vol.194 半農半X vol.35

ニュービギニングス 新しいはじまり

 綾部にUターンして今年で21年。京都市内から家族で引っ越ししたのは99年1月末のことでした。美しい雪化粧の27号線をいまも覚えています。綾部での生活が始まったある日、新聞で南アフリカの黒人が初めて生産したワインが販売されると知り、すぐ購入しました。アパルトヘイト(人種隔離)政策により、黒人はワインをつくることが許されなかったというのです。南アフリカ史上初の黒人生産ワインは「ニュービギニングス(新しいはじまり)」という美しい名前がつけられました。
 平成の御代から、令和の時代へ。不安もありますが、新しいはじまりもきっとあるはず。綾部ではいままであった店が閉まったり、イベントがなくなったり、始まるものより、終わるもののほうが多いのではないかと心配になりますが、それでも綾部の地から「ニュービギニングス~新しいはじまり」をたくさん生んでいくことにこだわっていきたいと思います。大変なこともいっぱいありますが、小さくてもいいので何かを新しいはじまりを創っていきましょう。

米粉麺が我が家に

 6次産業やマルシェ開催などを通じて、「農のあるくらし」を提案している大阪の山内美陽子さん(谷町空庭代表)を招き、講演会を開催しました。山内さんは「米粉」の普及活動もされていて、お米を送れば米粉麺にしてくれる工房がありますよと教えてくださいました。お米をなんとか活かせたらと思っていたので、早速、我が家のお米を米粉麺に。50キロの白米を送ったら、100グラム入りの米粉麺が約700パック完成し、我が家に届きました。1分半~2分であっという間に茹でることが可能です。
 帰天された作家・田辺聖子さんの言葉をふと思い出しました。以前、田辺さんがお母さんから教わったという「人はな、生まれ在所から三里以内にでけたもんを食べてたら、体によろしいねん」という言葉です。米の年間消費量も日本人1人あたり60キロ弱と、先の東京オリンピックのころと比べると半減中。米粉麺って、なかなかおもしろい存在かも。そんなことを感じている今日このごろです。

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塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景と する。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、 半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。





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