VOL.146 食は文化・食は芸術「マクロビ美人になろう!」 今こそ!再考 スローライフ スローフード de ゆっくりずむ

今こそ!再考
スローライフ スローフードde ゆっくりずむ

スローフードって食べ物?そうではありません。もともとは、イタリアのブラ(BRA)という小さな街が発祥地で、多忙な現代人の食生活を見直す運動を意味します。単にファストフードの対極の言葉としてでなく
1:消えゆくおそれのある伝統的な食材や料理、質のよい食品、酒(ワイン)を守る。
2:質のよい素材を提供する小生産者を守る。
3:子どもたちを含め、消費者に味の教育を進める。
各地に残る食文化を尊重し将来に伝えていこうという活動のことを「スローフード運動」といいます。

また、「ゆっくりと、消化できる体にやさしい食事をとろう」「日々忙しくても食事くらいゆっくり味わおう」という概念があります。日本でも、食だけでなく、衣食住全般と精神的な充足を求める「スローライフ」が注目されています。

01 スピード(効率)重視より、ほっと息が抜ける時間、にぎやかさよりも、くつろげる空間、ゆったりと余裕のある暮らしをしたいですね。そんなことを思っていたら、『モモ』(MOMO)1973年発表のドイツの作家ミヒャエル・エンデによる児童文学作品を思い出しました。エンデは『ネバーエンディング・ストーリー』の原作者でもありす。時間の大切さ、生きることの喜び、人間らしい優しさを描くファンタジーです。忙しさの中で生きる意味を忘れてしまった人々に対する警鐘も読みとれます。

『モモ』ミヒャエル・エンデ:著 大島かおり:訳 岩波少年文庫
あらすじ:ある村の古代の円形劇場で、掃除夫ベッポがモモ(不思議な女の子)を見つける。モモは聞き上手で、村人達が絶え間なく訪れ、不満や日常のことを話していく。いつしかモモは村人達の人気者になる。そのなかでも特にベッポとジジとは親密だった。しかし、ある日”時間貯蔵銀行員”と名乗る時間泥棒が現れ、人々から時間を奪っていく。幸福だった人々は次第にギスギスしてくのだった。そこでモモは時間泥棒に闘いを挑むが・・・。
(もっと知りたい人は本を読むかDVDを見てね!)

スローライフを調べていたら今度は『タイムシフティング』というタイトルの本に出会いました。「タイムシフティング」とは時間の使い方などをシフトする事ではなく、自分の時間の感じ方を「シフト」するということです。ややこしいですが一部引用すると、「日常的なストレスの95%は時間貧乏と関係がある」「だが、(中略)今という瞬間にストレスは存在しない」・・・禅問答ではありません。著者が言っているのは、こういうことです。

私たちが感じるストレスは、過去の出来事に対する嫌な感情・明日や将来に対する不安や恐れなどの、今、目の前にないものが原因である。自分を「シフト」させることができれば、『今という瞬間』に起こっていることを感じてリラックスすることができるようになる、ということです。

そして、この本は時間にきちんと向き合うことがどんなに大切かを教えてくれます。私はついつい「ながら仕事」をしてしまいますが、一つのことに気持ちを集中して向かい合うことで、時間に入り込むことができ、時間に入り込めれば時間はひろがってゆく・・・。なんでもゆっくりやりなさいとはちょっと違う。ゆっくり丁寧にやることも大切だけど、急ぐときはちゃんと集中して急げばいい。

何か一つを丁寧にやるとすごく気分がスッキリします。たとえば、一つの棚を片づけたらはまってしまいその辺り全体をきれいにしてしまった、なんて経験ありませんか?私は先日、集中してアイロンがけをやりました。かけ終わると本当にスッキリ!それがタイムシフティングです。そして、忙しい!やることいっぱい!イライラし始めたら、この時間に入り込むタイムシフティングを意図的に作り出すのです。ぜひ試してみてください。

もう一つ。ここにも禅僧の話がでてきました。
<禅僧は虎に追われて仕方なく崖を降りていると、下にも猛烈な虎がいて上下で挟まれた。そのとき、へばりついていた崖の目の前に野苺が生えていた。禅僧はその苺を食べた。そして思った。「ああ、なんておいしい苺だ!」>

この話は、タイムシフティングをひとことで言い表しています。われわれは過ぎ去った過去におびえ、未来に不安を抱く。その結果、過去からも未来からも逃れられずに現在を過ごしている。未来からも、過去からも、この一瞬を切り離し、本当に自分のための時間を作る。それがタイムシフティングです。

タイムシフティングを実践するには?
・呼吸を意識する。
・瞑想する。(毎日10~15分。ただ呼吸に意識を集中する。生活の中で静かな時間を持って、それに没頭する。それが一日中続くリズムを設定してくれる。)
・好きな音楽を聴く。(音楽には私たちのリズムを変える強い力がある。)
・ ありふれた日常に敬意を払う。(掃除するとき、それに専念する・心から満足を覚えてしていることに注目・身の回りでさりげない行動をしてみる。たとえば照明を変えたり、花を生けたり、壁に掛けた写真の位置、家具の配置を変えたり・・・小さなことから始めるのがポイント)

01『タイムシフティングー人生が楽しくなる時間活用術』
ステファン・レクトシャッフェン:著 高瀬素子:訳
日本経済新聞社

 

 

 

スローフードをキーワードにこんな本を見つけました!

01『畑仕事の十二ヶ月』
月の満ち欠けとともに耕す。昔の知恵を今にいかす旧暦菜園生活のすすめ。
久保田豊和:著 出版社:家の光協会
「梅の花が咲いたらジャガイモを植えます。コブシの花が咲いたら、ネギ、ゴボウ、ラディッシュをまきましょう。里桜が咲いたらいよいよ夏野菜の栽培が始まります。藤の花が咲いたら、ニガウリ、落花生、オクラ、モロヘイヤをまきましょう。」こんな感じの内容で、家庭菜園の技術指南書ではありません。季節の目印を頼りに自分の行動を決める。これは逆に言うと「季節からはずれるとうまくいかないよ」ということでもある。知識ではない知恵が満載の本です。

02『ケチじょうず』
小笠原洋子:著 出版社:ビジネス社
現在1日1000円生活実施中。ものを持たないゼイタク生活、究極のスローライフ。あなたも始めてみませんか。「美徳としてつましく生きるのではない。それが自分の姿勢にあっているから」と、著者が現在実践中の1日1000円生活を大公開。美しく日を送る提案や味わい深いイラストも多数掲載。

03『元気に効く「旬の力」の食べ方』
白井操:著 出版社:講談社
食べもので体がかわる!食べ方で心がよみがえる!
一年中何でも食べられる時代だからこそ、旬の食材のもつ力が必要。味、色、香り、季節を五感で味わえば何かが変わってくる。
旬の素材には体を元気にしてくれる力がある。旬の素材は安心して食べられる。ことさら健康を意識しなくても季節のもの、新鮮なものを食していれば、体は元気に変わっていくのです。香り、歯ごたえ、甘みや苦み、うま味を五感で味わう。ひとりで食べるのはもったいないから、皆でワイワイ楽しく食べたくなる。これこそ究極のスローフード!心も体も元気になれる白井流「旬の食べ方」のエッセイ&レシピ集。

スローフードからスローライフへ
視点を変えれば自分が変わる
自分が変わると、周りも変わっていく・・・

いつも車や電車で通り過ぎてしまう道を、歩いてみる

01 たまに歩くといろんな発見があります。いつも車で通り過ぎる道も、ゆっくり歩くと近所なのに初めて来た場所のような新発見の連続。看板、季節の花、犬、ねこの小動物。夜限定で、タヌキもいる。ちょっとした旅行気分。

昔から、本道からちょっと入った小道を歩くのが好きでした。家々から聞こえてくる話し声や食器を洗う音、テレビの音などを聞くのが好き。そこで私の知らない人たちが生活していると思うと、ほっとするような、それでいてわけもなく切ないような気持ちになるんです。

電車をいつも利用している人も、たまには一駅前で電車をを降りて、ちょっとばかり歩いて帰ってはいかが?

 

 

 

 

ゆっくり歩くと、新発見の連続

でもこんなことになるかも・・・
まぁ、それはそれで楽しんでしまうしかないですね!

01

スローライフって具体的にはどういうもの?

「スロー」のコンセプトとして「Slow (ゆっくり)」「Small (小さく)」「Sustainable (続けられる)」の三つがあげられます。その前に「ライフ」とは、「生活」なのか「人生」なのかによって、考え方も変わってきます。

「生活」だとすると、衣食住から仕事・家庭・遊び・その他の活動、さらに消費する全てに「スロー」を考えられます。何と調べてみると「スローウェアー」「スローフード」「スローハウジング」「スローワーク」「スローホーム」「スローホビー」「スローツーリング」「スローボランティア」「スローグッズ」「スローデザイン」等という言葉がありました。

「人生」だとすると、具体的には「田舎暮らし」や「就農」という言葉が見つかります。平日は一生懸命働く(ファーストな)生活、休日はゆっくり(スローな)生活を楽しんでいるという人は多いかも。でも、そう言う人はスローライフ(人生・生き方)とはいえないのでは・・・。「スローライフ」は「もう少しゆっくりと、いろいろ楽しみながら、生きようよ」ということでしょうか。

「スロー」にはもう一つ「いいことをしよう」という考え方があるようです。
・自分にいいこと。体にいいこと、心にいいこと。
・地域にいいこと(地域興しなど)・社会にいいこと(ボランティア活動など)・文化にいいこと(芸術振興、伝統を守る)・地球にいいこと(環境保全、エネルギー問題、自然を守るなど)

生活を楽しむためには「お金」が必要なのか、「ゆとり」が必要なのか?スローにしたために、収入が減ったり、自分の評価がひょっとして下がるのではないか、人に後れをとるのでは・・・など「スロー」にはデメリットやリスクも考えられます。「ファースト」が悪いというわけではないでしょう。速い方がいいことはたくさんあります。効率よくやればその分空く時間を持てます。「時は金なり」で経済的に豊かになることもあります。でも、「ファースト過ぎ」は問題も。急ぎすぎも忙しすぎも、頑張りすぎも効率優先も、利益最優先も、どこかにひずみがでてくるでしょう。問題が出てくると、これでいいのだろうか、と考えます。

「今の生活」と「もう少しゆっくりな生活」と、どちらが自分は暮らしやすいか。よ〜く考えてみませんか?「スロー」な出発点に立ちましょう!

夜空を見上げる

01 オトナになって、コドモのころより明らかに空を見上げる回数が減りました。日々、自分のまわりの出来事に精一杯だから、余裕がないのかな。都会にいると、星もあんまり見えないし。っていいながら、私がいる所は都会じゃないけれど。

 

01たまには、5分ほど夜空を見上げてみよう。月並みだけど、あまりの空の大きさに、自分の抱えていることが小さく見えるんです。星の一生のスケールに比べて人間の一生はあまりにもあっという間。夜空を観るとそう思うから、改めて毎日を大切にがんばろうっていう気になるんです。

ちなみに空を見上げる頭の角度は、首や肩のコリをほぐすのにいいらしい、です。心と肩のコリをほぐそう。
『キッパリ!たった5分で自分を変える方法』上大岡トメ・著 幻冬社





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