Vol.11 モザンビークの選挙事情
モザンビークは変革期を迎えています。10月11日、市長選が行われました。全国一斉に行われ、それぞれの州の市ごとに開票、続々と結果が上がってきました。そんな中でも注目は、やはり首都マプト。10月26日の、正式発表の結果や、いかに!?
現在の大統領はFilipe Nyusi 。政権はFerlimo(与党モザンビーク開放戦線党)が握っています。1975年にポルトガルからの独立を果たして以来、ずっとSamoa Machelが率いていたグループ(Ferlimo) がこの国を率いてきました。Samoa Machelは今でも永遠の英雄です。独立記念日、Samoa Machelの誕生日、彼を讃えるイベントはたくさんあります。「モザンビーク、オイエー!」(モザンビーク最高!みたいな感じです)といい、盛り上がります。しかし、彼の精神を今もFerlimo が引き継いでいるかというと、そうではないと思っている人が増えていると聞きました。今でもFerlimo支持者は多くいるのは確かで、よく集会を見かけます。しかし同時に、省庁に入りたければFerlimo支持者でなければならない、と言った事実などから、若者を中心に政府不信は募る一方のようです。「政府は何もしてくれない。」という言葉をこの2年間で何度も耳にしました。「アフリカの問題は国の汚職。だから何も気にせず楽しんでおいで。」モザンビーク出身の先生にそう言われたことを、今でも覚えています。
選挙後は、日本では見られない盛り上がりを見せました。選挙の翌日、Renamo( 野党モザンビーク民族抵抗運動)が勝利宣言。これからモザンビークに新たな勢いがつくのか⁉︎と思いきや、Ferlimoも、さらに翌日勝利宣言を出しました。「投票者が少ないから、途中結果だけでRenamoが勝つことが明らかだった。Ferlimoは今までも票を盗んできた。」と言ったのはもちろんRenamo派の友人。約一週間、デモが各地で行われた後、26日にFerlimoの正式勝利が宣言されました。しかし、「Ferlimoが投票箱を壊して幾つかの表を無効にした」と28日金曜日に再びRenamo支持者の大規模デモ発生。何故か平和な2日間の週末を挟み(とてもモザンビークらしいです)、翌週からまた何回かデモがありましたが、危険な感じではなく、平和に、歌やダンスも交えての訴えが続きました。11月14日までに憲法評議会に選挙プロセスが適切であったか確認の申し込みがされ、11月24日、その結果が発表されました。Ferlimo派の勝利。長い長い攻防を繰り返しても、結果は変わりませんでした。他の市ではReramoやもう一つの野党MDM(モザンビーク民主運動)が勝利しているところもあります。今年まで64都市をFerlimoがとっていたのに対して、56都市になりました。
来年は大統領選挙です。さらに激しい盛り上がりを見せることでしょう。
その一致団結のパワー、政府に頼らず、自分の生活を自分で改善していくという方向には向かないんだろうか!?という問いは、モザンビーク人には言わずに心の中にしまっておきました。