トンガ語でラグビーのことを’Akapulu(アカプル)と言います。トンガ人は’Akapuluが大好きです!
夕方になると裸足になってラグビーをする子供がたくさんいます。男の子も、女の子も関係ありません。それが、トンガ人がラグビーで強い理由の一つかと思います。
国民10万人中でラグビー選手約6万人!その内、登録選手(プロ・アマ)約2万4千人いるそうです。ちなみに、日本は人口1億2千万人中選手が約30万人、登録選手は約10万人いるそうです。(WORLD ROGBY 2018)
人口の割に選手率が高く、競争率が低い割に一人ひとりが強い!!トンガナショナルチームも強いけれど、その他にオーストラリア、ニュージーランド、フィジー 、そして日本でもトンガ人が代表選手に選ばれています。一言で、ラグビー王国としか言いようがありません。では、先進国のような最新のトレーニングを小さな頃から受けられるわけではない環境で、どのように強くなっていくのでしょう!?
私は、なんと言っても、その「ラグビー愛」であると思います。
そう、去年の11月2日に大西洋開催の大会で、久しぶりにオーストラリアチームに勝利したトンガは、11月15日を祝日にして、翌日の土曜日に1日かけてパレード、トークイベント行いました。各選手が出身の島を訪れ挨拶してくれました。もちろん、優勝してませんよ。ワールドカップで優勝したら、どうなっちゃうんでしょうね!?
みんなトンガカラーの赤い服を身に纏い、早い者勝ちで選手の近くに行って写真は撮るしサインはもらうし、プレゼントもしてました。このプレゼントがすごくて、島のおばちゃん、総出で頑張ったんだろうなぁと言う事が簡単に想像できるほどの大きな手編マット(トンガではお嫁入り道具にするくらいのもの!!しかも名前入りの特注!!)まで用意されてました。トンガのいいところは、選手との距離がとっても近い事で、選手から一般人へのサービスもとてもオープンなのですが、試合を盛り上げてくれた選手への労いも素晴らしいなと思いました。選手が乗る車がトラックに椅子をのせただけってことがまた、トンガらしかったです。
遺伝的に骨格がしっかりしているし、「大きい身体がかっこいい」という美意識から、食べ物も芋類を中心によく食べるので、ますます大きくなります。そして、自給率の高い彼らは、小さな子供の頃から、日々の暮らしの中で、畑仕事も、動物の世話も家族一緒に行っています。この習慣がどれだけ影響しているか、測りしれません。
想像してみてください!マーケットで売っているのは、20kg、30kgもする芋類ばかり。1kgに満たないトマトやきゅうりではないんです。この芋類を母親に「運んで」と言われれば、まだまだほっそりした子供でも運んでしまいます。30kgの米袋をどれだけの日本人が運べるでしょう。極め付けは、ココナッツ!ココナッツを収穫して投げる時の姿は、まさしくラグビーです。ラグビーボールの何倍の重さもあるようなココナッツをいとも軽々とホイホイ投げます。朝にはそのココナッツを大きな鉈型ナイフで割って、中身を削って豚にあげます。5歳くらいになれば、どこにでもついていくので、子供と言っても私の足よりもよっぽど分厚い足をしています。
もう、ラグビーをやるために生まれてきたのか、トンガ人の動きがラグビーと言うスポーツになったのか、分からないくらい!!
そんなトンガ人のラグビー観戦は、もちろんグループ観戦です。スポーツバーはもちろんないので、テレビのある家にわらわらと集まり、20ー30人で真剣に観戦!お酒を飲むわけでもなく、何かを食べるわけでもなく。大人数で観戦する楽しさもさることながら、テレビもバヘバヘ(シェア)でeco friendly !! それが無意識に、当たり前に、習慣的にできるトンガ人、かっこいいでしょ!?
加藤美希(かとうみき)農的暮らしに落ち着きたいと思いつつ、ついつい旅人人生を送っている管理栄養士です。旅するうちに、「伝統料理と健康の秘 密」が人生の研究課題に。今回のミッションはトンガで蔓延する肥満や生活習慣病の改善。伝統料理の推進と学校菜園を通して、将来トンガの人々が世界に有す る健康大国になることを願って日々奮闘中。