VOL.147 医食住 暮らし上手!

食「虫食い野菜は安全?」
医「呼吸について」
住「アートがエコライフになった」

01わたしたちは、人生の土台をしっかりと支えている衣食住という生活にもっとまなざしを向けるべきだ。もっと考え、もっと反省し、改良を重ね、知性と芸術的感性を生活の基本に差し向けようではないか。衣食住こそがわたしたちを生かし、現実にこの人生を歩ませているのだから。 (by ニーチェ)
にらめっこ編集室では「衣」を「医」に置き換え編集しました。

01やっぱり、「食」は芸術です。もちろん文化です。人を良くする、と書いて「食」。今号から改めて、食を360°あらゆる方向から考えてみます。

これまでの常識が、ひっくりかえる考え方!<6項目>

虫食い野菜は安全でおいしい??

01「虫食いということは、それだけその野菜がおいしいと言うこと」多くの人がそう認識されていると思います。本当に生命力にあふれた元気野菜には、虫がまったく来ないわけではありませんが、あまり寄りつきません。同じ野菜の中では、どちらかというと不健康で元気のない野菜に、虫は好んで寄りつくのです。

私の畑で虫がたかっていたゾーンは、未熟な堆肥を入れすぎたため、土がいわば腐った状態で、ブロッコリーも弱っていたのです。別のゾーンでは、完全に浄化の終わった堆肥を使ったため、元気いっぱいで虫も寄りつかない、おいしいブロッコリーができたのです。根本原因は「土」だったのです。「土」で野菜の「根」が決まり、「健康」が決まる。元気な野菜は、元気な土が作る。そして虫は本当に元気な野菜は、本来嫌いなのです。私は今まで虫を敵視し、必死で虫と闘ってきました。しかしそれは、根本的に間違っていました。虫は「おいしくないもの」を教えてくれていたのです。

01<1>虫はまずい野菜が好き。野菜をとことん元気にすれば、本来病害虫はよってこない。

虫は地球のお掃除屋さん!そのヒントは『風の谷のナウシカ』にあると私は思います。人間から恐れられる「腐界(アニメでは腐海)」と呼ばれる毒の森とそこに棲む蟲たち。しかし彼らは、人間たちが汚した世界で生活し、結果的に浄化してくれる存在だったのです。浄化された世界と腐界の世界は、合わせ鏡のように、互いに必要な存在です。自然の中で農業を営むうちに、あの世界はまさに地球のことなのだとわかりました。ウジもハエも腐敗菌も腐ったところが大好きで、そこで生活するうちに、結果としてきれいにしてしまうのです。同時にそこは、彼らにとっては住みづらい場所になってしまうので、仕方なくあたらに場所を求めて移動するのです。私の経験からすると、葉ダニは、老化したり不健康な野菜の出す「エチレンガス」に、蝶やガは未浄化の堆肥などの「アンモニア臭」に惹きつけられてやって来ているようです。つまり、ハエばかりでなく、モンシロチョウも青虫も、窒素代謝がスムーズに行われていない不健康な野菜の出す微量の揮発性物質に吸い寄せられ、卵を産んでいるようです。人間は、自分が生きるために、虫と闘う必要はなかったのです。

<2>化学農薬の使用は土のミネラルバランスを壊し、野菜の体内代謝を滞らせ病害虫を呼ぶ

10年近く放ったらかしにして草がぼうぼうに生えているような「ジャングル」のような土地は、実は途方もなく元気な土地なのです。そういう土地では、勝手に草が生えて、何年間も草が直射日光を浴びてきました。太陽エネルギーをもらって、土の上も中も、エネルギーでいっぱいです。その草が枯れると、それをまた虫や微生物が食べます。だから耕作放棄地は最初から、微生物の密度がはるかに違うのです。草や木が微生物によって分解されて出来たモノを「腐植」といいますが、この腐植こそがさまざまな微量ミネラルを生命のバランスどおりに豊富に含み、野菜に最高のパワー与えてくれるのです。

<3>菌=土=野菜=人=菌の「いのちのリレー」

わたしたちは、新鮮で健康な野菜を食べることで、体を作り、健康を維持しています。ところがそれと、病害虫が野菜を食べることは、ちょっと意味が違うのです。彼らはわざわざ老化した不健康な野菜、または不健全な部位だけを食べて、それをふたたび土に戻して次の生命の材料としてくれます。虫は弱ったものを土に還して、世の中を元気な「いのち」で満たす役割をしていたのです。農薬で虫を殺すと言うことは、その場しのぎの対症療法に過ぎません。虫を殺す前に、なぜそこに虫が付いたのかを考えるべきなのです。わたしたちも虫も同じ地球に生きる、お互いにお互いを必要とする「いのち」だったのです。

<4>土に必要なのは、成分ではなく菌のエサ、つまり草などの生きていたものだ

昔の人は家畜や人の糞尿、草や生ゴミなど、土から生まれたものを土に還しています。これらの有機物は、すべて土に住む微生物、すなわち「菌ちゃん」たちのいのちの糧となります。そしてさらにその微生物が次の微生物のいのちをバトンタッチしながら、次第に土は浄化され、いのちいっぱいの土に変わっていくのです。元気な土の1g中には、なんと10億以上の微生物がいるのだそうです。植物はこの微生物がうじゃうじゃいる土の中に、網の目状に根を張ります。そして膨大な微生物と接触します。私たちの命のもとであるこの微生物を、私は親しみを込めて「菌ちゃん」と呼んでいます。

<5>病原菌は一見、悪者だが役割がある

「菌ちゃん」たちは、土の中のミネラル類をとかして吸収し、いろいろなビタミンやその他の栄養素をつくって、根に渡します。これらは「微生物代謝物質」とか、「成長促進因子」等と呼ばれますが、この言葉の意味は「どれくらいの種類があって、どんな分子式なのか、現代科学では全容を解明できないが、何か生物をうまく成長させる力のあるものの集まり」といったところでしょう。ようするにこれが「生命力」ということだと私は思います。生命力が「菌ちゃん」から野菜の根に渡されているのです。時には「菌ちゃん」自体が溶けて野菜の根に吸収されることも観察されているそうです。何と健気で働き者なのでしょうか。

<6>殺菌よりも菌とつながることで、菌にやられない元気な体になる

01「土は『不潔』と思いますか?」この質問に、多くの人は「はい」と答えると思います。しかし、そもそも私たちは土なのです。食べ物を通して土を食べ、土に育てられて生かされているのです。「菌ちゃん」こそ、土なのです。土壌中の「菌ちゃん」が減り、ミネラルバランスが崩れると、作物は力が弱まり、病原菌にやられるようになります。それを「病原菌のせいだ」と土全体の全生命を毒ガスで殺す「土壌消毒」を行うと、確かに作物はとりあえず病気にやられずには育ちます。しかし、生命力の源である「菌ちゃん」とつながっていないのですから、土壌消毒を続けた畑は、問題にならない程度の微量の病害虫が侵入しただけで、逆に壊滅的被害を受けるようになってしまいます。このいたちごっこの経験から現在では「皆殺しではかえって病原菌が一人勝ちになる。多くの微生物がいる方が、病原菌の繁殖を抑える」という考え方に変わってきています。「虫は敵、菌は敵」という洗脳からとかれるべき時が来ています。害虫も病原菌も、不健康な野菜を選んで、不健全な部分だけを食べて、場合によっては野菜を再び健康体に戻してくれることもあるのです。菌や虫は元気で健康な野菜は、大嫌いなのですから。
『生ごみ先生の元気野菜革命』より 著:吉田俊道(NPO法人 大地といのちの会 理事長)東洋経済新報社1,500円+税


 

健康は何にも替えがたい宝物

01健康は何にも替えがたい宝物 そこで今回は「呼吸」について考えてみます。

呼吸の仕方によっては、その人の人生をすら変えてしまう、とまでいわれています。しかしほとんどの人が生まれてから今日まで、呼吸の仕方を教わることなく、自己流の呼吸をしているのです。では、正しい呼吸法とは?

呼吸法はサーフィンのようなもの

01呼吸法として深呼吸を繰り返すことは、なかなか体力を使います。2分もしないうちに、日頃、運動不足の人はバテてしまいます。全身を使うということでは、これはもうスポーツジムで筋力を使うトレーニングに似ています。

しかし、リズムに乗ると次第にスムーズに呼吸を繰り返すことが出来て、楽になるどころか、サーフィンのような心地良さを感じます。こうして行う呼吸法は大変効果的で、心と体は本来の自然のリズムを取り戻すので、自律神経失調症や、慢性的なストレスの解消に想像以上にとても有効です。

深呼吸の大切さ

子どもは遊びの中でいつも走っています。だから1日のうちに、何回も深呼吸をしています。肺が本来10広げられるとしたら、普段の私たちの生活では、3くらいしか広げていません。そして体が硬くなるのと同じように、肺も硬くなって、いつの間にか、深呼吸が出来なくなっていきます。
当然、血液は全身に行き届かなくなり、酸素、栄養も細胞たちに行き渡りません。

呼吸には癖がある!?

私たちは生まれたときは、本当に理想的な呼吸をしています。しかし、成長と共に理想とはほど遠い、癖のある呼吸をするようになってしまいました。それはなぜでしょうか。

心の状態は呼吸に大きく影響します。心が落ち着いているときには、呼吸もゆっくりと深く、心に不安があるときや、いらいらしているときなどは、呼吸も早くて浅くなります。

生まれてから今日までの私たちの人生には、さまざまな出来事がありました。そして、その時々で私たちは知らず知らずに、それに合わせた呼吸の仕方をしているのです。ところがその時の心の機微が過ぎた後も、その呼吸の癖がそのまま残ってしまう場合があるのです。

しかし、同時に今の呼吸の癖を直すことで、本来の自分を取り戻し、心をコントロールすることもできるのです。

腹式呼吸法と胸式呼吸をマスターしよう。

●腹式呼吸法
1.まず息を吸いながらおへそから下を、押し出すように膨らませます。
2.そしていったん息を止めて、膨らませたおなかにエネルギーが溜まったとイメージします。
3.続いて息を吐きながら、まずへそから下を腹筋を使って思い切りへこませます。
4.そして息を吐ききったら、さらにおへそから上もへこませます。※これを20回ほど繰り返します。

●ポイントは…
・内蔵の強力なマッサージになるので、軟便、便秘に絶大な効果があります。
・内臓の働きを高めるので、肌がとても綺麗になる美容効果があります。
・精神の安定と強化(肚がすわる、太っ肚になる、肚に力が入るようになる等)

●胸式呼吸法
1.まず息を深く吐ききってください。吐ききった後も、イメージでさらに絞り出すようにして息を吐きます。
2.息を吸うときは、肺が痛いと感じるほど、思い切り肺を広げて、息を吸い込みます。吸いきった後には、イメージでさらに息を吸い込みます。

●ポイントは…
・肺も普段あまり広げる機会がないと、次第に硬くなります。思い切り肺と胸を広げて、肺のストレッチ、これを20回ほど繰り返します。

吸う息、吐く息…
5秒吸って、20秒息を止めて、10秒吐きます。
これがなるべくコンスタントに出来るように工夫して下さい。

01

体のすみずみまで、空気が行きわたるように、ゆっくり深く鼻から息を吸う。

『生活はアート』(パトリス・ジュリアン・著 幻冬舎文庫)
繰り返される毎日を生きるとき、生活の中で起こるささいな出来事を自分の作品のように思えたらいい。真の喜びは平凡な暮らしの中にある。身の周りのものすべてが輝きだす。「生活のアーティストになる」ことを自ら実践。まったく新しいライフスタイルを提唱。

 


 

 

01

 
光と風がもう夏の兆し。
木漏れ日が気持ちいい季節。
何気ないシーンにアートを感じる、そんな日って素敵!

 

そんな日常を意識していたら、いつの間にかエコライフに!これからの季節でその代表的なのが、「グリーンカーテン」。植物でできたカーテン、これは今に始まったことではないですね。夏休みにアサガオの観察した記憶ありませんか?アサガオは見事にその役割を果たしてきました。

日陰をつくりたいならヘチマが一番!

01室内の温度を効果的に下げたいなら、ヘチマがおすすめ。ツル植物の中でも特に生育が旺盛なのが、ヘチマです。うまく育てば、約3ヵ月で5m以上の高さまで到達することも可能です。また、ヘチマは葉が大きく、折り重なるように生えるので、しっかりと影がつくられます。しかし、葉が大きいだけでなく茎も太いので、マンションのベランダなどの狭いスペースに たくさん植えすぎると、うっとうしくなってしまう可能性もあります。幅60cmくらいのプランターに2本程度のヘチマを植え、うまく枝分かれするように誘引していけば、幅1m以上の緑のカーテンに仕立てることが可能です。日中、あまり日が入らなくてもOKな部屋や、日光を確実に遮りたい場合なら、断然、ヘチマがおすすめです。

涼しげな影をつくるゴーヤ(ニガウリ)

01写真で見るとわかるように、ゴーヤの葉は、切れ込みが深く、明るいグリーンをしているので、日光をやわらかく遮ってくれる効果があります。また、茎が細く、風が吹くとやわらかい葉が揺れるので、ヘチマなどに比べて室内も明るめで、窓辺を涼しげに演出してくれます。果実を収穫して、ゴーヤーチャンプルーなどにして、食べる楽しみも提供してくれますね。

ゴーヤとヘチマの中間の暗さを求めるなら、キュウリ!

ゴーヤでは明るすぎるし、ヘチマでは暗すぎるという方におすすめするのは、キュウリです。もともと、インド原産の植物なので暑さに強いですし、夏が旬の野菜ですから、毎日のように収穫することができます。独特の苦みがるゴーヤよりも、毎日食べても飽きないというのも魅力ですね。

香りの良いヨルガオ

01なんといっても香りがおすすめ!ヨルガオ。室内の涼しさや食べる楽しみだけでなく、花を楽しみたいという方には、アサガオやヨルガオがおすすめです。ヨルガオとは、「夕顔」という名でも流通している、アサガオのような形の白い花を咲かせるつる植物で、夕方から夜にかけて花を咲かせ、とても甘くて良い香りがします。アサガオも日本の夏らしい風情がありますが、日が昇ると花が萎れてしまうので、早起きが苦手な方にとっては、ちょっと残念な気がしませんか?夕涼みに外に出ると、ヨルガオの香りがほのかに漂ってくるといのも、なかなか風情があって良いものです。

花を通年楽しみたいなら、クレマチス

01様々な品種があるクレマチス(写真は’プリンス・ダイアナ’という品種)。緑のカーテンを、「毎年植え替えるのは面倒とか、「夏以外の季節にも花が楽しめると良い」という方におすすめするのは、クレマチスです。クレマチスとは、アネモネなどと同じキンポウゲ科の植物で、世界中に300種類程度の原種が存在しているといわれています。「テッセン」という植物を耳にしたことがある方も多いと思いますが、これは、クレマチスの品種の一つで、中国原産の原種です。

わたしたちの身近なもので、アートが生まれる!!

写真4点は、とっても身近な素材から生まれました。さて、その素材とはいったい何でしょうか。

01

答え:トイレットペーパーの芯





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発行日:偶数月の第4月曜日
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