vol.174 熱中世代・発 リバース 第4号

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ベニシジミ (Lycaena phlaeas)

チョウ目(鱗翅目) シジミチョウ科 ベニシジミ亜科に分類される。
前翅長は1.5㎝ほどの小型の蝶です。
タンポポやヒメジョオン、ソバなどの花で吸蜜するところをよく見かけます。日本では沖縄県を除く日本全土に生息しています。濃尾平野では3月下旬から11月までこの蝶を見ることができます。
国外ではユーラシア大陸、北アメリカに生息しています。
幼虫で越冬し、食草はスイバ、ギシギシ、ノダイオウなどのタデ科植物で、卵も食草に産みつけます。幼虫は脚の無いワラジムシのような形をしており、黄緑色ですが紫の縦縞がある場合もあります。これは食草であるスイバなどの葉と葉脈の色彩に似せた保護色だと思われます。シジミチョウ科の幼虫の多くは甘い分泌物で蟻を誘い蟻に守ってもらう性質がありますが、ベニシジミの幼虫にはその器官が無く蟻は集まらないようです。
春や秋(低温期)に羽化した蝶は、明るい赤色の部分が大きくとても綺麗です。それに比べ夏の蝶は黒い部分が大きく稀に赤色の部分が消えてしまい黒い蝶になることさえあります。
蝶といえば、モンシロチョウやモンキチョウ、アゲハチョウを思い浮かべる方が多いと思います。しかし、沖縄県を除けば、一年を通じて日本で最も普通にいつでも見ることのできる蝶はベニシジミなのです。
チロチロと、ソバの花やヒメジョオンの花を求めて飛ぶ紅色の小さな蝶を探してみてください、畑の周りや河川の堤防で見つけることができるでしょう。きっと楽しい一日になることでしょう。

写真・三輪芳明(みわよしあき)プロフィール 1952年 関市生まれ。仲間と岐阜県では絶滅したと考えられていたコイ科の魚類ウシモツゴを発見、人工的な大量繁殖させ野生復帰に成功する。岐阜・美濃生態系研究会 二ホンミツバチ協会 日本チョウ類保全協会。

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刀といえば、日本の歴史上は、いわゆる武器として連想してしまいますが、明治9年の廃刀令で刀は作れなくなりました。昭和26年サンフランシスコ講和条約締結を機に作刀が再開されました。それを記念して講和記念刀をそれぞれの刀工が作りました。そして文化庁から認可された刀工のみが「美術的に価値のある刀」を創ることを許されました。そこからが今の現代刀の始まりです。
僕は二代目です。この世界に入ったのは33才。それまでは会社勤めでした。仕事も中間職になり、淡々とした日々になんか物足りなさを感じ、会社を退職したんです。こちらで就職活動をしてたんですが、父が「ひまなら炭でも切ってろ」(炉に入れる炭を適切な大きさに切る)というから手伝って。それが刀鍛冶になるきっかけでした。職人の仕事はたいへんなんですが、なんか素直に入れましたね。
5年間修行を積んで、38才の時に文化庁主催の作刀試験を受けました。

すべてが感覚の仕事

刀を見る目は鋭い尾川さん

刀を見る目は鋭い尾川さん

まず温度管理。火の温度、鉄を温める温度、行程の最後になる水の温度。感覚の仕事ですからその日の天気、炭の切り具合、自分の体調なども影響してきます。最初は玉鋼と言う固まりを、おせんべいの様に5ミリくらいの厚さにつぶします。それを台にして5、6段積み、表面が真っ赤になってのり状に溶けるまで鉄を熱します。その温度は1300度以上。それに達したところで叩いて・・・それが鍛錬です。
焼き入れ温度も感覚です。焼き入れはだいたい800度から900度前後ですが、長い刀でも先から手元まで全部同じでないといけない。そういう状態にして水槽の中に入れ急冷し刀身を硬化させます。すべての条件が揃ったときにいちばんいい刀ができる。長い刀になると20日から1ヶ月くらいかかります。短い刀でだいたい半月くらい。休みなしです。あとは、研ぎ師などの職方さんに出すだけです。
作刀は許可制ですので、長い刀は月に2本。短い刀は月に3本と決まっています。そして、刀を美術品として文化庁が法律を作って製作を承認しています。

刀の鑑賞の仕方

平成16年 新作刀展覧会 入賞作品集より 刀銘 美濃國住兼國作 岐阜県 尾川光敏

平成16年 新作刀展覧会 入賞作品集より
刀銘 美濃國住兼國作 岐阜県 尾川光敏

まず、刀は大きく分けると、太刀、刀、脇差し、短刀。そのほかに槍とか長刀とかがありますが、みなさんがイメージされるのはその4種類でしょう。そして白いところが刃、黒いところを地といいます。刃には一振一振違う刃文が見られます。刀鍛冶の個性が出る刃文は似ているようで全部違います。比較すれば誰でも十分にわかります。刃文は大きく分けて、直刃と乱刃、その2種類。黒いところの地には鍛錬してできた木目、杢目などの地肌が見えます。ここも鍛冶屋の個性が出ます。
刀の見方は、この刃文を楽しんだり、この地金を見るのもあります。
たのしむときにはまず最初に「姿」。日本刀が美術品といわれているのはまず、姿が美しいから。「和反り」といって、すぅっときれいな姿を観ていただいて、その次に刃文とか、地金をたのしんでいただく。
飾ってあるのを見ているとほとんどガラス越しで、みなさん同じに見えてしまうんですね。その場合は、斜めに見ることです。自分の目線をその刀にあわせるようにして上下します。斜めから見ると刃文はよく見えます。作品によっては、雲のような、本当にこまかい刃文もありますし、大きく波がうねっているのもあれば、水滴を垂らしにじんでいるようなものなど、いろいろです。そのなかで、刃が白く冴えているとか、白くぼぉーっとしているとか、いろんな刀があります。視点を変えることで、ご自分なりの楽しみ方を見つけていただければと思います。

刀は日常から遠ざかった美術品のようですが、じつは、刀言葉といい、刀が由来の言葉がいっぱいありました。たとえば、付け焼き刃 、反りが合わない 、元のさやに収まる 、抜き差しならぬ 、助太刀(すけだち)、切羽(せっぱ)詰まる、土壇場(どたんば)、相槌(あいづち)を打つ、一刀両断、きんつば・・・などなど。なにげなく使っている言葉ですが、それらの言葉の意味を知ると、「刀」の姿形、製作工程などを表して、さらに歴史にもつながり・・・一段と興味を覚えました。      (三上)

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エジプト人の私から見た日本
OLYMPUS DIGITAL CAMERAイスラム教、心が落ち着くコーラン。
この素晴らしさをみんなに知って欲しい・・・

アイシャ・ワリードさん(中学2年生 岐阜市在住)

「エジプトと日本とどちらがいい?」とよく聞かれます。私は「どっちも好き」と答えます。違いはいろいろあります。たとえば、エジプトではヒジャーブ(イスラム式スカーフ)をしているのが当たり前で、していない人の方が目立ちます。その覆い方は様々で、種類もいろいろあります。ヒジャーブは女性を守ろうとしている現れです。また、エジプトの学校は1日4時間です。夏休みは4ヶ月、宿題はありません。ピアスもオーケーです。中学まで男女が別々です。学校の生活は朝8時には着席、8時20分からコーランを読みます。午後2時まで授業があり、その後、下校。宗教の関係で豚肉は食べません。

日本に来て8年になります。今までいろいろな出来事がありました。ある日のこと、給食のメニューがハンバーガーでした。でも、自分の前には配られなくて、お母さんが持って来てくれたお弁当を食べてといわれました。家に帰って「ママ、なんで私はお弁当なの?」と聞きました。「それはね、みんなと違うからだよ。」といわれた時、頭が真っ白になりました。自分と違う人はあまり好きにならない日本人・・・髪を見せても肌を見せても平気な日本人・・・。そんなふうに思ってしまい、私のなかに日本との距離ができてしまいました。でも、今は、日本の人は「人を思いやる素直な心、きれい好き、ルールが守れる(犯罪が少ない)」というとても素晴らしい面があると思います。それぞれ違いがあっても、いいと思います。

中学生になった今は、笑顔を意識しています。友だちもたくさんでき、学校生活も楽しめるようになりました。それと同時にいろいろ宗教を調べてみました。イスラム教。この素晴らしさをみんなに知って欲しいと思います。誰もが落ち着くというコーランを読んで、この宗教はほんとうに素晴らしいと思いました。コーランは全部アラビア語。暗記することはとてもいい勉強になります。

週1回、岐阜市北部にあるモスクでエジプトの人やいろいろな人に会えるけど、今毎日会っている人もいつか会えなくなると思うので大事にしたいと思います。





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発行日:偶数月の第4月曜日
発行部数:22,000部

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