カズ)デュオを組んで今年で7年目です。音楽の専門学校で出会いました。初めてセッションした時、トモが今まで出会ったことのないレベルのギターを弾くんですよ。衝撃的でしたねえ。今でもトモはギターに対してすごくストイック。それが良さだし、性格がギターにも出てると思うんですよね。喋らない感じなんですけど、思いやりや人の事を考える優しさもある。でもとにかくギターに対してはすごいです。
トモ)だって、それ譲ったら僕は何も残らない。(笑)
カズ)僕は直感人間なんです。「これだ!」と思った時に勘で動いちゃう。トモはいろいろ頭を使ってやるタイプ。逆にそれがうらやましかったりもするんですけど。まったく違うタイプでも、こうして結果うまくいってる。性格も全然違うのに、なのになんでこんなに合うんだろう、不思議だなぁって。
トモ)腹立つ時があるんですよ。僕が時間かけて段階踏んで考えて来たのに、ぱっと言ったカズの言葉の方が良かったりしたときなんか。音楽をやっていなかったら絶対友だちじゃないと思う(笑)。
<ライブ>
カズ)デュオを組んでからは路上ライブを昼も夜もやっていました。真夏の昼もやってるので、周りの人が見かねて差し入れしてくださったりね。つい最近まで続けていた路上ライブの経験、それがあるから今があると思ってます。
会場でライブをするようになって感じるのは、名古屋は内気なお客さんが多いということ。だけどちゃんと伝わっているんだろうなって思う。僕は必ずお客さんの目を一人一人見ながら歌うんですけど、ちゃんと伝わってる人には伝わってるって、そうはっきり感じます。ライブの後で「本当は良かったんです〜。話しかけられなかったんです〜」というメールが来たりして(笑)。名古屋はそういう人が多いです。九州はそういう人はいなくて、もうガンガン来ます。でも、それはそれぞれの良さですよね。
<ハチドリ>
カズ)曲は全てオリジナルで、僕が作詞作曲しています。
「ハチドリ」は「ぎふハチドリ基金(※)」のためのオリジナルソングです。ぎふハチドリ基金の登録団体で、学習支援を無償で行なっている「てらこや」へおじゃまして、子どもたちと触れ合ったり、担当の方からいろいろとお話しを伺ったりしてできた曲なんです。僕は曲を書く時には刺激やインスピレーション受けるために外に出たり旅行に行ったりします。今回も直に触れないとたぶん書けないな、と思ったのでお願いして伺いました。
少しだけの触れ合いでしたが、子どもたちはキラキラした目で、僕らに夢を語ってくれたりしました。今キツイ状況なのかもしれないけど、一生懸命今自分ができることをやって、これからに繋げていってるんだなあ、それは僕らが夢を追っているのとベクトルが同じだなって感じました。そういうのをイメージしながら、「大丈夫」「頑張れ」を使わずに、子どもたちに寄り添っていける曲にしたいと思ってできた曲なんです。
「大丈夫」「頑張れ」を使わないというのは、僕だったらどうかなぁって思ったから。僕もトモも、お互い不登校だった時期があったんですよ。そういう時に僕らは「頑張っているんだよ。そんな頑張れって言われてももう頑張れないよ」って思っていたし、「大丈夫」と言われても、「え、何が大丈夫なの?僕は今大丈夫じゃないんだよ」って。誰に助けを求めたらいいのか、という状況にいたんです。そういうこと思ったら、大丈夫とか頑張れって、言わない方がいいね。って。
ハチドリ基金に関わってみて、子どもたちを支援されている方や団体があるんだということ、子どもたちも貧困とかいろんな状況があるんだ、ということを突きつけられたというか。でも、それが現実なので、目を背けてはいけないなって。
そういう場に行ったのも初めてで、最初は何も言葉が出ませんでした。それぐらい衝撃的だったんです。
トモ)実際に行って子どもたちとしゃべったりすると、後に抱えているものがあるんだろうけど、これやりたい、あれやりたいとか、ちゃんと夢を持っている。頑張っているのに頑張れとはやっぱり言えない。僕らなりに背中を押せる曲とか、僕らができることをしていこうって二人で話しました。
カズ)そういう状況に僕らが出会えたのはすごく縁がある、すごくいいことだな、と単純に嬉しかったです。今までにない経験でした。
<曲つくり>
カズ)僕は言葉をすごく大事にしていて、もちろんメロディーも大事なんですけど、やっぱり言葉って人の心に直接届くもの。僕は意識していなかったんですが、カズの歌は人のために書いてるよね、って言ってくれた人がいるんです。僕の歌にいろんな人が共感してくれて、涙したり笑顔になったりしてくれてるのかと思うと、ああ、誰かのために書きたいなあっていうのはより思いますね。そして、それはずーっと変わらずにやっていくとは思うんです。
トモ)カズが曲を持って来て、僕がギターを弾くんですけど、僕の中では歌が物語の主人公で、その主人公の背景がギター。背景によって人の感じ方って変わるじゃないですか。主人公が言いたい事をいかに人に伝わるように弾くか、みたいな意識ですね。メロディーとか、その曲の雰囲気をもっと引き出せるギターを弾く。なんか1つの絵画をつくるイメージです。
カズ)最近、出だしの音を聞くだけでKazuTomoの曲だってわかる、って言われるようになりました。お客さんが僕らの音楽に触れてくれた瞬間に「あ、KazuTomoだ」って思ってくれる。嬉しいですねえ。
トモ)“自分たちの音”っていうのはこういうことなのかな、って思います。
カズ)僕たちは育った環境も、聞いて来た音楽も全く違うんですよ。僕はJポップとかフォーク。小さい頃から音楽は好きで、昔のビデオを見ても音楽があるとノリノリで踊ってます。本格的にやりだしたのは、中学生の時。バンドを始めて、初めて舞台に立って歌いました。高校の時はギターを買ってもらって、今に至るみたいな感じです。
トモ)僕は小さい頃から父親の影響で、中学生くらいまでクラシックしか聞いた事がなかったんです。楽器を持ったのは高校生に入ってから。でも高校一年の時に学校に行ってない時期があって、で、戻る時に「戻るくらいならちゃんとやりたい事をやろう」と思って、ギターと、吹奏楽部に入ってサックスをやったりして。なので、音楽をちゃんとやりはじめたのって高校2年生のはじめくらいかな。
カズ)違う感性が重なった時に、カズトモのハーモニー、色になる、というのは、なんか自分たちも不思議でしかないですね。
トモ)最初はお互い感覚的にぶつけあうだけで、俺だ俺だって二人でやっていて、なかなかうまくいかなくて。今はおいしいとことれるようになって来たかな。
<拠点を福岡に>
カズ)来年2月から名古屋から福岡に拠点を移すことになりました。ありがたいことに、声をかけてくださった方がいて、その方と一緒に事務所を持って活動することになったんです。それに伴い、僕たちの活動の内容はがらっと変わると思うんです。以前から二人で「変わらなきゃね」「常に新しいものを追求して、それに追いついていかないと」ってよく話していたので、そういう時期に来たんだ、という感じです。
トモ)だんだんと実家が遠くなっていく・・・(笑)
カズ)福岡に行っても名古屋にはファンの人がいてくださるし、ハチドリやいろんな繋がりがあるので、帰って来ることは多いと思います。もちろんメジャーを目指しています。それを目指して僕は九州から反対を押し切って出て来たので。そうでないと親に怒られます(笑)。
岩佐一成-Iwasa Kazunari
Vocal&Guitar
ヴォーカルをつとめる“Kazu”
透き通った歌声や、切なく力強い声の持ち主。
幼少期から音楽にふれあうことが多く、高校3年生からギターを始め、1ヶ月で曲を完成させる。
出身地:長崎県松浦市
伊藤智美- Ito Tomomi
Guitar&Chorus
ギターコーラスをつとめる“Tomo”
ギターと猫をこよなく愛している。お洒落なコードを自由自在に操り、Kazuの歌声をより一層よくする。
フラットピックを使わず、ギターをパーカッシブに弾く独特の奏法にもご注目!
出身地:岐阜県下呂市
<ライブ予定>9/9 :栄ベース 23 :下呂市交流会館・10/14 :しがくかん 10/21 :ぎふハチドリ基金5周年・2018/1/20 :名古屋市千種 5/R
・問合せはKazuTomo公式H.Pから
http://kazutomo0409.wixsite.com/kazutomo-official-hp
※「ぎふハチドリ基金」
特定非営利活動法人ぎふNPOセンターが2012年創設した、地域の力で岐阜の未来(子ども・若者・子育て家庭)を支える仕組み。「ぎふハチドリ基金」がNPOなど市民団体の活動を支えることにより、地域の支え合いが広がり、公的支援制度の隙間に陥っている人たちにも、支援の手をすぐに差し伸べることができます。
http://www.gifunpo-fund.org/