平和について語り合いたいと、各務原市の中学生でつくったPeace of peace。主要メンバーの小田奏さんは、2017年春から沖縄の大学生に。それを機に彼女の平和への思いをリポートします。
6月23日は「慰霊の日」
去年もこのコラムに書かせてもらったのですが、6月23日が沖縄にとって特別の日だということを覚えてみえますか?
私も恥ずかしいことながら、沖縄に来てからこの日が慰霊の日、沖縄戦が終わった日だということを知りました。でも、去年のこの日は怖くて外に出ることができませんでした。この日、学校はお休み、沖縄全体が悲しみの色に染まります。それは戦争から73年経った今年も同じです。そんな私も沖縄県立芸術大学に入学して、モーツァルトレクイエムコンサート(戦没者を慰霊するコンサート)にも出演させていただき、さらに思いが深くなりました。
沖縄戦は太平洋戦争末期1945年、沖縄諸島に上陸したアメリカ軍を主体とする連合国軍と日本軍との間で行われた戦いのことをいいます。太平洋戦争唯一の日本の国内で戦われた上陸戦です。その爪痕はまだ残っていて、戦争の恐ろしさを語ってます。大学のある首里もたくさんの犠牲者が出たところの1つです。首里教会には、銃撃戦でボロボロになった十字架がまだ残ってます。
日常生活
しかし、沖縄戦について考えなければならない、もっと知らなければならないとは思っているものの、悲惨なものすぎて、怖くて手を出せないというのが現状です。
最近、沖縄では基地の建設が強引に進められていたり、オスプレイ問題だったり、たくさんの問題で溢れかえってます。オスプレイが飛んでいるのをよく見るし、街では基地建設反対の運動がたくさん行われています。緊急着陸したり部品を落としたりと、トラブルが絶えないオスプレイやその他のヘリが飛んでいるのを間近で見ると、やっぱり「なんで飛んでるのかな?必要あるのかな?」と不思議に思うし、沖縄県に基地って必要なんだろうかと疑問に思います。
この前、アルバイト先の小学生の子に「かなちゃんにとっての平和ってなに?」って聞かれました。答えた後に私も「なら、りょうちゃんにとっての平和ってなに?」って聞き返したら、笑顔で 「みんなで遊んでる時!」って答えてくれました。小学一年生の子でもこんなことを聞いてくるって、もしかしたらなにか変だなと感じている部分ってあるのかなと考えてしまいました。私もまたおんなじようなことが起こるんじゃないかって感じているから…。変だなと思ったことを発信できる雰囲気であって欲しいし、「平和だよ!」って自信を持って言えるようになりたいなと思います。それよりも、今年の6月23日はしっかりと街に出て、平和の空気をしっかりと吸い込んで、平和であることに感謝したいと思っています。
写真上:「平和の礎」 写真右:平和祈願慰霊大行進・6月23日 午前9時~午前11時半まで、糸満市役所から平和祈念公園(糸満市摩文仁)まで約9㎞の道のりを歩きます。
(いずれも2016年撮影)