やってみたシリーズ第20弾
お日様の力をいただく、八木山 日の出登山。
松浦 利重さん(70代)
各務原市東部に位置する八木山。標高296メートルのこの山は、南側麓に住宅地や学校もあり、地元の人々に親しまれています。
2年前から可能な限りほぼ毎日、日の出登山を続ける松浦さん。登山を始めるようになって、持久力がつき、お腹の脂肪も減り、少しずつ体が引き締まってきました。精神面でも変化が。「心が強くなったというか、ダラダラするのは今でもそうなんだけど、そこからやる気モードへの切り替えがスムースにできるようになりました」
そもそも、日の出登山を始めたきっかけは?
「何か一つ自分に決め事をして、それを続けるといいよ」と、ある勉強会で出会った方がアドバイスをくれました。読書にするか登山にするか迷い、体を動かす八木山日の出登山に決定。 数年前に自治体のイベントで、八木山、双子山、愛宕山と連なる三山を縦走した経験もあったので、八木山は気軽に行けるちょうど良いところでした。ところが初日、数年間ぶりに登ってみると「え、こんなにしんどかったっけ?」。特に山頂直前の岩場の険しく感じること。山頂にたどり着いた時はぐったり、思わずその場でへたり込みました。
それでも、誰もいない山頂で昇り来るお日様と向き合っていると、そのパワーが自分の中に入り込んでくるような気がしました。自然にお日様を拝み、頭をさげる自分がいました。
「気持ちいい!これは続けましょう!」
以来、雨天時、前日の雨で道がぬかるんでいる日、泊まりで出かけている日以外は毎日続ける松浦さん。
季節により時刻が変わる日の出は、6月頃は5時40分くらい、冬は7時くらい。山頂で日の出を迎えられる時刻にあわせ家を出ます。薄暗い山道をせっせと歩き、冬でも汗グッショリ。帰宅して衣服を着替えれば気分爽快、1日の始めに体を動かし充実した時間を過ごすことができ、気持ちがいいこと。これはランニングハイならぬ登山ハイかも。
八木山日の出登山もいつのまにか2年が過ぎたけど、毎日登っていても飽きるということはないと松浦さん。「根元で3本に分かれているお気に入りの木、きっとみんなここで休むんだろうなと思える石。日に日に大きくなる木の実、変わった形の葉っぱや空に浮かぶ雲。季節ごとに咲く花。どれも面白いよね」。馴染みの風景に心安らぎ、小さな発見が新鮮な気持ちにさせてくれます。気になる植物などを見かけて帰宅後に調べることはしょっちゅう。
「登山の影響なのかな、よく空を見上げるようになりました。心に余裕がないと空を見上げるってこともしないよね」
移りゆく自然の面白さに出会うたびに写真に撮り、SNSで発信もしていましたが、ある日、登山道から外れた斜面に生えているキノコを撮ろうとして、足を滑らせ左足首に怪我を負ってしまいました。3ヶ月の休養期間を経てもうすぐ復帰、八木山の自然とお日様に再び会える日も近づいてきました。
「まずはもっとゆるいところで足慣らししてから。それから八木山登山を再開しますよ。」
今や八木山日の出登山は、松浦さんに欠かせない存在のようです。