江戸時代は「エコ時代」だった!
江戸時代のどういった点がエコだったのでしょうか?今から約420~150年前の社会から、現代社会に生かせる暮らしのヒントを探っていきましょう。
新しい循環生活のヒントは江戸にあり
江戸時代の日本は、生活に使う物資やエネルギーのほぼすべてを植物資源に依存していたようです。鎖国政策により資源の出入りがなかった日本では、さまざまな工夫を凝らして再生可能な植物資源を最大限に生かし、独自の循環型社会を築き上げるしかなかったんですね。植物は太陽エネルギーとCO2、水で成長することから、言い換えれば江戸時代は太陽エネルギーに支えられていた時代だということもできます。『大江戸えねるぎー事情』や『大江戸リサイクル事情』などの著書を持つ作家の石川英輔氏は「江戸時代の生活は、化石燃料に頼らずに生きるための知恵と経験の集積であり、太陽エネルギーだけで生きるとはどういうことなのかを知るために、これほど具体的でわかりやすい見本はない」と語っています。
にらめっこでも過去記事にソーラークッカー、ソーラーフードドライヤーを掲載しました。(にらめっこのHPでVol.159「アウトドア特集」Vol.162 I’m Challenfgerでは「月3万円ビジネス 吉岡翔一朗さん」の記事中にソーラーフードドライヤーのワークショップの模様が掲載されています。まさに“太陽エネルギー”をフル稼働させた内容です。人知を結集すれば、「早い・簡単・便利」という魅惑的なシステムに取り込まれずとも、創意工夫のある暮らしにシフトすることで、循環が生まれてくるのではないかと思います。江戸時代まで遡らなくても、暮らしの中で、「今あるもの」を最大限利用することが循環生活の第一歩と考えます。
江戸時代がエコな理由
① 植物資源に支えられていた。
植物は太陽光、CO2、水による光合成で成長するため、必要なエネルギーも太陽エネルギーだけでまかなわれています。あらゆる工夫を凝らして再利用可能な植物資源を最大限活用する中で、自然と独自のリサイクルシステムが構築されたようです。化石燃料に頼らずに生きるための知恵と経験が詰まって現代における循環型社会を実現する上で理想的な見本となっています。
② 徹底したリサイクル文化で楽しみながらリサイクル!
例えば着物。江戸時代は市場に出回っている着物の大半は古着→おむつや雑巾→ボロボロになるとかまどや風呂釜などの燃料→灰は農業、酒造、陶器づくりに利用。また壊れたものを直してくれる「修理屋」が発達。「これ以上は修理できないのでは…」というレベルまで使い切ってもなおゴミにしないところが江戸の凄いところ。あらゆるものを買い取る業者もおり、新しい商品づくりに活かされていたそうです。(まさに多様性!そしてアップサイクル !)
③食材は「必要な時に必要な分だけ」
行商人が家まで売りに来る魚、豆腐、野菜、などをその都度買っていたため、食材を一気に買い溜める必要がありません。(保存するための冷蔵庫もなかったしね)買う際は自前の容器で量り売り。当時の人々は限られた食材でも最大限美味しく食べられて満腹になるよう、様々な工夫を凝らしました。 江戸時代に食品ロスが出ることは滅多にありませんでした。
現代にも活かせる江戸時代の「エコな習慣」
2020年7月から始まったレジ袋有料化以降は風呂敷人気も高まっています。多種多様な使い方ができる点も魅力。前号にも掲載した「生ゴミコンポスト」もエコな暮らしにぴったり。自家製の堆肥を使って育てた野菜を食べ、そこから出た生ごみはまた堆肥化するという流れは、まさに「小さな循環型社会の実現」だと言えます。
庭に多様性のある菜園を作ってみる
これから私たちの暮らしはどうなっていくのだろう。予測がつかないことで右往左往したくないので、食料の自給に取り組む人が増えてきました。編集部では毎年大豆を作りその豆で味噌を仕込んでいます。今年は5月20日にタネをまき、苗となったら移植します。駐車場の一角に菜園も。ごちゃ混ぜ菜園ですが食卓の彩りとなり、毎日感謝していただいています。生ゴミコンポストで堆肥を作り、土に。ここにも小さな循環が成り立っています。