これは見えない戦争だ…
木下黄太氏・講演会
“放射NO!防御プロジェクト”は関東圏の土壌調査をおこない、その実体を発表している。木下氏は放射能問題の実態を真っ向から取り上げ、健康被害や汚染状況を取材調査継続中。だから、木下氏の話はリアリティーに満ちている。 福島第一原発事故が起きた3月11日。同月15日、20日に雨が降り放射性物質が大量に落ちた。(レインアウト、雪が降ればスノーアウトといいます)放射性物質と放射能は違います。電球にたとえると、放射能は電球の光。放射性物質は電球の中身。今回はこの中身が爆発し飛び散ったんです。チェルノブイリの場合、状況を5年隠し続けた。しかし隠しきれなくなった。それは健康被害、病気、甲状腺癌が一定のエリアで集中して発症したからです。 福島の方たちはもちろん、東京都内の妊婦、妊娠可能な若い女性、子どもは避難してほしい。こどもを逃がす(避難させる)という名目があれば、ためらうことはないでしょう!一人でも多く避難させるべきです!と話す木下氏の声は叫びに近い。木下氏はあきらかに怒っている。 その怒りはどこに向いているのだろう。 放射能は直ちに健康に影響はないと公式発表する政府に?学者の根拠のない弁論?決断すべき時に決断しなかった元首相に?原発事故調査結果が出る前に大飯原発を再稼働させた現首相に?無関心な人たちにか… メディアに登場する専門家は、しがらみがあるのか全く事実を伝えていない。ひどい学者になると、福島のこどもを助ける、と言いながらそこに住まわせている。地元から人が流出するのを防ぎたいだけだろう。福島にとって一刻を争う事態なのに、だ。危機管理がなっていない!それでは危機意識も育たない。こんな状況はまさに「見えない戦争だ!」と憤る。 保身、利権、裏切り…その構造がまるみえの政界は、地域、地域に難問を押しつけテキトーにやり過ごそうとした。しかしそれがうまくいかなかった。誰もが政府の対応に不信感を抱き、真実を求めはじめたからだ。 そこでインターネットの力が活きた。ツイッターなどで情報をチェックしたりして、そこには真実を探る力があったから。 僕はフェイスブックやツィッターで、あるいはブログ「福島第一原発を考えます」で5000人の人達と繋がって情報を公開しています。 痛切に感じた圧力。建前と本音…本音としてどこまで危険なのか語れず、躊躇している。そういう雰囲気が東京にはある。どの新聞社も、放送局も事実を報道しきれていない。企業優先、政治家優先するあまり、報道できないのなら、自分がリアルタイムに情報公開しようと思った。「放射能防御プロジェクト」を立ち上げ、土壌汚染の数値、汚染による健康被害の実態など知りうる限りの情報を公開しています。 健康被害に関して、胎児に与える影響は大人の数10倍、幼児は数倍、女性の生理前に起こる影響は多大。大阪からの相談では、4歳の女の子が膣炎で苦しんでいます。突然鼻血が出る小学生の男の子。甲状腺異常では死に至ることはないが、通常の疾病が悪化したりする…など今までに起こり得ない健康被害が起き始めています。 これは僕の場合ですが、東京に帰ると、身体症状として現れたのが・ふくらはぎの腫れ・のどの痛み・目の充血・ものをさわった瞬間に皮がむけ赤い核種が見える(これは完璧にα線核種だといわれました。土壌検査時に同様の症状が出ているそうです)。 放射能はゆるゆる出続けているのが現状です。遠くまでは飛びませんが気流に乗って移動し雨が降ったり山脈に遮られて地表に降りてきます。汚染の状況は偏西風の影響でアメリカ西海岸も影響が出ています。西側は愛知県の東三河まで汚染は一定レベルであります。福島から遠く離れているといっても油断はならないです。 これからも放射能のチェックは必要です。こんな事態に陥った国・日本。政治を変えなければ!みなさんの意識が大事です。
(文責・にらめっこ)