いのちの授業 じっくり編
普段の授業は決められた時間の中で、性教育の国際水準ともされているガイダンスのようにジェンダーへの理解や、体と心の発達、性や生殖など包括的性教育の一連の内容をギュッと凝縮して伝えています。でも、本当はもっと時間をかけて丁寧にじっくり伝えたい。昨年の「いのちのつながりフェス」をきっかけに、通常の授業をテーマごとに分けて取り組むことに挑戦しようと決めたここいく。まずは、今年3回に分けて自主授業を企画しました。今回はその授業の様子をお知らせします。
2月10日(土)☆成長する体の仕組み・食育☆
通常の射精・月経・プライベートパーツのお話に食育をセットで伝えました。大人の体に近づいてくると、いのちをつなげる体に成長します。成長するには食べることが必然。じゃあどんな物を食べる?朝は?昼は?10年、20年先、健康な精子が作られる体であること、赤ちゃんが産める体であること、そのために食べることを大切にして欲しい。砂糖・添加物の話では、ジュースにどれだけの砂糖が入っているかをクイズにしてみんなで考えます。普段飲んでいるものに、想像以上の砂糖が入っていることを知ると、子どもも大人もびっくり!!まずは知ることが大事。知っていることで何を食べるか自分で選択できる。本当に食は大切ですね。食育だけの授業をやりたいぐらいです。
2月24日(土)☆いのちの始まり・性の多様性・心の話☆
通常は人間の性交や受精しか教えませんが、他の生き物はどうなのかな?魚は?ニワトリは?精子は空気に触れると生きられない。どの生き物も水がないと生きられない。知れば知るほど面白い。いのちってすごい!生きるってすごい!
それぞれの生き物が様々な方法でいのちをつないでいる…いのちの神秘、精子と卵子の出逢いを知ることで、自分のいのちも大切にできる。そして性の多様性やジェンダーの話の中から、お互いの違いを認め合うことで、ありのままでいいんだ…自分らしくでいいんだ…と感じてもらえたら嬉しです。性交も受精も、生まれ方も産み方も、性別も家族の形も、み~んな多様であることを伝えたい!そんな思いのプログラムとなりました。
3月17日(日)☆妊娠と出産の話☆
妊娠中の胎児の成長を、お腹の中の赤ちゃんの様子や重さの変化で伝えます。今回は、途中でお空に帰るいのちのこと(流産・中絶)も伝えました。そして出産へ。普段の授業では、経腟分娩での出産劇を見てもらい、帝王切開については話をするだけですが、今回は両方とものお産を出産劇で伝えました。妊婦さんが、「触って欲しい、欲しくない、この体勢がいい!」などハッキリ自分の意思を伝えながら陣痛と向き合う迫真の演技に、参加の子どもたちは本当に心配そうに見ていました。帝王切開も手術の様子をリアルに再現。お腹を切って、子宮を切って赤ちゃんを取り出します。自分も帝王切開で生まれたのと教えてくれた女の子。自分の出産の時を思い出しましたと話してくれたお母さん。終了後に、参加者の皆さんの感想を聞き、交流ができてとても良かったです。
もっともっと伝えたい、学びたい、ここいくは今も進化中!!自主授業も続けていきたいと思っています。
担当:ここいくメンバー 小田 佐知子でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)