きょうだいを思う
先日岐阜特別支援学校で「きょうだい」についてお話をする機会がありました。きょうだいの話をし始めると何故か涙腺が緩んで涙が出てきます。参加して下さった人も涙を拭きながらの話し合いになりました。
障がいのある子を育てると同時にきょうだいを育てるのに親は苦悩をしています。きょうだいに辛い思いをさせたくない、できるだけのことをしてやりたいという思いに駆られながらも十分なことができない…そんなふうに子どもを思っている親が多いのではないかと思います。このきょうだいの事を話す機会を頂いたことで自分自身の考えをまとめることができました。
障がいのある子のきょうだいを育てるのに大切な事は
- きょうだいの方を優先しなくてはいけない時がある
- SOSを出していたらしっかり受け止める
- 1対1で向き合う時間を持つ
- 愛情は50:50
- 約束は必ず守る
- 私たちは子育ての原点を知っているということを自覚する
- その子らしく生きることができるよう応援する
- 信頼関係を築くこと…とことん信用する…自分の子だから
- 障がいのある子をしっかり育てている姿を見せること
- その子を大好きであること
…だと今は考えています。
子育ての原点を知っているというのは、学歴など全く関係のない世界で障がいのある子どもたちは暮らしています。何が大切か?成績ではない。まず生きること、そこに存在するということです。彼らがそこにいるだけで価値がある。彼らを知ることで周りの人は多くを学びます。
障がいのある子のきょうだいも一般の方もそこにいるということがまず一番に大切なことなんだと思います。と言っても障がいのある子を育てるのは大変です。いるだけでいいんだなんてお気楽な事は言っているわけにはいきませんが、きょうだいにはせめて「自由に自分の思い通りに生きてよ!」という考えになるのです。
愛情を注いだつもりでも「お母さんはお兄ちゃんの方がかわいいんでしょ」と言っていた娘が不憫で、申し訳ない気持ちはずーと持ち続けていました。体は一つしかありません。障がいのないきょうだいを思い葛藤しながら育ててきました。
プロフィール
伊藤 佐代子 (いとう さよこ)
伊藤淳司の母、岐阜障害者就業・生活支援センターの支援ワーカーをした後、NPO法人オープンハウスCANの理事長。地域で暮らす障がいのある方の生活支援や障がいのある方と書道を楽しんでいる。