vol.184 ボーダーレス社会をめざして vol.43


NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

個展を再開
3月にぎふ清流文化プラザで岐阜県の障がいのある人たちの展覧会「花さく、ハレ」がありました。出品作家約30名の中に選ばれ、息子の絵が展示されました。それをきっかけに息子は個展をやろうという気持ちになったようです。7年前に「もう僕は個展はやりません」と宣言したのにもかかわらず、同級生が個展を開いたり、知っている人が個展を開くとやたら気になり、出かけて行っては刺激を受けてきていました。同級生が書道の個展を開いた時には、相当ライバル心を持ち
「僕も賞を取って個展を開きます。」
と言い、書道の道具を一式揃えて、家で書道を始めました。
「あっちゃん、書道の個展を開こうと思ったら、全国コンテストで入賞しないとだめだし、難しいよ。あっちゃんには、絵があるから絵で個展開けばいいんじゃない。」
と伝えました。自分の絵が一部の人の間では、評価されているということが全く分からないようです。あれだけ私が褒めてるのにもかかわらず分からないのです。気持ちの上で個展をやると決めてからは「いつ個展をやるんですか?」としつこく聞いてくるので、7月14日~23日岐阜駅の隣のハートフルスクエアGの2階でやることにしました。それ以後、息子は新作を創らなくてはと、俄然張り切っていろいろな絵が出来上がってきています。これは???という作品が多いのですが、今回は本人が喜ぶ作品展を考えていますので、私が気にいらない作品もどんどん出そうと思っています。
自閉症の人は、一度言ったことは覆さないと思っていたのですが、「個展をしたい」とは・・・ちょっとびっくりです。1月頃から彼の調子がいまいち良くなかったのですが、毎日毎日絵を描き続けているので、少しずつ安定してきています。何かすることがあるというのは、自閉症の人には必要なようです。自由という時間が、一番彼らは苦手です。何をしていいか分からないからです。スケジュール表を作るなど、見通しが立つと気持ちが安定するのだと言われます。しかし、自閉症といっても十人十色です。そんなスケジュール表が必要な人ばかりではありません。息子はどちらかというと、スケジュール表は必要がない人です。自分で一日を組み立てることが出来るようになってきているので、人からの指図は苦手です。それだけ自分というものが出来、大人になったということでしょうか?
今回はDMも自分で作りました。どんな展示にするか?悩ましい所ですが、一緒に考えていこうと思っています。土、日、祝日は会場におりますので、是非ご来場下さい。





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創刊:1987年
発行日:偶数月の第4月曜日
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