ぎむきょーるーむ・どうしたら身につく?自活の基本

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・将来家事のできる男でないと、お嫁さんが来ない かもしれないから。(息子10才)


・親の家事労働が減り、楽になるから。(娘19才・息子17・11才)


・いずれひとり暮らしをすると思うので、そのときに困らないように(娘16・13才)


・生きていく力をつけてほしい。(息子22才・娘20・10才)


・家族の一員としての意識をもち、生活するために家庭内の労働も必要であることをわかってほしい。 (息子10・7 才)


・手伝ってくれると助かるし、女の子は少しでも家事ができたほうがいいと思う。(息子14才・娘11才)


・汚部屋になってしまうのではないかと心配。(娘21才・息子17才)


・外食ばかりで栄養がかたより、健康に過ごせないのではないか。(娘9才)


・精神的なもの。親や家族に対して外であったイライラをぶつけたり、 機嫌が悪いときもあるので、ひとりでそれを解消していけるのか。(娘21才・息子19才)


・お金の管理が上手にできるか。(娘11才)


・火の元だけ注意してほしい。(娘17・15・13・9才)


・異性関係とか?(息子10才・娘5才)

 

まずは、こんなふうに始めてみませんか?  辰巳 渚

そうじ…かたづけとそうじは別のもの

かたづけとは、出したものを元にもどすことです。元にもどすためには、「元の状態」がはっきりしていなければ、もどせません。だから、子どもといっしょに「元の状態」をつくります。
1)使わないものを捨て、使うものだけ残す。
2)その量を定量とする。
3)ものの定位置を決める。

あとは、「出したらもどす」を習慣にすれば、毎日の生活で「かたずけ」という家事はなくなるはずです。まあ、そう簡単にはいかないからやっかいなのですが…
小さい部分をまかせる

私は、かたづけについては「自分の場所」から始めればいいけれど、そうじについては「みんなの場所」から始めるのがいいと考えています。
子どもにまかせるおすすめの場所
1,リビングのはたきかけ ぱたぱたとはたくはたきは、子どもが大好きな道具です。部屋の窓を開けるなど、大事な基礎も教えてください。
2, 玄関そうじ みんなが見る場所であり、小さく完結している場所なので、やりがいがあります。
3,お風呂そうじ 2と同じです。入った時に「きれいにできたね!」とほめられるのもいいですね。
4,窓の汚れふき 窓全体はたいへんですが、自分がつけた手のひらマークを濡れぞうきんできれいにするのは、楽しい作業です。

01洗濯…自分の手で洗う

子どもの日常で、自分で対処できるといい「洗濯」は、小さなものですね。食事をしていてケチャップが飛んだ。ちょっとだけパンツにおしっこがついてしまった。そんな小さな汚れを、自分の手で洗うことから教えましょう。
洗面器に水を張り、洋服のしみの周囲を濡らします。しみの部分をつまんでせっけんをつけて、両手の指先でゴシゴシ。あっというまに落ちるのが楽しいものです。そのあとは、しわをパンパンとたたいて伸ばすことも忘れずに。
また、洗濯機で洗いあがったものをいっしょに干すのも、おすすめです。シャツをハンガーにかけるときは裾のほうから入れる、下着はピンチに留めて人目に触れにくいところに干すなど、洗濯のルールを親子で確かめましょう。

食事づくり…料理は一区切りまで

包丁で切る、みそ汁のみそを溶く、卵を割って溶くなど、小さな仕事もいいですが、ある程度大きくなったら、その部分だけを遊び感覚でやるのでなく、ステップアップのチャンスです。野菜を切り終わったら、包丁やまな板を洗ってかたづけ、切った野菜をボウルに入れるまでが一区切り、と伝えたらどうでしょう。料理は、技術以前に手順や段取りの仕事というニュアンスも、少し伝わるかもしれません。

たつみ・なぎさ 生活哲学家・消費行動研究家・「家事塾」主催。マーケティングプランナー、子ども環境アドバイザーとしても活躍。「家を出る日のために」(理論社)他、著書多数。

ちょっと視点を変えてみる むしろ親はズボラでいい  毛利 子来

01毛利 そもそも、自分の好きなことに没頭する人は、見てくれや整理整頓なんてかまっていられない。坂本龍馬は鼻水たらしてたし(笑)、自分の意志や感情をしっかりもっている人は、概して不潔なんですよ。
?だったら親はズボラでかまわない?
毛利 むしろ親がズボラだと子どもがしっかりしますよ。「うちのお母ちゃん、すぐにものをなくしちゃうから、ボクがかたづけておこう」って。子どもがひとり立ちしていくためにはエネルギーが必要で、生きることに無我夢中になればなるほど、頭の中もやりたいことでちらかるし、家や身のまわりもちらかるもの。そんなゴチャゴチャした家の方が、子どもは元気に育つんですよ。
?自分もズボラなくせして、誰かがちらかすのは気に入らない。子どもに「かたづけなさい!」と、どなってしまいます。(汗)
毛利 「出したものはかたづけなさい」というお題目は、元の場所にもどす必要性を子どもが感じないのだから意味がない。自分の流儀でかたづけられるようになるまで放っておくのがいちばんですが、家族と共用の場をちらかされるのが困るなら、「こんなにちらかっていると、なにがどこにあるのかわからなくなるなあ」「お母さんかたづけるのしんどいわ?」などとお母さん自身の感想をいってみるのもいい。案外、子どもは「しかたないな、やるか」なんてかたづけはじめたりするもんです。まあたとえ汚ギャルに育っても、彼氏やダンナが助けてくれるかもしれないしね。ズボラでもどうにかなるよ!

(もうり・たねき 小児科医。お・は編集協力人。)