vol.196 ここいく日記 はじめの13歩!

~自分らしく~自分を大切に~

 ここいくの授業の中で、随所に出てくるワード「自分らしく」。これは「あなたはあなたのままでいいよ」という私たちの想いが入っています。
 みんなと同じように出来る子が“良い子”だと見られ、みんなと違うことをすると、“変わった子”という目で見られ、“問題児”というレッテルが貼られます。又、自分は人と違うと感じると、不安になり自分を出せなくなる子もいます。身体つき、勉強、運動など人と比べ、劣等感を抱く子も多くいます。
 特に性違和を抱える子ども達(大人も)は誰にも打ち明けられなかったり、理解されなかったり、差別を受けたりと苦しんでいることが多いです。
 『3億もの精子から、たった1つ卵子にたどり着いて命になる。もし他の精子が入っていたらみんなとは違う他の誰かになっていたんだよ。』
 いのちの成立ちの授業の中で、精子と卵子の出会いを伝えます。一人一人違って当たり前なんですね。

 自分らしく生きる、こんな当たり前のことが、なかなか難しい現代になってきていると感じます。違いを認め合える人間関係を築いてほしい、そのために変わるのは大人、教育、社会だと思っています。
 もう1つ授業の中で、特に心の話、性交の話の中に出てくる「自分を大切に」という言葉があります。
 「自分を大切にしていれば、相手のことも大切にできる」
 新型コロナウイルスの影響で自粛期間が3ヶ月ありました。その中で中高生の妊娠に関する相談が急増しているそうです。その背景には自粛期間中、彼(彼女)の家で会う回数が増えたことによる原因が多いそうです。親は仕事でいない場合が多いからですね。

 相談の多くは、妊娠したのかも・・・という不安を抱えた女の子からが多いそうです。
 又、妊娠検査薬で陽性と出たことを信じたくない、現実を受け入れることができない子もいて、その裏に、親に言えない、学校に行けなくなるという不安があります。中高生のうちにSEXに及んでしまう子どもの多くは、「親に言えない」子がほとんどだそうです。親子関係が密接に関係しているとも言われています。私たちの授業は、親子で見てもらうことが大事だと思って活動をしています。
 正しい性の知識を親子で知る事で、自分の身を守ることができ、親もまたタブーな性の事が、大切なこととして話せるきっかけになり、子どもも話しやすくなります。

 昨年“人間と性”教育研究協議会 全国夏期セミナーで、ある高校の模擬授業を受けました。そこで『自分を大切にする』とは『自分で決めること』だと聞き、なぜか号泣してしまいました。その頃、色んな不安を抱えていた私は、何かあるごとに悪い方向に考え、気持ちがゆらゆらとしていました。自分で決めることは、覚悟がいります。でも『あ~自分で決めていいんだ』という安堵感が生まれました。私自身、何度も聞いている言葉なのに、よくわかっていなかった。。。自分の中に落ちた瞬間でした。

 性教育は、小さい頃から何度も繰り返し聞くことで、自分のものになってきます。いざという時には自分や大切な人を守る事にも繋がります。
 今年度、学校の再開が2ヶ月遅れて始まります。昨年度40件あったいのちの授業はかなり少なくなると予想されます。でも現実を考えると、一人でも多くの子ども達に伝えたい。。。ここいくの活動の仕方も、大きく転換する時なのかなぁと感じています。
 今年はここいく10周年!コロナのことで先が見えなくなっていた企画もそろそろ動き出します。
 詳しくはまた今度!楽しみにしていてくださいね(^_^) 

担当:ここいくメンバー・今尾幸子でした。





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