vol.223 えんぴつカフェ 『生前整理』の始め方

『生前整理』の始め方 11月27日(水)にらめっこにて

生前整理とは、物・心・情報を整理しながら、生まれてから現在までの人生の軌道を見直し、「自分がどんな人生を歩んできたのか?」「どんな夢を持っていたのか?」に気づくことです。そのなかで、これからの人生、自分が何をして、どう生きていきたいかを見つけることができます。世間のイメージでは生前整理は亡くなる準備など暗いイメージがありますが、生前整理を行うことで人生を前向きに考えることができます。

生前整理を行う ベストタイミング
生前整理には次の5つの力が必要です。決断力・判断力・分別力・物の管理力・体力。この記事をご覧いただいている皆さんのこれからの人生の中で、本日が一番若い日です。この5つの力がある “今” こそ、身のまわりの生前整理を行うベストタイミングです!

生前整理は 何から始めたらよいか?
まず生前整理を行ううえで大切なのが、物、心、情報の順番で整理を行うことです。気軽に始められるところで、家の中に  ある写真や思い出の品々の整理から始めてみてください。特に写真は生前整理の中でも片付けの仕方が分からないナンバー1。遺品整理の段階では、多くの写真が廃棄されているようです。
昔の写真を見返し思い出を振り返ることは「回想法」と呼ばれ、欧米を中心に広がっている心理療法です。回想法は認知症の進行予防などが期待されており、写真の大切さが認識されています。そこで、生前整理の第一歩として、「マイベストショットアルバム」を作ることで写真の整理をすすめます。「輝いている私」をテーマに、ピンとくる写真を時系列に並べ、最終的には30~50枚程度に絞ります。写真に当時のエピソードや気持ちを付箋に書き出し、写真に貼り付けて人生を振り返っていきます。これまで生きてきた自分の人生をしっかりと受け入れられます。

生前整理は安心・安全・ 快適がテーマです
次は、使わない、また使えない物の整理です。服や本、食器や昔もらったけどしまってある物など、使わない物が家のスペースを占領していませんか?そのスペースを有効活用することで、今後の安心・安全、そして快適な生活環境が確保されます。

魔法の片付け 4分類法
多くの人が「いる・いらない」の二者択一で考えがちですが、これでは整理は進みません。この2つに「迷い」と「移動」を加えた4分類で仕分けることがポイント。
「いる」…今使っている物と、将来使うことがはっきりしている物。
「いらない」…今使っていなくて、今後も使う目的がはっきりしていない物。
「迷い」…思い出として残すべきか、手放すべきか、判断に迷ったらここに。自分にとって必要かを考える時間を設ける。
「移動」… 思い出として残すと決めたら「移動」に。それは、今使っている物と明確に分けるためです。ただし、保管する場所は1カ所に決めておくこと。

生前整理は捨てることではなく 大切な物に目を向けること
大切なことは捨てることに目を向けるのではなく、自分にとって本当に大切な 物に目を向けることです。大切な物を見極めて、使わない物を手放していく。

そして情報の整理へ
物と向き合い、心の整理ができてから、情報の整理に入ります。まずは銀行口座や保険、年金などの財産、具体的な対処法について、どんな終末を迎えたいかを考えます。 ①財産情報②不動産情報の整理 ③家族との気持ちの共有 も同時にできそうです。

生前整理のポイント
生前整理のポイントは「いつかやろう」を「今やろう!」にするということ。
これからの人生がどれくらいあるかは誰にも分かりませんが、唯一言えることは、誰にも人生の最期がやってくるということ。だからこそ、年齢に関係なく誰もが準備しておくべきもの。生前整理とは「より豊かに生きることを前提とした整理」です。これからの人生、物も心もスッキリして、よりよい時間を過ごしましょう!

費者問題を よむ・しる・かんがえる
国民生活NO.111より