男の子らしく
女の子らしくではなく 自分らしく
うちの長男は、小さな頃からかわいい物が大好きで、いわゆる女の子っぽい男の子でした。男の子っぽく戦隊ヒーローごっこしていても、選ぶのはピンクやイエロー役(笑)。よくタオルを腰に巻いて、歌ったり踊ったりして、女の子と一緒にいることのほうが多かったです。ありがたかったのは、そんな彼を幼なじみや同級生や周りの大人たちが、誰もおかしいと思わずに当たり前のように受け入れてくれていたのです。でも…親としてはとても心配でした。このままで大丈夫だろうか…と。 3年生の頃、スカートを買って欲しいと頼まれた時は、彼は何気なく言っただけでしたが、どうしよう…どうしたらいいのだろう…と本当に悩みました。
そんな時に出会ったのが、元養護教諭の坪内つるよ先生の、大人対象の性教育でした。「いのちの授業」をスタート時から今日まで、私たちをあたたかく見守ってくださる先生です。 私は、生理の話も女の子だけ集めてこっそりやっていた時代に育ちましたので、性教育?だったのですが、聞いてみたら、子育ての話から、夫婦関係や人間関係についての話にまでにおよび、本当に「性=生」の生教育だったのです。
先生からは、スカートをはきたいだけの男性もいれば、お化粧もする女装をしたいだけの男性もいて、この世の中にはいろんな人がいることを教えてもらいました。男の子らしく女の子らしくではなく、その子をそのまま認めてあげればいいのよ~という優しい先生の言葉は、私の心にストンと入り、それからの私の子育てを楽にしてくれました。他の子と違ってもいい、その子がその子らしく幸せでいてくれたらいいね~と夫とも話すことができ、性教育と出会えたおかげで、夫婦関係もよくなっていきました。
性教育の大切さを知り、自分たちの子どもや周りの子どもたちに伝えたいと始めた「いのちの授業」。最初は高学年と低学年に分けていたのですが、低でもないし高でもない微妙な、そして大事な時期の中学年3・4年に向けた授業がしたいとプログラムを考えました。その中でも子どもたちの反応がよく、大うけなのが心の成長で伝えている、『男の子なんて 女の子なんて大嫌い だってさ』という紙芝居です。おばちゃんたちが、小学3年生の男の子と女の子になって登場(体はってます)!!かなり引かれますが、子どもたちは優しく受け入れてくれます(笑)
男の子女の子の、こんなところあんなところが嫌いと進んでいく紙芝居。「女の子はなんであんなにお喋りなんだ~すぐ先生に告げ口するし~」など、子どもたちにとっては、リアルに共感できる内容で、「そうそう!」と声があがります。最後は、こんないいところもある~と、お互いの良いところを認め合って紙芝居は終わるのですが、そのあとに少し考えてほしいことを子どもたちに伝えます。1•2年の時は仲良く遊べたのに、お互いのいろんなことが気になるのは、体だけではなく心も成長しているからだよ。紙芝居の中では、男の子はこう、女の子はこうとあったけど、男の子の中にはかわいい物が好きな子もいるよね。男の子らしく 女の子らしくではなく、自分らしくでいいんだよ。悪いところや嫌なところばかりを見るのではなく、いいところを見つけてね~、そして優しい言葉をかけていたら、自分のまわりも優しくていい関係がつくれると思うよ。
まだまだ幼い子もいれば、もう思春期に入っている子もいる3・4年生。いろんなことに心が動くことは、全然おかしなことじゃない、みんな違っていいんだよ~と伝えることで、子どもたちは少しほっとした顔をします。そんな子どもたちの反応が大好きなので、もう少し体はって頑張ります(笑)
そうそう、いろいろと悩ませくれたうちの長男は、この4月から保育士2年目となります。きっと、『自分らしく』子どもたちに接しているのだろうなぁと思っています!! 担当:ここいくメンバー・小田佐知子でした。