VOL.147 ぎむきょーるーむ 学校でのうつる病気

こんなとき、どうしてる? 学校でのうつる病気

01感染経路(誰から誰にうつったのか)がわかったとき、「○からうつされた」「△のせいで校外学習に行けなくなった」と、子どものあいだでいいあらそいがあった。(息子8歳・12歳)

01

短期スイミングスクール直前に娘が手足口病に感染。医者は「プールOK」といったがスクールは難色を示す。意見のくいちがいに困った。見た目にもわかるので、泣く泣くあきらめた。(娘6歳)

「予防接種はしない」といったら、「こわーい。近づかないで~」と笑顔でいわれた。たぶん、本気・・・。(息子7歳・娘5歳)

Q:中学三年生の息子にインフルエンザワクチンを受けさせるか迷っています。二歳上の娘の受験時にはインフルエンザが大流行。ワクチン接種しなかった娘に非難が集中して心労で大変でした。

01A:いまは亡き由上修三医師の著書「予防接種の考え方」(大月書店)の中に、「ワクチンを注射してもインフルエンザにかかる。そのおかげで子どもたちはくり返し罹患し、大人になるころには一応の免疫を身につける」とあります。

この著書には*前橋レポートの経緯も詳しく述べられていますが、感染することを防ぐことはできないし、人から人へうつるという流行を防ぐこともできないということで、現在のワクチンも同じつくり方です。厚生労働省は「打った人は重症化を防ぐことができるかもしれない」といっています。

ですからインフルエンザの流行はワクチン接種とは関係ないのです。インフルエンザワクチンの狙いからすると、もしかかったときは「自分は予防接種を受けたから軽くすんでよかった」と考えるべきところですが、わが家はインフルエンザにかからないように痛い思いをして受けているのに、なにもしないでかかって人にうつすのは許せない、ということになってしまっているのでしょう。

感情に抗するのはたいへんですよね。黙って聞き流すか、事実を伝えるか、長いものに巻かれて接種するか、しかないですね。長いものに巻かれる人が多ければ、感染症に関する社会状況は変わらないと思いますが、身近な集団の中で異論を唱えるのはたいへんなのも事実です。私は、あきらめずに機会を狙って伝え続けたいと思っていますし、そういう人が増えてほしいなあと願っています。
(あおの・のりこ お・は編集協力人)

* 群馬県前橋医師会と国や自治体の機関に所属する研究者総勢70名以上で結成された「インフルエンザワクチン効果に関する研究班」が1980年から5年間かけておこなった、世界に類をみない大規模疫学調査を通称「前橋レポート」といい、その結果、インフルエンザワクチンは流行を阻止できないことがあきらかになっている。

最初に発病した人だって、誰かからうつされた人  山田 真

たとえば、水いぼの子どもが治してくることを強制されたり、プールへ入ることを拒まれたりするのは、HIV感染者やハンセン病の患者さんたちが差別を受けて迫害されてきたことと同じ地平の話なのです。どちらも感染症についてまちがった知識やいいかげんな知識しかもたない市民が、その無知からうまれる偏見によって感染者を集団から排除するという事象だからです。

水いぼができている子どもを冷たい目で見る人の多くは、水いぼがどういう病気であるかをよく知らないはずです。たとえば、水いぼができている子どもの9割は6歳以下だけれど、赤ちゃんがほとんどかからないのはなぜか、といったことも知られていないでしょう。

01 赤ちゃんがかからないのは、お母さんが水いぼの原因である伝染性軟属腫ウイルスに対する抗体をもっていて、その抗体が赤ちゃんに伝えられているからです。また大人もほとんど水いぼになりませんが、これは「ほとんどすべての大人は、子どものころに伝染性軟属腫ウイルスに感染していて抗体をもっている」ことを示しています。

しかし感染しても発症する場合と発症しない場合(不顕性感染といいます)があり、発症して水いぼできた子どもは「とり去ること」を強要されますが、運よく水いぼができない子どもはおとがめなしになります。でも、不顕性感染になった子どももウイルスの持ち主ですから、ほかの子にうつすことがあり、そのうつされた子は水いぼができることもあります。この場合、うつした子どもは水いぼができていないので、“うつした犯人”あつかいをされることもありません。

一般論でいいますと、集団の中で最初に発病した人は感染症をもちこんだ犯人あつかいをされつらい思いをしますが、その人だって誰かほかの人からうつされた人であることを忘れてはなりません。学校のような集団生活にかかわる大人は、インフルエンザ、ノロウイルス、シラミ、水いぼなどについて十分勉強し、感染症にかかっている人たちにつらい思いをさせることのないようにしてほしいのです。

それが日常、感染症にかかっている人とつきあっている医者からのお願いです。(やまだ・まこと 小児科医。お・は編集協力人)

抜粋

にらめっこのバイブル:こども・きょういく・がっこうBOOK『おそい・はやい・たかい・ひくい』N0.60より抜粋

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