、貧困をなくすことにつながります。5「ジェンダー平等を実現しよう」 1「貧困をなくそう」

 毎月第2と第4土曜日に「風の芸術村」という美術教室を開催。発達に凸凹のある方々が集い、創作活動を楽しみます。この創作の中にも、ジェンダーや差別に関わりがあることに気づきました。例えばクレヨンや色鉛筆で「はだいろ」と呼ばれていた色は、「うすだいだい」や「ペールオレンジ」と呼び名が変わりました。肌の色は人によってさまざま。特定の色を「はだいろ」とすると、肌の色による差別意識を助長しかねないためです。さらに「女の子は赤」「男の子は青」といった考え方も、性別による決めつけや差別を生みかねません。「男の子だから泣かない!」「女の子らしく気配りできるように」といった表現を使うのも同じです。また、生まれた時の体と心の性が違う人もいる。誰もが平等に、自分らしく生きることができる社会を、めざしたいですね。
10「人や国の不平等をなくそう」 5「ジェンダー平等を実現しよう」

にらめっこ編集室の庭には畑があります。蘇原新栄町内ですが2丁目から3丁目に引っ越して来て一年。生ごみ堆肥で作った土を畑に入れ野菜などを作っています。柑橘系の木では蝶や蛾の幼虫が葉っぱを食べている光景をずいぶん目にしました。スイレン鉢にはメダカ。このメダカは昔は田んぼや小川でよく見かけましたが、約20年前に国から「絶滅の危険が増している種」に指定されました。水が汚されたり、天敵となる外国の生き物が増えたりして、激減したためだそうです。多くの生き物、特にミツバチなどが失われることは、将来、十分な食料をつくれなくなることにつながります。目標15「陸の豊かさも守ろう」

お昼ご飯の準備でスーパーへ買い物に行きます。買い物では、環境や貧困につながる場面が多いことに気づきました。例えば、値引きされた食べ物や、消費期限の古い方から買うことや、無駄のない買い物をすることは、まだ食べられる食べ物を捨ててしまう「食品ロス」を減らすことになります。多くの人が食品ロスを減らせば、ごみが減るだけでなく、食べ物がなくて困っている人を支えることにもつながるんですよね。特にごみ問題は、前号にも特集で取り上げましたが、喫緊の問題です。プラスチックごみは年々増え続け、今やマイクロプラスチックとして海中に漂い続け海洋生物を脅かし、除去できないマイクロプラスチックを含む塩となって、食生活にも影響が及ぼしています。
12「つくる責任つかう責任」2「飢餓をゼロに」 14「海の豊かさを守ろう」

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 編集には情報は欠かせません。貧困、飢餓、戦争、気候変動、ゴミ問題、人種や男女の格差・・・。世界が直面するさまざまな問題について、気にかけたり、調べたり、話し合ったりすることは、「私たちに何ができるか」「自分には何ができるか」を考えることにつながります。実は、これがGoalにたどり着くはじめの一歩だと思っています。
17「パートナーシップで目標を達成しよう」

「知ること」≠「信じること」

 ただ、一つの情報源だけでなく、出来るだけ多方面にあたり、冷静に情報と向き合うことが大事です。何かを「知ること」とそれを「信じること」は全く別の問題。見聞きした情報の信憑生などを客観的に見極め、選択し、判断する。混沌とした今こそ、メディアリテラシーを高めることが重要です。
 偽情報や裏付けがない情報には一歩距離を置くのも大事。情報の事実確認は難しいこともあるので、色々な人と情報交換するのが望ましいのではないでしょうか。

「その場面もあの場面も、実はSDGs」 朝日新聞デジタルを一部参考。





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