【Vol.165】特別寄稿連載 半農半Xという生き方  vol.6

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木を植えましょう

「先人 木を植えて、後人 その下に憩う」。中国のことわざだそうです。昨夏、「飲水思源(いんすいしげん)」という「水を飲み、もたらしてくれた山の水源や井戸を掘ってくれた先人をありがたく思う」を紹介しました。上のことわざも同じように、いま大事なこころがここにあるようですね。お隣の大江町の伯母の家の裏山には柚子の木があります。柚子はぽとりと木から落ちると裏山を転げ落ちていきます。どこまで転げるのかなと思ったら、勝手口の水洗い場前で驚きました。なんて先人はすてきな植栽計画なんだろうと関心しました。先人は後世を想い、木を植える。後の世の人は、先人に感謝をしながら 木陰で笑顔で憩う。ぼくたちも後の世の人のために、木を街に、村に、そして、こころに植えていきたいですね。

「た・ね」で生きる

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漢字が伝わる以前のことばである「やまとことば」によると、「種(たね)」の「た」は「高く」「たくさん」など”広がり”をあらわすそうです。そして、「ね」は何かというと、「根っこ、根源」を意味するといいます。「ね」は土深く、「た」は無限の空へ。たしかに、種を大地に播(ま)くと、そうですね。ことばとはうまくできていますね。いまという時代を、都市的に生きる現代人はときどき「根なし草」のようだと言われます。後世のために資源を使いきらない、ゴミという負の遺産を大量に作らないなど、「持続可能性」が大事なキーワードになっているいま、「いのちの根っこ」を大事にする生き方がとっても求められている気がします。私たち人間には、無限の創造性・想像性があります。根っこを大事にしつつ、自分だけで独占したりせず、いいものを分かち合う、伝えていくという精神でこの難局の時代を生きていけたらと思います。野菜や雑穀など、種(たね)は私たち人間に大事なことを教えてくれているようです。

まちづくり&自己探求 塩見直紀のエッセイより

塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は中国語訳され、台湾、中国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題
持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。
ex.半農半漁、半農半大工、半農看護師、半農半カフェ
半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。





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