NY貧乏Nuseものがたり part -7
まいまいの看護師見習い奮戦記 ~From Newyork~
坂村真民の詩集を読んでいておもわず涙した一言
「わたしにとって詩とは生きることであった。生きがたい世を生き抜くための杖であり支えであった。」
なんでかわかんないけどこれを読んだときに、心がざわざわ?って波だって涙がじーんってあふれてきた。自分にとっては 看護 がそれなんだって今は思う。だからこそもうひとふんばりしなきゃね。
最近毎週土曜日に病院でホスピス患者さんを訪ねてる。うちがボランティアしている訪問看護のホスピス部門で、自宅で様態が悪くなった患者さんや、やすらかな状態でいられなくなった人が一時的に病院で緩和ケアをうけてる時にたずねるんやけどね。
一人の患者さんが本当に安らかで、人生で失ったものに対しての執着がまったくないの。恋しく思うことはあっても What can you do? Take it easy なのね。この人はすべてを受け入れているからこそ、こんなに安らかな笑顔ができるんやろうか。きっとこの患者さんは最期も安らかに迎えるやろうって思った。
ホスピスの患者さんは末期で意識がもどらない人も多い。そんなときは手を握ってさすったりするだけやけど、なんかね、もうちょっとだけ何かできたらなって思う。そばにいて気持ちや体温をおくることができたらな、それとも本を読もうか歌をうたおうか、詩を読もうか、何ができるやろう。
患者さんにとってのうちはアカの他人、彼らの人生の0.1%にもみたない時間を過ごすわけやけど、うちはいつもその出会いに感謝する。あなたの人生の一部にいられたことにありがとう。ここにいさせてくれてありがとう。ってただそれだけやけど、もちろん私なんかいらない人もいる。でもできるだけ、行けるときにいきたいと思う。
10月30日はハロウィン
今日と明日のバイトは仮装して接客するんやお。それでうちは制作費$1ドルの岐阜の田舎にいそうなおばあちゃんの仮装した。もんぺと長靴と腕にはめる布とてぬぐいのほっかむり。これで十分田んぼにでれる。
ひさしぶりに普段のボランティアとかね、ホスピスのことからぽーんと離れて仮装のことばっかり考えてたら、すっごいいい息抜きになった。ワクワクするしね!通りにでたらどこもかしこもお店がちびっ子たちでいっぱいでにぎやかやったよ~。
最初は本当に正真正銘の田舎のおばあちゃんでね。お客さんに、何回も厨房の皿洗いの人かと思われた。あまりにも似合いすぎてるってバイトのみんなにいわれて土鍋もったり、テーブル拭くたび笑われたし。でもこれはたぶん日本人ならではの感覚やね。
それでね!頃合いを見計らって、おばあちゃん衣装を脱いだんだよ。実は脱いだらすごいんです・・みたいなね。休憩のときに下に着てた、いざというときのための、なんだかようわからん格好になったわけやけど、かわいい魔女っこみたいなね。みんなにみせてあげたかったな~。たぶん後にも先にもこんな格好絶対しない!
人生始めてくらいのミニミニでね。しかもヒールはいてね下に短いスパッツはいとったけど、まじめに恥ずかしかったさ~!でも一年に一回いやしね もう30近いしね。しかもハロウィーンやしね。恥ずかしがったら損やおっていわれて・・・。
腹くくって筋肉質の足みせて接客した(笑)ヒールで闊歩したことなんて一度もないからすぐ足痛くなって、最期は下にもんぺと長靴はきなおした。やっぱり足にも地球にもやさしいものが一番って心から思ったわけやけど。でも楽しむときに全力で楽しめる大人になりたいなって思った。何でも楽しめるっていうのは大切やね。本当にいつまでも遊び心は忘れたくないなって思った。
プロフィール
まいまい
ニューヨークの片隅在住。2010年6月に看護師国家試験取得。不況のあおりで就職難民・・・そんな日々の中で遂に2011年10月に就職!感じたこと、気づいたことをお届けさせていただきます。