VOL.169 天然のくらし応援団 第6回香料の害

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第6回「香料の害」
香料で困っている方がいます。

「香料自粛のお願い。
その香りに困っている方がいます
香水・整髪料・柔軟剤・洗剤・シャンプー・制汗剤などに含まれる香料は、アレルギー体質や化学物質過敏症の方など、人によってはアレルギー症状やぜん息・頭痛・めまいなどを誘発することがありますので、ご配慮いただきますようおねがいします」

これは、各務原市が市の施設に掲示したポスターに書かれていた文章です。
市のポスターのように、香料の一部には害があることが知られています。良く知られているのは香料による刺激で、その結果ぜん息が悪化したり、皮膚炎などが起こることが知られています。欧州共同体では香料で皮膚炎を起こすことを重視し、一部の香料の使用を制限しています。CHANEL5ILLUSTこのため、「夜は何を着て寝るのか」との質問に「シャネルの5番よ」とマリリン・モンローが答えたエピソードで有名な香水、シャネルの5番の成分が変わりました。欧州共同体では今後100種類近くの香料の使用制限をする計画です。皮膚炎以外に、香料がDNAに影響を与え、がんを起こすという報告があります。発がん性の問題で一部合成ムスクが使用されなくなっています。ムスクの他にも発がん性が証明されている香料物質があります。

柔軟剤のにおい
柔軟剤中の香料に苦しむ方が多くいます。洗濯柔軟剤は洗濯物を柔らかくする目的で使いますが、最近は香りを強調した柔軟剤の宣伝が目につきます。洗濯物、特にタオルなどを柔軟に仕上げるのに、柔軟剤は必要でありません。干す前にのばすようにタオルを数回振ると柔らかく干し上がります。これは少し前の洗濯物を干す前の当たり前の仕草で、ぱたぱたと洗濯物を振っていた姿を思い出すでしょう。どうしても「化学物質」を使いたければ、大スプーン1杯のクエン酸か3杯の食酢をすすぎ水に溶かしましょう。

香料には多数の化学物質が!
香料に使う物質は数千種類あり、一般に数十種類以上を混合して香料が作られます。450-20120329133503127867製品には香料を使ったことが記載されていても、具体的な化学物質名はなく、何が使われているか分かりません。この結果、私たちは香料の毒性を知らずに使っています。
体に入ったり触れたりする農薬や医薬品は厳しい安全性検査をし、合格すれば認められます。それでも後に発がん性が分かったり、副作用が起こっています。香料は鼻の奥まで入って効果があります。また、肌にも接します。この様な目的で使用する香料はほとんど検査されていません。不都合なことが起こったら、だれが責任を取るのでしょう?

香料はデトックスを妨害
この他に様々な悪影響が知られていますが、健康に生きようとしている私たちにショッキングな研究報告があります。細胞には細胞内に入ってきた発がん物質などの異物を細胞外に出す機能があり、細胞を健康に保っています。これはデトックス(毒をなくす)そのものです。しかし、一部の香料や農薬は異物を細胞外に出す働きを妨害します。そんな香料を肌に塗ったり、鼻の奥や肺まで送り込みたいでしょうか。

自分を守り、他の人に迷惑をかけないために、できるだけ香料の入っていない製品を使いましょう。柔軟剤にさえ無香料の製品が売り出されています。どうしても「良い香り」を使いたい人は自分の部屋で空気が漏れないようにしてつかいましょう。

わたなべかずお:福島県生まれ。新潟大学卒。浜松医科大学勤務(脳研究と教育に従事)医学博士、各務原ワークショップ主宰(毎月第4木曜日13:00〜渡部宅(各務原市蘇原東栄町)主に健康と環境に関することの勉強会)参加希望者はbandaikw@sala.dti.ne.jpまで