vol.196 アフターコロナorウィズコロナ?

わたしの「あたりまえ」って、なんだろう?
あなたの「あたりまえ」はなんですか?

 物的な破壊を伴わないコロナ禍は今までの社会のあり方、私たちの暮しを強制的に変化させました。新しい行動をすることによって「価値の新発見」があった人は少なくないと思います。新たな行動をして感じた「良さ」や「意味」を通して、元に戻るのが本当に求めていることなのか、ここはまさにターニングポイントとなるのではないでしょうか。
 コロナ騒動は必ず収束するでしょうが、コロナウィルスの終息はあるのだろうか…。「アフターコロナ」の時代の幕開けはこれまでと違う日常なんだろうか。今まで「あたりまえ」だったことが「あたりまえ」ではなくなるってことなのでしょうか?一人ひとりがこれから何に向き合い、どう生きるかもまた考えるべき時に来ていますね。

「あたりまえ」の英語はnaturally(副詞)<当然,もちろん,本来,元来,当たり前>他にもordinary<普通の、通常の、並の、平凡な>などがあります。
 「naturally」を和訳すると、<自然の、自然界の、自然のままの、加工しない、自然の過程による、自然的な、生まれつきの、生得の、普通で、平常で>という意味。
 例えば「自然」。今まであたりまえにあった目の前の自然が、さまざまな環境トラブルで損なわれています。私たちを取り巻く環境にはとても敏感になります。あたりまえに海水浴がゴミだらけ、川で泳げないほど汚くて異臭がする、山はがけ崩れで登山道が通れなくなり…登山好きにはショックです。晴ていたら富士山だって見えていたのが見えなくなり、太陽光に干した布団には、はるか遠くから運ばれてきたPM2.5が付着し…なんて書き出したらきりがないくらい。日常のあたりまえは脅かされています。そして、見えないコロナウィルスが私たちの日常の「あたりまえ」をさらにことごとく塗り替えていく。

あなたの「あたりまえ」はなんですか?

 わたしの「あたりまえ」は、朝の目覚めから、夜眠りにつくまでの全てがあたりまえで、本来なら「あたりまえ」と思っていることは果たして本当に「あたりまえ」なのだろうか、という問いから出発することが大事かと思っています。
 食べること一つとっても、食卓に並ぶ食材は誰かが作ってくれて、運んでくれて、店先に並んで、料理をして初めて自分の口に入る。食卓の背景に想いを馳せることで、たくさんの人たちが関わっていることを知る。わたしの「あたりまえ」を実現できていることは、もう「感謝」しかないです。「あたりまえ」(そうであるべきこと 当然)の対義語は「ありがとう」(めったに受け取ることの出来ない恩恵・好意・配慮に感謝したいという気持ち)なんですね。

 コロナ禍も、緊急事態宣言が解除され3ヶ月に及ぶ自粛生活にようやく日常が戻りつつあります。しかし、まだ感染者があちこちで「数字」として発表されています。「アフターコロナの時代」とはまだまだ言えない状態。では、「ウィズコロナ」?
 ウイルスは人が人へ運びます。離れて暮らす家族、親戚、友人たちと会いたい気持ちを抑えているのが日常となってしまっています。そんな状況にインターネットが大活躍。テレワークを始め、e-ラーニング、ZOOM会議、お家飲み会などもネット環境を利用して、「ビフォーコロナ」を維持しようとしています。このような現実がいつの間にか「あたりまえ」になっていくんだろうか…

 naturalに含まれる<自然のまま>という言葉に未来のキーワードがあるような気がします。未来を想定して、今何をすべきか。本紙が過去何度も取り上げてきた「環境に影響するさまざまな問題」。大気汚染や温暖化、マイクロプラスチック、農薬、化学肥料、化学調味料、化学物質、香料、水、などなどは明らかに「自然のまま」に遠く及びません。コロナ禍で暮しや社会が変わろうとしている今こそ未来を見据えて、今後はどう過ごすか、を真剣に考える時が来たと思います。中でも「持続可能」は最も重要なキーワードです。コロナ禍で経済活動が停滞したため、空気が、川が、海がきれいになったという報告がありました。<自然のまま>に限りなく近づいてほしい。希望を持ち続け私たちをそれを維持し未来を作っていきたいです。

 メディアアーティスト 落合陽一著『2030年世界地図帳①』には、キーワードとして「SDGs(sustainable development goals)持続可能な開発目標」が登場しています。SDGsとはいっても新聞やニュースでは見かけるものの、それがどういうことなのか、まだピンと来る人は少ないのではないかと思います。コロナ禍を機に、私たちや企業や国は持続可能な開発目標のために何を考えどう行動していけばよいのかじっくり考えてみたいです。
 世の中を「テクノロジーがもたらす変化」、「人口」、「世の中が向かう方向(SDGs)」のポイントから眺めると2030年にわたしたちはどんな暮らしを送っているか少しは見えてくるかもしれません。未来を完全に見通すことは不可能ですが、こうなるだろう未来の予想に対して悲観するのではなく、余裕を持って今から対応することが大切だと思います。

近未来 あなたの「あたりまえ」が続く世界か、「あたりまえ」がひっくり返るような世界になるか… 未来を予想してみよう。
近未来 あなたはどんなイメージを抱きますか?





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