vol.185 リバース 15号

写真:長屋 泰郎

ナダレタゴガエルStream Brown Frog
ナガレタゴガエル(流田子蛙、学名:Rana sakuraii)はアカガエル属のカエルの一種。種小名のsakuraiiは、発見者である桜井淳史にちなみつけられた。

分布:本州中央部(関東、中部、北陸、近畿の各地方)
生態:低山地の森林地帯に住んでいます。繁殖は、2月から4月に山間渓流で行われます。雄は、秋に渓流に集まり、水中の石の下で越冬し、繁殖期になると流れに乗って産卵場所の淵に集まります。
鳴き声:(水中で)ククククク、ククククク・・・

石の下に産み付けられた卵塊と雌 撮影:佐久間 聡

解説:世界的に見ても珍しい日本固有種で、真の渓流性のアカガエルです。タゴガエルに似ていますが、水かきの発達がよく、繁殖期には、皮膚が著しく伸びてひだ状になります。(佐久間 聡)

 

危険要因:生息域が山地の渓流周辺と限られており、森林の皆伐による乾燥化およびそれに伴って沢が干上がることで、成体と幼生双方の生息場が失われる。また林道脇へのU字溝の埋設により、移動が妨げられたり、小型の個体が脱出できずに死亡してしまう例も知られている。