【Vol.165】ニューヨーク新米ナース物語

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vol.27 いつかは果てる命だからこそ・・・

うちの病棟は外科・外科スッテップダウンの他、ホスピスだけでなく産婦人科の流産・死産を経験した患者さんもくる。 正直死産や流産で赤ちゃんを亡くした人の担当は苦手だ。 いつもなんてお声をかけていいかわからないし、人によっては本当にどう接していいかわからない時もある。でも、亡くなった赤ちゃんの写真をみると、どんな様相をしていてもやはり赤ちゃんは妖精のようだ。純粋な生命力を全身にたたえた妖精、そのまま天に飛んでいきそうだ。 3月始めは出産を直前に控えたインド人のお母さんが、おなかの子の死産がきっかけで敗血症を引き起こし、二人ともが亡くなるということがあった。通常患者さんが亡くなった状態でくることはありえないけど、今回は産科では場所がないということで、お母さんと赤ちゃんがそのままうちの病棟にきた。 ご家族が二人に対面し、最期の時間を過ごすために・・・

ホスピスとは全く違った死。
これはマネージャーを含め看護師全員が涙しっぱなしだった。
予期せずに突然やってくる死というのは、本当にやりきれない。ご家族をみていても、本当にやりきれない。
この若いお母さんは赤ちゃんと一緒に逝ってしまった。
赤ちゃん一人では逝かせられなかったのかな。
こういうことを目の当りにすると、赤ちゃんを産むということは本当にすごいことで、生きていることも本当にすごいことだなぁと改めて実感せずにはいられない。

一方、今月初めにうけもったホスピスの患者さんは103歳のコロンビア人のおばあちゃん。
もう意識はなく、静かに静かにそのときを迎えようとしていた。
痛みや呼吸に苦しさはなさそうで、ご家族もあまり薬の投与など多くを要求する感じではなかった。そのかわりケアにも積極的に関わられるご家族だったので、いろいろ体位交換とか清拭など手伝ってもらった。ただ、このおばあちゃん14人のお子さんをお産みになったそうで、家族がとても多い。
お孫さん、曾孫さんまでが病室にくると、もう部屋が満杯で、昼食や夕飯なんか食べ始めたりするともうにぎやかでちょっとしたパーティーのような感じになった。夜でもいつでも最低でも3人の娘さんか息子さんが病室にいた。103歳ともなると、娘さんも息子さんも高齢で、時々この人大丈夫かなと思うことも(笑)
家族の結びつきがとても強いラテン系の家族だけあって、患者さんが亡くなったときは大変だったそう。
あとでその日の担当だった同僚にきいた。
娘さん達、わかってはいても、その瞬間がくると泣いて泣いて、ついには3,4人いっぺんに立っていられなくなり、あぁくらくらする、ちょっと血圧はかって。。。って。
でもそれだけいっぱいいっぱいの愛で包まれた最期だったので、患者さんも103年という生涯を安らかに迎えられたのではと思う。

死というのは生まれた限り必ずいつかやってくるもの。
おなかの中で死を迎える命もあれば、100年を超えて死を迎える命もある。
この宇宙で起こる全てのことには何かしら意味があると信じる。
悲しくてもどんなに辛くてもそこに意味をみつけて、自分が家族が幸せになるための糧にしていく。
そう、命ある限り、命いっぱい、生きる。
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