225号(2025.4&5)」カテゴリーアーカイブ

vol.225 食と環境のふか〜い関係とは?

参考:こどもエコクラブ・味の素株式会社

わたしたちの日々の「食」は地球環境問題に深く関わっています。 食料の生産・流通・加工・消費・廃棄は、環境への温室効果ガスや窒素の重要な発生源です。 食品の種類によっては生産に伴う環境への負荷が大きなものがあります。 食品ロスは、食べずに捨てた食品の生産から手元に届くまでに投入された全ての資源を無駄にしてしまいます。
キャベツ一玉780円!!!小松菜200円、カリフラワー、ブロッコリーが400円!毎日料理する身としては、悩ましい野菜売り場。安売りのスーパーでさえこの値段。旬のものは多少安いけど、天候不順や昨年の夏の高温障がいなどで不作が続き、店頭に並ぶ数も幾分減った気がする。先日のニュースではキャベツが800個も盗まれたとか…。
こういう時こそ「創意工夫」が大事になってきます。工夫する楽しさを紹介できたらと思い、この特集を組みました。

食エコ
自然の恵みを大切に使い、残さず食べきること。

食べ物を捨てることは環境問題になりますか?

 食品ロスを出すことは、食べ物を無駄にするだけでなく、運搬や焼却時に大量の二酸化炭素を排出することに繋がっています。 UNEP Food Waste Index Report 2021によると、世界の温室効果ガス排出量のうち8〜10%が、食べ物の運搬や焼却など食品ロスに関連のあるものから発生していると推定されています。


味の素株式会社H.Pより
産地で収穫された食べものは上の図のような流れをたどります。生産から片づけまでのすべてのプロセスで資源やエネルギーが使われています。エコ・クッキングでは、私たちが直接かかわることができる、買い物、調理、食事、片づけの場面で、環境に配慮した工夫をすることです。

買い物をするとき、産地に思いを馳せてみたこと、ありますか?どのように育てられた(作られた)食べものなのか想像してみると、そこにはいくつも  の問題が見えてきます。今回はフェアトレードについて少し考えてみます。

フェアトレードとは、直訳すると「公平・公正な貿易」。つまり、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」をいいます。コーヒーや紅茶、バナナやチョコレート。日常を彩るたくさんの食べ物が世界の国々から私たちの手に届けられています。それらを生産している国、人々のことを考えてみたことはありますか?
日本では途上国で生産された日用品や食料品が、驚くほど安い価格で販売されていることがあります。一方生産国ではその安さを生み出すため、正当な対価が生産者に支払われなかったり、生産性を上げるために必要以上の農薬が使用され環境が破壊されたり、生産する人の健康に害を及ぼしたりといった事態が起こっています。
生産者が美味しくて品質の良いものを作り続けていくためには、生産者の労働環境や生活水準が保証され、また自然環境にもやさしい配慮がなされる持続可能な取引のサイクルを作っていくことが重要です。

買い物:生産や運搬などにかかるエネルギーも考えて
・旬の食材を選ぶ→旬の食材は、栽培時に必要なエネルギーが少ないうえに栄養価が高く、価格も安いというメリットがある。
・地産地消を心がける→距離が近いほど運搬にかかるエネルギーが少なくてすみます。地元でとれた食材や国産食材を選ぶ。
・必要量を買う→買い過ぎは食品ロスを増やす原因に。必要なものを必要な量だけ買う。


vol.225 フェアトレードのメリットとデメリット


<生産者にとって>・所得を増やす機会が得られる。・生活が安定し、貧困から抜け出せる。・子どもが労働することなく教育を受けられる。

<消費者にとって>・安心・安全な商品が手に入る。・こだわりの品・質の高い商品が手に入る。
<企業にとって> ・企業のイメージアップになる。・ESG投資や株式による資金調達。

<社会や環境にとって> ・社会や環境が持続可能になる。・途上国が経済成長できる。・経済的協力関係が安定し、戦争や紛争が減る。

社会や環境にとってのメリット

発展途上国で、現地の人の収入が増えれば地域経済が成長します。フェアトレードでは地域を支援するプラスアルファのお金(フェアトレード・プレミアム)を生産者やその団体に支払うことも定められていますが、その資金で学校や病院が建てられ、くらしが安定して豊かになります。治安がよくなり、紛争や戦争につながる地域や民族のトラブルも減らすこともできるでしょう。
また、農薬や化学肥料を減らすことで生態系を守り、環境破壊を防ぐことができます。つまり、社会や環境が今もこれからも、安心で「持続可能」になるということです。

さらに、「貧困をなくそう」「質の高い教育をみんなに」「陸の豊かさも守ろう」「パートナーシップで目標を達成しよう」など、世界全体が目標にしているSDGsの実現にもなります。社会や環境が持続可能に近づくということは、わたしたち一人ひとりにとっても望ましいこと。これもフェアトレード商品を選ぶべき大きな理由となります。

フェアトレードが進まない理由とは?

生産地を助けるだけでなく消費者・企業にもメリットがあり、SDGsにも貢献するフェアトレードですが、なかなか進んでいかない現状があります。
<生産者にとって>・デメリットなし(※)
<消費者にとって>・価格が高い。・商品のバリエーションが少ない。
<企業にとって> ・コストが高くなる
<社会や環境にとって> ・デメリットなし(※)
※ただしすべてのフェアトレードが十分にうまくいっているわけではないので、個々のフェアトレード事例で問題点や改善点はあります。

社会や環境にとってのデメリット

フェアトレードのしくみは社会や環境にデメリットがないように配慮して設計されています。
しかし、フェアトレードでは市場価格とは別の価格を設定するので、自由市場経済のメカニズムが働かない場合があります。したがって、サプライチェーン(原料調達・製造・輸送・販売などの流れ)のなかでコストがかかってしまうというような問題が生じる可能性もあります。

フェアでないトレードって?

フェアトレードをわかるにはまず「フェアでないトレード(公正ではない貿易)」について知る必要があります。貿易をする2つの国を例にとって考えてみます。
A国は農地が多く小麦を生産し、B国は技術が高く自動車の生産が多かったとします。A国は小麦を、B国は自動車を相手の国に輸出することでお互いに利益を得て、A国もB国も輸出によってお金を得て、輸入でほしいものが手に入り、「貿易する前」よりも豊かになります。
まずB国はA国に「もっと生産量を増やすため」などと話をもちかけ、A国にお金を投資して大規模な農地を開発し、農機具を持ち込み、農場を経営して現地の人を雇い入れます。さらに、農園の作物をB国にとって小麦よりも輸入したいさとうきびに切り替えることもあります。そうなると、A国はB国のためにひたすらさとうきびを生産し続けることになります。
ここで生じる最も重大な問題は、A国で生産したさとうきびの価格をB国が決めてしまうということです。B国は安くとうもろこしを輸入して大きな利益を得るのに、A国は利益が得られず、現地で働く人は安い賃金でそこにやとわれて働きます。この状況はずっと続き、A国は貧しいまま、B国は貿易によってますます豊かになっていくのです。
これが、「フェアでないトレード」という不公正・不平等な現実です。「一方の国は豊かになるが、一方の国は豊かにならない」という貿易が行われているのです。

フェアトレードの始まり

始まりは、1940年代後半にアメリカのNGOがプエルトリコ(カリブ海にあるアメリカ領)の女性たちが作った手工芸品を販売したことだといわれています。当初はチャリティー活動の意味合いが強く、フェアトレードでなく「オルタナティブ・トレード」(もうひとつの貿易)と呼ばれていたようです。 1970年代に入ると、開発途上国の産品を購入することにより、こうした国の人々を積極的に支援していこうという試みはさらに広がり、「公正な価格で輸入しよう」との意味合いから「フェアトレード」という言葉が定着。やがて、工芸品・バナナ・チョコレート・コーヒー・衣類など、商品のバリエーションが増えて、欧米には「フェアトレード・ショップ」ができました。「フェアトレードがなぜ大事なのか」を広く一般の人に知ってもらおうという動きも活発になっていきました。
2000年以降になると、フェアトレードに積極的に取り組む大手スーパーや食品メーカーも増え、「フェアトレード」という言葉がようやく一般の人に知られるようになってきました。
行政でも、公正な取引で格差のない社会を実現しようとする「フェアトレードタウン」認定を目指す動きが始まり、2011年、熊本市が日本初のフェアトレードタウンに認定され、2020年9月までに名古屋、逗子、浜松、札幌、いなべ各市も認定を受けました。
社会の未来を育てるウェブメディアより

 


vol.225 その水道水、だいじょうぶ?part-5

発がん性などが疑われ国際条約で製造や取引が禁止・制限されている有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が全国の地下水や水道水などから高濃度で検出されている問題は、各地で住民が自主血液検査に乗り出すなど、波紋が広がり始めています。問題を放置してきた行政や排出源の責任を問う声も相次いでいるのが現状です。

公害といえばすぐに脳裏に浮かぶのが「水俣病」「イタイイタイ病」「四日市ぜんそく」などが挙げられますが、公害には、以下の7つの種類があります。
大気汚染:工場・自動車から出る排出ガスなどによる空気の汚れ
水質汚濁:工場から出る排水などによる川などの汚れ
土壌汚染:工場から漏れた有害物質などによる土の汚れ
騒  音:工場・自動車・鉄道などによる音
振  動:工場・自動車・鉄道などによる地面の揺れ
地盤沈下:地下水の汲み上げにより地面が沈むこと
悪  臭:工場などから出るいやなにおい

PFAS問題は「水質汚濁」と「土壌汚染」が当てはまりそう。

汚染に揺れる航空産業の町
名古屋市の北に隣接する豊山町は、ビジネスジェットやプライベートジェット運行の拠点となる愛知県営名古屋空港や、三菱重工の小牧南工場などを擁する航空産業の町。その豊山町も水道水の汚染問題に揺れている。町内を流れる地下水や河川からひいた水道水から、国が安全性の目安として定めた値(暫定基準値)を大幅に上回る濃度のPFASが相次いで検出されているため。各務原市には航空自
衛隊 岐阜基地がある。「消火訓練で泡消化剤を使用していた」という証言
も得られており、水質・土壌汚染につながった可能性が高い。が、防衛省によると2024年9月末までに、陸上自衛隊と航空自衛隊の保有するPFOS含有泡消火薬剤の処理を完了したとのこと。しかし、水源を汚染され、各務原市も水道水が国の定める暫定基準を大きく上回っている。この事実を行政は3年間も公表しなかったため、市民は無防備で対策を取ることができなかった。
得体の知れないこのPFASは、何千種類ある有機フッ素化合物の総称で、腎臓がんや精巣がん、乳がん、妊娠高血圧症、異質異常症、潰瘍性大腸炎、免疫力低下、低出生体重児などとの因果関係が疑われている。

体内から数十年間、排泄されず
これまでの研究で特に毒性が強いと認められたPFOS(ピーフォス)、PFOA(ピーフォア)、PFHxS(ピーエフヘクスエス)の3つは、有害な化学物質を規制する「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」で、製造や使用が禁止または厳しく制限されている。他のPFASについても、人への重大な影響が懸念されるため、欧州連合(EU)がPFAS全体を禁止する方向で検討を急ぐなど、欧米で規制強化や対策が進んでいる。
問題は、PFASが化学的に極めて安定した構造を持つ点。このため、製造や使用を禁止しても、工場などからすでに排出されたPFASが、分解されずに河川や地下水、土壌に滞留。水道水や農水産物を汚染し続けるとともに、それらを摂取した人の健康を脅かしている。PFASは体内で代謝されないため、一度摂取すると、最長数十年、体内に留まるとの調査結果が報告されている。

そこで重要なのが、血液検査
各務原市では、一昨年と、昨年「市民の会」がみどり病院と共同で希望者を対象に血液検査を実施。その検査結果の記者発表時に、にらめっこも取材をさせてもらった。

「岐阜県各務原市の三井(みい)水源地(同市三井東町)の地下水から発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)が検出された問題で、県民主医療機関連合会(岐阜民医連)は17日、昨年実施した子どもの血液検査の結果を公表した。三井水源地から水道水を得ている家庭の子どもの約8割で、PFASの血中濃度が米国の指標を上回った。
検査は昨年11月、岐阜民医連が1~17歳の20人に実施し、京都大の原田浩二准教授=環境衛生学=が分析。三井水源地の子どもは14人中11人が米国指標の血液1ミリリットルあたり20ナノグラムを超え、各務原市内の別の水源地や市外の6人はいずれも指標を下回った。原田准教授は『水道水からの摂取があったのは確実』と指摘した。
今回は2023年10月に調べた成人83人への再検査も実施し、その結果も公表。前回の結果と比べて血中濃度に目立った変化は見られなかった。原田准教授は『PFASの半減期は3~5年とされるが、これは摂取をゼロにした想定での年数。水道水から検出が続いている状況では数字は落ちにくい』とし、長期のモニタリングの必要性を訴えた市は今回の結果を把握していないとして『提供があれば参考にさせていただく』とコメント。公費でのPFAS検査に関しては『市単独で行う予定はない』とした」(血液検査発表の翌日の中日新聞朝刊)

◆公費で検査実施の自治体「知ることで不安解消」
自治体による血液検査を巡っては、水道水から高濃度のPFASが検出された岡山県吉備中央町が、全国初の公費による血液検査の実施を決定した。町の専門家委員会の提言でも、環境省の専門家会議と同様に住民の精神面への懸念が示されていたが、町は「知ることによって不安が解消されることもある」と判断した。
かたや環境省が自治体向けに示している対応手引の修正案を、東京新聞が独自に入手。住民の血液検査について「かえって不安が増す可能性がある」と、自治体による検査に否定的な考えが新たに盛り込まれている。人体への影響を調べる血液検査は汚染地域特定にも役立つとされ、住民の要望も強い。環境省の方針は批判を招きそうだ。各務原市の対応は環境省の方針と同様「不安をあおりかねない」として血液検査はしない方針。(東京新聞)

2025年2月17日
みどり病院 松井院長
昨年一月16名の相談があった。腎がん、甲状腺、脂質異常、等の相関は分からない。慢性甲状腺腫瘍疑いが2名おられ専門医を紹介した。橋本病(慢性甲状腺炎)、腎がん、潰瘍性大腸炎はなかった。ピーファスは10年20年単位で経過観察していかなければならない。

民医連として今後どうするのか:土井事務局長
市民団体と一緒に131名の 血液検査を実施した。水道水による長期摂取された方々です。特に気になるのは三井水源の子ども、14名中11名が20ナノグラムを超えていたこと。公費負担の検査が必要であることを改めて要望をしていく。健康へリスクの影響のない米国並みの4ng/lにしたい。


Q:PFHxSが高い要因は?
A:原田/地下水に浸透しやすい性質だから。
Q:血液検査ですが、何年くらい続けると経過観察と言える?
A:原田/数値の高い人は数値が下がるまでは今後しっかり毎年、もしくは数年単位で検査していく必要があります。
Q:それで相関関係は証明できるか?
A:原田/なかなか特定しにくいですが、問題は
残ります。
Q:市民団体/数値がさがっていけば、安心してしまう人がほとんど。
A:原田/高止まりしているが、しっかり対策をとる必要があります。今明らかになっていないだけで、今後の問題としてしっかり見ていき、保健、医療関係で調査、住民に説明する必要もあります。
Q:各務原で血液検査をしないのはなぜか。
A:民医連/知見がない、という理由からです。知見がないからこそ、調査をする必要がある。知見は今後我々が作っていくことになると思う。血液検査が吉備町のように公費で検査し、調査する必要性を感じている。
Q:学校の浄水器。こどものリスクがあるのか。
A:原田/受け取る側より給水する側の基準を厳しくする必要がある。50ng/lを下回ることが必要。しっかり下回ること。ただ下回ったからといってそのままでいいとは限らない。その間、どう対応していくのかが大事。子どもならではのリスクですが、日本では、生まれて来ることどもの発達が遅れていく、免疫量にも影響が出ている。
Q:岐阜市民/基地の周りに住んでいないから大丈夫、ではなく、身のまわりにいっぱいあるPFAS、焼却されたらどうなるのか?
A:原田:日用品にはまだいっぱいあります。メーカー側もPFASフリーが必要となってきている。焼却ですが、有機フッ素ですから、しっかり高温で燃焼させれば分解されます。

 

 

 

 


vol.225 ぎむきょーるーむ 空間認知能力って?



パズル
 パーツを組み合わせて完成させるパズルは、空間認知能力を鍛える遊びの一つ。パーツがどの位置にくるかを予測すれば、頭の回転が速くなります。絵柄を完成させる平面パズルだけではなく、立体のパズルにチャレンジすると、効果的に空間認知能力を鍛えられます。
パズルに慣れていない子どもは、簡単なパズルから挑戦してみましょう。最初に難しすぎるパズルを与えると、完成させられずに子どもがやる気を失うかもしれません。子どもの発達に合ったパズルを選ぶことで、楽しく取り組めます。

積み木・ブロック
積み木・ブロックは組み合わせることで立体を形作れる、空間認知能力を鍛えるのにぴったりの遊びです。
例えば「ロボットを作りたい」と思ったとき、ロボットの形状を思い浮かべてパーツを選び、組み上げることで、3次元空間での想像力が身につきます。
積み木・ブロックに慣れておらず、何をしていいかわからない子どもには、まずはお手本を見せながら積み木・ブロックに触れるところから始めましょう。
簡単な組み合わせを子どもと一緒に作りあげ、完成したら褒めることで子どものやる気を引き出せます。

折り紙
平面的な紙を折りあげて、さまざまな形に作り変える折り紙は、空間認知能力を上手に鍛える遊びです。
決まった折り方でオーソドックスな作品を作れるほか、自由に折ることで想像力を高められます。
子どもが初めて折り紙に挑戦するときは、手数が少ない平面的な作品を折るのが良いでしょう。できるようになったら、徐々に難易度をあげて、立体的な作品に挑戦してみましょう。
子どもが自分で折り方を確認しながら折り紙をすれば、空間認知能力アップにつながります。

外遊び(おにごっこ・ジャングルジムなど)
外で体を動かすことも空間認知能力を鍛えるのに効果的といわれています。たとえば、おにごっこは相手の位置と自分の位置を確認することで距離を把握する力をはぐくみます。

 一つ目の理由として、「空間認知能力」が高い人は「IQ(Intelligence Quotient=知能指数)」も高い傾向があると言われているためです。この相関については、学術雑誌『図学研究』に掲載された「MCT (切断面実形視テスト)によって評価される空間認知力と一般知能との関係」という論文内で報告されており、「空間認知能力」と「IQ」には、かなり高い相関が見られるそうです。
また、もう一つの理由として、子どもの遊び方の変化による空間認知能力の低下が危惧されるようになったという時代背景があります。
かつての子どもたちは、外で鬼ごっこや木登りをして遊んだり、室内でも積み木や折り紙をして遊ぶなど、その遊び方は立体的なものばかりでした。しかし現代の子どもたちは、スマートフォン・タブレットを使ったゲームや動画視聴など平面的な遊びが多く、立体的な遊びをする機会が少なくなっています。
学校現場においても、見取り図や空間図形の問題が苦手な子ど
もが増えており、空間認知能力の低下や能力を鍛える機会の少なさが課題となっています。

日常生活の中で鍛える
こそあど言葉(これ・それ・あれ・どれ等)を使わず、具体的な位置や形を表す言葉を使ってみる。こそあど言葉は物体や空間の詳細をイメージしにくく、空間認知能力の成長に必要な「位置関係や形状を頭の中でイメージする」機会が損なわれてしまいます。
例えば、「これをあそこに入れておいて」と言うところを、「この本を棚の一番上の左側に入れておいて」と言ってみるとよいでしょう。上下や前後左右だけでなく、大小を意識させる声掛けもおすすめです。


vol.225 続・しょうがいをみつめるvol.7

バリアフリーってどういうこと?

バリアフリーと聞くと駅や施設の手すりやスロープなどを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
それもそのはず、バリアフリーとはもともと建築用語で「障害のある人や高齢者などが社会参加しやすくするため、建築物などに存在する障壁(バリア)を取り除く(フリー)こと」の意味で使われていました。
現在ではより広い意味合いをもつようになり、「あらゆる人の社会参加を妨げる物理的、社会(制度)的、心理的障壁を取り除く」という意味で用いられています。
それは、障害というのは社会の側にあるものなので、その障壁を取り除くのは社会の責務であるという考えからきています。

年月をかけ、物理的障壁はかなり取り除かれてきました。誰もが使う公共施設などは誰にとっても使いやすいということを前提に設計されており、エレベーターやスロープが設置してあり移動しやすいのはもちろん、案内表示は誰にとってもわかりやすいシンボルマークであったり、さまざまな人が使えるトイレや休憩室が設置してあったりします。
最近では、レゴランドが自閉スペクトラム症など刺激に敏感な来園者が安心して利用できるよう、各アトラクションの刺激(感触、味、音、視覚、匂い)の強さを示した「感覚ガイド」を設置したことが話題になっていました。
これまでの目に見える障壁の除去から、見えない(見えづらい)障壁の除去へと物理的バリアフリーが進んでいることを感じます。

社会的にも、障害によって学びの機会が損なわれないようさまざまな学びの場が整備されてきましたし、障害があっても仕事の機会が得られるよう法律が制定されてもきました。
ですが、心理的障壁はなかなか除去できない壁として大きく立ちはだかっているような気がします。もちろん面と向かって公の場で差別的な発言をする人はあまりいないとは思いますが、障害のある人への偏見や決めつけは多くの人の心にあるものだと思います。もちろん私にも・・・。
障害のある当事者やご家族の話を聞いていると、「障害者雇用って制度はあるけど、精神障害だと雇われづらいんだよね」とか、「学校の先生に学習補助具としてのタブレット申請を却下されました」などと、制度はあってもそれを運用する人自体が障壁になっているということがよくあります。
心理的障壁は目に見えませんから、本人も意識していない場合が多いのです。学校の先生も何もいじわるをしようと思ってタブレット申請を却下したわけではないでしょう。だからこそ、心理的バリアフリーはとても難しいのです。

 では、心理的バリアフリーを進めるためにはどうしたらいいのでしょう。
それは一人一人が異なることを前提にして、相手のことを知ろうとすること、相手の話を聞こうとすることなのではないかと思います。
よく知らないから見方が偏ってしまったり決めつけてしまったりするのです。知ればいろいろな見方や考え方ができるようになり、その分障害のある人や高齢者などさまざまな人に想いを馳せることができるようになります。
みなさんも、たくさんの人と出会い話をしてみましょう。それが多くの人が生きやすい社会につながる一歩になるはずです。

 


vol.225 熱中人 駒林 美佳さん

今でもちょっとおしょうゆ分けて、とか、お砂糖分けて、そんな関係っていいなってという気持ちと、資源は永遠ではないので限りあるものを分け合って、そんな思いがこもったお店の名前      。「決して重い課題を背負っているわけじゃないんですよ」と美佳さん。その背景にはゴミを減らしたいっていう思いがありました。

ことのはじまり
最初は、ママ友たちと「雑紙って資源回収に出せるって知ってた?」っていう本当に軽い内輪話でした。ドラックストアにステーションがあって雑誌、新聞、雑紙…これらを持っていくと、重さに応じてお金になったりポイントが貯まったり。1ポイント1円になるんだって、みたいな話から、雑紙を分別したら、燃えるゴミがめっちゃ減るっていう話題になって…「もっと減らせるんじゃない?」と話はどんどん膨らみ、庭で畑をやっている人が生ゴミを庭の土に埋めると「燃えるゴミとして出す量が減る!」って。それなら私にもできると思い、庭の一角にある花壇に埋めてみたんです。本当にゴミの量がすごく減りました。
でも、プラゴミは全然減らないんですよね。買い物に行くとこのパッケージ全部プラゴミなんだぁと思って。でも、買わずにはいられない現実があり、なんかモヤモヤしていました。そんな時、京都に プラゴミを減らすために量り売りもできるスーパーがあるっていうのを知って、旅行を兼ねて行ってきました。お店では、お野菜もお惣菜もみんな量り売り。納豆はステンレス製のデポジット制のお弁当箱に。買うこと自体がものすごく楽しかったんです!容器など持っていくものは増えるけど、自分が好きなものを好きなだけ容器に入れてもらい、帰ってからそのまま使えて、使い終わってもゴミにならない。これだ!と思いました。
それともう一つ、大事なことですが、「農薬を使わない、環境負荷のかかっていないもの、土地の風土を大切にしている農家さんと契約」してらしゃることも安心してお買い物ができると思ったんです。
しかもお店の方は、「ここだけでやっていても拡がらないので、いろんな場所で量り売りをやってほしい。売れた分だけ清算してくれればいいよ」という感じでスタートアップを応援する、というスタンスでした。


最初は師勝にあるビーガンカフェを間借りしていました。素材にこだわったランチを提供しているお店で、そのオーナーさんも環境のことをすごく気にされてなるべくオーガニックの食材を使い、ランチを提供されていました。で、たくさん仕入れたものは量り売りされていたんです。でもオーナーさんはランチ提供で手一杯で、量り売りやってます!ってアピールはできないとのこと。じゃぁ私、やりたいからやらせてくださいってお願いしたんです。順調でしたが、お客さんで、香料をつけてくる人と、ランチを食べたくて来る人と共存させるのは申しわけないって思い、予約時に香料はご遠慮くださいって。そしたらお客さんがすごく減ってしまって。いったんそのお店をたちのきました。
それからはあちこちで開催されるマルシェなどに出店させてもらってました。そんなことをしながらつないでいたら、ここ(現在の店舗)のオーナーさんが「今空いているから使っていいよ」って言ってくださって。京都のお店から仕入れもできることになり、一昨年2023年10月から再スタート。こうしてwakete はスタートしました。
場所があるっていいですね。いろんなお客様が来てくれます。「こういう買い方もあるんだね、楽しいよね」とか、「なんかちょっとづつ買えるのが嬉しい!」「これ美味しかったからまた買いに来たよ」って、来てくださる方が増えました。食べたことないものは少量買って、お試しも気軽にできる。「何のお店なの?」とか、「ちょっと見ていい?」って、ふらっと寄ってくれたり、リピーターの方も多いです。

使い回しの美学
資源回収ってリサイクルですけど、それを新たなものに作り変えるって、結局エネルギーが必要ですよね。あるものをそのまま使い回せるのがいいなって。チャックの付いた袋とかも捨てずに使いまわしています。あと、ジャムとか鮭フレークなどのビン類も。「容器がいるなんて知らなかったわ」、そういう人たちのためにリユース瓶としてお店にストックしています。循環がキーワードです。あるものをそのまま使えること。いいものをパッケージフリーで!

 

 

 


vol.225 やってみたシリーズ 第25弾

ウクレレとは密接なハワイアンミュージック。ハワイアンソングは、王族が音楽に深く関わっていた。中でもリリウオカラニ女王は160曲を超える曲をつくったといわれている。
「『クウ・プア・イ・パオアカワ二』というすごくいい曲があって、なんとこれはリリウオカラニ女王が幽閉されていた時に作った曲なんです。そんな時にこんなすてきなメロディがつくれるんだと、曲の背景にいちいち感動しちゃうんですよね」と、廣瀬さん。
「あとやっぱりウクレレの音色が好き。自分で弾いてて自分を癒してるっていう感覚」とも。
派手さはないけれど、弦が4本でシンプルなフォルムのウクレレは、小さく軽いのでどこへでも一緒に行ける、そんなペットのように可愛がる廣瀬さんのウクレレとの出会いは約10年前。
名古屋の百貨店の催事場で、偶然目にした男女ペアの演奏を聴いたとき「歌いながらウクレレを演奏するその人たちが本当に楽しそうで、私もやりたい!って思ったんです」家族にその話をすると、なんと誕生日にウクレレをプレゼントしてくれたとか。
ただ、それまで音楽に取り組んだことがなく、楽譜も読めないし、動画を見てもチンプンカンプン。何をどうしていいかわからなかった。そんなとき知った各務原市のウクレレ講座の募集。初心者向けの内容で、これならついていけそうと早速受講を申し込んだ。少しずつ弾けるようになってきた頃、友人の娘さんが絵画の個展を開くことを知った。
「友達の娘さんが今度個展を開くんです。そのオープニングセレモニーで一曲弾きたいんですが、こんな私でもあと1ヶ月で何とかなりますか?」と講座の先生に相談した。それから毎週一回、小牧市の先生の自宅へレッスンに通った。当日、お披露目したのは『見上げてごらん夜の星を』。
「とってもたどたどしい千鳥足の演奏でした。それでも屋外での演奏は、風に木の枝も揺らぐし、鳥も来てたし、とても心地よかった。あとでその時の動画を見たら、曲にあわせて体を揺らしている人がいたの。それがなんか嬉しくて、『あ、私はこういう世界を作っていたんだ』『やればなんとかできるもんだなあ』って。その時ウクレレをもっと続けてみようかなって思ったんですよ」
10年前にウクレレと出会い、講座の先生に出会ったことでハワイアンミュージックの良さを知り、オープニングセレモニーで人前で奏でる世界を知った廣瀬さん。
「5月18日にアートギャラリー是で開催される“おとなの音遊び”では「糸」に挑戦します。歌謡曲など身近にある曲もいいですよね。今まで聞くだけだった曲を自分で弾けるなんて思っていなかったから。やったらできる、すごいなあって自分を肯定できるんです」。
「今の目標は、歌いながら弾く。弾き語りって言うとなんか格好良すぎますよね(笑)。自分の楽しみとして、力まずゆるく続けていきたいですね」。

 

 

 


vol.225 にらめっこトピック 免許返納

現在82才。80才で免許返納しました。
79歳のころから、
・夕方の運転がむずかしくなったこと
・曲がる角を間違えることが多くなったこと
・夕方に運転をすると疲れ、一休みすることが多くなったこと
・子どもたちが「いつまでうんてんするのか」と心配されたこと
・高齢者の事故のニュースを見ながら加害者にはなりたくないと思ったこと
・80歳を機に返納しようと思ったこと

実はその前に不安があったのです。
・車から降りるとふらつくこと
・ふらついてまっすぐ歩けないこと
・杖を考えたがバランスがよくない。
・ノルディックウォーキングがいい言われ講習を受けた。5月末に満開のヒトツバダコ(なんじゃもんじゃ)を見られたことを機に車に乗るのを止めた。

それでも・・・
内科と歯医者は何とか歩いてと思っていましたが、とても無理でした。幸いにも「チョイソコかかみがはら」の沿線上に両医院があり停留所にもなっていたので通院は可能に。

自宅からNPO法人「だいじょうぶ」に通うには
須衛町1丁目の川崎団地に住んでいます。団地内の「チョイソコかかみがはら」でJR各務原駅。そこから歩いて名電各務原から那加駅へ。そこから事務所まで徒歩。
帰りは新那加駅から三柿野まで電車。岐阜バスに乗りかえ、関ひがし山線で上須衛まで。

返納して良かったと思っている。
歩きたくない時もありますが、動けるうちに!でも内心は、今現在、ポールを使わないと歩けなくなっているので、車だったら良かったのにと思うこともあります。ですが、ポールを使ってでも自分の思うようにし旅行に行ける今が一番です。動けなくなってから免許の返納をしていたらどこにも行けなくなっていたと思います。

月に1、2回は子供達に頼み買い物に。会議や市役所には事務所の人に頼めます。なので、私の場合は恵まれていますね。

免許返納メリット&デメリット

よく歩く→健康的

交通機関を利用してみて
車に乗っていた時には、自宅の玄関から事務所まで直接行けていたが、1日200歩ほどしか歩いてなかった。今では往復で2500歩くらい歩いています。

不便さに→とまどうことも

生活のサイクルが変わっただけなのに「車があれば…」と思う瞬間がある。が、気持ちの切り替えで難なくクリアできる。

 

ふれあいバスの運賃
大人  100円
小学生(6歳〜12歳)50円
障がい者 半額
未就学時 無料
平日は1時間おきが多い
土日祝祭日は2時間おき 路線によって違う
12月29日〜1月2日 運休
1月3日は土日祝日ダイヤで運行
支払いは現金またはICカード

 


vol.225 夢か悪夢かリニアが通る! vol.54

 静岡県焼津市に住む「ナウシカ山の会」代表でクライマーの服部隆さん(72)は昨年7月、山仲間ら4人と南アルプスの大井川源流部、西俣支流の蛇抜沢(じゃぬけさわ)の遡行に挑みました。山梨、静岡、長野の3県にまたがるリニア中央新幹線の南アルプストンネル(約25km)は、大井川源流部の東俣、西俣の真下だけでなく、この蛇抜沢など無数の沢の真下も貫く計画です。国の有識者会議でJR東海は、トンネル掘削により蛇抜沢を含めた大井川源流部の8つの沢で流量減少が予測されるなどと環境影響評価(環境アセスメント)では示さなかった深刻な被害の恐れを明らかにしました。「『その影響を強く受ける』とされる沢を、我々山ヤこそが自分の足で、自分の目で、五感を駆使して、その自然の姿を確かめよう」(報告書より)と計画したのが今回の遡行です。    井澤 宏明・ジャーナリスト

「枯れる」沢を遡行

魚がすめなくなる
 服部さんは18歳の春休みに登った安倍川上流の山から望んだ南アルプスに魅せられて半世紀、南、北、中央アルプスの山や谷、海外の岩場を、裁判所職員として働きながら登ってきました。
蛇抜沢は南アルプス南部の中核をなす荒川三山の最高峰・悪沢岳(東岳、標高3141メートル)を源流とする沢です。悪沢岳は深田久弥の「日本百名山」で知られ、南アルプス国立公園、ユネスコエコパーク(生物圏保存地域)の一部です。
JR東海はトンネル掘削による沢の流量減少の恐れに言及する一方で、アクセスの困難さなどを理由に沢の上流域の調査は行なわず、ドローンなどを使った調査にとどめてきました(同社によると今年2月現在、33沢のうち上流域まで遡行調査したのは2沢だけ)。
蛇抜沢の下流部は急流で、次から次へと現れる滝は水量が多くて直登できません。ロープで安全を確保しながら沢から離れた草付きを登る「高巻き」やロープに体重を預けて沢に降りる「懸垂下降」を繰り返し、標高差約200メートルを登るのに約3時間を要したといいます。
遡行中にウェアラブル(装着型)カメラで撮った映像を見た静岡県専門部会の塩坂邦雄委員(株式会社サイエンス技師長、工学博士)は、沢岸の岩肌から流れ出ている複数の「湧水」に着目。この湧水は「水がたまっている断層破砕帯から一年中安定して出ている大井川の上流部の沢を支える水」だとし、「トンネルを掘ると断層破砕帯にぶつかるから、圧力のかかった水が全部トンネルに抜けて湧水が出なくなるので、沢が砂漠化し魚がすめなくなってしまう」と危惧しています。

山の悲鳴が聞こえる
今回の遡行の映像は「大井川の水を守る62万人運動」YouTube公式チャンネルで公開されています。蛇抜沢は緑が濃く、鳥のさえずりも多く、ツキノワグマのフンなど動物の痕跡も多く見つかりました。「南アルプス南部の自然の豊かさを体現している素晴らしい沢だ」と服部さんは言います。
服部さんは、国のリニア工事認可取り消しを求め沿線住民ら782人が起こした行政訴訟「ストップ・リニア!訴訟」(東京地裁は請求棄却、東京高裁で係争中)の原告でもあります。参加の動機を「南アルプスに人間の勝手で穴をあけて水が抜け、そこに落ち度もなく生きている生き物、植物が死んでいく、殺されていくのがどうしても我慢できない。彼らは日本語がしゃべれない。だったら僕が代理人になろうという思いだった」と振り返ります。
静岡県には南アルプストンネルの本坑(長さ8.9キロ)の他、先進坑(8.9キロ)、千石斜坑(3 キロ)、西俣斜坑(3.5 キロ)、工事用トンネル(3.9 キロ)、導水路トンネル(11キロ)の計6本のトンネルが掘られます(数字は「約」)。服部さんは「南アルプスの内臓をえぐり出すに等しい。私には南アルプスの悲鳴がはっきりと聞こえる」と批判しますが、声を上げ続ける山岳関係者は数えるほどしかいません。
4月20日には長野県松本市で開かれる登山者集会「南アルプスからのSOS」で登壇する予定の服部さん。「南アルプスは次の世代に必ず引き継いでいかなきゃならない公共財産。すべての沢の水を決して減らしてはいけない」と訴え続けています。

 


vol.225 防災に役立つアウトドア知識

アウトドアグッズが

非常時に役立つもの


<テント>災害用に用途を限定して持っておくより、“普段は遊びで使いながら、いざというときには住居にもなる”という意識で、使いながら備えておくことがベスト!
水のたまりにくい場所を選ぶ→日よけ、雨よけのために、木の下も選択肢のひとつです。ただし、落雷の危険がある場所は避けてください。
入り口は風下側に→入り口が風上を向いていると、突風で風をはらみ、飛ばされる危険あり。
必ず張り綱を張る→張り綱を張らないと、大人2人が中にいても飛ばされることが。
すのこやパレットを利用→床を上げることで、浸水・湿気・冷えを抑えられます。
タープを張って生活空間を広げる→タープがなければブルーシートで代用してもよい。
雨水は生活用水に→タープにたまった水は捨てずに利用。
生活テントと物資テントを分ける→テントの数に余裕があれば、用途で分けると暮らしやすくなります。
避難所のひとつとして認めてもらう→行政に働きかけます。認められれば支援物資や情報を受けやすくなります。

<携帯トイレ> 登山などのアウトドアに出かける際にも持参を呼びかけているアイテム。
少しでも自然への負荷を減らしたり、水場の水を汚染したりしないようにするのが目的です。アウトドアに出か ける際にはザックにしのばせておき、使用する機会をつくっておくことで、災害時にも抵抗なく使うことができます。


<低山へのハイキング>
災害時、がれきを乗り越えたり山道を歩いたりできるように、家族でハイキングに出かけ、不整地歩きに慣れましょう。
<キャンプの体験>
電気・ガス・水道を使わずに一晩過ごす「サバイバルナイト」お子さんがまだ小さい場合は、家の中で野外生活のまねごとをしてみましょう。非常食の賞味期限切れに合わせて行えば一石二鳥です。非常食を晩ごはんにして、味、量、食べやすさ、好みなどをチェックします。
<暗闇に慣れておく>
暗闇が苦手な子は、暗闇に慣れておくことも大切。ヘッドランプやろうそくの明かりのもとでカードゲームをして過ごすなど、楽しみながら経験を積み重ねていきましょう。
<和式トイレを子どもに使わせておく>
災害時は和式トイレしか用意できないこともあるので、遊びに出掛けた先に和式トイレがあれば、積極的に使わせておくなど、日頃から和式トイレにも慣れさせておくといいですね。

できるだけ安全に子どもを避難させる
歩ける子であっても、なるべくおんぶやだっこをして、子どもが怪我をするのを防ぎ、子どもとはぐれてしまわないように.靴は必ず履かせておきます。ヘルメットや帽子で頭も保護しましょう。避難時は、なるべく両手を空けておきたいもの.そんな時、「ベビーキャリア」があると便利.災害時にも役に立ちます。子どもの着替え、おむつ、おしりふき、タオル、ビニール袋、食料、水など、非 常時に必要なものを入れてしまっておくようにすれば、いざというとき、子どもを乗せてすぐに避難できます。

子どもをぎゅーっと抱きしめて
災害が発生した日、親と離れ離れで一晩を過ごした幼稚園の子どもたちが、親に会うまで泣いたりぐずったりしなかったという話を聞きました。小さな子であっても災害という非常事態を理解し、大人たちを困らせないようにじっと我慢することがあります。
兄弟姉妹がいる場合は、上の子ほど我慢するようです。避難生活で親も精いっぱいですが、子どもたちもがんばっています。被災後は先の見えない生活が続き、子どもの相手をする余裕がないかもしれませんが、しっかり抱きしめてあげてください。上の子にも、下の子と同じように甘えさせてあげてください。

 

NPO法人 森は海の恋人 畠山 信(はたけやま まこと)さんは、
「安心・安全」を考えるのであれば、「危ないことをしない」のではなく、「危険の感覚とそれを回避する技術の向上」を目指すべきなのだと思います。さまざまな体験を通して、その感覚と技術を学ぶべきだと思うのです。キャンプなど野外活動の知識と技術は身を守る第一歩といえます。シートとロープでタープが作れるかどうか、実際に経験しておくといざという時に必ず役に立つことでしょう。

 

 

 


vol.225 ボーダーレス社会をめざして vol.84

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

移動支援

趣味を楽しむ時間は、心を解き放ち、生活に彩りを添える大切なひとときです。障がいのある人、ない人すべての人にとって、生きていくための活力となる大切な時間だと思います。
障がいのある人の趣味は、例えば「電車を見る・乗る・写真を撮る・絵を描く・歌を歌う・ゲームをする」など一般の人と何ら変わることはありません。自分一人では行動が難しい人には、障害福祉には、移動支援というサービスがあります。
移動支援とは、『単独では外出困難な障害者(児)が、社会生活上必要不可欠な外出及び余暇活動や社会参加のため、外出時にヘルパーを派遣し、必要な移動の介助及び外出に伴って必要となる介護を提供するサービス』とされています。
このサービスを利用し、趣味を楽しんだり、興味を満たすことができます。電車を見に行く人、カラオケをする人、電車に乗り、遠くへ出かける人など、いろいろな支援を私たちはしています。障がいの程度に差はなく、楽しんでいらっしゃる姿はいいものです。この時間があるから一週間頑張って事業所へ行けるという人も中にはいらっしゃいます。
趣味とは言えないかもしれないのですが、支援者と出かけるということを楽しみにしているという人も多くいらっしゃいます。ストレスの発散の仕方が難しい人には、親、きょうだいではなく、支援者と出かけて、いつもと違った空気を吸うのはいいことだと思います。
余暇を充実させるという事は、楽しみばかりだけでなく、緊張を緩和したり、気分転換ができるという役割をもっていて、なおかつ生活の質(QOL)をも高めるのではないかと思います。
現在は意思決定支援ということが盛んに言われ、当たり前のことですが、ご本人の意思を大切にしなければいけません。買い物に行き、何が欲しいのか一緒に売り場を見て回り、好きなものを選び、できる限り自分の手でお金を支払うという事をしてもらっています。
最近は店員さんではなく、機械相手に支払う事が多くなってきましたが、挑戦しています。まず人差し指を立てることから始まり、画面をタッチしてお札を入れる場所を探し、自分で入れるなどとても時間はかかりますが一緒にしています。こんなことからご本人は自分でやったという達成感が得られ、より楽しむことができている気がします。自分一人の力でできることが嬉しく、自信になることは間違いありません。
障がいのある人は、家族以外の人と少しずつ時間を過ごせるように準備した方がいいのではないかと思います。是非、皆さんに移動支援のご利用をと思うのですが、実際には人手が足らなくて、私の事業所ではお受けすることはできません。が、調べてみましたら、岐阜市には45の移動支援を行っている事業所がありました。上手に制度を利用してほしいと思います。


vol.225 ここいく日記 はじめの42歩

自分で決めることの大切さを伝えたい

ここいくのメンバーは16名。代表は助産師ですが、メンバーの職業は多岐にわたっています。得意なことも、苦手なこともそれぞれでとっても凸凹な私たちが互いを尊重し合いながら日々楽しく「いのちの授業」を伝える活動をしています。
私はここいくの仲間でもあり、日々は市議会議員という仕事をしています。今年の2月に各務原市議会議選挙がありました。皆さん に応援してもらい、当選することができましたが、あまりの投票率の低さに嬉しさよりショックが大きかったです。投票率 40.79% 前回より5.97%下回り過去最低。私たちの暮らしに政治に関わらないことは何ひとつありません。でも、多くの方が投票に行かないのはなぜだろう?落ち込む私にここいく代表の中村が、「性教育と同じだよ。主権者教育も学ぶ機会がないんだよ。政治のこともここいくで伝えていこう」と話してくれて、やはり教育しかないなと思いました。
ここいくの「いのちの授業」は包括的性教育なので主権者教育も必須です。日々は自分で決めることの大切さ「自己決定」について話をしています。ここをもっと深めていく学びの場をつくりたいです。選挙を通して感じたことは、人の目を気にして、自分の心のままに決められない、行動できない人が多い現実です。古川さんを応援している、でも地域の目があるから表立っては動けない。こういう人が本当に多いのです。「自分らしく生きる権利」誰もが当たり前にもっている権利があるのに、本当の自分の気持ちを抑え、常に人の目を気にして生きることに慣れてしまうと、いろいろなことに流され、変化を諦め、自分で考えることができなくなるように感じます。
 ここいくの「いのちの授業」での子どもたちの感想を紹介します。
・ひとそれぞれ自由で自分で決めてよいことなのだと、はっきり言ってくれたのがよかった。
・今まではいろいろなことを人と比べて心配になっていました。でもこれからは、人と自分を比べないで、自分らしくありたいです。
・今日のお話を聞いて、人と違っていても、いいんだ。生きてていいんだなと思いました。すぐ生きる意味ないなと思っていたけど、生きてみようと思いました。
子どもたちの感想を読むと、伝われば変わると希望が湧いてきます。「自分らしく生きる権利」を学び、これからの社会を創っていくのは、自分自身であることを感じて欲しい。選挙中、「プチミッシャー」という素敵な言葉をある人が伝えてくれました。それは、私たちがずっと大切にしてきたこと、そのものでした。
プ プロセスを大切に
チ 違いを認め合う
ミ みらいを見据える(守る)
ツ つながりを大切に
シャ 社会をつくる(参画する)
まさにここいくが包括的性教育を通して伝えている「どう生きるか」に通じるメッセージ。誰もが政治を諦めず、社会を創っていく一人として当たり前に投票にいく人が増えるよう、「いのちの授業」を通して伝えていきたいです。

 

担当:ここいくメンバー 古川 明美でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.225 プレゼントコーナー

224号PRESENTS

ハガキまたはe-mailで、下記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。

1-あなたのストレス解消法は?何かとストレスの多い日々を生きる私たち。あなたはどうやって解消してますか?

2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望を必ずお書きください)
※Bは編集室までとりに来られる方
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、家族構成
〆切:2025年5月25日  当日消印有効。
宛先 〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。

 


A.特別展「鳥〜ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統〜」招待券       特別展「鳥」実行委員会様より…ペア3組様

一生分の鳥が見られる!? 400点を超える鳥の標本や初公開の生体復元モデルを用いて、鳥類のひみつや魅力を徹底紹介。2025年3月15日(土)-6月15日(日)名古屋市科学館にて  写真は、チャミミチュウハシ(国立科学博物館蔵)


B.台湾アートな旅のお土産    おとな芸術村様より…2名様


4月13日から18日まで、台湾へ「アートな旅」に出かけたおとな芸術村。にらめっこ読者のために、スタッフが厳選して購入したお土産をプレゼント!内容は当選してからのお楽しみ♪にらめっこ編集室でお受け取りください。


 

C.CINEX映画招待券       CINEX様より…ペア3組様

スクリーンに映し出される青い空、透き通る海を見て沖縄に少し触れてみる。主人公の生き方を考えてみる。そんな小さなきっかけが何かを残すかも。写真は「STEP OUT にーにーのニライカナイ」の一コマ。柳ヶ瀬のCINEXでご利用いただけます。


D.よりよく生きるためのライフデザインノート「ゼロの昇天」    人生これから!様より…3名様


もしもその時が来たら、私らしく見送ってほしい…。でも、私ってどんな人?その時が来るまでどんな風に生きようか。など、よりよく生きるためのヒントが詰まった一冊です。絵本作家・高畠純さんのイラストが温かく寄り添います。