いい街には
ふるさと綾部にUターンして、18年。綾部において、最近、感じていることが1つあります。データがあるわけではなく直感なのですが、講演会や勉強会が減っているのではないかということです。そんなことを考えていたら、ふとこんなことばが浮かんできました。「いいまちには、いい勉強会(講演会)がある」という仮説です。さらにいい街になっていくために、外部から魅力的な講師もお呼びする。市民にも登壇してもらう。みんなでアイデアを出し合うワークショップがある! いま、2つの勉強会を主宰しています。1つは「綾部ローカルビジネスデザイン研究会」。あやべ特産館や絵本カフェ「サクラティエ」を舞台に、綾部の地域資源を活かして、何かできないか探るもので、毎月第4金曜の夜、おこなっているもの。もう1つは、「スモールビジネス女性起業塾」(年10回開催、現在3期目)。自分の仕事を創ったすこし先を行く人の話をうかがい、哲学、気づき、経験などに学び、自分と地域を輝かそうというものです。「いいまちには、いい勉強会(講演会)がある」。ぼくはこの街をそんな街にしていきたいと思うのです。
「カフェを開くなら」
2015年、京都府中丹広域振興局からの依頼で、福知山、舞鶴、綾部で起業を考える女性を対象としたスモールビジネス起業塾がスタートしました。(現在は市民が事業を継承)月1回の講座で全10回、毎回テーマを変え、「交流・ツーリズム」「農家民宿」「農業・食育」「アート・デザイン」「まちづくり」などをテーマに、先輩起業家の話をうかがったり、自分ならどんなチャレンジするか、アイデア出しのワークショップをしています。この12月のテーマは「カフェ」。「あなたがカフェを開くなら、どんな場所(里山ゾーン、商店街内など)でどんなスタイルにしますか?店の売り、キーワード(アート、風景、自然食料理)などと屋号を3つあげてもらう課題を塾生に出しました。カフェを開く予定がない人にとっても自分のやりたいこと(天職)が見えてくる問いになると感じました。みなさんならどんなカフェを開きたいですか?縁側カフェ、お寺カフェ、猫カフェ、編み物カフェ、ミシンカフェ・・・。すてきなカフェがこの日本にもいろいろ生まれています。
塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。
※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景とする。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。