vol.168 中高生、平和を考える

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茶色い朝タイトル

今回は、この「にらめっこ」が皆さんのお手元に届く頃には上演が終了している、朗読劇『茶色の朝』について紹介させてもらいます。私たちは、今年の5月9日劇団「風の子中部」の『茶色の朝』を見、今度は自分たちでやりたいと思い、取り組みを始めました。
練習風景

茶色の朝
「茶色の朝」とは、「ファシズムと全体主義の不気味さと恐ろしさ」を描いたフランスのベストセラーです。これは、ひとことで言ってしまえば、すべてが「茶色だけ」になってしまう物語です。茶色の猫、茶色の犬、茶色の人、茶色の言葉、茶色の歌、茶色の法律、茶色の思想、茶色の心・・・・
語り手の「俺」とその友人のシャルリーが、流されるように日常生活を送るうちに、すべてが茶色だけになり、それ以外の色を持つあらゆるものが許されなくなってしまうのです。
このお話は、国民が無関心のうちにどんどん世の中を変えていこうとする今の政治と重なります。
私たちは、日本がどんどん戦争のできる国になっていくようで、とても不安です。だから、今こそ政治が特別なものでなく、生活に密着していることをみんなが感じなければならないと思うのです。そのために、まずは知ること。関心を持つこと。身近な人とのお喋りのなかに政治の話が出てくるようになれば・・・・そう思い、私たちでこの朗読劇を上演することにしました。

上演に向けて
そこで、 Peace of Peaceの2人に新しく集まってくれた4人の仲間を加え、6人で劇団『風の子中部』さんに指導していただいて、本番に向けお稽古がんばっています。
この「茶色の朝」の上演をきっかけに、たくさんのことを考えることができるようにしたいし、同じ世代の子達とこういった話ができるようになったらいいなぁと思っています。

*私は、安保法制が決まって、その内容はよく分からないんだけど、戦争のできる国になったって分かった時、流石にやばいって思った。ふだん友達と政治についてなんて話さないけど、勇気を出して話題をふってみた。「安倍さんやばいと思わない?てか、戦争できる国になっちゃったんだよね、こわいね、やだね」って。でも友達に「中国とか韓国とかいつ爆弾投げてくるか分からないし、日本も戦わないといけないんじゃない」って言われてびっくりした。まわりの子は、一部の情報しか知らないし、その情報だけで判断してるのかなって思う。もっと詳しく知ったら今の日本は絶対おかしいって分かってくれると思うから、この作品を見て無関心だといけないことに気づくきっかけになったらいいと思って参加しました。   (M:大学1年生)

*僕は、お母さんに言われ何となく了解したというのが本当のところです。でも、安保法案の採決の場でもみくちゃになっている大人たちを見たとき、大人が何してるの?とびっくりして、お母さんに理由を聞きました。「茶色の朝」の内容は漠然としか分からないままのスタートでしたが、今は引き受けてよかった気がしています。 (E:中学1年生)

*参加したのは、お母さんに勧められたのもあったけど、戦争とかについて考えるきっかけになるかなと思ったからでもあります。茶色の朝を読んで、全てが茶色になってしまうことにみんなだんだん流されてしまう、慣れてしまうのが、今の世論や政治に若者が興味関心ないことにリンクしているかなと思いました。 (Y:高校2年生)