vol.176 カタコトの部屋 どうする?どうする?予防接種

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Q1.ワクチンってどんなもの?
「生」とか「不活化」とか…、いったいなあに?

病気を起こすウイルスや細菌、また菌がつくりだす毒素の、病原性を弱めてつくった薬剤が予防接種液、ワクチンです。ワクチンは薬事法上、「生物由来製品」になっていて、「劇薬」です。その種類は、生ワクチン、不活化ワクチン、トキソイドにわかれます。
生ワクチンとは、生きたウイルスで、病気を起こさない程度に弱いウイルスを培養して使います。(ポリオ、麻しん、MR、BCG、おたふくかぜ、水ぼうそう)
不活化ワクチンは別名「死菌ワクチン」とも呼ばれ、病気を起こすウイルスや細菌を、薬物や熱を加えて、活動しないようにして使っています。(百日ぜき、日本脳炎、インフルエンザ、ヒブ)
トキソイドワクチンとは、細菌の出す毒素を、薬物や熱を加えて活動しないようにして使うワクチンのこと。(ジフテリア、破傷風)

Q2.どうして病気を予防できるの?
注射などでワクチンを体内に送りこみ、ごく軽く病気にかかった状態にし、人工的に免疫をつくろうというのが予防接種です。
免疫とは、私たちにそなわっているからだを守るしくみのこと。一度、外から体内に入ってきたウイルスや細菌などの異物を記憶して、その異物がふたたび入ってきたときに排除する。それが、免疫のはたらきです。免疫がつけば、ふたたび病気にならない、あるいはかかっても軽くすむ、という考え方です。

Q3.免疫って、どれくらいもつの?
自然に病気にかかることで得られる免疫とちがって、弱毒化したワクチンの場合、接種した人すべてに免疫がつくわけではありません。得られる免疫の効果や持続時間もいろいろ!ポリオのように九割以上の人に免疫がつくといわれているものもあれば、水ぼうそうのように七割くらいのものもあります。免疫が得られても、ワクチンによっては、その効果が一年や数年のこともあるといいます。

Q4.どうして副作用が起きるの?
ワクチンも他の薬剤同様、効果と同時に副作用(害作用)があります。ウイルスや生物の組織は、知らないうちに活性化したりするなど、いつなにが起きるかわからないところがあるのです。
またワクチンには製造過程で使用される化学薬品もふくまれています。たとえば、ウイルスが活動しないように使われているホルマリンや、防腐剤として水銀化合物のチメロサールが入っているものなどもあります。
これら成分の物質によって、注射部位の腫れや発疹、発熱、けいれん、アレルギー反応などが副作用としてあらわれます。呼吸困難やアナフィラキシーショックという重篤な全身症状を起こす場合も。さらに、免疫機能に支障をきたすギランバレー症候群や、ワクチン接種の際につくられる抗体が、自分自身の神経を攻撃してしまうことから発症すると考えられる、緊急散在性脳脊髄炎なども引き起こします。接種後、生ワクチンの場合は数ヶ月、不活化ワクチンの場合は一ヶ月間、なにか変わったことがあったら副作用の可能性も考えてみてください。

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予防接種 わが家の場合
病気にかかって強くなりたい(3児の母)
わが家の場合、長男は BCG、ポリオ、破傷風の予防接種を受けましたが、下の2人は、なんの予防接種も受けていません。

ポリオを機に悩みはじめる
ポリオ接種当日になって、数日前に遊んだお友だちの親から「子どもが溶連菌感染症にかかったので、うつっているかもしれない」という連絡が。はじめて聞く病名にとまどい、接種医に話したところ、「のどが赤いけれど大丈夫でしょう」。問診票にサインをし、接種しました。
翌日、長男は生まれてはじめて下痢をしました。しばらく様子を見ていたときです。「九州で、ポリオ予防接種の副作用が2名?」という新聞記事を見つけました。
接種は一時中断されましたが、再開してもワクチンのロットナンバーは副作用の疑いのあるものと変わらないようだったので、区の保健センターに問い合わせました。すると、「あまり心配なら、別のロットナンバーになる来年の春に接種すれば?」との答え。納得がいきませんでした。
その後は助産院の子育てサークルで話しあったり、ワクチントークの勉強会に参加しました。

接種回数も副作用も多い3種混合
3種混合(百日ぜき、ジフテリア、破傷風)については、長男だけ破傷風単独接種を選択しました。
3種混合はなにより接種回数が多いし、厚生労働省が配布する冊子『予防接種と子どもの健康』でも、副反応が初回接種1回めのあと100人中20人近い人に、3回めのあとでは100人中40~50人くらいの人に見られるとあり、それは「多すぎないかな〜」と思ったのです。実際、小児科で、接種後に腕が腫れて痛がっている子を目にしたら、受けたくないと直感的に思いました。
百日ぜきについては、複雑な経験があります。身近にある病気だとは思えず、また、かかったとしても初期であれば抗生物質が効くとのこと。心臓や肺が弱い子でもなかったので、予防接種は必要ないと思っていました。
しかし、当時1歳の次男が発症し、その2週間後、3歳の長男へ。実際にかかってみるとふつうのかぜと変わりません。聴診器をあてても判断できず、4人めの医師の診察でやっと百日ぜきだと判明。まっ赤な顔でせきをして呼吸困難になったり…、症状が激しくなる夜の看病がとくにたいへんだったことを覚えています。
「病気を甘くみている」と医師から注意を受けましたし、これから子育てしていけるのだろうかと、そのときは不安でたまりませんでした。でも、同じ価値観の友人たちにめぐり会い模索するなかで「自分の思うように育てていいんだよ」「こどもは治っているじゃない」という言葉をもらい、これもひとつの経験だと思うようになりました。自然にかかって強い免疫をつけ、丈夫に育ていくということが、なにより大切だと考えたのです。
現在進行形で悩んでいるのは、はしか(麻しん)について。子どものうちにかかったほうが軽くすむかもしれない。ほんものの病気にかかり、終生免疫を獲得したほうがいいと思いつつ、小学校にあがった今もかかっていません。一度は予防接種を受け、軽く病気にかからせておいたほうがいいのか…、考えてしまいます。

ジャパンマシニスト社「ちいさい・おおきい・よわい・つよい」vol.70より

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よ〜く考えてから・・・
子どもの体に入る予防接種です。スーパーで食品成分表を確認するように、よく考えて選ぶ必要があるのではないでしょうか。【予防接種 添付文書】で検索すると、厚生労働省や製薬会社などが公開している添付文書が出てきます。ほとんどの予防接種についての添付文書が、インターネットで誰でも簡単に見ることができます。ちょっと小難しいかもしれませんが、「知ること」は「選ぶこと」そして「守ること」につながりますから、ぜひ検索を!! (にらめっこ編集部)





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