投稿者「にらめっこ高阪」のアーカイブ

vol.209 ここいく日記 はじめの26歩!

学べば学ぶほど素敵!と思える性のこと

私が性教育(いのちの授業)に出会ったのは子ども劇場で大人の性教育の授業を受けたのが始まりでした。私にとって、苦手な分野だったけど先輩ママさんに「目から鱗!ぜったいに受けた方が良いよ」と、勧められたのがきっかけでした。
むかしから、性の話=エッチと言うイメージでしたが、三人の娘を育てるうちに、あまりにも自分が、性に対して知識の無いことを自覚し、『無知ではいけない、まずは自分も学ばなければ!』と思い参加したのです。

性教育を学んでいくなかで、性=エッチと言う思いは無くなり、「性と言う字は、心が生きると書くんだよ。つまり、生き方なんだよ。」と言う言葉が、ストンと腹に落ちました。
性教育を学べば学ぶほど、何て素敵なんだろうという気持ちが溢れ、私は私のままで良い、あったかくて包まれたような許されたような気持ちになりました。

また、誰かに評価されるのではなく、ありのままの自分、出来ない自分も全て認めて好きになる、そんな気持ちになったことを思い出されます。自分を好きになれることが、こんなにも素敵なことなんだなと感じました。
性教育に出会えたこと、素敵な恩師や仲間たちに出会えたことが、私のターニングポイントになりました。性教育の知識を得て、子育ても、子どもの人権を尊重することも学びました。

それからは子どもへの叱りかたが変わっていき、相手を傷つけないような言葉を選んで使うようになりました。パートナーとも、学んだことを共有し、「ありがとう。」「いってらっしゃい。」など、どんな些細なことも言葉で伝え合えるようにしたら、喧嘩することも少なくなりました。

子育てもひと段落した私には、「次は何ができるだろ?自分の子が幸せになるためには、まわりの子どもたちも幸せになって欲しい。何かあったら話しを聞いてくれる。見守ってくれてる。地域でそんな存在になれたなら良いなぁ」と思っています。
ここいくの授業の中では、最後のメッセージの絵本を読みます。
人の声の温かさ、心地良さを感じてもらえたらと、想いを込めて届けます。

大人になり、次の世代に繋げていくことの必要性を知り、「子どもたちは幸せになるために生まれてきた」ということを伝えることが大切だと感じています。もちろん、私たち大人も幸せになれます。生き方=性教育を学べば、きっとなれますよ。

担当:ここいくメンバー・加藤 佳代でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.209 Phto Gaiiery プチこども芸術村

まっさらなキャンバスに、大人も子どもも思いのままに絵筆を滑らせる。しかも、極上の音楽を聴きながらのライブペイント。創作する、音楽に合わせて身体を動かす、五感に刺激たっぷりのセッションを楽しみました。午後はスマホの雨雲情報通り、13:30にすごい雨!!と風!川遊びで濡れた体ではあったけど、自然の振る舞いにみな呆然。でも、自然の中で生きていることを実感できた瞬間でもありました。そんなこんなで、第2セッションは、午前とはまた違った作風になりました。

最初に一筆入れるのは緊張するねと思うのは大人。子どもはそんなのおかまいなしに自然に筆を入れる。きっかけさえあればあとは自由!それがこども芸術村のいいところ(^^)/

こども芸術村が今後どんな展開になるか、要チェック!アートは国境を越える!いろんな文化と交流できるといいね!

 

こども芸術村・事務局 各務原市新栄町3-15 にらめっこ編集室内 こども芸術村 058-383-8666 info@niramekko.com


vol.209 プレゼントコーナー

209号PRESENTS

プレゼントご希望の方はハガキまたはe-mailで、下記のアンケートを1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。

1-あなたの好きな発酵食品ってなあに?
味噌、納豆、塩麹、キムチ、チーズ…腸内環境を整える発酵食品。あなたのオススメの食べ方、教えて!!

2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望 を必ずお書きください)
※CとDは編集室まで受け取りに来られる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、 家族構成


A.デンパーク秋のディキャンプフェア ペア招待券

安城産業文化公園デンパーク様より…3組様

秋の1日を家族、仲間でのんびりバーベキューしませんか?普段持ち込み不可の会場内が各自グッズを持ち込める大型BBQ場に変身!他にも会場内では、おいしいグルメが大集合&ハッピーママパークも同時開催!詳しくはHP参照!https://www.denpark.jp/


B.CINEX 映画招待券  シネックス様より…ペア3組様

映画館で作品のストーリーにはまりこんで、泣いたり笑ったり。
そんなひと時が疲れた心をリフレッシュさせてくれます。すてきな作品に会いに映画館へGO!写真は映画「1640日の家族」の一場面。岐阜市柳ヶ瀬のシネックスでご利用いただけます。


C.天下布武 信長バナナ 2本セット 信長バナナ(合)様より…3名様

岐阜県で栽培、収穫、販売!栽培期間中、農薬、化学肥料は使っていませんので皮まで食べれる安心・安全なバナナです。糖度も25度前後と高く、黄金の香りのバナナです。

にらめっこ編集室でお受け取りください。


D.ダンボールコンポストセット  いのちの循環プロジェクト様より1名様

キッチンから出る調理くずや食べ残しはすぐに捨てたくなりますね。でも、手放すならこのコンポストへ!バクテリアが生ごみをパクパク(分解)してくれて、とてもいい堆肥になりますよ。セット内容:基材(燻炭・ココピート)ダンボール・カバー

にらめっこ編集室でお受け取りください。


vol.208 そもそも循環するってどういうこと?

そもそも多様性ってなんだ?オックスフォード英語辞典によると、多様性(diversity)は、「互いに非常に異なる多くの人や物の集まり」と定義されている。例えば、自然界にあらゆる生物が存在することを「生物多様性」と言い、近年その喪失が環境の観点から問題となっている。ってことは、捨てる神あれば拾う神ありってこと?みんな違ってみんないいってこと?いろんな人がいると考え方や価値観(わかりにくい部分ではあるけど)があるからこそ、捨てる神あれば拾う神…に繋がるのかな。
捨てられたものをアップサイクル するのも多様性のなせる技。少し視点を変えて、私たち「個人」、そして人間同士の「関係性」に目を向けてみると、さまざまな観点からその意味を考えることができます。このほか、性の多様性、食の多様性、働き方の多様性、美しさの多様性…etc.といったように、特定の分野における多様性についても挙げられます。
循環を考えたとき、再生に行き着きますが、More goodの思想と多様性のコラボレーションは欠かせないということになりますね。

リニアエコノミー(直線経済)から、
サーキュラーエコノミー(循環経済)へ

「自然は直線を嫌う。」18世紀のイギリスの造園家、ウィリアム・ケントが残した言葉です。
今、世界では「資源を採掘し、ものを作り、使って捨てる」という一方通行のリニアエコノミー(直線経済)から、廃棄や汚染を出すことなく資源を循環させ続けるサーキュラーエコノミー(循環経済)への移行が叫ばれています。これは、自然に嫌われるシステムから自然に好かれるシステムへの移行とも言えるかもしれません。
私たちはつい自然と人工物を分けて考えてしまいがちですが、人間が手を加えて創り出したものを人工物、そうでないものを自然だとするなら、もはや人類の活動が気候危機や生物多様性の喪失など生態系全体に多大な影響を及ぼしている現状において、人間が関わっていない手つかずの自然が地球上に存在すると言えるでしょうか。すべてが相互に影響を及ぼしあうシステムの中でつながっていると考えると、見えていたはずの境界線がとたんにぼやけ始めます。循環するシステムへの移行とは、私たち人間が持つ眼差しを変え、今すでにあるこの世界を違った視点から捉え直すことなのかもしれません。
そもそもシステムとは人間の思考から立ち現れるものであることを考えると、何か大きなものを変えようとするよりも、一人ひとりが自分の中にいつの間にか身につけてしまった眼差しの偏りに気づき、物事に対する捉え方を変えていくことのほうが、循環する経済や社会への近道となる可能性もあるのです。
目の前にあるものが廃棄物なのか資源なのか。「脱」を枕詞につけられたプラスチックや炭素は、本当に悪者なのか?循環する経済や社会というビジョンは、私たちにこうした本質的な問いを投げかけています。

再生とは、循環の原則
「Less bad(負の影響を減らす)」ではなく「More good(正の影響を生み出す)」を実現する「Regenerative Design(再生するデザイン)」
「再生」とは、一度働かなくなった状態を、再び働く状態に戻すことを指します。つまり、「自然のシステムを再生する」とは、自然に本来備わっていた循環のシステムをもう一度もとの状態に戻すということ。そのためには、人間が自然のシステムを乱したり壊したりするスピードを緩めるだけの「Less bad」の考え方では難しい。人間の活動を通じて自然のシステムを整え、よりよくしていく「More good」に移行していく必要があるのだと思います。
例えば、「里山」。里山は、人間が自然に介入し、関わることで豊かな生態系が保たれている場所。奥山でもなく人里でもない里山という曖昧な「間」に、人と自然とが共生しながら持続可能に繁栄する仕組みが作られているのです。海と陸の間にあるサンゴ礁など、異なる生態環境の交わる境界線の部分に、異なる多様な生物が交わりあうことによって独自の豊かな生態系が育まれるようにどちらとも言えない「間」にこそ、創造とイノベーション(変革)の余地があり、この「間」を捉えるのが、循環です。
“自然を壊すのではなく、再生できる”という考え方は、人間にも優しい。” Less bad” の思想を突き詰めると、自然にとって人間はいないほうがよいという結論になってしまいますが、“ More good”は、人間という存在を肯定してくれる。人間の存在を否定するのではなく、むしろ肯定的に捉えながら、自然と再生的な関係を作りあげていく。
循環は、相手を否定するのではなく包むこみながら、よりよいシステムへと進化していける概念です。

多様性は、循環を生む
循環するシステムには、多様性が必要。自然界には廃棄物が存在しません。誰かの廃棄物は、必ず誰かの食料となる。それではなぜ人間の世界には廃棄物が出てしまうのでしょうか。それは、一つのものから多様な価値を引き出せる多様な価値観がないか、それらが出会っていないからでしょう。廃棄物を価値ある資源とみなすためには、異なる価値観を持った人同士が出会う必要がある。同じ価値観を持つ人にとって、ごみは同じようにごみでしかないですが、異なる価値観を持つ人は、そこに価値を見出せるのだから。
そう考えると、廃棄物のない世界に必要なのは、価値観の多様化であり、眼差しの多様化です。人々の価値観が多様化し、異なる価値観に出会う機会が増えれば増えるほど、あらゆるものに価値が見出される可能性も増えていく。画一性を求めるシステムではなく、多様性を求めるシステムに変えていくと、価値は自然と見出され、結果として循環が生まれていくのです。
画一性を求めるシステムの枠に自分を当てはめようとするのではなく、ありのままの自分を大事にすること。オセロのマスのように代替可能な □(マス) になるのではなく、凸凹のままでいるからこそ、循環の鎖の輪をつなぐことができる。世界に多様性を増やすはじめの一歩は、自分らしくあることでしょう。

循環する経済と社会の本質を考える
【ウェルビーイング(良い状態であること)特集 #16 循環】より抜粋


vol.208 目指そう!循環生活

 

江戸時代は「エコ時代」だった!

江戸時代のどういった点がエコだったのでしょうか?今から約420~150年前の社会から、現代社会に生かせる暮らしのヒントを探っていきましょう。

新しい循環生活のヒントは江戸にあり
江戸時代の日本は、生活に使う物資やエネルギーのほぼすべてを植物資源に依存していたようです。鎖国政策により資源の出入りがなかった日本では、さまざまな工夫を凝らして再生可能な植物資源を最大限に生かし、独自の循環型社会を築き上げるしかなかったんですね。植物は太陽エネルギーとCO2、水で成長することから、言い換えれば江戸時代は太陽エネルギーに支えられていた時代だということもできます。『大江戸えねるぎー事情』や『大江戸リサイクル事情』などの著書を持つ作家の石川英輔氏は「江戸時代の生活は、化石燃料に頼らずに生きるための知恵と経験の集積であり、太陽エネルギーだけで生きるとはどういうことなのかを知るために、これほど具体的でわかりやすい見本はない」と語っています。

にらめっこでも過去記事にソーラークッカー、ソーラーフードドライヤーを掲載しました。(にらめっこのHPでVol.159「アウトドア特集」Vol.162 I’m Challenfgerでは「月3万円ビジネス 吉岡翔一朗さん」の記事中にソーラーフードドライヤーのワークショップの模様が掲載されています。まさに“太陽エネルギー”をフル稼働させた内容です。人知を結集すれば、「早い・簡単・便利」という魅惑的なシステムに取り込まれずとも、創意工夫のある暮らしにシフトすることで、循環が生まれてくるのではないかと思います。江戸時代まで遡らなくても、暮らしの中で、「今あるもの」を最大限利用することが循環生活の第一歩と考えます。

江戸時代がエコな理由
① 植物資源に支えられていた。
植物は太陽光、CO2、水による光合成で成長するため、必要なエネルギーも太陽エネルギーだけでまかなわれています。あらゆる工夫を凝らして再利用可能な植物資源を最大限活用する中で、自然と独自のリサイクルシステムが構築されたようです。化石燃料に頼らずに生きるための知恵と経験が詰まって現代における循環型社会を実現する上で理想的な見本となっています。
② 徹底したリサイクル文化で楽しみながらリサイクル!
例えば着物。江戸時代は市場に出回っている着物の大半は古着→おむつや雑巾→ボロボロになるとかまどや風呂釜などの燃料→灰は農業、酒造、陶器づくりに利用。また壊れたものを直してくれる「修理屋」が発達。「これ以上は修理できないのでは…」というレベルまで使い切ってもなおゴミにしないところが江戸の凄いところ。あらゆるものを買い取る業者もおり、新しい商品づくりに活かされていたそうです。(まさに多様性!そしてアップサイクル !)
③食材は「必要な時に必要な分だけ」
行商人が家まで売りに来る魚、豆腐、野菜、などをその都度買っていたため、食材を一気に買い溜める必要がありません。(保存するための冷蔵庫もなかったしね)買う際は自前の容器で量り売り。当時の人々は限られた食材でも最大限美味しく食べられて満腹になるよう、様々な工夫を凝らしました。 江戸時代に食品ロスが出ることは滅多にありませんでした。

現代にも活かせる江戸時代の「エコな習慣」
2020年7月から始まったレジ袋有料化以降は風呂敷人気も高まっています。多種多様な使い方ができる点も魅力。前号にも掲載した「生ゴミコンポスト」もエコな暮らしにぴったり。自家製の堆肥を使って育てた野菜を食べ、そこから出た生ごみはまた堆肥化するという流れは、まさに「小さな循環型社会の実現」だと言えます。


庭に多様性のある菜園を作ってみる

これから私たちの暮らしはどうなっていくのだろう。予測がつかないことで右往左往したくないので、食料の自給に取り組む人が増えてきました。編集部では毎年大豆を作りその豆で味噌を仕込んでいます。今年は5月20日にタネをまき、苗となったら移植します。駐車場の一角に菜園も。ごちゃ混ぜ菜園ですが食卓の彩りとなり、毎日感謝していただいています。生ゴミコンポストで堆肥を作り、土に。ここにも小さな循環が成り立っています。


vol.208 ぎむきょールーム 熱中症とマスク、大丈夫?

第1部「新型コロナを正しく知ろう」

やまなか皮フ科 院長:山中 新也氏(やまなか しんや)

2000年、岐阜大学医学部卒。岐阜大学医学部附属病院などを経て、2021年7月にやまなか皮フ科(愛知県一宮市)を開院。全国各地で公演。YouTube登録者1万人、Twitterフォロワー2万6千人超え。

感染症について

自分の身の回りのことを感覚で感じ取ることが大事。テレビが本当のことを言っているとは限らない。
新型コロナ、最初はすごく怖いっていう話でした。人がバタバタ倒れ、致死率が高い、から始まった。でも、本当に怖いのか?マスク、手洗い、消毒とか、外出自粛しろとか、そういうことって本当に必要なのか。今の時代、自分で判断しなきゃいけないんです。テレビが報道しているから、政府や専門家が言っている、周りがみんなそうしているからとか、ではなく自分の感覚をまず信じて。
そして、賛否両方の情報を調べて、どっちが納得いくのかが大事です。マスコミの報道は、「感染者数を増やさないため」です。PCR検査で陽性の数、これが増えたら何が問題なのか。しかも無症状です。以前は増えると人がたくさん死ぬ、重い肺炎が出てくる、医療崩壊するという話がありました。でも実際どうなんでしょうか?最初何百人で騒いでいたけど、今は何千何万人です。当初よりめちゃくちゃ増えている。なんか数字だけが一人歩きしています。結局それで何が起こっているか、何か実感がありますか?

比較してみることも大事

そこで、インフルエンザで比較してみます。僕らは毎年インフルエンザを経験してきました。インフルエンザは毎年1000万人の患者が出て、1万人が亡くなります(うち子どもは50人)。毎年ですよ。でもマスコミは取り上げないです。僕たちは何も気にせず普通に過ごしていました。マスクもせずに普通に。
コロナはなぜか累計です。一年経ってもリセットされずに、どんどん数字が増えていきます。コロナ禍の今は、なぜかなんでもない人に検査を勧め、陽性だったら「コロナ感染者です」となります。そこが全然違うんですね。4月8日までの検査陽性者数670万(累計)、しかもほとんどが無症状です。
2016年の報道では、「今月14日までの1週間で報告されたインフルエンザの患者数は、全国で推計およそ205万人でした。200万人を突破したのは、今シーズンで初めてです」と。
1週間で200万人です。一日30万人。全然桁が違うし、患者、と言ってましたよね。ちゃんと症状のある人たちですから。
インフルエンザの感染者は症状があります。熱や咳が出て医者にかかってインフルエンザと診断がおります。

コロナは患者と言えないですね。ほとんどの人が無症状ですから。
ですから、なんとなくおかしいと思ったら、その感覚を大事にしてください。そして自分を守るためにちゃんと調べてください。

次にマスクについて

ずばりいうと、マスクには感染予防の効果はないです。これは以前からわかっていたことです。マスクが万能なアイテムみたいになっていますが、今年の4月の国立感染症のHPを見ますと、感染の経路は空気感染と書き換えました。今までは飛沫感染(※)でつばが飛ぶ、このつばを防ぐにはマスクが有効だ、という理由からでした。しかし今は空気感染となっています。
アメリカは昨年から空気感染を感染経路として、換気などを重点項目としてあげています。ですから、アメリカはもうマスクをしていません。マスクをしても意味がないからしていないんです。アメリカはマスク義務でしたからね。法律だったんです。3月10日に最後の州がマスク義務を撤廃。強制が解除されたらみんな外します。日本は最初から強制も何もされてない。お願いされているだけなんですよね。
ただし、感染している人が、咳とかくしゃみをするときに飛沫という形で、ウィルスが出ていきますので、その飛沫をしっかり抑えるためにマスクは有効です。そこから周りに広げないためにも、症状のある人はむしろ使っていただきたい。一方で症状のない方がマスクをしていても感染症の予防につながるという証拠はないです。
鼻と口をしっかり覆ったマスクをつけている人とつけてない人を比べて、感染症、インフルエンザ、あるいはインフルエンザ様症状の発症率には差がないという研究があります。こういう論文とか出さなくても、実生活でわかってくると思うんです。なんども言いますが、実生活での感覚が大事です。

(※)飛沫感染では病原体が空気中を漂うことはない。
(※)空気感染では病原体が飛沫核に乗って浮遊するので、空気の流れは大変気になります。


 

第2部「マスク学校生活の影響とこれから」

長屋 千賀子氏(ながや ちかこ)

小学校の教員・講師として20年以上勤務。コロナ禍の感染症対策が与える子どもたちへの影響を憂慮して2022年3月に退職。合唱が大好き。

コロナという未知のウィルス出現で2020年3月、いきなり学校が休校に。3月はまとめの時期であり、新しい生活の準備のための時期なんですね。卒業式も保護者一人だけとか、入学式も始業式もやりましたが、次の日から休校です。そして分散登校で午前、午後に分けての授業。修学旅行、宿泊研修はなし。給食は黙色、シールドで囲って食べます。
新しい生活様式、と誰かが言い出しましたが、私は、マスク、消毒はしません。常時マスクをするのはからだと心の発達に悪影響があると思っていますから。予防効果も疑問です。管理職にはマスクをすると体調を崩すから、と言っています。ほどなく地域の方から苦情が来て、「(マスクしてないなら)さようならという声かけはやめてください」と。なら、10m離れて「さよなら〜!」って言いました。
私は音楽が担当なんですが、歌うこともリコーダーもなしで手拍子のみ。授業ではマスクを外し壁に向かって歌う。窓を開け外に向かって歌う…。
昨年のNHK学校音楽コンクールでは不織布のマスクをつけて歌うことが条件でした。なんどもずり落ちるので、マスクをあげながら歌っている子どもたち。今年度も不織布マスク着用です。口も鼻も塞がれていたら歌えません。誰かが「マスク外して歌っていいよ」と言わないと。ただ、もう外したくない子もいます。顔や表情が隠せるからのその方がいいって子も。先生が外さなかったら、子どもは誰一人外さないです。
ガイドラインでは、グループで向かい合うことを禁止しました。英語の授業は、繰り返しはなし。音楽は、声を出さないで心の中で歌いましょう。体育は屋外ではマスクを外していい。ですが、子どもたちは外さないです。放課後はマスクをつけたまま。対策として塩飴を配ったりしていますが、そのゴミは少なくありません。下校後は職員がそこらじゅうを消毒して回ります。
どんな場面でマスク指導しているか、アンケートをとりました。友達と帰るとき、話してはダメ。それなら、マスクする!だって、友達を話したいし遊びたいから!というのが子どもたちの反応です。
学校目標は「自分で考えて自分で行動できる子」なんですけど、それが実現できていないです。子どもたちは素直すぎるんです。誰かが外すのを待っているんです。そして「つけなくていいよ」という言葉を。


この講座に参加して。
第3部は意見交流会でした。一つのテーブルに5〜6人。これからの子ども達の感染対策について意見交換。そして発表。印象に残ったのは、「マスクしているのはダサい」という雰囲気を作ろう!という意見。まさに、雰囲気に左右されるという日本人気質を鋭く突いた意見でした。エビデンスも大事ですが、そういう流れを作ることが大事と。親方日の丸的思考では、自分で判断するのを避けてしまう。
今朝(6/3)登校時の子どもに会った時、「おはよう」と声をかけたのですが、ノーマスクの私を避けるように電信柱に隠れた女の子。その距離5mはあったんだけどなぁ。遠くで心配そうに見守る母親はマスクしていました。この現実を考えると、一筋縄ではいかないと感じています。まず、大人から外しませんか?山中先生の最後に、「本当に必要かどうかをちゃんと考えて。医療に頼りすぎず、自分の免疫を作ることが一番大事です。同時に心のあり方も大事ということがわかってきています。でもあんまりシリアスにならずに、おおらかに、健康にこだわりすぎないっていうか、そこが基準じゃなくて、何かをしたいからそのために健康でありたいと。自分を肯定すること、自分が楽しいが一番。そうすると人に優しくできたりするんです。」コロナ禍で私たちの生活に色々な影響が出ていますが、悲観することなく過ごしたいと思いました。

第4部「心と身体を健全に育むには?」

各務 亜紀氏  結愛ポート 代表

このお話は次号で詳しくお伝えします。

 

 


vol.208 アウトドア特集 燻製にTRY!

安い、お手軽、簡単!組み立てて網の上に食材を置いて、下に付属のアルミの皿に火をつけたスモークウッドを置く。これだけです。
だいたい時間は食材によっても少し変わりますが1〜2時間くらいでいいです。たまに確認して色合いを見てください。
また、ダンボール燻製は温燻と言ってあまり高くない温度で燻製しますので、火を通す食材は燻製後に火を通しましょう。

オススメ食材
① 定番のチーズ プロセスチーズがいいです。ゴーダチーズやベビーチーズもいい。お酒に合いますよ!そのまま燻製できて楽チン!
② 煮卵 煮卵は作った後水気を拭き取り乾燥させてからやるといいでしょう。そのまま食べてもいいですが、燻製した煮卵でポテトサラダを作ってみたらめっちゃうまい!
③ ししゃも ほんと、ししゃもは燻製するとうまいんだなー。
④ 豆腐 燻すと、チーズのような食感を楽しめます。ポイントは、豆腐の水切りをしっかりすること。半日以上重しをのせておこう。
⑤ バナナ バナナをしっかり燻すと、ウイスキーやブランデーのような味わいに。食感はとろとろ、まったり。好みが分かれる味ですが、やみつきになるという人も続出!皮ごと燻せばよいので簡単です。
⑥ 明太子 そのまま食べられるので、火を通しすぎなくても大丈夫。ほどよくレアに仕上げるのがおすすめです。短時間でできあがりますが、燻したあとひと晩おくと、深みのある味わいになりますよ。
★燻製って結構好みありますのでいろいろな食材で試してみてくださいー。燻製後はすぐ食べるのではなく少し風に当てて時間を置いたほうが美味しいです。
その他、たくあん、ミックスナッツ、ちくわも美味しいですよ〜。

オートキャンプ場やBBQ場によっては、燻製を禁止している場所もあります。事前にWEBサイトなどで確認しておきましょう。また、たとえ禁止されていなくても、混んでいる場所では煙でトラブルになることも。楽しくキャンプ燻製を楽しむためにも、周りへの配慮を忘れずに!

 

作ってみよう!燻製塩

塩そのものを燻製して、その塩を食材や料理にかければ、なんでも燻製風味に!家で作ってキャンプに持っていけば、手間いらずで燻製の風味が楽しめます。

材料ーーーーーーーーーーーーーーー
ボウル2個 、ボウルの直径より小さな脚付きの網、アルミホイル、燻製チップ、塩(今回は20g。シンプルな塩)
*ボウルや網は、100円ショップなどで買えるもので。

1)ボウルのひとつに、アルミホイルを敷く。この上に燻製チップを置いて加熱するので、チップがボウルにこぼれないよう、大きめに広げる。

2)チップは、ひとつかみ程度。(15~25g程度)

3)燻製する塩を乗せるための網をセットします。さきほどチップを入れた箇所を覆うように、網を乗せます。(網はボウルにすっぽり入るサイズで。ボウルから網がはみ出ると、すき間ができて燻煙が逃げてしまうので、必ずボウルより小さい直径のものを選びます。)

4)塩を入れるための器を準備。アルミホイルを折って作りましたが、お弁当などに使うホイルカップがあればよりお手軽。まんべんなく燻煙がまぶされるように、薄く広く塩を広げたいので、網とホイルはできるだけ広めにセットします。

5)もうひとつのボウルを重ねれば、準備完了!コンロにセットします。不思議な宇宙船のようにも見えますね。

6)コンロに点火するとすぐに、ボウルの底が真っ赤に変化します。 中弱火にセットして、1〜2分すると、ボウルのフチから、ほんのりと細く白い煙がスウ~とたちのぼってきます。弱火に落として、10分加熱を続けます。

7)10分たったら火を消します。ここですぐフタを開けるとやけど&大量の煙に見舞われる恐れがあるので、絶対に触らずにそのまま10分少々待ちます。(※ヤケドのおそれがありますので、ボウルが確実に冷めるまでは触れないようにしましょう)真っ白だった塩がキツネ色に!塩もちゃんと、まんべんなく燻製されています!

ただの焼き鮭にちょっとかければ、焼きスモークサーモンのよう!ポテトサラダやパスタ、ゆで卵もいい感じです。そして、「燻製塩」の醍醐味が最も味わえるのが、生の食材にかけること!カルパッチョやサーモンにかけると絶品です!


vol.208 新・しょうがいをみつめる vol.1

人と春のあわい

慧正(アキマサ)の表現について
知的障がい者の表現については、いろいろな見解があると思う。私は親として「表現」という言葉には、少し違和感を持っていた。アキマサは相手との関係性において、言葉を使うことは殆どなかった。空気や空間。その中に自分と他者の距離や関係性を感受性の赴くまま表して創っていたように私は感じている。
日常的にアキマサが行っていた、壁紙を破り粉々にする、お菓子を粉々にしながら食べる、柱をかじり粉々にする。たとえ親であるとしても、これが彼の表現であると言ってよいのかという葛藤があった。その行為の多くは、親にとっては面倒だったり、やってほしくないことだったりもした。その行為は、彼が「こんな時」とか「こんな気持ちである」と私が決めつけることはできないとも感じていた。何年も何年も、繰り返し繰り返し行われるその仕草は熟練となり、手さばき、粉の大きさなどは、美しさを纏うようになっていった。
鈴木さんとの出会い
鈴木さんにアキマサが出会ったのは数年前。障がいのある方向けのアート教室という場である。親としては、壁紙を破ることを日常的にせず、絵筆のひとつも持ってくれないかと淡い期待を持ちながら、その扉をたたいた。
鈴木さんや他のスタッフさんたちは、実に粘り強く彼との関係性の構築に時間を費やしてくれた。いろいろなご迷惑をかけながらも、ゆっくりであるが関係性が創られていく過程を感じていた。そして、やはり!そうなのか!アキマサは手に持たせてもらった紙粘土でパラパラと“いつもの”を行いだした。しかしその表情はとても言葉では表せないほど私を幸せにするものになっていった。
月に2回、通えたり通えなかったりしながら、同じ行為を続けること1年半を経過した頃、鈴木さんから電話があった。
「慧正くんの作品をアールブリュット展に出してみたい」と。そして続けた「僕は(鈴木さん)、これが彼の表現なのかととても迷いますが、お父さんはどう思われますか?」私は「それが彼の表現かどうかは、私にも分からないのです。機会をいただけるのならぜひお願いします」と答えた。ほどなく、この作品は「あいちアールブリュット展」
で優秀賞をいただくことになる。


生き続ける息吹
先日、手元に届いたのは2月にこの世を去った長男慧正の作品を現したハンカチである。株式会社ヘラルボニーさんが息子への追悼の意を込めて、ガチでプロダクトに落とし込んでくれたのだ。前身のMUKUのころから、そこにしっかりと存在する作家さんと商品のクオリティに惹かれ、数点のアイテムを私は愛用している。特にネクタイはお気に入りだ。そして今回届いたのがアートハンカチである。ただの、いちファンにここまでしてくれた理由は私にはわからないが、唯々感謝である。このハンカチに顕されているのは、長男慧正の息吹であり、指先の繊細な動きであり、腕の振りであり、生きた証であった。
このように作者の息遣いまでをプロダクトに落とし込むヘラルボニーさんの松田社長、松田副社長、大田さんや他のスタッフの方々の寄添い力には改めて感嘆をした。感謝してもしきれない感情と作者を感じとるその視線や作者本人に馳せる想いに対して、心よりリスペクトして止まない。
自然から流れ込んできたもの
この作品に顕されているのは、自然との対話から生まれたアキマサのこころそのものであり、自然から流れ込んできたものと彼のあいだ(あわい)にあるものを顕したものであると感じる。自然が彼に表現せよと求めたものであると。そして、それは鈴木さん達との出会いという関係性の中で育まれた。
あるアーティストさんが、アキマサの作品を見てこう言った「人間と春の間みたいな作品ですね」と。そうだな。と気づきをもらった。彼の表現であるとか、彼の気持ちであるとかに囚われ、迷っていたのは自分自身なのだと。人は一人だけでは何も生み出せない。他者や自然、大いなるものとの関係性の中でこそ表現できるのだ。誰に帰属しているのか、ということにこだわりすぎていたのは私であった。「あわい」の中にこそ、その人本来の “こころ”の模様があるのではないだろうかと感じている。
そして、私は勝手に「人と春のあわい」とこの作品を呼ぶことにした。長男慧正が大自然に抱かれていることに思いを馳せながら。
春の終わり、初夏に感じた出来事であり、始まりでもある。来年も再来年も、その先もずっと、春の訪れ、芽吹きの時期とともに慧正の息吹を感じ、夏の始まりには空を見上げて寂しさを纏うのであろう。


MASA:若者をはじめ、障がい者も一緒になって、ごちゃまぜイノベーションを目指している。知的障がいのある息子は享年24歳で2021年2月27日に旅立った。関市在住。

 


vol.208 人生これから!やってみたシリーズ第11弾

朗読と現代舞踊にチャレンジ

朗読は前からやってみたいと思っていました。単発の講座を受けたことはあったのですが、今回は一年間のワークショップ。得るものがたくさんあるのではと思い即申し込んだんです。プロの指導を受けられるとワクワクしました。
開講式の時に現代舞踊の無料体験会があったので「これも面白そう!」と思って受けてみることに。講師は91歳の関山先生。結局わたしは「狸:演劇朗読(ほりみかグループ)」と「狸:現代舞踏(関山三喜夫グループ)」その二つに挑戦しました。
半年間は基礎をみっちり。掛け持ちはちょっとしんどかったけど、ダンスも受講できてすごく楽しかった。第2、第4火曜日が朗読、第1第3火曜日がダンスのレッスンでした。
朗読は台本を持って読むのですが、演劇朗読はそこに動作が入るのでとても難しいんです。

拍を知らないことに、びっくりされて・・・私もびっくり!
ダンスの基本は立ち位置と歩き、これが基本のキですね。レッスンでは一つ終わると「動作が止まってるよ」とよく指摘されました。簡単な動作でも覚えられないんです。だから、動作を紙に書いて…そしたら先生に「そりゃ、あなた、拍数を数えなきゃ」って言われた。「拍?」、レッスンで「拍」を知らないこと自体にびっくりされました。それくらい何も知らないところからのスタートでした。メンバーの中にはバレエをやっている人もいたのですが、先生が振り付けは簡単にしてくれました。
体を動かすことは好きだけど、私はダンスが超苦手なんだと思い知らされました。教員時代に子どもたちに教えるのが苦手だったのも今さらながら理由がわかった感じです。拍をちゃんと教えて、その拍とおりに体を動かせばみんなとぴったし動きが合うんですよね。当たり前なんだろうけど、それができない。音楽に合っていなければ踊れないんですよね。でも、その音楽が「箏曲」だったからまた難しくて。琴では拍が取れないんですよね。
ゲネプロ(通し稽古)が4月15日、そして16日と17日の本番。結局3日間連続で舞台にたちました。公演初日に先生からダメ出しが出て、17日の公演の前にさらに全体練習で修正。より良いものにしようとする先生の姿勢に感動しました。舞台の最後には全員で「また遭う日まで」を合唱。これがすごくよかった。

これから
公演が終わって打ち上げと称した反省会。もう一回やりたいという人が何人か見えましたけど、私は、まっいいかなって。初めてだから頑張れたけど、燃え尽き症候群というか、それくらい入り込んで、すごく集中してたんだと思います。一年で完璧を目指せる訳もないし、動画を見て反省点も見つかりましたが、滅多にない経験をさせていただき、感謝あるのみです。
これからの目標は「歌」かな、7年続けてきているし。発声はインナーマッスルを鍛えられることにも魅力を感じています。ただ、自分が好きな歌を声を張り上げて歌うと気持ちいいけど、聞いている人の心には響かないよね。自己満足で歌うのはご法度ですね。最初の発表曲は松田聖子さんの「瑠璃色の地球」でした。今年は「いつも なんどでも」(千と千尋の神隠し 主題曲)をチョイス。ケルティック・ウーマンの「You Raise Me Up」とミッシェル・ポルナレフの「Holidays」(愛の休日)では原曲で歌うことに挑戦。特にHolidaysは日本語訳を知ってびっくり!反戦歌だったんです。
他にも、太極拳、生け花、体操、書道も。次の目標は太極拳の試験を受ける事かな。

興味関心・好奇心・探究心が旺盛な長崎さんに圧倒されたインタビューとなりました。


vol.208 人生これから!シニアポートレート撮影会

 

 

ヘアメイク:鈴木美沙さん
メイクとヘアセットで元気になる方を見てとても嬉しくなります。皆様若々しくてこちらが元気をいただいてます。ありがとうございます。
フォトグラファー:田中千穂さん
今回は「お友達から勧めてもらって」「息子に連れてこられて」という方が見えました。きっかけはなんでもいいんです。ヘアメイクをしてもらい写真を撮られるという体験を通じて新しい自分に出会うことができます。自分を客観的に見ることも!みなさんの自然に生まれる笑顔が最高でした。ありがとうございました。

◉ 今まで経験したことないような時間で、楽しかったです。初めてのことで戸惑ったり、自分がどんな風に写ってるのか、と思いましたが、出来上がりの写真を見て、新しい自分を発見できた!と思いました。ありがとうございました。  (Taka)
◉ ヘアメイクをしてもらった自分を鏡で見て、違う人かと思っちゃった!(笑)みなさん初対面なのにいい人に囲まれて。楽しく過ごさせてもらいました。       (Naka)
◉ 自然な感じに撮ってもらえてよかったです。初めてなのにリラックスできて良かったです。   (Kuri)
◉ いつもショートですが髪を伸ばし始めたところ。その記念にもなる撮影となりました。今日が一番若い!を意識して。好きなものと一緒に撮ると自然に笑顔になれますね。 (Miki)

 

 


vol.208 熱中人 看取り士 矢嶋 洋子さん

逝く人から見送る人へ…
「命のバトン」を渡す架け橋を目指して

看取り士 矢嶋 洋子さん(下呂市在住)

「以前の私は、死とか葬儀とかは何だか怖くて冷たくて嫌なものだったんです。だけど父と母を自宅で看取ったことで大きく変わりました」。
特にお母様を看取ったことが大きかったそう。
「2年前の春、母の様子を見に行くと、呼びかけても返事がなく、何も飲まない食べない。お医者さまに診てもらうと、脳梗塞を起こしてるから入院と手術をと言われました。でも97歳の高齢だし、入院したらコロナ禍で会いにも行けない。それで家で看取ると決めて、お医者さんと訪問看護師さんに毎日来てもらいながら、水一滴も飲めない状態で8日間自宅で過ごしました。最後は、私の娘や孫、総勢12名ほどが母を囲んで、手を握ったり話しかけたり、そばにあるテレビのコントを観て笑ったり。本当に穏やかでいい最期の時間を過ごせました」。
それから数ヶ月が過ぎ、母親を看取ったあの感覚をまた味わいたい、と思った。
看取りについていろいろ調べ、看取り士会の存在を知った。さっそく講座を受講し、看取り士の認定を修得。看取り学では、[誰もが、生まれて旅立つまでに膨大なエネルギー(25メートルプール529杯の水を瞬時に沸騰させるだけのエネルギー)を蓄えている。亡くなる方は最期の時に見送る人と触れ合うことで、次の世代にそのエネルギーを蓄えた「命のバトン」を渡していく]と学んだ。
「私たちは母の周りにいて母に触れたりして、母からのバトンを受け取ったんだと思うの。だから肉体はなくなったけど、いつも一緒にいるような、すごく温かいものが今でもあります。母が亡くなって寂しいけど、なんか本当に尊い場面にいて看取った、そんな気がしています。」
この感覚、この感情をみんなに味わって欲しくて、岐阜県で初の看取りステーション「わたしんち」を仲間の協力を得て開設した。下呂市の福祉関係の機関の方にも、「それは絶対必要ですね」と理解と共感をもらった。
「ある時、隣家の方の看取りをお手伝いをさせてもらったのね。最初は、家で看取るなんて自信がないとおっしゃっていたけど、できるよ、お手伝いするからと。病院から自宅に引き取って2日間。意識はないんだけど、ご家族に囲まれて抱いてもらったり、好きなアイスを一口囓ったりして過ごせたの。とてもいいお別れができて、ご家族から本当にありがとう!と言ってもらえました」。
しかし、看取り士の要請へとは結びつかないというのが現状。
「看取り士と名乗っても名乗らなくてもいい、訪看さんや介護士さん、病院や施設の関係者など、みんなに看取りを学んでもらい、プラスの死生観を伝えたい。今の自分がやるべきことはそこかなと思っています。『カフェ看取りーと』という場をつくり、こんな風に最後を迎えたいとか、誰に看取って欲しいとか、明るくざっくばらんに話ができる会も開きたいな」と、自らの方向にあれこれ思う矢嶋さんは、動かなければ始まらないと、行動も起こしている。
「月2回『古民家カフェ民泊つむぎ』さんをお借りして『たんぽぽ』というサロンを開設しました。先日は10数名でワイワイと朴葉寿司を作り、いただきました。年代は2歳から90歳近い方まで。おしゃべりしたり、子どもと遊んだりして、みなさん口々に楽しかったと喜んでくださいました。今度、『みとりし』という映画の鑑賞会も開きます。こんな風にちょっと足を運んでもらって、おしゃべりしたりして、そんなささいなことでも皆さんの元気に繋がって、人生が豊かになるといいな。そして「私の時はあんたに最期を頼もうかねー」って言ってもらえるような信頼関係を作りたいです。」
充実した人生の最期を豊かに終わらせることは、逝く人、見送る人、双方の幸せにつながると確信する矢嶋さん。
「岐阜県には現在16名の見取り士がいます。それぞれが点で頑張っているだけではもったいないので、いろんな方と繋がって活動できたらいいよね。どの人も尊厳が守られて、命のバトンを渡していけるようあたたかな最期を迎えられる、そんな社会になったらいいなぁ」。

 

「看取り士」とは、ご本人やご家族が、旅立ちを意識され余命宣告から49日法要までを支えます。 尊厳が守られ自然で幸せな最期を迎えるために、旅立つ方の「心」「魂」に寄り添い、看取りの作法をご家族に伝授します。日本には1,050人の看取り氏が活躍中。(日本看取り士会調べ)

やさしく、豊かな時間が流れる岡山県高梁市を舞台に最期を見守る看取り士の姿から“生きる希望”を共感できる。本編110分。


vol.208 ボーダーレス社会をめざして

生きる

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

胃癌の手術を受けてから10年が経ちました。人によって違うようですが胃癌の手術の後遺症で、ここ2,3年血糖値が下がるという症状に悩まされています。少しのごはんを食べるだけで血糖値が上昇します。その後、正常な膵臓からインスリン(血糖を低下させるホルモン)が出ることから、血糖値は2~3時間で低下します。しかし、食べる量が少ないため、分泌されたインスリンは余分となり、血糖値が下がり続けるというものです。低血糖の症状が現れます。一つでも臓器が正常でなくなれば体自体に影響が出ても仕方ないのです。命があればOKと考えれば、些細なことなのですが…。
癌になり、何が変わったかというと、命には限りがあるということを体で知ったことです。そんなこと誰でも知っていると言われるでしょうが、漠然としたことではなく、一晩寝て息をして朝を迎えられる喜びを知りました。癌になる前は当たり前のことでしたが、そうではないのです。生きているという事は凄いことなのです。
医療で、癌になったすべての人が助かるわけではありません。医療に頼らなくても治る人もいます。癌を持ったまま悠々と生きている人もいます。
癌をどう捉えるのか?その人の人生の岐路かもしれません。私の場合は、勉強不足で癌になってからいろいろ考えました。人生を振り返りなさいと言われたようなものでした。今でこそ、明るく話せますが当時は、お先真っ暗で明かりが全く見えずトンネルの中にいる状態でした。どのように心が安定していったのか。抗がん剤を止めると決めた時点で、命の長さを自分で決めたのが大きかったかもしれません。限りがある命を楽しく生きたいと思いました。悟りの境地かもしれませんが、もうこれからはおまけの人生という感じでしょうか。するといろいろな情報が得られ、自分に納得できる治療法?対処法を決められました。何より元気になれたのは食事に滅茶苦茶、力を入れたことです。
何故、癌になったのか?今までの食生活がいけなかったのだと反省し、一から出直しました。10年経った今も酵素玄米(寝かせ玄米)を食べ、野菜を多く取り、発酵食品を食べています。ぬか漬け、味噌作りも始めました。出汁は、昆布・干し椎茸・かつをぶしで取ります。日本人が昔からやってきたことです。基本的には、食事は自分で作り、本物の調味料を使う。無農薬ということはあまり考えず、和食中心の食生活をすれば健康間違いなしです。あと、楽しく食べるというのも大切かもしれません。癌は私を変えてくれました。


vol.208 夢か悪夢かリニアが通る!vol.37

JR東海名誉会長の葛西敬之氏が5月25日、死去しました。81歳でした。葛西氏は「国鉄改革3人組」として知られ、リニア中央新幹線建設にまい進してきました。政府がリニアへの3兆円もの財政投融資を決めたときには、「森友・加計問題」と同様、葛西氏が当時の安倍晋三首相の「お友達」であることが背景にあると指摘されたものです。読売新聞は5月28日付「評伝」で「『日本経済のためになる』と信じたリニアの開業を見届けられず、さぞ無念だったろう」と書きましたが、大井川など沿線各地で難題が噴出し、2027年開業が絶望的になった今、「リニアの行く末を見届ける責任があった」と亡き葛西氏に伝えたいと思います。   ジャーナリスト・井澤 宏明

 

有害残土、受け入れか否か

環境省の「重要湿地」

「あんな出たらめを置くわけにはいかん」と町長が批判した本を町図書館が倉庫にしまい込んでいた岐阜県御嵩町で5月28日、リニア建設工事から出る残土処分場について話し合う1回目の「フォーラム」が開かれました。
連載33回(2021.11&12号)でも触れましたが、JR東海は町内の掘削口から掘り進む2本のトンネルから発生する残土計約90万立方メートルのうち、カドミウムやヒ素などの重金属が基準値以上の「有害残土」を含んだ約50万立方メートルを町有地約7ヘクタールに、残り約40万立方メートルを民有地など約6ヘクタールに埋める計画です。いずれも掘削口に近い山の中です。
今回のフォーラムは、町有地への有害残土受け入れを拒否する意向を示していた渡邊公夫町長が昨年の9月議会で一転、「受け入れを前提として協議に入りたい」と表明したことがきっかけで企画されました。町長は容認に至った理由の一つに「専門家の話を聞き、一定の理解、納得ができた」ことを挙げました。これに対し、専門家の話を聞きたいという声が町民から上がっていました。それに応える形で、専門家を交え、公開の場でJR東海と町民が協議するリニア沿線では初めてのフォーラムの場が設けられました。約550万円の予算で来年1月末までに6回行う予定です。
ところが、当初公表された5人の専門家の中には、地盤工学や地下水学、ウラン鉱床などの専門家はいるものの、植物の専門家はいませんでした。残土処分場が計画されている山林には、「氷河時代の生き残り」と呼ばれるハナノキなどの希少植物が生息し、環境省の「重要湿地」にも選定されている「美佐野ハナノキ湿地群」があります。町は開催直前になって、森林生態学の専門家を6人目に加えました。

メリットは引き取り料?

町民約60人が出席したフォーラムは最初からつまずきました。説明したJR東海の担当者が有害残土について「最終処分を決めたものを『対策土』、まだ決まっていないものを『要対策土』。御嵩町は最終処分するので『対策土』と(呼ぶと)決めた」と説明したことに対し、「対策が済んだ土だと勘違いしてしまう。町民を少しでも安心させようという魂胆が見え見えだ」と反発の声が上がったからです。担当者は「それでは御嵩町については『要対策土』にします」と前言を撤回しました。
せっかく出席した専門家でしたが、ファシリテーター(進行)役を除いてほとんど出番がありませんでした。なぜなら、町長が一転して受け入れを前提として協議すると表明したことに、町民の抗議が集中したからです。
フォーラム後、町長を直撃しました。ジャーナリストの樫田秀樹さんが「町のメリットがないという話があったが、残土を受け入れるときには、残土引き取り料が入ります。仮に1立方メートル4000円とすれば36億円入ってくる」と迫りました。これに対し町長は苦笑しながら、「それはメリットとは思えないですね。私、1回もお金の話はしてないですよ」。
続いて私も尋ねました。「さきほど『アリバイ作りではない』とおっしゃったが、フォーラムを重ねた結果、町が受け入れを拒否することはありえますか」。町長は「受け入れを前提にして話し合っていく中で、『ノー』というものが出れば、それはダメでしょって話でしょ」。私「じゃあノーがありうるということですか」、町長「ありうると思いますよ」。
本当にアリバイ作りではないのか、フォーラムの行方に注目です。

 

 

 


vol.208 モザンビークからレポートvol.2

アフリカの言葉は文字を持たない口頭伝承文化です。植民地化以前の歴史や伝統的な習慣の記録がほとんど残されていない何とも神秘的な大陸。私の住む地域の言葉、シャンガナ語から、彼らが何を大切にしてきたのか、覗いてみましょう。

元JICA隊員の作った資料。シャンガナ語が5進法であったことが分かります。アルファベットを当てはめて音を表現してあります。

モザンビークには、40以上の異なる民族が存在していて、モザンビーク国内で話されている言葉は南部のシャンガナ語や北部のマコンデ語など主に7つの言語があります。
こんなにたくさんの言葉を持ちつつ、大きな都市など違う民族同士に交流がある場では、公用語であるポルトガル語を話します。日本もかつてアイヌや琉球の他にも多くの民族が存在していただろうけれど、日本語、日本人に統一してきました。この言葉の共存、民族の共存自体が興味深いものがあるのではないでしょうか。

職場で行き交う言葉は、現地語のシャンガナ語、公用語のポルトガル語、国際語の英語。言葉はコミュニュケーションの手段で、自然に誰かが何かの言葉に訳してくれるし、表情をくるくる変えながら、身振り手振り、スマホの写真も登場すると、もう何を言っているか分かります。毎日根気よくシャンガナ語で話しかけてきてくれる人もいます。
そんなおしゃべり好きのシャンガナ族、本、紙、という言葉がありません。文字を持たないのだから当然かもしれません。では、数、お釣り、値段と言う言葉がないことは生活にどう影響されると思いますか?お釣り…ないんですよ。道端の野菜屋さんで買い物すると、お釣りを持っている人が本当に少ない!!お隣さん同士で「おつりある?」「〇〇メチカル貸して」なんてやりとりを永遠にしてお釣りが来ることもあれば、「お釣りないから、明日持ってきてくれたらいいよー!」と言われることもあります。日本では考えられないですね。「お釣り、値段」と言う言葉がないこの地域柄なのかなと思います。そもそも、野菜は袋いっぱい20メチカル、豆ならカップ一杯50メチカルなど、ポルトガル語の影響で、すでに数は存在するものの(なぜか五進法)、数以外のやりとりが度々見受けられます。ただ、モザン人とご飯に行くと外食の習慣がないこともあってか誰も払おうとしないのが普通だとか(笑)

逆に、独特の言葉もあります。Bilene(川の近くの肥沃な畑)、Tlhavene( 砂っぽい土の畑)、Tsoguene( 水分の多い土の畑)と畑に関しての言葉が豊富。その土に適した作物を育てます。今も国民の80パーセントの人が小規模自給農民と言われていますが、実際に誰と話しても、畑事情を自慢げに教えてくれます。畑と共に生きている感じ!!

文字がないというのは、先進国(植民地化した国)の価値で判断して、ないものだらけにされがちだけれど、外の価値観に振り回されず、世代を超えてずっと続いていって欲しいなと思います。だって、彼らと話すのは何だかすごく楽しい!!

 


vol.208 菌ちゃん野菜応援団vol.29


初夏ですね。

日に日に濃さを増す緑にうっとり、なーんて暇はなく。畑はこの時期とても忙しい。 もうもう連日、連日、連日、れんじつー!!!畑に朝な夕なと日参です。 やれ、苗を植えなきゃだの、草を抜いておかなきゃだの、水やりをしなきゃだの。。 庭では出番を待つ苗たちが小さな双葉を風にそよがせていたりして。 やれることはどんだけでもわいてくる。
今回はなぜ、こんなにも畑にこだわっているのか、というところを改めて初心にかえって書いてみようと思います。

みなさん、オーガニックの良さとはなんだと思いますか? 農薬をつかわないこと?化学肥料を使わないこと?
もちろんそれもありますね。海外では隣国を汚染水で汚すことがないように、とオーガニックが当たり前のこととしてすすんでいます。 環境を考えての選択なんですね。
ではもうひとつは?
実はオーガニック野菜は病気に強いこと、収量があがること、そして、栄養価が高いこと、が挙げられます。
慣行農法と有機農法では有機の方が全ての面において良いものが出来た、という40年にもわたる実験のデータがあるくらいです。 それもそのはず。 オーガニック野菜には、植物内生菌(エンドファイト)もミネラルも桁違いに多く含まれていますからね。 そして、味も良くなる、というおまけ付き。
環境の面から見ても、食べる人たちの面から見てもオーガニックを選ばない理由がない。 そして、自分で作ればなお感動。 有機農家さんを応援するためにも、家族の笑顔を見るためにも。
野菜を自分で作ってみるって一石二鳥にも三鳥にもなるなぁー、と思います!!! だから、大変でも毎日畑に行っちゃうー。 今年はどんな夏野菜ドラマがあるのかな。。。 たのしみです。


vol.208 ここいく日記 はじめの25歩!

月経カップ

最近、「生理の貧困」が話題となっています。少しずつ、生理の話題がオープンに語られ始めている一方で、やはり、「生理について、公に語りたくない、恥ずかしい」という声は残念に思います。ここいくでは、いのちをつなぐ授業をしています。生理とは、毎月1回、身体の中でいのちをつなぐ素敵なお仕事をしていることです。そんな生理の手当てについて、お話しさせてもらおうと思います。

みなさん、生理(以下、月経)の手当てはどうしていますか?
・・・紙ナプキン? 布ナプキン? タンポン?
この3種類を使っている人が多いのではと思います。今の生理用品で、満足していますか?不快症状はないですか?月経に楽しみを奪われていませんか?たくさんある選択肢の中で、自分に合うものを見つけていますか?

月経のときだって、我慢しなくていいんです、楽しんでいいんです。月経のときだって、快適に生活していいんです、幸せに生活していいんです。

経血量が多く、月経による不快感に振り回されていた私が、人生を変えたと言っても過言ではない、月経から解放される日が訪れました…!!それは、【 月経カップ 】との出会いでした。

月経カップとは、膣内にカップを挿入し、経血を溜めるものです。使い方としては、月経開始の使用前に煮沸消毒を行い、膣内に挿入します。経血の量に応じて、3〜12時間毎に経血を排出します。そして、1日1回、お風呂で低刺激の石鹸で洗浄します。月経が終了し、月経カップを片付ける際に、煮沸消毒して片付けます。挿入の仕方は少しコツがいりますが、しっかり挿入できれば、もう無双状態。どれだけ動いても、容量がいっぱいにならない限り漏れません。一応、漏れた場合に備えて、紙ナプキンや布ナプキンをショーツに敷いておくとより安心です。


私が月経カップを推したいポイントを大きく分けて4つ紹介します。
①エコであること。布ナプキンと併用すると、一切ゴミが出ないのです。そして、月経カップはひとつ5000円くらいしますが、ひとつ買えば10年くらいは使えるとのこと。
②ナプキンと違って、肌に直接触れないので、蒸れない・かぶれないですし、タンポンと違って、粘膜に直接経血が触れないので、トキシックショック症候群(TSS)※になりにくいと言われています。
③運動や温泉、ジム、プール、旅行など、今までは月経だからといって諦めていたことも月経カップであれば出来てしまうのです。また、月経が来そうなときに予め月経カップを挿入しておけば急な月経にも焦りません。
④経血がカップ内に溜まるので、経血の状態や色な どで健康状態が分かります。

生理用品にはそれぞれメリット・デメリットがあるので、自分の生活に合わせて使い分けることで快適な月経ライフが送れるのではと思います。
「月経カップ、気になるけど不安だなぁ」と思う方は、仕事や学校が休みのときからなど出来る範囲から初めてみるというのもアリかと思います。

一度、生理の手当てについて見直してみてはいかがですか?

※TSSは、よく知られているバクテリアの黄色ブドウ球菌によって引き起こされます。黄色ブドウ球菌は、3人に1人の割合で皮膚、鼻の穴、脇の下、足の付け根や腟に生息している細菌で、通常、害はありません。 TSSの初期症状としては、突然の高熱を伴って発疹・発赤、倦怠感、嘔吐、下痢、粘膜充血などがあります。

担当:ここいくメンバー・廣瀬 碧でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.208 南の島よりハイタイ(こんにちは)最終回


今回は、数多くある沖縄のリゾートホテルの中から、地球にも人にも優しく寄り添ってくれるとっておきのホテルを紹介しましょう。
那覇空港から車で50分。沖縄中部に位置する北中城村にある、東シナ海と太平洋を一望できる丘の上のホテル「暮らしの発酵ライフスタイルリゾートです。ホテルの歴史は古く今からちょうど50年前の沖縄県の本土復帰前のアメリカ統治時代に建てられた建物で、沖縄初のリゾートホテル「沖縄ヒルトン」、として誕生しました。バブル期に閉業した後は、長く放置されていましたが、本土復帰前の歴史的建造物で沖縄の多くの人々がその復活を願っていました。この歴史的建物をEM技術で見事に復活させ2005年「EMウエルネスコスタビスタ沖縄」として開業しました。そして昨年2021年10月1日方向性をクリアにするために「暮らしの発酵ライフスタイル」としてリニューアルオープンしました。
皆さんは、EM(通称EM菌)をご存知でしょうか。
Effective(有用な) Microorganisms(微生物たち)の頭文字に由来し、特殊な一つの菌ではなく乳酸菌、光合成菌、酵母などの善玉菌の集合体を共生させたものです。EMを土にまくと有機物を発酵させ、土の中の微生物のエサになり、ミミズなどの他の生き物も増え豊かな土になります。また水でもヘドロなどを分解し、きれいな水質になりいろいろな生き物が戻り、生物多様性の回復にもつながります。他にも臭いや汚れにも効果を発揮します。
ホテル内では余すことなくこのEMを活用しています。客室の清掃やリネン類のクリーニング、エアコンの清掃など、すべて化学薬品を含まないオリジナルの発酵液を使用。レストランでは、「発酵」を取り入れたメニューも多く味噌やキムチなどの発酵食品のワークショップも開催。ホテル近くの併設農園「サンシャインファーム」では、宿泊者自ら、EM野菜を収穫し購入することもできます。
小学5年の時、この世で最も尊い仕事は農業であると考え、将来は農業をするか農業の指導者になろうと決心した沖縄生まれの比嘉照夫氏。苦労を重ね「EM」発見、開発されました。そして農業、畜産、河川浄化、健康など幅広い分野で活用され、現在150カ国あまりに普及されています。
またホテルから出た生ごみと木材チップをEM発酵液で発酵させ、肥料や鶏の床材として利用。農場で採れた野菜は、ホテルで調理という資源循環モデルも実践されています。
小さな微生物たちの力を日々の暮らしに活用することは、大きな地球環境をよくすることにつながる、ということを教えられるホテルです。


かとう まみ プロフィール
岐阜市生まれ。桐朋学園大学音楽学部演奏学科ピアノ専攻卒業 ・2015年5月:写真集「奥飛騨に響く種蔵の里」(岐阜新聞社)出版 ・2019年6月:写真集「ばあちゃんぼくが継ぐ」(岐阜新聞社)出版・個展3回・(一社)二科会写真部会友 ・岐阜市美術展委嘱作家岐阜市美術展部会推進委員・岐阜県写真作家協会会員・二科会写真部岐阜支部委員・ギフフォトクラブ会員


vol.208 プレゼントコーナー

208号PRESENTS

プレゼントご希望の方はハガキまたはe-mailで、下記のアンケートを1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:2022年7月25日 当日消印有効。
宛先 〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。

1-あなたの「夏、省エネ乗り切り法」は?
今年も暑い夏がやってくる!簡単なことでもOK!あなたの工夫、教えてね。

2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望 を必ずお書きください)
※Dは編集室まで受け取りに来られる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、 家族構成


 

A.シャボン玉 酸素系 漂白剤 引換券      和楽様より…3名様

過炭酸ナトリウム100%の酸素系漂白剤です。その他の添加物は含みません。除菌効果があり、衛生的に仕上げます。塩素系漂白剤のようなツーンとした臭いも、塩素ガスが発生する危険もありませんよ。
和楽さん(一宮市時之島丸先2-12)店頭でお受け取りください。


B.CINEX 映画招待券シネックス様より…ペア3組様

映画館に足を運び作品を観る。その、観ることへの能動的な姿勢と強い意思が、作品と観る人との距離を縮め、現実世界に影響を与えることもあるとの説も!写真は、「瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと」より。岐阜市柳ヶ瀬のシネックスでご利用いただけます。


C.「漫画『世界を変えたくて僕を変えた』」アンタール様より…3名様

前号の熱中人でお話ししてくださったアンタールさんからのプレゼントです。食べるということ、命ということ、ベジタリアンについてなど、知っておきたいことに正面から向き合いながらも、優しいタッチでまとめられた一冊です。著者:Natsumi


D.壁掛け一輪挿し  にらめっこより…2名様

作家さん手がけた焼き締めの作品は素朴な暖かさをかもし出しています。雨降りが続く日も一輪の花が爽やかさを醸し出してくれそう。さりげなく飾ってステキな空間作りを! にらめっこ編集室でお受け取りください。サイズ:約 縦24ミリ×横50ミリ×厚さ40ミリ

 

 


vol.207 気になるプラスチックごみ対策!

 


3つのプラスチックゴミ問題

1)海洋プラスチック問題
陸上や海上での不法投棄などによって、プラスチックゴミが海洋に流出している問題。海洋生物をはじめ生態系への影響が深刻化しています。
2)廃プラスチックゴミの処理問題
焼却と埋め立て設備が不足し、ゴミの処理が追いついていない問題。オフィスや商業施設などから出る事業ゴミ(産廃系廃プラスチック)の一部を、発展途上国に輸出して処理を頼っているのが実情です。
3)マイクロプラスチック問題
マイクロプラスチックとは、洗顔料などに入っているマイクロビーズや繊維くず、人工芝など、5mm以下の小さなプラスチックのこと。その小ささゆえに回収が難しく、環境に影響を及ぼしています。このように、「プラスチックゴミ問題」とひとことで言っても、問題の背景は複雑。それでは、次にプラスチックゴミの内訳を見てみましょう。

ペットボトルが占める割合は、プラゴミ全体のたったの6%
※-1 一般社団法人プラスチック循環利用協会レポート(18年12月発行)、PETボトルリサイクル推進協議会 2018年年次報告書より

日本のプラゴミのリサイクルは8割以上!?でも、その実態は?
それでは、プラスチックゴミはどのように処理されているのでしょうか。一般社団法人プラスチック循環利用協会によると2017年の日本のプラスチックゴミ903万トンのうち、がリサイクルされ、残りの14%は、焼却・埋め立て処理されています。(※2)
86%というと、一見かなり優秀な数字に見えます。ですが、実はこの「リサイクル」の7割近くを占めているのが、「サーマルリサイクル」。ゴミを燃やして発生した熱を回収し、発電や温室プールの熱源に利用する方法です。純石油製品であるプラスチックは、石油や石炭と同等の発熱量を有するため、焼却することで大量の熱エネルギーを回収できるのです。
※2一般社団法人プラスチック循環利用協会 18年12月発行レポート、PETボトルリサイクル推進協議会2018年年次報告書参照。

国際基準では認められない、日本独自の「リサイクル」
プラスチックゴミを燃やして、温水プールの熱源や発電などの使う「サーマルリサイクル」。国際基準では「サーマルリカバリー(熱回収)」と呼ばれ、リサイクルとは認められていない。実は「サーマルリサイクル」という言葉は和製英語。この方法は欧米ではサーマルリカバリー(Thermal Recovery)と呼ばれ、そもそもリサイクルの範疇には含まれていません。
国際基準でリサイクルと認められているのは、廃プラスチックを新たなプラスチック製品などに再利用するマテリアルリサイクルと、鉄の原材料やガス、石油などに再利用するケミカルリサイクルのみ。一方、日本の廃棄物やリサイクル政策の基盤となる「循環型社会形成推進基本法」では、サーマルリサイクルとして認めているのです。
https://www.mashingup.jp より

プラスチックのなにが問題?
プラスチックは、非常に強くて軽い、腐敗しない化学物質です。プラスチック製品は紫外線や物理的な摩耗によって割れて破片となり、微小なプラスチック粒子になります。この数mm以下、数μmm以下になったプラスチック(マイクロプラスチック、ナノプラスチック)は様々な過程を経て最終的に雨に流され、海へ流れ着きます。流れ着いたプラスチックは、いくら小さくなっても、分解してなくなることはありません。

世界のプラスチックを無くす動き(脱プラスチック)
2025年にはプラスチックが2015年の10倍になると言われており、2050年には海の中にあるプラスチックが海の中の魚の量を超える、とまで言われるほど深刻な問題となっています。
こうした問題から、世界ではプラスチックの規制を設けています。
【各国・取り組み内容】
イタリア:2011年から生分解性以外のレジ袋の使用を禁止
台  湾:無料配布のレジ袋は生分解性のものに限る
U A E :使い捨て袋は生分解性を有するに限る
ブラジル:サンパウロ市ではレジ袋はバイオプラスチックに限る
豪 州 :各州(SA、TAS、NT、ACT州)では無料レジ袋の提供を禁止
イギリス:プラストロー、マドラー、綿棒の配布及び販売を禁止する計画
アメリカ:シアトル州ではプラスチックストローとカラトリーの使用を禁止
イ ン ド:マハラシュート州での各プラスチックの使用禁止
モンゴル:2019年3月からレジ袋の使用禁止
では日本は?今のところ自主的にプラスチックを無くしていきましょう、というのが現状です。
不要なレジ袋は使わない、エコバックを使う、マイボトルを持つ、などプラスチックを使わないように意識するだけでプラスチックを減らすことは誰にでもできます。プラスチックを無くすことは自然環境だけではなく、最終的には、私たちの健康のためでもあります。
私たち消費者一人ひとりが意識して、行動することがもっとも大切なことだと私は思います。


vol.207 「ノープラ」より「脱プラ」

というわけで私は身の回りのプラスチック製品を書き出してみることに。
まず水回りから。歯ブラシ、歯磨き粉、シャンプーの入れ物、洗濯バサミ、お風呂の桶や、ナイロンタオルまで全部プラスチックだ。続いて台所。密閉容器のフタがプラ。普段はミツロウラップだが、ごくた〜まに使うポリラップ、お玉やフライ返しの柄の部分がプラだった。オーガニックコットンのふきんで、洗剤もスポンジも使わないので、ここは意外と少ない。しかし、家電製品はボディーのほとんどがプラスチック製。化粧品に至っては、容器がほぼプラスチックでした。衣類系は衣装ケース、ポリエステル製の服。仕事場ではパソコン、メガネ、ハサミの柄、定規、クリアファイル、プリンターのボディー、電話機、など結構あるある!そして食品、お菓子袋、野菜、卵のパッケージ…書き出したらきりがないくらいです。これら全てをゼロにはできないのでせめて「脱プラ」をめざしたいと思う。(三)

まず断る!もう一つのR(Refuse)
外出先・買い物で削減

【1】ビニール袋(レジ袋)は「いりません」
【2】買い物にマイバッグ(エコバッグ)を
【3】ペッドボトルを買わないでマイボトルを
【4】コーヒーショップにマイカップ・タンブラー
【5】「ストロー」はいりません
【6】「お手拭き」をもらわない
【7】コーヒーミルクに手を出さない(中身は植物オイル)
【8】お弁当を作る、もしくはレストラン
で食事する
【9】マイ箸やマイカトラリーを持ち歩く
【10】過剰包装・加工・冷凍食品を避ける
【11】プラスチックフリーな日焼け止めを選ぶ
【12】虫除けもプラごみを限りなくゼロに
【13】再利用できるコットンのマスクを使う
【14】使い捨てのカイロは使わない
【15】チューインガムをやめる (ガムベース が合成樹脂)
【16】プラの傘袋じゃなくて傘カバーを持つ

キッチン
【17】食器洗いスポンジをプラなしに 天然素材で出来たタワシや布巾に
【18】使い捨てのラップとさよなら ミツロウラップに!
【19】テフロン加工の調理器具は使わない
【20】水切りネットをプラなしに
【21】タッパーなどの食品保存容器を考え直す
【22】コーヒー&紅茶もプラなしに楽しむ
【23】「食パン」は買わずにホームベーカリーで焼く
【24】備長炭で浄水もプラなしに

パーソナルケア
【25】歯ブラシ・歯磨き粉を考え直す
【26】「舌磨き」グッズをプラスチック以外のものにする
【27】紙箱やガラス容器の「デンタルフロス」に変える
【28】「固形石けん」はいいことだらけ!
【29】使い捨てのカミソリを買わない
【30】生理用品も無駄遣い知らずに
【31】脇の臭いに重曹は優れた消臭剤
【32】コスメも手づくりならプラなしできる

掃除・洗濯
【33】プラスチック容器の洗剤を使わない
【34】紙箱などプラスチック包装の少ない洗剤を選ぶ
【35】洗濯バサミやハンガーは金属製にする
【36】部屋・空間の消臭は重曹と炭でOK

文具・子ども用品
【37】クーピーはプラスチック。色鉛筆を使う
【38】消しゴムの消しかすはマイクロプラスチック
【39】鉛筆を使えばプラごみが減る
【40】子どものおもちゃからプラスチックを減らす

その他
【41】新聞は紙ではなく電子版で読む
【42】中古品を買うようにする
【43】赤ちゃんのお尻ふきをコットンに
【44】透明な封筒で送られてくるDMを断る
【45】合成繊維の服をできるだけ避ける



『私たちのサスティナビリティー』
まもり、つくり、次世代につなげる
著:工藤 尚悟
岩波ジュニア新書 800円

みなさんは、国連が提唱している持続可能な開発目標(通称:SDGs)をご存知でしょうか。学校や職場などでSDGsの17目標について学んだことがあるという方も多いかと思います。
2030年までの全地球的な開発目標とされるこのSDGsですが、そもそもどのような考え方に基づいて設定されているのでしょうか。この考え方こそ、本書のテーマである「サステイナビリティ」です。しかし、「持続可能性」と訳されるこの言葉に対して、いまいちその意味がよくわからないと感じている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
サステイナビリティ(sustainability)は、ラテン語の「sustinere(下から支える・支え続ける)」に語源がある言葉です。後ろに「-ability(〜する能力)」がついていますので、語感的には、「(あるものごとを)下から支え続ける能力」という意味があります。それでは、私たちはどのような物事や価値観を下から支え、そして将来にわたってつないでいきたいのでしょうか。
本書では、サステイナビリティを、「今日まで私たちの社会のなかで大事にされてきたことをまもり、これから新しく大切にされてほしいことをきちんと大切にできるような仕組みをつくり、さらにそのような考え方を次世代につないでいくこと」と定義しています。単にこれまでの状態を維持することに留まらず、私たちの暮らし方や社会の仕組みを問い直し、変える必要がある部分については積極的に変えていきながら、持続可能な社会を実現していくという考え方を意味しています。
将来のより豊かな社会のあり方を探求するときの羅針盤となってくれるのがこの「サステイナビリティ」という概念なのです。本書を通じてみなさんがサステイナビリティに対する理解を深めた上で、何をまもり、つくり、次世代につなげていきたいのかを考えるきっかけが生まれて欲しいと願っています。                  工藤 尚悟


vol.207 続・ぎむきょーるーむ わたしの体 わたしの選択

まず呼吸の目的ってなんでしょう。
20歳までは脳は成長発達のプロセスの途中。マスクをすることによって、集中力が低下、調査した子どもたちの2人に1人が頭痛を訴える。頭痛は酸素がないことによって起こります。大人は吸った酸素の25%を脳が必要としています。10歳未満の子どもたちは半分を脳が必要としているんです。

ONENESSを作る呼吸
動物も植物も当然呼吸をしています。呼吸は単なるガス抜きではなく、外からの情報(酸素ほか)を取り込み、自分の情報(二酸化炭素ほか)を出しています。誰かの呼気が私の呼気となり、私の呼気が誰かの呼気となります。それは、誰かが私の一部となり、私が誰かの一部となる、運命を共有しているということですね。
Respiration(呼吸)=Oneness(私とあなたはひとつです)
Inspiration(ひらめき)の語源はRespiration(呼吸)とSpirit(魂)。呼吸もひらめきも魂が起こしているんです!
ですから、呼吸の力が弱る=ひらめき力が弱るということです。
自分がしたいこと、誰かにしてあげたいこと、自分の未来、誰かと一緒に生きる未来に「ひらめき」がないことは、魂が動かないということ。そしてそれは「姿勢の悪さ」「慢性鼻炎」「マスクの常用」「ストレス」からも生じることを覚えておいてください。

鼻呼吸の大切さ
鼻腔はMy空気清浄器。鼻毛は高性能のフィルターです。
鼻から吸うことで、空気を湿らせて肺に送流というとても大事な働きをしています。あと、脳をオーバーヒートさせないよう、鼻呼吸はラジエーターの役割もしています。そして皆さんぜひ鼻歌を!鼻歌で鼻腔内の一酸化窒素を15倍に増やすんですよ。

メラビアンの法則
情報伝達は話す内容7%、声のトーンや話の速さ38%、顔の表情や仕草55%と言われます。
みなさんには私が2時間わーっと喋ったことの半分は私の表情とか仕草とか、そういうもので情報をキャッチしようとする、それが私たちの情報共有の仕方みたいなんです。なので、顔半分が隠れているというのは、大変なことです。
子ども達って、模倣するんですよね。おぎゃって生まれて、そのうち座り、そのうち立って歩きます。大人が、先を生きている人がそれをやっているからね。赤ちゃんてお母さんやそばにいる人が大好きだから、信じて信じて、それに追いつこう追いつこうって、成長してくれているんです。私たち見られてますよね、ほんとに。だけどこの2年の間に生まれた赤ちゃんたちの成長って大丈夫なのかなって思うんです。もちろん家の中では外していることと思いますが、祈りたいけれど、多くの大人たちの表情が半分見えない状態で、取り返しのつかない成長の遅れというか、模倣していきたい成長の勢いみたいなもの、私たちなんのために奪ってきたんだろうって、思うんですよね。マスクを着用することで、言語発達障害の子どもたち364%急増したって、この2年間で残した爪痕ですよ。そこに対してちゃんと大人は責任持って向き合って行けるでしょうか。「子どものマスクの着用は慎重に」と2年も経ってやっと医師会が言い出した。

ジャネーの法則
ジャネーの法則とは「人生のある時期に感じる時間の長さは年齢の逆数に比例する」という考え方で、19世紀フランスの哲学者、ポール・ジャネが発案した法則です。例えば30歳の大人の一年は、5歳の子どもにとって6年。コロナ禍は私たちにとっては2年だったけど、子どもにとっては12年ぐらいの長さを経験したくらいのこと、大人とイコールで見ないでください。子どもたちの素晴らしい成長のプロセスの中、生きているだけで新しい発見や学びがあるもの。そのことを大人としてちゃんと向き合う必要があると思うのです。
ここにこんなデータがあります。小学校4年生から6年生までの児童15%、中学生24%、高校生の30%に中等度以上のうつ症状があった。中等度以上のうつ症状が一番死に近いんです。しかも小学校4年生以上の子どもたちの6%が、ほとんど毎日「死んだほうがいい」または自分を何らかの方法で傷つけようとしたと回答しています。大人の都合で、「みんな言ってるから」「みんなやってるから」「同じことしないといけないから」・・・
昨年、一昨年の2年間、この国の小中高生は、約1000人自殺しています。これは遺書があった子どもの数です。新型コロナウイルスが影響しているっていうことは明らかだと思います。
子どもたちはマスクは「苦しい」と訴えても、逆にマスクで「鼻まで隠せ」と言われる。「先生が黒板に向いた時にマスクを離してはぁはぁやってるんだ僕」、という子もいました。これはもう虐待に近いかなって思う。咳も出ていないのに何で隠れてこんなことしなきゃならないんだ?マスクを外すことがいよいよ怖くなってきた子どもたちもいっぱいいます。そして不自由さや苦しさより、同調することの方がいいんだっていう、価値観、安心感。みんなと一緒の方がいい、自分で決めないでっていう、そういう状況。マスクの下が笑ってるのか怒ってるのか、皆目見当がつかない、ものすごく気を使わないとコミュニケーションができない。そんな中で大人が「みんなが」という基準で決めていることに、子どもはおかしいとわかってますよ。子どもは本能とか感性を使って今のこの現状がおかしいって、わかってる。おかしいとわかっててもやるしかないんです。なんで?それはお母さんと大人が好きだからです。基本はね。だけど、子どもはいつか絶望すると思います。何やってんだろううちの親、何やってんだ周りの大人って。そう思われる前に、「お母さんはね、こういう理由でこれを選択するよ」っていうことをしっかりと自分の言葉で伝えることができる、そんな日常を取り戻していきたいですね。

私が考えるマスクが必要のない3つの理由
まず不衛生です。汗をかき、脂も出ますし、細菌も繁殖します。モスクワ医科大学が、2時間マスクをつけていたら、もうマスクは感染対策ではなく、感染源になると発表しました。ドイツは、子どもが8時間装着したマスクから82個のバクテリアのコロニー、4個のカビのコロニーが出たという報告があります。
2つ目は、マスクをすることで体温調整できない可能性があります。去年は猛暑でした。一昨年の夏と比べて熱中症で運ばれた人たちの人数が、新型コロナの救急搬送を軽く超えました。マスクをしていると、どうしても水分っぽい息になるので、自分が脱水に陥っているということを自覚するのが手遅れになってしまうんです。脱水というのは酸欠なんですよ。脳に酸素がいかない。そのことで脳障害を起こす人もいます。熱中症というのは、暑かったで済むわけじゃなくて、すごく苦しいしんです。酸素供給が途絶えてしまうと脳に障害をきたし、それこそ命に関わります。高齢の方や子ども達は特に危険です。症状がないのにマスクをすることによって逆に命を危険にさらす可能性があるので、マスクは必要ないと私は思っているのです。
わたしのお話会に来てくださった広島県立大学のアメリカ人の英語の先生は学生たちに論文を紹介し「マスク外していいから、外しなよ」っていっても誰一人外さなかった。そこで、理科室から顕微鏡をずらっと並べて、朝つけたマスクを顕微鏡で見せ、帰りに一日していたマスクをもう一度顕微鏡で見せたそうです。それを見た時から、誰一人マスクをしなくなったそうです(笑)。実体験はどんな論文よりも、パワーがあるんですね。小学校でもマスクの衛生状態を理科の時間にやってみるのもいいかもしれない。みんなで確認したら、ほんとにそれを子どもたちの口に1日つけていたいですかってなるかもしれません。
ランセットというアカデミックな研究論文に新型コロナウイルスの残存期間が記載されています。空気中、ティッシュには3時間、段ボール24時間、不思議なのはステンレス3日間、マスクは7日間!です。子どもたちのマスクは逆に感染源になってますね。
そして3つ目は「マスクは感染を防がない」ということを日本は認めたということ。北海道のママたちが、教育委員会にマスクの着用が、新型コロナウイルスの感染拡大に効果があるという科学的根拠を開示してくださいと要請しました。その回答は「科学的根拠を開示できるものが確認できない」でした。結局、根拠はないんですよね。

大人が笑えば子どもが笑うそんな世界を!
これから新型コロナに限らずいろんな微生物由来のものは起こってくるでしょう。でも私たちの体にはすごい機能があるんです。持っているものを大事にして使おうねって、小学校中学校で学ぶことはそこじゃないかなって思います。人間とは何か、自分とは何か、自分の体が持っている神秘な機能や能力はなんなのか、心とは何か、生きるって何か、それを知るために算数だって国語だってあるんじゃないですか。大人が笑えば子どもが笑う。大人が変われば、子どもが変わります。大人は今の現状維持、子どもから先に変わってというのは無理です。子どもは大人が大好きなんで、その信頼に応えていきたいと思います。
                                                       井上まゆみさんお話し会。3月3日(木) 主催:つくる・みらいの会


井上まゆみ:新潟県阿賀野市在住。MIBEL Care Center マリーゴールド 元看護師現在は自然療法士 看取り士 グリーフ専門士二人の娘の母。新潟県でホメオパシーを中心に健康を支える活動をしています。福島原発事故により被災された方々への保養活動「風フェス」を年2回仲間たちと開催。ライフテーマは穏やかな死を支える看取り。世界初チャクラレメディーオリジナル絨毯企画販売。www.gracemarigold.com/


vol.207 アウトドア大作戦

虫が少ない
虫が苦手なキャンパーさんにとって最高のシーズン。とはいえ全く虫がいないわけではないので、虫の忌避剤など最低限の虫よけ対策があったほうがよいです。

キャンプデビューには最適。
本格的な装備が不要。冬キャンプのようにストーブや厚手のシュラフといった専用のギアを揃える必要がなく、夏キャンプのようにクーラーボックスの性能を気にする必要もありません。

焚き火が一番楽しめる時期
日中は暖かいのですが、夜は冷え込みます。きっと焚き火
が恋しくなると思います。焚き火を囲んでの団らんや食事、お酒等、夜のキャンプが華やかになることでしょう。

昼間やることがいっぱいある
キャンプ場を散策したり、遠くまでハイキングやバードウォッチング、ちょっとした登山まで、いつものキャンプよりもやることがいっぱい見つかります。
椅子に座っての日光浴は、まったりキャンパーさんにとって最高!キャンプ場で釣り堀や遊具で遊んだり、近くのハイキングコースを歩いたり低山登山をしたりと、普段はあまりやらないアクティビティにチャレンジするには最高のシーズン。

旬の食材を楽しめる
旬の食材をふんだんに使ったキャンプ飯を楽しみましょう。キャンプ場によっては採れたての旬の食材を販売しているところもありますし、近くのスーパーや道の駅でも購入できます。

初夏キャンプで気をつけたいこと
夜は意外と寒い
昼と夜の寒暖差が結構あるので、夜は思った以上に冷え込みます。同じ地域でも標高の高いキャンプ場は初夏といっても冷えます。夜に備えて厚手のアウターなどの防寒着を持って行くとよいです。ブランケットがあると外にいても寒さを凌げます。・ブランケット・毛布・ニット帽・カイロ・アウターなど厚手の服は用意します。最低限抑えるべきポイント。それは肌の露出を抑えること。気温や日差しによって長袖シャツを着て、紫外線対策をします。なるべく準備しておきたいのが、レインウェアや、折りたたみ傘。

キャンプ場が混雑しがち
早い段階でキャンプ場を予約しておけば大丈夫です。


vol.207 しょうがいをみつめる  vol.18

新年度の始まりに

「しょうがいをみつめる」というテーマで連載を始め、2年がたちました。

コロナの影響はわたしたちの生活を大きく変え、学校でもマスクや消毒が日常となりました。感覚過敏のある子ども達にとってマスクは非常に耐え難いものだし、口元(表情)が見えないことでコミュニケーションに困難さを感じている子ども達も大勢います。
一方で、マスクを着けていることで安心して話せるようになったという子もいるということも付け加えておきます。物事はいつも複数の面をもっており、一方的にマスクが悪だと決めつけることはしたくありませんが、わたし個人としては、これから話すこと、関わることを学ぼうとしている子ども達がマスクの世界からは学べないことの多さを思うと、マスクフリーの日常を願わずにはいられません。

こんな時勢ではありますが、今年も春がやってきました。
学校というところでは、クラスが変わる、先生が替わるなど変化の大きい季節でもあります。しかし、障がいのある子ども達の中には環境が変わることが苦手な子も多くいます。新学期が始まる少し前から不安定になる子や、新しい環境に馴染めず荒れてしまう子も。
短期的に見ると、このような子達にとって変化はマイナスに見えますが、子どもの成長にとってはやはり必要な変化であることも多くあります。新しいクラスメイト、新しい先生が子どもの新しい側面を引き出し、成長を促してくれることもあるでしょう。変化そのものが子どものレジリエンス(適応能力ともいえます)を育ててくれることもあるでしょう。

オムツをはいていた子が、自分でトイレに行けるようになった。
ひらがなの練習に取り組んで、自分の名前を書けるようになった。
行事ごとが苦手でいつも荒れていた子が、見通しをもって
練習にも本番にも落ち着いて参加できた。
前籍校で不登校だった子が、みんなの前で話せるようになった。

ここに挙げたのは、この一年でわたしが関わった子ども達の成長のほんの一例です。どんな障がいがあっても、いくつになっても、子どもは成長するのだという当たり前のことに、改めて驚かされます。
一日一日を過ごしていると見逃してしまうほど小さな変化かもしれません。今日良くなったことが、明日にはまた悪化することもよくあります。しかし、1年、2年、…数年という長い時間軸で振り返ると、必ずどんな子も(もちろん大人であるわたしたちも)成長できているということに気付けるはずです。
新しい一年が始まるこの時期に、いったん立ち止まって振り返る時間をとってみてはいかがでしょうか。

この連載を通して、自分の考えを言葉にする難しさに何度も心折れそうになりましたが、同時にわたし自身の考えを見つめ直す貴重な経験にもなりました。これからも一人ひとりの子どもと関わり、ともに悩み、困難に寄り添い、互いに喜びを共有していけたらと思います。
これまで拙い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。  S.I


vol.207 人生これから やってみたシリーズ第10弾

何事にもチャレンジできる自分でいたい

一人の時間が健康的な時間に変わった

石原 文代さん

—バレエを始めるきっかけ

きっかけは2つあります。親の介護をしていたので(その親の様子を見て)足腰を鍛えておかなきゃ、と思ったこと。近所に体操教室があったので早速通うことにしました。そこは本当に簡単な体操で私にはちょっと物足りなさを感じていました。そしたら、たまたまクリーニング屋さんが廃業した跡地にバレエ教室がオープンしたので、そちらにチェンジ。先生はなんと25歳なんですよ。それが55歳の時。16年前でした。
バレエ教室は夜の7:30から。レッスンのある日はテキパキ仕事を終え、帰宅後に親の世話をして、「いってきまーす!」。それまでは仕事と家の往復のみの生活でしたので、張り合いが出ました。
もう一つの理由は、末の子が20歳になった時。高校くらいまでは塾の送り迎えとか結構大変な時期があるでしょう。でも成人すれば一応親の役目は終わり。その時、「自分のためのなにかをやりたい!」と思ったんです。
そのバレエ教室の先生から、「9月に発表会があるんです。出ませんか?」って言われました。入ったばかりの私にも声をかけてくれて嬉しかった。でもあんまり下手だから、練習日を週2回に増やしました。週1より体が楽になってきて、進歩していることも実感できるしね。
定年退職し、再任用で仕事は週4日間になったので、レッスンの日を増やしました。そのクラスは体を鍛えるっていうか、体幹を整えるスクワットやバランスなど体にとって基本的な力をつける運動が取り入れられています。そして新しいクラスでは有名なバレエ作品の振りの一部を練習できたりして、バレエを観る時の楽しさも増しました。というわけで今では週に何回かレッスンに通っています。

—16年経って、変化したこと

変化…ですか?脚が細すぎて今までスカートを履くのをためらっていたのですが、バレエを始めて筋肉がついて、これならいいかもとスカートが履けるようになりました。(笑)そして生活にメリハリができました。子育て、仕事、介護と追われる毎日でした。でも、バレエをやっているその時だけは他のことを忘れていられた。バレエに全集中!です。この時間は私にとって、とっても大事な時間です。体もスッキリするし、汗もびっしょりかくしね。
バレエの教室は自分より若い人がほとんどです。それだけで気分が若くなります。おしゃれの話とか、聞いているだけでも楽しいんですよ。そしてバレエのレッスンに来ている人はすごく前向きです。「もう歳だから」とか「できない」と言わないの。

—「今を生きること」を気づかせてくれた友人の死

旅は発見があって楽しく、友達を知らない国、知らない街を歩いたりしましたが、今はコロナで何処へも行けません。先日、旅行仲間と電話でおしゃべりしていて、「今度どこへ行く?どこに行きたい?今は海外は無理だから、国内でもいいから行こうよ」なんて話していた人が、その翌日に亡くなったんです。水泳中にくも膜下出血で帰らぬ人になってしまった。とてもアクティブな方でした。もうショックで、しばらく気力が萎えてしまいました。人生何があるかわかんないですよね。「健康でもいつ何が起きるかわからないよ」と亡くなった友人に教えられました。何より人との出会いを大切にしたいと思うようになり、今を大事にしようと思うようになりました。だから、やりたいこと、思ったことを明日に引き伸ばさない、今が大事と思って生きています。

 

舞台袖で。背筋がピンと伸びる瞬間。左から3人目が石原さん

 

「くるみ割り人形」第2幕 花のワルツ 前列のセンターで踊る石原さん


vol.207 人生これから 整理収納 実践編

【整理する】
① 全部出す…こんなものがこんなにあったんだ!など、全体が見えることでこれからの作業が進みます。
② 分ける…整理=分ける。同じ仲間、使用頻度、使う場所など。そこに置かなくてもよいものがある場合も。このとき、理想の姿、ゴール設定がしてあると判断がつきやすいです。
③ 減らす…これがお片付けの山場!時には心苦しい時もありますが、1つ1つのモノと向き合うしかないです。

【収納する】
取り出しやすく、またしまいやすい状態にモノを収めていく。

押し入れの使い方
・ 広い空間は仕切って使う。
・ 収納の高さと使用頻度の高さを考える。
・ 奥行きの深さに注意して収納グッズなどを利用する。
・ 前後に分ける。奥行きに合った引き出しを使う。
キャスター付きグッズなども活用、など。

無理矢理モノを捨てるのは精神的によくない。使わないモノだったら、場所を変えるだけでもよい。

実践編 にらめっこの押し入れ
・ 収納の高さと仕様頻度の関係性を考える。
・ゴールデンゾーンを意識する。
「上段」…出し入れするには台が必要。使いにくいため使用頻度が最も少ないものを入れる。
「下段」…出し入れするには腰をかがませなくてはいけない。使用頻度が中〜低程度のモノを収納する。
「中段」…ゴールデンゾーンにはすごくよく使うモノを入れる。

・誰が見ても何が入っているのかわかるよう、入れ物にラベリング。
・ 収納グッズや収納家具を購入するのは、最終段階に。
・ 上段は奥行き全部を使う必要はない。
・ 収納にテーマを決める。(中段左側は紙類、右側は画材など)
・ 大きなモノを先に入れて、残りの空いているスペースをどう使っていくか、と考えるとやりやすい。
・ 向かって右側の奥には使用頻度が低いものを入れる。
・ 広いスペースなら「配置図」を描いてモノの所在を把握する。

Q&A
Q:お客さん用布団が何組かありますが、押し入れに納まりが悪くてなんだかスッキリしません。
A:来客用のお布団がほんとうに必要か考えてみて、減らしても大丈夫なようなら、処分してもよいかもしれません。いざとなったらレンタルも一組一泊で3,000円くらいからできるようです。お布団は圧縮袋に入れて立てて収納するとか、肌掛け布団や毛布などの薄手のものは収納袋に入れるとまとまります。

三上:昨年3月に開催した” モノ” をくるくるっとリユースする「くるくるマーケット」では、提供する人はモノに対する想いと手放す経緯を、モノを受け取る人は、どう使って行くかと、感謝の言葉をそれぞれ付箋に書いて貼り出しました。
森口:それはいい方法ですね。付箋に書くことで、ひと呼吸つけるので、受け取る人も衝動的にならず、ほんとうに必要なモノなのか考えられますね。


もりぐち ゆうこ

Hallelujah You(ハレルヤユー)主宰 整理収納アドバイザー
石川県出身・岐阜県可児市在住。「見映えだけじゃない“暮し映え”する北欧収納であなたの暮しにイロドリを!」テーマに活動中。ブログは「アメブロ 森口ゆう子」で検索!


vol.207 熱中人 アンタールさん

リサイクル・アーティストでもあるアンタールさん。

意識が変化を生む。
 それは先人たちが教えてくれたこと。

アニマルライツ・アクティビスト アンタール・アレステギ・パズ・ルピオ さん(鹿児島県在住)

ヴィーガン(完全菜食主義)になって、アニマルウェルフェアのことを詳しく知ることになりました。特に食べ物になる動物について。短いドキュメンタリーを見たのもきっかけの一つかな。いろんな長編ドキュメンタリーもあるけど、情報が悲しすぎて観られなかった。ヴィーガンは宗教って思われているみたいだけど、そうじゃない。信仰心でヴィーガンになったわけではないんだ。
肉・魚、乳製品、はちみつも食べません。卵もやめました。その理由は、卵から孵って雌雄の選別をされ、雄は生きたままミンチにされると知ったから。その時から食肉に自分のお金を使うことをやめたんです。周りを見ると、そんなに食べなくてもいいのに、もっともっとと味わうために、娯楽性のために食べていることに違和感を感じています。イヌイットのように、生きるために命をもらうという人たちとは意識がまるで違います。

16歳の時、メキシコシティーの動物園で働いていました。展示動物たちは閉じ込められるストレスで行動に異変が生じます。病気になったり、精神的におかしくなったり。一箇所をぐるぐる回ったり、象は頭のアップダウンを繰り返したり、猿は自分たちの糞を食べたり、オランウータンは悲しそうな目をするし、マントヒヒは自分のほっぺを引っ掻くという自傷行為を繰り返したり…野生ではみられない異常な行動を示します。動物園に子どもを連れていくと、動物たちが「とらわれの身」であることを教えることになると思うから、連れて行きたくないです。

アニマルウェルフェアとは、動物本来の欲求を妨げることのないように適正に扱うことを科学的に定めた原則です。「飢餓と渇きからの自由」「外傷と疾病からの自由」「肉体的苦痛と不快からの自由」「恐怖や不安、抑圧からの自由」「正常な行動ができる自由」―の5つの基本原則があります。
動物園、水族館の展示、サーカスやイルカショーに始まり、ファッション業界(毛皮など)、薬品・化粧品業界(動物実験)、食品産業(畜産など)にこの原則が守られているか疑問です。日本人の9割がこの原則を知らないと言われています。だけど僕が思うには、200年前には奴隷制度があったし、150年前は女性に権利がなかった。80年前は誰もアニマルウェルフェアを考えなかった。そのことを考えると、この先意識の変革が起きていけば変わってくるよね。それは人間の進化と言えるんじゃないかな。自分がまいた種は必ず結果として自分に返ってくる。そういうコネクション(因果応報っていうのかな)に気づかないと、平和にならないよね。

アニマル・ライツ・アクティビストとして
「世界を変えたくて僕を変えた」という漫画本があるのですが、この本を買って、啓発のために読みたいと思う人に差し上げています。いろいろなパンフレットも取り寄せています。でも、まず日本語をちゃんと話せ、読めることが先かな。

サブタイトル「花ちゃんと大地のやさしい生活」のとおり、主人公の大地が豚の花ちゃんと出会い、動物にも健康にも環境にも優しい生活を実践していく。本書では、鶏や牛や豚がどんなふうに飼育されているのか、体の一部の切断から屠殺まで細部にわたって描かれている。豚の花ちゃんは大地に何も押し付けない。健康にやさしい選択、環境に優しい選択、動物に優しい選択を提示するだけだ。選択するのは大地自身。読む人が自分だったらどうしようかと考えさせられる内容になっている。※この本を3名様にプレゼント。詳しくはプレゼントコーナー参照。

アニマル・ライト(動物の生きる権利)
ヒト以外の動物にも、ヒトと同様の生存権を認めようという考え方。「菜食主義(ベジタリアン)」という理念の背景にも同様の主張がある。しかし「動物の生きる権利」を主張する立場は、食事だけではなく、ヒト以外の生命をヒトのために利用することを一般に拒否する。牛や豚を食べないだけではない。たとえば医学実験にマウスやヒヨコを使うのも拒否する。
アニマル・ウェルフェア(動物福祉)
ヒトはヒト以外の動物の生命を、自らの暮らしのために利用するのはやむをえないが、むやみに奪ってはならない。さらにヒト以外の動物の生命と生きている暮らしそのものを尊重するという考え方。

 

 


vol.207 夢か悪夢かリニアが通る!vol.36

産廃本を「禁書」扱い
リニア中央新幹線のトンネル掘削により発生するカドミウムやヒ素などの有害な重金属が混ざった「汚染土」を含む残土処分場について「受け入れを前提として、JR東海との協議に入りたい」と昨年9月、渡邊公夫町長が表明した岐阜県御嵩町。その町立図書館で、かつて町内に持ち上がった産業廃棄物処理施設計画を巡る騒動を検証した本が、町長の意向を受け1年にわたり「禁書」扱いにされていたことが明らかになり波紋を呼んでいます。 ジャーナリスト・井澤 宏明

「検閲」と議会で批判

対象となった本は、フリージャーナリストの杉本裕明さんが昨年2月著した「テロと産廃 御嵩町騒動の顛末とその波紋」(花伝社)。杉本さんは朝日新聞名古屋本社社会部のデスクとして、産廃処理施設建設を巡り当時の柳川喜郎町長が襲撃された事件(1996年)や建設の是非を問う住民投票(97年)の取材班を率いました。
この本では、当時を生々しく振り返るとともに、「産廃NO!」を突き付けた住民投票が注目を浴び全国の反対運動を勇気づけた結果、建設が困難になった産廃処理施設のその後、についても紙幅を割いています。
今回の「騒動」の発端は昨年3月、町議会定例会で渡邊町長が、同書について「不快な本」「反論(すべき点)満載の嘘本」としたうえで、「あんなでたらめを置くわけにはいかん」と発言したことです。
町教委によると、著者から同書が1冊、図書館に寄贈されましたが、同館は町長の発言を受け倉庫に保管。「人権やプライバシーに抵触していないか検討していた」といいます。
町議会の一般質問で3月9日、岡本隆子議員がこの問題を取り上げ、「町のことが書かれた郷土の本。町長の判断で図書館に入れないのは検閲行為」と迫りました。渡邊町長は町議時代の自身が同書で「町長の座を狙っている」とされていることを挙げ、「私は町長のイスを狙っていない。作り話や嘘が多すぎる」と答弁。役場の課長と係長が立て続けに自殺した経緯などについても「作り話だ」と批判、「あれだけ嘘を重ねている本を、勧めることができますか」と反論しました。

 

湿地の危機示した本も

町教委に今回の取り扱いの根拠を問うと、日本図書館協会の「図書館の自由に関する宣言」に「提供の自由は、次の場合にかぎって制限されることがある」とあり、「人権またはプライバシーを侵害するもの」と書かれていることを挙げました。
しかし、同協会「図書館の自由委員会」委員長の西河内靖泰さんは「でたらめだ」と否定します。「宣言の『人権またはプライバシーを侵害するもの』というのはそもそも『部落地名総鑑』のことです」。同総鑑により被差別部落出身者であることが明らかになると、就職差別や結婚差別につながるからです。町教委の対応について西河内さんは「宣言を、自分たちの都合のいいように使われるのは心外です」と憤りを隠せません。
「町長が本のここは間違っていると主張する権利はある。でも、図書館が一方の言論を封じるなんてとんでもない。図書館に置くということは、その本を町が推奨しているということでなく、歴史的な資料として保存しておいて、必要な方に『はい、どうぞ』ということなんです」
町教委は一転して3月14日、同書の閲覧や貸し出しを決めました。その理由として、町長が「法的に訴える考えはない」と表明したことなどを挙げています。当時、教育長だった高木俊朗さんは「町長が闘うなら教委としても応援する、という形で扱いを保留していたが、図書館の自由を守っていく点からは、(同書を)受け入れたうえでその後、反論文をつけるなりすれば良かったと反省している」と述べました。
ところがその後、同図書館に町民から寄贈された別の本も蔵書として登録されずしまいこまれていたことが分かりました。対象となった「東海地方の湧水湿地 1643箇所の踏査から見えるもの」(2019年)には、リニア本体や残土処分場建設が、同町美佐野の湿地に影響を及ぼすことへの懸念が記されていました。同図書館は「『大事な本だから』と(寄贈者から)言われ、学術的に保管すべき本だと判断した」と釈明しているのですが。

 

リニア残土処分場による湿地への被害を懸念する記述のある
「東海地方の湧水湿地」


vol.207 ボーダーレス社会をめざして vol.66

グループホーム
NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

「私が働いている場所の近くに障がい者のグループホームが建つよ」と友人から が送られてきました。チラシが添付されていて内容を見ると障がい者の親であれば、大喜びしそうな内容です。24時間スタッフが常駐している。通院同行や買い物、散歩などスタッフが支援する。服薬管理、金銭管理もする。車いすも対応する。重度の知的障がいに対応するなどなど。とても柔軟な対応をしてくれるグループホームのようです。
最近は、障がい者のグループホームを全国展開している会社が増えてきています。年間20~30棟くらいの建物を建てて事業展開をしているようです。ネットで検索すると「長期安定×高利益×景気に強い」誇れる事業といえば障がい者グループホーム ①障がい者グループホームは売上の8割が国への請求!②一度入居すると長く施設を利用するため、景気の影響を受けることなく長期安定的に利益を得ることが可能!③障がい福祉は将来的にも国に必要な事業ですので、定年知らずのストック型の福祉ビジネス!と宣伝がしてあります。
今までは社会福祉法人がグループホームを建て経営するのがほとんどでしたが、最近はそうではなくなりました。まず、建物を先に建て、それから支援員を地元で募集するというやり方のようで支援員が集まらないとオープンできないようです。しかし、株式会社が建てたグループホームだから心配だと思うのは間違いです。
つい最近、福祉法人ではない会社が作ったグループホームに入られた方がおられ、その方の日中支援をしている人が夕方訪ねた所、とても大切にされていたと聞きました。どこの施設であれ、支援者次第という所があります。一概に株式会社だから駄目だ!なんていう事は言えないと思っています。障がい者のグループホームに特化した会社の強みはもちろん発揮されるでしょうし、運営面に関しては、プロフェッショナルでしょうから。時代と共にいろいろ変わっていきます。
社会福祉法人、 法人ばかりがすべてを担うのは難しくなってきています。福祉とはいえ、経営感覚が優れていないと何事も出きない時代です。現在展開されているグループホームは、新しい未来図のような気がします。今まで選択肢が少ししかない世界だったところに、あれ・これと選べるようになってきたのです。大歓迎です。
今まで障がい福祉をやってきた人に対しての挑戦状であり、これからお互いに切磋琢磨して障がい福祉を充実させたものにしていく新しい時代への突入だと考えています。


vol.207 モザンビークからレポート

日本から3日間かけて雨季のモザンビークに到着!空港での入国待ち中、ポルトガル語で話しかけると、嬉しすぎるほどの驚き方で「もうポルトガル語完璧じゃないか!!」って褒めてくれました。町を歩いていても、「Bom dia(おはよう)」「Boa tarde(こんにちは)」って笑顔で返してくれるんです。ちょっとシャイで、でも気さくで、日本人に似てる部分がありそうです。

 空港から中央に向かう途中には、「ザ!アフリカ!」ぽい人が賑わう雑多なマーケット、頭にフルーツをたくさん入れたバスケットを入れた女性たち、どんだけ乗るの!?長い足どこに納めてるの?ってくらいぎゅうぎゅうに乗り込んだバン、、、これからの2年間に胸が高鳴りました。

整備された町中の木陰で売られるフルーツや野菜が余計に美味しそうに見えます。お洒落なカフェやバー、中国食材店、なんでもありすぎて、いまだに自分がアフリカに来たことも、世界の最貧国の一つの国にいることも信じられません。

アフリカの首都はすごい発展してる!と聞いたことがあるけど、本当でした(笑)
実際、経済的に急成長性している国の一つでもあります。その反面で、栄養、医療、水、教育など問題はたくさんあって、国の成長が国民一人一人の生活に追いついていないように感じました。医者の数、10万人に3人。日本のような医療を期待していたわけではないけれど、1000人に3人いる日本との差!!

一方で、国の約80パーセントの人は農業従事者で、ほとんどの人が自給自足的な生活をする小作農だと言われているので、調査で出てこないすごい真実がたくさん隠されていそうです。何より、農薬を買うお金がないと言っても、国中でほぼ無農薬なのは素晴らしい!モザンビーク独自の野菜もたくさんあります。輸入した野菜よりもモザンビークの野菜が安いことも、家庭料理が外食産業化していないことも、栄養問題解決できる!って思えます。

モザンビークの首都生活は、長いことイメージしていたアフリカの生活とはほど遠いです。だからこそ、慌てず。焦らず。ぼちぼちと、教わったこと、感じたこと、経験したこと、色々なモザンビークを私の視点で表現していきます。

2年間、どうぞお付き合いよろしくお願いいたします。       加藤 美希


vol.207 菌ちゃん野菜応援団vol.28

ことしの冬は寒かった!!!
冬の間に土つくり、と思っていたもののあまりの寒さに縮こまってしまって。畑もすっかりご無沙汰でした。そのかわり?一から手解きを受けて初めて麹作りに成功!お米に菌ちゃんをつけるだけ、なのに何度失敗したことか。菌ちゃんの営みを知り、寄り添う。菌ちゃんと暮らす奥深さをまたひとつ感じた冬でした。そんなことをしているうちに待ちわびた春もゆっくりと巡り。

久しぶりの畑ではブロッコリー、白菜菜、折り菜が春だよ、春だよね!!!とつぼみをたくさん作って。取っても取っても奥からどんどん出てくる。何があっても花を咲かせるんだ!!命を繋ぐんだ!!!という命の力には毎年ほんとうに感嘆のため息しかありません。

先日は畑に入れるための草をたくさん運んできました。これで無農薬無化学肥料で野菜が出来る土になります。市販の肥料も農薬も何も使わずピッカピカな野菜が出来るんだよ、命の始まりに菌ちゃんがいるんだよ!これをたくさん
の人に知ってもらえたらなぁといつも思っています。
ぜひ、畑に遊びにきてくださいね。
さぁ、また菌ちゃんとつながる1年が始まります。
たのしみだー。

今年は新しい試みにもチャレンジしていきますよ。次回お披露目できますように!!!

塩麹の作り方
・麹200g
・天然塩35g
・水ヒタヒタ

まず塩と糀を手で優しくすりまぜる。
水をヒタヒタに入れ、軽く蓋をして毎日かき混ぜる。
麹が柔らかくなったら出来上がり。冷蔵庫で半年保存可。
茹でた春野菜に絡めたり、お肉やお魚を焼くときに味付けにしたり。使い道はたくさん。ぜひ、自分のマイ塩麹を作ってみてくださいね。


vol.207 ここいく日記 はじめの24歩!

“生きること”全てが性教育

はじめまして、ここいく新メンバーの廣瀬です。普段は、助産師として働いています。日々、お母さんとパートナー、そのご家族と関わり、いのちを育み、産み、育てる様子を見守らせていただいています。
ここいくに参加しようと思った経緯は、私自身子どもながらに、教育課程の中で受けた性教育は的を得ていない、知りたいことが結局分からないという印象でした。元々、性教育の大切さや必要性については感じていましたが、助産師として働くと、望まない妊娠が想像よりも多かったこと、そして、パートナーや家族の反対で泣く泣く中絶するなど、女性が傷つき、弱者になっている姿を見ると、やっぱり性教育って大切だよなぁと想いが強くなりました。
性教育は、身体の仕組みやSEXのこと、いのちを育むことと思われがちですが、性教育には、生きること全て含まれています。助産師としてお母さんと関わっていると、窮屈に、他人に遠慮して、他人の顔色を伺って女性は色々なことを選択していると感じることがあります。何においても女性が主体的に選択できること、女性とパートナーがお互いのことを知り、対等な関係で、協力し合えること、赤ちゃんも1人の人なんだということなどなど、もっとみんながハッピーに生きられるようになるといいのになぁと感じることがあります。
性教育の普及はもちろんですが、幸せに自分の人生を生きられる人が増えるといいなぁと思い、ここいくに参加させてもらいました。(私が助産師なので、「女性が」となっている部分がありますが、性別を超えて誰もが、と思っています。)
実際に、ここいくの性教育を見学させてもらうと、学校ではやらない(やれない)、でも本当に大切なことを熱い想いで伝えている姿に感動。そして、性のことはもちろんですが、自分を大事にすること、自分が決めていいこと、言葉の重み、相手を思いやること、環境のことなど大切なメッセージばかりで子どもだけでなく、大人も聞き入ってしまう。
ここいくメンバーの「伝えたい」という想いに、初めは照れやふざけていた子達も、途中から真剣に聞き入っていました。私自身、教育課程の中でここいくの愛のメッセージの数々を聞けたら、もっと楽しく、ハッピーな教育課程を過ごせたのかもしれない、そう思いました。
学校では、指導要綱でSEXなどNGワードがあり、本当に大切なことがひた隠しにされています。命をつないでいく子どもたちに本当の大切なところを教えず、どうやって子どもたちの身体と心は守られるのか。子どもたちの身体と心を守らずして、どうやって次の命を育むのか。本当に恥ずべきことは、性教育自体ではなく、性教育をひた隠しにしようとしている大人たちなのではないか。自分の身体のことを知ることは大切なこと。知りたいって思うのは当然のこと。その本当に大切なことを、子どもたちが分かるように真剣に伝えれば、誰も、性教育=エッチなこととはならない。身体のことを教えることがなぜいけないことなのか、私には分からない。性教育に対する大人の在り方とは、子どもが初めて知るその時に、正しいことを伝える環境を整えることではないのでしょうか。
学校や市町村、園など、どこででも授業の依頼を受け付けております。感染対策として、少人数での開催もやっております。質問や相談などお気軽にお問い合わせください。


担当:ここいくメンバー・廣瀬 碧でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.207 南の島よりハイタイ(こんにちは)連載-7

沖縄戦とは、太平洋戦争末期の1945年日本軍と沖縄諸島に上陸したアメリカ軍を主体とする連合国軍との間で行われた戦いです。日本軍は沖縄を本土防衛の最後の拠点とし、連合国軍は日本本土に攻め入るための基地として沖縄諸島を攻略しようと試みます。
沖縄戦では、民間人を巻き込んだ地上戦により、日米両軍と民間人合わせて20万人以上の犠牲者が出ており一般の犠牲者は、推計で10万人、沖縄県民の4人に1人が命を落とした壮絶な戦いになりました。
そんな中で悲劇の1つとして読谷村*(よみたんそん)のチビチリガマでの集団自決があります。3月末から激しい爆撃があり、4月1日に読谷村に上陸した米軍はチビチリガマに迫り、追い詰められた住人がガマの中で肉親を手にかける悲劇が。140人近くが避難していましたが85人が命を落とし、その半数は12歳以下の子どもたちでした。
その読谷村に海の見える「さとうきび畑」歌碑広場があります。平和を祈る歌「さとうきび畑」は1967年沖縄の地で誕生。歌詞の作者、寺島尚彦氏は、沖縄のサトウキビ畑の土の下にまだ埋もれたままの戦没者たちの魂に揺り動かされるように「さとうきび畑」を書き上げました。この歌に込められた平和の祈りを沖縄から永遠に発信し続けるために2012年4月1日読谷村に「さとうきび畑歌碑」が設立されました。歌碑の横には、ミュージックボックスが併設され、ボタンを押すと「さとうきび畑」が米軍上陸の地に流れます。
さて、皆さんは「慰霊の日」をご存知でしょうか。
1945年6月23日アメリカ軍が主体となった連合国軍と日本軍の間で起こった組織的な戦闘が終結したことから6月23日が「慰霊の日」と定められました。糸満市摩文仁の「平和祈念公園」で沖縄戦の犠牲者をしのび、追悼式や前夜祭が行われ世界の恒久平和を願う日です。沖縄全戦没者追悼式では沖縄の子供が書いた「平和の詩」の朗読があり、毎年、胸を熱くさせられます。そして全国75.5%の方々(沖縄タイムス社による)が「慰霊の日」を知らないという現実ですが、本土の方々にもぜひ、この「平和の詩」の朗読に耳を傾けてほしいものです。
今もなお地中には多くの戦没者の遺骨が残り、暮らしのなかで不発弾が見つかるという沖縄の現実に、一人でも多くの方が関心を持っていただけたらと切に願っています。

*読谷村 沖縄県の中部に位置し、全国で一番人口の多い村です。元祖、紅芋タルト発祥の地です。


かとう まみ プロフィール
岐阜市生まれ。桐朋学園大学音楽学部演奏学科ピアノ専攻卒業 ・2015年5月:写真集「奥飛騨に響く種蔵の里」(岐阜新聞社)出版 ・2019年6月:写真集「ばあちゃんぼくが継ぐ」(岐阜新聞社)出版・個展3回・(一社)二科会写真部会友 ・岐阜市美術展委嘱作家岐阜市美術展部会推進委員・岐阜県写真作家協会会員・二科会写真部岐阜支部委員・ギフフォトクラブ会員


vol.207 プレゼントコーナー

1-あなたが実行している「脱プラ」はどんなこと?
小さなことでもOK。あなたが実行している脱プラの工夫を具体的に教えてね。
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望 を必ずお書きください)
※Dは編集室まで受け取りに来られる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、 家族構成

プレゼントご希望の方は
ハガキまたはe-mailで、上記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:2022年5月25日 当日消印有効。
宛先 〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。


A.CINEX 映画招待券 シネックス様より…ペア3組様


世界中で起っているさまざまな出来事、それらに対するさまざまな視点。そんなことを伝えてくれるステキな作品に出会えるのも映画館の魅力のひとつ!写真は映画「ストレイ 犬が見た世界」より。岐阜市柳ヶ瀬のシネックスでご利用いただけます。


B.Jazz Live ご招待 アートギャラリー是様より…1名様


6月19日(日)14:00〜
「早川 ふみアコースティック4」ライブにご招待!
落ち着いた雰囲気の会場が、Jazzの調べに満たされます。大人なひとときをお楽しみください。会場はアートギャラリー是(関市武芸川小知野489)
Sax:早川 ふみ Guitar:原 努 Trombone:餌取 雄一郎 Bass:飛騨 勇也


C.漫画「世界を変えたくて僕を変えた」 アンタール様より…3名様


今号の熱中人でお話ししてくださったアンタールさん(P-13)からのプレゼントです。食べるということ、命ということ、ベジタリアンについてなど、知っておきたいことに正面から向き合いながらも、優しいタッチでまとめられた一冊です。著者:Natsumi

 


D.フェアトレードショルダーバッグ にらめっこより…1名様


落ち着いた色合いのピンク、焦げ茶、ベージュの糸でザックリと編まれたショルダーバッグ。これからの季節、涼し気で出番が多そう。入れた物が落ちたり見えたりしないよう、インナーバッグの使用がおすすめです。にらめっこ編集室でお受け取りください。


vol.206 はじめよう!生ごみ対策

生ごみを制するものは「ごみ」を制す!

日本全国で私たちが出す「生ごみ」は年間推計で約2,842万トン。その内訳は約70%が食品産業から、残り約30%が家庭からの排出と言われています。生ごみについて注目すべき理由はその圧倒的な量の多さ(重さ)にあります!少なく見積もっても一般廃棄物に占める生ごみの推定量は約40%。特に生ごみは水分を含んだまま捨てられることが多く、重量比でも圧倒的な割合を占めています。可燃ごみの約40%を占める生ごみだからこそ、生ごみを無くせば、ごみはほぼ半減します。思い切って抜本的にごみ削減に取り組もうとするなら、生ごみを何とかするのが一番の近道です。まさに、「生ごみを制すれば、「ごみ」を制す?!」というわけです。

生ごみの約60%弱が調理くず、約40%弱が食べ残しです。さらに、食べ残しのうち半分以上が「手付かずの食品」つまり未開封などの状態で手を付けずにそのまま捨てられた食べ物です。
調理くずについては、ある程度は出てしまうことが避けられないものです。なるべく無駄なく皮まで食べられるよう調理を工夫するなど、取り組みの余地はありますが、それらによって抜本的に量が減るものではありません。出てしまったごみをいかに活かすかというアプローチになります。
生ごみへの取り組みには大きく分けて、「そもそも出さないようにする」や「出す量を減らす努力をする」【発生抑制】へのアプローチと、「出てしまったものを有効活用する」【資源活用】の2つの取り組み方があります。

そこでまず編集部は「ごみの[資源活用]」に注目しました。
生ごみをリサイクル
堆肥化:「食べたものから出た生ごみを、もう一度食べ物をつくる資源とする」
生ごみを土に返す。生ごみは、焼却処分する場合でも厄介者です。含水率が高いため、焼却しづらく、炉の温度を下げてしまう原因となります。各地で生ごみの「水切り」をしてから捨てるように呼びかけられているのはこのため。
使いきり」「食べきり」「水きり」の「3キリ運動」などと推奨している自治体もあります。焼却に適さないのであればより一層、上手く活用する術を探りたいところです。そこで取り組まれているのが、生ごみから「堆肥をつくる」活用方法です。生ごみはもちろん自然由来のものですから、土に還すことができます。単純に、埋めて土に還すことで生ごみを焼却しない・処理費用を無駄にしない、というアプローチもあります。生ごみは各家庭(そして事業所からも)定期的に出続けるわけですから、上手く活用すれば、地域内で堆肥を作ることができる有効な資源となるのです。
コンポストに取り組むと、自分の出したごみをよく見直すことになるから、無駄にする食品を減らそうという動きになります。

生ごみ発生抑制のヒント

ごみの[発生抑制]-1

調理くずや生ゴミの場合
出さないようにする、出す量を減らす努力をすること。

皮まで食べる:ベジブロス 野菜のくずから取るスープは、抗酸化作用が強い「ファイトケミカル」がたっぷり。ファイトケミカルは、第7の栄養素と呼ばれ、老化防止や生活習慣病予防効果で注目されています。スープや汁物、煮込み料理、炊き込み御飯など、和洋中様々なお料理に使えます。
作り方 ① お鍋に野菜のくず、水、酒を入れて、沸騰後弱火で20分ほど煮る。 ② ザルでこして出来上がり。 ③ 冷蔵庫で3〜4日保存できます。

ごみの[発生抑制]-2

ゴミになるなぁ、と思うものを買わないのがポイントですが、過剰包装が日常的になっている日本ではなかなかハードルは高い。自治体サイドでは、回収日を少なくする、回収指定ごみ袋の価格を引き上げるなどの取り組みも。例えば加茂郡白川町では、・可燃ごみ袋(大)10枚 1,000円(小)10枚500円で、必ず袋に世帯主の名前を記入すること。というルールがあります。住民は一枚100円もする指定ごみ袋を使用するため、常にごみの量を気にします。また、食用廃油は最寄りの回収場所に設置してある専用容器(ドラム缶)に破棄できるなどの取り組みも。他に、岐阜市、大垣市、笠松町などは、生ごみ処理普及のため、さまざまな補助金制度があります。

 

生ごみは、ほかにもこんなリサイクル方法があります。

飼料化:主に食品関連事業者が出す食品廃棄物を発酵処理し、飼料を作成して、豚肉を生産し、また食品として提供していくもの。
バイオガス化:発酵させてメタンガスにします。ガスは発電に、発呼以後の残りかすは肥料として利用。
炭化:加熱をして炭にします。有機性のものに限ります。燃料などに利用できます。

 

 

 


vol.206 はじめよう!生ごみ対策Part-2 

生ごみに含まれている豊富な微量元素は、生命の維持に欠かせない要素です。実は生ごみを焼却するということは、その貴重なミネラルの循環を断ち切ってしまう。そこでまず、資源となる微量元素について調べてみると…。

こんなにたくさん!なんとしても土に還したいね!

ここからはフレンチ「Ode」オーナーの生井氏と生ごみの専門家・福渡氏による、新たな生ごみのあり方を模索する特別対談をご紹介します。        ELEMINIST SDGs特集より

福渡:私も生ごみは燃やすことが当たり前だと思っていました。いまでも多くの家庭では、生ごみを捨てるのが世界の常識だと思われています。ところが、「EUや北欧では、生ごみはバイオごみとして集められ資源化されていますよ」と説明するとびっくりされて。捨てれば回収してくれるので、そもそも関心がないのだと思います。

生井:僕は、農家の方と食材について直接やりとりするようになったことで、関心を持つようになりました。畑に行っていろいろな気づきを得たことで、食材としての価値を自分で見出すことができるようになったし、料理観が変わりましたね。

土の循環を意識した生ごみの考え方

––生ごみが農地、土に還っていないことも問題なのですね。

福渡:生ごみ、とくに植物性の生ごみは微量元素の宝庫なのです。植物は、光合成をするとともに根から微量元素や水分を吸収して自分の体をつくるので、健康な農作物は微量元素の豊富な農地で育てることが必要なのです。そして、その野菜が吸収した微量元素がまた土に還らなければ、土壌はどんどん痩せていきます。江戸時代では、人のし尿が肥料として重宝されていたぐらいです。健康な農作物を育てるには、野菜くずやし尿、雑草や落ち葉など微量元素を豊富に持つものを堆肥にして、絶えず土壌に施さなければなりません。しかし、いまではそうした生ごみなど有機物は焼却されてしまい、栄養素や微量元素のサイクルが人のところで断ち切られてしまっています。

生井:土や環境が食材に与える影響は大きいですよね。Odeで出た端材を乾燥させてつくった野菜パウダーを、カヌレの生地に練り込んで提供したり、乾燥させた葉を最後にお茶として出したりもしています。

––福渡さんはそうした問題の解決手段として「カラット」という生ごみ乾燥容器を開発されていますね。

福渡:「生ごみカラット」は、生ごみを入れて風通しのよい所に洗濯物を干すようにぶら下げておくことで、水分を取り悪臭を低減する容器です。半乾燥させることで、腐敗しにくく堆肥化しやすくなります。焼却する場合も、最近の焼却炉は廃棄物発電装置を備えていますから、水分を取っておくと燃焼エネルギーを効率よく活用できることになります。プランターに基材(土と腐葉土あるいは竹パウダーなど混ぜたもの)を入れ、よく混ぜればすぐに堆肥化しますよ。土中の微生物がすぐにエサに食いつけるように、ときどき酸素を補うために切り返しをしてください。廃油も堆肥化できます。みなさん新聞紙に吸わせて可燃ごみに出したりされていますが、プランターの基材に少しだけ入れてよく混ぜれば、油かすになって栄養豊富な堆肥になる。お茶殻も抗酸化物質が残っているので、堆肥にすれば大葉やネギにも虫がつきづらくなります。

生井:油を入れてもいいっていうのは衝撃ですね。

福渡:土がベタッとするほど入れてしまうのではなくて、小分けにして土に混ぜていくと、腐敗しません。

生ごみを減らすための買い物術と料理法
鍵となるのは食材との向き合い方

––生ごみを出さないために、家庭の料理で取り組まれていることはありますか?
生井:無駄にしないという面では、ぜひ“マル”のままで食材を買ってほしいです。切り身ではなくて、まるまる1匹のお魚や、カット野菜ではないものをってことです。昔の日本ってすごい。切り干し大根にしたり、塩漬けにしたり、たくさん農作物が採れたときに、きちんと保存して冬を越すための知恵があるんですよね。いまではそうした知恵や日本の発酵文化が、海外の人たちに評価されていて、僕らはそれを逆輸入して新しい料理に取り入れたりしている。

––さらにカラットやコンポスト容器を活用できれば、もう本当にゼロウェイストですね。

生井:単純に面白いですよ。僕も布製のコンポスト容器を使っていますが、毎日ちょっとずつごみを入れて混ぜたりしていると、前に入れたごみがいなくなったりするので「どこ行った?」って(笑)不思議で楽しいんです。

福渡:堆肥化するには、細かく刻むことが重要ですね。塊で入れても、微生物が食べづらいのですぐにはなくなりません。微生物に餌をあげるようにして、調理くずは細かく刻んで土と混ぜてあげる。土を混ぜる、切り返す理由は酸素を土中に送ってあげるためです。生ごみを早く分解する微生物たちは、酸素を取り込みながらエサを分解しますが、酸欠状態になると生ごみを臭くする微生物が活動を始めます。微生物の勉強もしてみると、堆肥化の仕組みがわかって楽しいですよ。

––「野菜が私たちの手元にどうやって運ばれて来ているのか」「そもそもごみって何なんだろう」という疑問を持つことが、ごみをなくしていくための考え方には必要そうですね。

生井:いまはそういうことに気づく人々が増えてきていますよね。ごみっていう言葉で一緒くたにされていますが、きちんと価値を見出すことができる人たちが増えてきている。

福渡:そういう人たちが増えてくれば、リサイクルやコンポスト、ゼロウェイストといったことが、もっと当たり前になりますよね。

 

 

 

 

 

 


vol.206 そもそもごみってなんだ?

私たちの周りには、たくさんのものがあって便利だけれど、その一方でたくさんのものがごみとして捨てられている。この”ごみ”は、廃棄物となる。廃棄物は “ごみ、粗大ごみ、燃えがら、ふん尿などの汚物や自分で利用しなくなったり他人に売却できないために不要になったもので、液状または固形状のものすべて” と法律で決まっている。
この廃棄物は、一般廃棄物と産業廃棄物に大きく分けられている。産業廃棄物は工場や建設現場など、事業活動によって発生するごみの事。例えば紙くずは、製本業者などから出るものだけを産業廃棄物と言い、一般のオフィスから出るものは産業廃棄物には含まれない。木くずなども、木材製造業、工作物除去などの特定の業種から出されるものだけが産業廃棄物になる。このことを業種指定という。
産業廃棄物以外のものはすべて一般廃棄物になる。私たちの家から出るごみや粗大ごみ(生活系ごみ)、一般のオフィスや商店から出るごみ(事業系ごみ) が一般廃棄物となる。

「おから」は資源なの?廃棄物なの?前代未聞の「おから裁判」での判決は…!?

おから事件判決 最高裁判所
1999年3月10日 第二小法廷決定

この事案は、豆腐製造工場から排出される副産物である「おから」が産業廃棄物であると判断しました。「おからは食品や飼料として活用できる『資源』であり、『不要物(廃棄物)』ではない。つまり、取り扱いに産業廃棄物処理の許可は必要ない」、これが業者の言い分でした。おからは、栄養が豊富で惣菜としてお店で販売されており、なぜ廃棄物に該当するのか分かりにくいです。しかし、・おからが腐敗しやすいという特性(A.物の性状)・多くの豆腐工場がおからを廃棄物として排出している実態(C.通常の取扱形態)・処理料金が支払われていた(D.取引価値の有無、E.占有者の意思)などから、裁判所は、本件においては産業廃棄物に該当すると判断したのです。そして、無許可でおからを受け入れていた業者は、産業廃棄物の無許可営業罪に該当するとされました。

裁判から23年。おからの再利用は進化した!

実はおからは、味もさることながら栄養面でも大変優れた食材なのです。カルシウムやカリウム、さらにはタンパク質も豊富。中でも食物繊維の数値は特に優秀で、便秘解消や腸内の健康維持に力を発揮してくれるのです。「おからクッキー」や「おからパウダー」といった商品は、スーパーでもよく見かけるようになりました。また、おからをバイオ燃料として再利用しようという研究も進められています。かつては廃棄物の烙印を押されたおからですが、およそ20年の時を経た現在、資源として改めて注目を集めているのです。

注目のアップサイクル食品OKARA

実は、アップサイクル食品として、米国で注目されている食材がある。それは、ズバリ、おから。そのまま英語表記で、OKARAとし、「豆乳のサステナブルな兄弟」という、いかにもキャッチーな表現で紹介している。そんなキャッチーでサステナブルなOKARAは、高タンパク質でグルテンフリーな「おからパウダー」へとアップサイクルされ、小麦粉の代用品として多くの支持を獲得している。同パウダーを使ったチョコチップクッキーなども販売され、評判も上々のようだ。

アップサイクルって何?

アップサイクルとは、古くなったものや不要なものを、それらの形状や特徴を生かしたうえで、まったく新しくて魅力的で価値のあるものに生まれ変わらせること。廃棄物を再生利用するリサイクルやリユースとは、似て非なるもので、元のモノよりも高い価値がつく点や、サステナブル(持続可能で環境によいというニュアンスで使用される言葉)な点が、注目されている。
アップサイクルへの取り組みは、ファッションや生活雑貨などの業界で、盛んに行われている。たとえば、自動車のシートベルトや自転車のチューブを、実用的かつデザイン性に富んだバッグにアップサイクルしているスイスの企業などは、世界的に有名。

食のアップサイクルとは

まだ食べられるのに捨てられてしまう食品をはじめ、これまでメインとなる食品の製造段階で捨てられていた食材、規格外のものや商品化されていなかった食材などを使って、さまざまな商品やサービスが開発されています。



生ごみを堆肥に、今は仕組み作りを模索中

産業廃棄物が大きな問題になった30数年前。その頃から「ごみ」に関心があった田辺さんはスキルの違う二人に声をかけ、「いのちの循環プロジェクト」(通称:いの循)を立ち上げた。自宅では生ゴミ(野菜くずなど)は処理をして一切外に出さなかった。自身が運営する事業所でも同じようにしたいと思い立った。家庭から出る生ごみを各家庭で堆肥化し、「生活圏内」に複数ある菜園で野菜を育てるのに使うというしくみ。いい循環ができるよう仕組み作りを進めている。


ふどうの森トレイルラン試走会deごみ拾い for 2022

1月22日(土) 参加人数:約60名

ふどうの森トレランの試走会は、清掃活動も合わせて行いました。毎回ごみ拾いを恒例の作業として各務原地内の公道部(トレランコースの一部)を全員がゴミ袋を片手にごみを拾いながら試走。ごみ拾いと合わせた試走会の方が充実しているようで、ワイワイ言いながら楽しそう。他県など遠くからの参加者もあり本当に感謝、感謝です。
ごみの種類は、ペットボトル、空缶、コンビニのレジ袋など。それにしてもなんとゴミの多いことか!
ごみを拾い終えた参加者はどなたも清々しい笑顔。スタッフが一番いやされる瞬間です。協働することで仲間意識も高まりますね。

関市、各務原市、坂祝町にまたがって行われる、トレイルラン大会。
2022年は5月15日になりました。

ふどうの森トレイルラン実行委員会事務局FAX:0575-24-0099
メール:shojihayashi34011@yahoo.co.jp


リサイクルアートで環境問題を問いかけたい

アンタール アレステギ パズ ルピオさん(36歳) メキシコ人 日本に来て10年。現在は鹿児島県在住。メキシコで生まれ育ち、その多彩な才能を幼い頃からアウトプットし、絵を描く事やアボカドの種を利用した彫刻アート、使用しなくなったプラスチックを利用したリサイクルアートなど、様々な種類のARTを製作し続けている熱心なリサイクルマン。ZOOMでお話を伺った。

アンタールさんはメキシコのさまざまな場所に住み、現在は日本に拠点を置いて、農家で働きながら妻と息子の3人で暮らしている。そこには不要になったビニール袋がいっぱい!道を歩けばいろんなごみが落ちている。それらを拾ってきて、色別に分けて家にストックしている。その中にはまだ使えそうなものもいっぱいある。集めている素材は、スチール、ワイヤー、ロープなど。とても興味ふかいと思うのはいろんなシチュエーションに使えそうな魚網。とりあえずなんでも拾って、キープしておく。ごみを見ると宝物と感じて、もうごみから目が話せないという。
「私は、捨てられたアイテムにセカンドライフを与え、私たちが絶えず捨てているものを再評価するのが好きです。私たちが環境に対して何をしているのか、そして私たちが自然をどのように扱っているのかに注意を払うことは非常に重要だと思います。」
捨てないことの方が大事だが、ごみとなってしまったモノをもう一度価値あるモノに変化させアート作品に仕上げる。みんなもポイッと捨てる前にもう一度命を吹き込むことはできるはず、と地元でワークショップも展開している。
「再利用やリサイクルには多くのやり方があり、私の手法はその中のひとつ」。アンタールさんは、ごみをリサイクルして、子どもや大人の想像力をかき立てようとしている。
「私たちの行為に責任を持つこと、その意識がリサイクルに繋がり、環境に影響を与える重要な行為に繋がります。」

ゴミ問題の根本は、企業がゴミとなるものを作り出さないこと。さらに消費者の意識変革も重要となる。アンタールさんは特に今プラスチックゴミに危惧を覚えるという。
インタビューの内容は引き続き、次号の「熱中人」で紹介します。

 

 

 

 


vol.206 続・ぎむきょーるーむ 子どもの傷と周囲の気づき

基本になること—

なにか理由があるのではないか、と思いをめぐらせる

学校に行きしぶっている子どもが、朝起きてこない、なかなか学校に行く準備をしない。すると、「早く起きなさい」とか「なに、ぐずぐずしているの」などと叱責し、追い立てることはするけれど、なぜこういう状況になったのか、なにか理由があるのではないか、と思いをめぐらせるということは、たぶんあまりないのではないでしょうか。
子どもが家にひきこもる生活をするなかで、不安感や孤立感から自分の世界を守るためにゲームやネットなど意識が集中できるものにとりくんでいる場合、それを激しく叱責しとりあげることは、子どもの家での心の居場所をとりあげたり狭めていくことになります。親の立ち位置から子どもサイドに視点を移し、子どものおかれた現実を見直していくことが必要です。

話を聴くこと、話をすること—

親にほんとうの話をするとき

子どもは、最初に親が安心するような話をすることが往々にしてあります。けれど、最後に本音をいうことがあるから、話は 最後まで聞いてみないとわからない。グループ相談会(私が主  宰する「モモの部屋」では、こじれた親子関係を改善し解決するために話し合っています。)では、このことを他の人の話を聴くことで学ぶんですね。人の話を最初から最後まで聴くことができるようになる。あるいは最初から最後まで一部始終を自分で話すことをできるようになると、はじめて家に帰ってわが子の話を聴くことができるようになります。親が話を聞く耳をもつようになると、子どもも親に話をするようになるんですね。親が「無理して学校に行かなくていいよ」といいながら、学校に一日でも早く行ってもらいたい、休み休みでもいから行ってもらいたいと思っていたりしているときは、子どもはほんとうのことを話しません。そのような状況で子どもが話をすることがあっても、それは不安になっている親を安心させるための話です。
自分がどんなにつらい経験をして、どんなに深く傷ついたか、人が信じられなくなって人生に絶望し、「今日死のうか、明日死のうかと思っていた時期もあったんだよ」というほんとうの話は、親がほんとうの意味で聴く耳をもって聴いてくれないかぎり、できないんですね。

親が心すること—

必要なのは屋根と寝床と食事、そして時間

子どもに必要なのは、まず雨露しのげる屋根と、安心して眠れる寝床があることです。子どもは、学校に行かない、行けなくなったことの原因や理由をわかってもらえず、親が焦って学校に行かせようと追いつめるときには、親に反抗したり、乱暴してしまったり、物を壊したり、自己防衛のためにいろいろなことをしてしまいます。そのため、寝ているあいだに「殺されるかもしれない」という不安をもっている子どもがけっこういます。そういうとき、親は「殺そう」とまでは思わなくても、「この子が交通事故にでもあって、死んでくれたらいいのに」と思っていたりします。以心伝心ですね。子どもは赤ちゃんのときから親の顔を見て育っているから、親がおなかのなかでなにを思っているか、神様よりよくわかっています。
子どもは親に多くのものを求めていません。悩みや心配を抱えているときは、食べるものが偏ったり、過食、拒食になったりすることがあります。食べることは命をつなぐことですので、そこにいろいろな変化が現れます。食べものを用意するときも、その子の口にあったほんのわずかな食べものでいいんです。偏食と思わず、その人にあったちょうどいい量の食事ともいえるでしょう。
子どもに必要なのは、屋根と寝床と食事、この三つとそれから時間です。子どもが自分の心に負った傷の痛みや苦しみも含めて自分の失ったものを回復するには、十二分な時間が必要です。急がない、焦らないようにすれば、子どもは自分の問題を自分でしっかり解決して、やがて一歩を確実に踏み出します。親にできるのは、こういうことなんですね。

「助けて」をいわない子への注意

保育園や幼稚園で子どもが「行きたくない」と泣き叫んだとき、それをしっかり聴いてあげたでしょうか。親たちは「園に来たら遊んでいるので大丈夫です」といわれ、そのことを頼りに通わせつづけます。「いやだ」「助けて」と泣いて抵抗した幼い子どもたちは、自己主張したとき大人は誰も助けてくれないという思いを強くします。大人は「いい子」でいるときは受け入れてくれるけど、「いやだ」と自己主張したときには助けてくれない。そういう経験をした子どもは、「助けて」といわなくなり、相手が求める「いい子」を演じつづけ自己を抑圧します。その結果、子どもは「ほんとうの自分が望んでいることがわからなくなる」ということが起ります。心は登校拒否、身体は登校を続けた子どもが学校の先生などから「ほんとうにいい子ですね」といわれることがあります。しかし、それが限界にきて、矛盾した自己を統合することが耐えられなくなったとき、ほんらいのその子の存在の中核にあった「NO」が出てくるのです。

「NO」をしっかり受けとめる

その子の抑圧されていた「NO」は、自分自身を回復させるために必要な「NO」です。学校に行かない、職場に行かないという拒否の「NO」です。ですから、それは子どもにとって、存在にかかわる自己主張なのです。そこを親がしっかり受けとめられるかどうかで、その先の子どもの人生の道筋がちがってきます。「NO」といっている子どもを強制的に元のレールにもどそうとするのではなく、「NO」をしっかり受けとめることが必要です。
こうして親の姿勢が変わり、親が自分のことを理解しようとしていると思えたとき、子どもはつらかったことや、理解してもらえなかった苦しみや絶望など、さまざまなことを話してくれると思います。それを最後まで聴く親がいることで、子どもは過去の傷を洗い、親子関係を修復し、自己実現のために歩み出すところに、しっかり立てるようになります。
親に求められているのは、子どもの過去といまをしっかり受けとめ、子どもが時間をかけて回復するのを信頼して任せることなのではないでしょうか。


内田良子 うちだ・りょうこ
1942年生まれ。心理カウンセラー。1973年より27年間、佼成病院小児科の心理室に勤務。1988年より23年間、NHKラジオ「子どもの心相談」アドバイザー、1998年、子ども相談室「モモの部屋」を開室。登校拒否・不登校・ひきこもりなどの相談会を開く。著書に『カウンセラー良子さんの子育てなぞとき』『幼い子のくらしとこころQ&A』『登校しぶり 登園しぶり』(ジャパンマシニスト社刊)


vol.206 しょうがいをみつめる vol.17

『This is me』

「The Greatest Showman」という2018年公開のミュージカル映画の劇中歌でもあるこの曲は、私にとってのパワーソング(聴くと元気がもらえる曲)の一つです。
実話に基づくこの映画は、一言で言うとP・T・バーナムという男の波瀾万丈サクセスストーリーといったところでしょうか。

貧しいながらも頑張って働いて、良家の娘チャリティーと結婚したバーナムは幸せな結婚生活を送っていました。しかし、ある日会社が倒産、解雇されてしまいます。家族を養うために思いついたのが、ユニークな人達を集めたショーの興行。やってきたのは、小人症や多毛症、黒人やアルビノのような、その特異な見た目から、人目を避けて暮らしてきた人達でした。
こういった人達を見せ物にするというのは、今の感覚からするとどうなのかという気もしますが、時代は19世紀。家族からでさえ忌み嫌われて、世間から遠ざけられてきた彼らにとって、バーナムの考えたショーは、自分をありのままに受け入れてくれる、認めてくれる家(居場所)となったのでした。
ショーは大盛況となりますが、街では興行に対する抗議運動が起こり、世間からはペテン師扱い。オペラ歌手のジェニーと組むことで、ようやく世間から評価を受けることができました。
その後のパーティでのこと。バーナムを訪ねてやってきたショーのキャストを、彼はなんと追い返したのです。せっかく掴みかけた名声を手放したくないがために。世間体を気にする余りに。
これまで受け入れられている、認めてくれていると思っていたバーナムの裏切りとも言えるその場面で、この『This is me』は歌われたのです。
自分達の居場所を見つけた彼らは、こんなにも強く生まれ変わったのです。
バーナムはその後も、ショーやキャストをないがしろにしていきますが、全てを失う一歩手前で大切なことに気付き、愛と絆を取り戻すことができました。

人は他人と違うことを恐れる生き物です。自分だけだったらどうしよう、他の人から変に思われたらどうしようと。ものすごく不安に駆られることがあるように思います。
そんなときにこの曲は、自分は自分なのだと信じ切る勇気を与えてくれます。

最後に。『This is me』のビハインドストーリーがYouTubeで見られます。この曲を歌うキーラ・セトル(劇中で多毛症の女性を演じる)が、自身のコンプレックスを見事跳ね除けて高らかに歌うその姿に、誰もが心を打たれるでしょう。ぜひ、一度ご覧ください。    S.I


Vol.206 人生これから!やってみたシリーズ第9弾

奥村八代生さん

虫食いの穴が開いたセーター、シミがとれない服、剥がれてしまった靴…。そんなものを発見すると、奥村さんはちょっとワクワク。それらをどんなふうに復活させようかアイディアをひねります。ただ元通りに修理するのではつまらない、自分の手を通してひと味加えて仕上げたい。セーターだったら、穴の大きさや形、素材の色やセーターのデザインなどを考慮し、フエルト、ビーズ、刺繍などを駆使します。見た人が一瞬「どうなってるの?」と考え、その後くすっと笑っちゃう、そんなデザインを考えるのが大好き。
好評だったのがフエルト、刺繍、ビーズで仕上げた蝿。「あれ?こんなとこに蝿がとまってるよ」「へへ、違うよん」なんて楽しい会話を想像しながら仕上げました。

奥村さんが最初にちくちくしたのは、虫食い穴がいくつも開いてしまったお気入りのウールのカーデガン。高かったし、とっても気に入ってたから捨てるという選択肢はなく、どうしようかと考えていました。友人がこんなのがあるよと、フエルトを使って穴を塞ぐやり方の存在を教えてくれて、早速やってみると意外と簡単で面白い! 穴の空いたところだけではなく、全体の様子を見てバランス良くフエルトをちくちく。もともと物は捨てずに大切にするタイプの奥村さん。大切なカーデガンを捨てずにすんでほっと一安心。そして、これなら簡単によりよい形で再生できるし、本体がいよいよダメになってもちくちくしたパーツだけ切り取って他のものに貼り付けて使うこともできる。以来セーター、靴下、洋服、靴と再生させ楽しい趣味が一つ増えた感じ。
家族や友人に頼まれると、服のデザインはもちろん、その人の雰囲気や体型、好きなものなどを考慮し、イメージを膨らますことから始める。その人らしさを大事にしたいから、ここが1番時間をかけるところ。完成形が定まれば後は仕上げに向けて全集中。「小さな直しでもすごく時間がかかることもあるんです。だから、直してってこの冬に頼まれてもできあがりは来年の冬だよって言うの」そんなのんびりしたスタンスは自分に合っていて、ストレスなく楽しめると奥村さんは笑います。

ちくちく再生は楽しいけれど、ただ楽しいだけじゃない。こうやって物に向き合うことで、自分自身を見つめることにも繋がっていきます。
「必要のない物はきちんと整理してサヨナラすべきだけど、誰にもひとつやふたつ『愛着や思い入れ』のある手放したくないものがあるはず。そんな物たちをもう一度甦らせることができたら、物ではなく自分自身を大切にできた気持ちになりますよ。ぜひ、試してみて下さい。」

 

 


vol.206 人生これから!整理収納術

方付けの順番

① ゴール設定 例えば、パン作り教室を自宅でやりたい。アウトドアをもっと手軽に楽しめるよう整理したい、など。自分らしい暮しができるゴールを設定しましょう。少しでも好き・やりたいがあるなら、それを大事にするとだんだん見えて来ますよ。
② モノの整理 整理とは、必要か不必要かに分けて不必要なモノを取り除くこと。取り除く方法は、
捨てる・リサイクル・リメイク・人にあげる。「捨てる」ことは一番早く整理を進められます。他は「捨てる」よりも何倍ものエネルギーが必要です。それだけのエネルギーを注ぐだけの価値があるモノかを考えましょう。「自分らしく今を生きるために必要なモノと量か」を基準に考えながら整理しましょう。
③ 必要なモノの収納 取り出しやすくて収納しやすい状態にモノを収めること。取り出しやすいことも大事ですが、しまいやすいことも大事です。

小さいスペースからトレーニング

まずは引き出し1個から!小さなスペースから始めてみましょう。キッチンの消耗品スペースは執着がないですから始めやすいと思います。捨てることに慣れるトレーニングをする。捨てられないという人は、自分はモノに執着している、何故なんだろうと考える。自分と向き合わないと先に進めないです。モノの管理はテクニックではなくて、自分が管理できる量にするということ。モノは使ってなんぼ、自分が管理できる量を見極めましょう。

夏休みの宿題を早めに終わらせれば残りの夏休みが楽しめるように、早めに整理すれば残りの人生を楽しめますね。
まずは、お財布の中のいらないレシートやカードを捨てること、引き出しの1つから始めてみませんか?

Q&A

Q.家族がなかなかモノを捨ててくれません。
A. まずは自分のモノをキッチリ片付けることがいいと思います。それでご家族も刺激されるかもしれません。ただ、リビングのように家族の公共スペースにまでモノを持ち込むのはNGとしたいですね。

Q.成人した息子達は大学の卒業証書をいらないと言います。せっかく卒業した証しなのに、と思うのですが。
A. 息子さんたちはハッキリしていますね。とっておきたいならばご自身が保存しておけばいいと思います。何を残すかが大事であって、全部を捨てる必要はないですよ。

Q.押し入れのように奥行きの深い場所の整理のコツは?
A. もしも奥に入れっぱなしで忘れてしまうものなら要らないのかも。必要ならばどこに何があるのか地図を描いておくのもいいです。大きな空間は使いにくいので、仕切った方がいいです。よく使うものは、戸を開けてすぐのところの「ゴールデンゾーン」にしまいましょう。

森口さんの実家のお話し〜実家の遺品整理について〜

13年前に両親が亡くなり、空き家となった実家は石川県にあり、めったに行けません。2年前に整理に手を付けた時、タンス6棹、大きな本棚、応接セット、などなど、2トントラックに山盛り!それでも未だに家の中に残っています。荷物を運んだレンタカー代、処分代、行き来するための交通費ホテル代等、捨てるのにもお金がかかります。やれどもやれども終わらないままコロナ禍となり中断、今もずっと心の負担となっています。私は子どもにそういう思いをさせたくないので、45才の今から整理しています。


もりぐち ゆうこ Hallelujah You(ハレルヤユー)主宰 整理収納アドバイザー
石川県出身・岐阜県可児市在住。「見映えだけじゃない“暮し映え”する北欧収納であなたの暮しにイロドリを!」テーマに活動中。ブログは「アメブロ 森口ゆう子」で検索!


vol.206 熱中人 西部沙織さん

手軽に、気軽に、簡単に!

多くの人にコーヒーを楽しんでもらいたい。

お客さんの「この前の豆、美味しかったよ」
の言葉に励まされてます。原動力です!

珈琲豆自家焙煎の店「ウエスタン」経営

西部 沙織さん(加茂郡富加町在住)

「コーヒーは焙煎、挽く、淹れる、飲む、と、その行程の全部を楽しみながら自分の好みにアレンジできる飲み物。だからお客さんにも生の豆を買っていただいて、焙煎からぜひ楽しんでもらいたいですね」
沙織さんの言葉に、素人が焙煎?焙煎機は?と疑問を持つ人は多いのでは。そう訪ねると、「焙煎機は自分で楽しむためなら胡麻煎り器で充分です!ご要望があればお一人からでも教室を開きますよ」と笑顔で答えてくれました。

コーヒー好きだった沙織さんですが、店に行っても納得できる味にはなかなか出会えませんでした。テレビで見た美味しいコーヒーの淹れ方を参考にしてもうまくできないし、本を読んでもよくわからない。ある日、コーヒー店主催の「コーヒーの淹れ方セミナー」に参加し、そこで飲んだコーヒーの味に「こんなに違うんだ!」と感動したことでコーヒーへの思いがますます強くなりました。
いつしか、その思いは美味しいコーヒーをお客さんに提供する側になりたいという夢になり「夢、追わせてください!」とパートナーに頼み込み、夢の実現へと動き始めました。
良い豆を扱う人がいると知れば東京まで足を運び、納得するまで焙煎について教えてくれる人がいないかと、全国を探し歩く日々が続きました。
やっと、この人に教えてほしいという人を三重県に見つけて、アポ無しで飛び込み、今までの経緯と想いを伝えました。「本気でやるつもりがあるのなら教えるけど、やめるんだったら今すぐやめなさい」と言われましたが、沙織さんの覚悟を知ると、コーヒー豆の仕入れ方、選び方、プロとしてのコーヒーの淹れ方や焙煎機についてなど、沙織さんが抱えていた疑問に全部答えてくれました。「ネット動画とか信じるな。自分の舌を信じろ。」とも。「厳しくて口が悪いので、本当はあまり喋りたくない先生ですが(笑)、この人はホンモノだなぁって思える人で、今でも時々わからないことがあると教えてもらっています。」

コーヒーを提供する側になってみると、美味しい淹れ方がわからない、他のコーヒー教室に行ったけど、よくわからないなど、コーヒーに対してとまどっている、かつての自分と同じような人が意外と多いことに気づきました。

どの人にもコーヒーを楽しんでほしい。ウエスタンのコーヒー教室のモットーは「手軽に、気軽に、簡単に!」。カフェではコーヒーを淹れる様子をお客さんに見てもらえるようなレイアウトにしてあります。
また、プロ意識の高い沙織さん、「お客さんから何か聞かれたとき、わかりません、知りませんって言いたくないんです」。お客さんのどんな質問にも答えることができる自分でありたい、と勉強は欠かせません。
コロナ禍で入荷が遅れたり、国によっては内戦で輸入が止まってしまうこともあるけれど、気になる豆はどんどん取り寄せ試飲し、美味しければ店で提供。美濃加茂市のお店で扱う豆は40種類以上にものぼります。

スーパーのレジで前に並んだ人のカゴにコーヒー豆が3袋もあるのを見ると気になって、つい同じ豆を買ってしまう、なんてことも面白がりながら、焙煎に配達に事務仕事と、忙しく仕事に励んだり、お客さんとの会話を楽しんだり。今日も沙織さんはコーヒー三昧の日々を送っています。

お湯の温度は85℃〜90℃、淹れる量が200ccまでならドリッパーは一つ穴、それ以上なら2つ穴の、豆がお湯にしっかり浸透し味の抽出しやすい台形がいいと思います。ろ紙は、無漂白のペーパーだとパルプの色や味が出てしまうことがあるので、酸素系で漂白されたものがお勧めです。

カフェ:コーヒーショップ ウエスタン(美濃市)
テイクアウトの店:ウエスタン里山(美濃加茂市)

 

 

 

 


vol.206 夢か悪夢かリニアが通る!vol.35

元東京都知事の石原慎太郎氏が2月1日亡くなりました。石原氏は運輸大臣に就任直後の1987年12月、全長7キロのリニア宮崎実験線に試乗し、「豚小屋と鶏小屋の間を走っているようなもの」と発言、本格的な実験線の工事費1000億円を負担するというJR東海の申し入れを受け入れ、山梨実験線建設へと大きく舵を切りました。一方、都知事時代の2002年1月には、高架で計画され住民の反対で凍結されていた東京外郭環状道路(外環道)を、地権者の承諾のいらない大深度地下トンネルで建設することを扇千景・国土交通大臣と合意しました。2つの巨大事業は今も、さまざまな問題をはらみながら続いています。現状をどう捉えているのか、今こそ「石原節」を聞きたかったと思います。(参考・老川慶喜著「日本鉄道史 昭和戦後・平成篇」、丸山重威著「住宅の真下に巨大トンネルはいらない!」)      ジャーナリスト・井澤 宏明

 

「信ぴょう性薄い」調査報告

事故後初めて、トンネル内部が住民と報道陣に公開された
(2021年12月16日、調布市で)

直上以外「緩みなし」?

 2020年10月に東京都調布市の住宅街で、「外環道」の大深度地下トンネル工事による陥没事故が起きて1年余り。陥没現場では、トンネル直上の幅約16メートル長さ約220メートルの範囲の約30軒に限り、「地盤の緩み」が確認されたとして、更地にして地盤補修するための「仮移転」や買い取りの交渉が進んでいます。
一方で、「直上」以外の多くの住民も、住宅の壁のひび割れや地割れ、体調不良などに苦しめられています。事業者の東日本高速道路(NEXCO東日本)は、直上以外の約200軒でも家屋被害の補修には応じているものの、移転対象とはしていません。

住宅の真下を通る外環道の模型。「大深度地下」が意外に浅いことが分かる

NEXCO東日本や国土交通省などは21年12月17、18日に開いた住民説明会で、トンネル直上以外について「工事の振動により家屋に損傷を与えてしまった可能性は否定できないが、地盤を緩ませたという事実は確認できなかった」と説明、住民の不安を真っ向から否定するような調査結果を公表しました。
この説明会に先立つ21年9月、住民から相談を受けた芝浦工業大の稲積真哉教授(地盤工学)はトンネル直上以外で被害の大きい住宅4か所を調査し、地中に多数の「空隙」を見つけ、地盤の緩みも確認しました。
この調査結果の報道を受け「住民の不安解消のため」として事業者が開いたのが12月の説明会でしたが、住民からは「私たちの実感はまるで違う。被害は日々拡大し、地盤の変動を感じている」などと反発の声が上がりました。
稲積教授は「20年に発生した家屋のクラック(割れ目)が1年たった今も成長しているということは、下の地盤が動いているとしか考えようがない」と批判しています。

トンネルを掘り進むシールドマシンの模型

陥没原因は「気泡剤」

危機感を募らせた被害住民は今年1月17日、外環道事業と直接かかわっていない第3者の専門家を招き「外環問題を考える緊急シンポジウム」を調布市で開きました。NEXCO東日本など事業者にも出席を求めましたが、応じることはありませんでした。
NEXCO東日本の有識者委員会(小泉淳委員長)は昨年2月、陥没事故の原因について「特殊な地盤と施工ミスが重なったため」とする調査報告を出しましたが、シンポに出席した谷本親伯・大阪大名誉教授(トンネル工学)、浅岡顕・名古屋大名誉教授(地盤工学)は口をそろえて否定。トンネルを掘削するシールドマシンで使用している「気泡剤」が地盤を緩ませ陥没を起こしたとの共通の見解を示しました。
さらに、地盤の「緩み」について谷本名誉教授は「『緩み』が生じる範囲は決してトンネルの直上だけではない」とNEXCO東日本の調査結果を否定。参加した4人の専門家全員がNEXCO東日本の説明や有識者委の調査報告について「信ぴょう性は薄い」と批判しました。
事業者「お抱え」の有識者委の調査報告に専門家からの批判が出にくい背景について谷本名誉教授は「土木の分野にいる人間はすべて公共事業に関係している。発注者(事業者)側の意向を無視すると、自分の仕事がまっとうできなくなるので、関与を躊躇してしまう」と明かしました。
専門家との対話から逃げたNEXCO東日本など事業者は、陥没現場周辺以外の工事再開へ向け1月末から2月初めにかけて、住民説明会を開きました。

 

 

 

 


vol.206 ボーダーレス社会をめざしてvol.65

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

逆転

娘が大学へ行くため、岐阜を離れる時のことです。私の父に「お母さんをよろしくお願いします」と娘が頼んでいる姿を見て、あ~心配される年齢になってしまったのだ・・・逆転しちゃったなとガックリきたのを思い出します。そのようなことが息子の周りでも起こりました。
娘家族が年末年始に我が家に来ました。普段は静かなお正月を過ごしているのですが、今年はスキーに行きたいから岐阜へ行っていい?と帰ってきました。一緒に賑やかに過ごしている中で、4年生の孫が障がいのある息子を思いやる姿が見られ、びっくりしました。「あっちゃん、すごいなぁ。」とか褒めることばがちらほらとあり、大人対応になっていました。1年生の頃は、「どうしてあっちゃんは、変な事ばっかり言うの?」「病気だから」「だって熱とかないやん」「熱がない病気もあるの。自閉症っていう病気だから」「ふーん」分かったような分からないような変な会話した覚えがあります。
その時、娘に「K君が、お兄ちゃんの事を聞いてたから、上手に話しておいてね。」と委ねておきました。これからの長い人生、できれば障がいのある伯父さんを理解して欲しいですから。しかし、すぐには理解が追いつかなかったようで、距離を取り近寄ろうとはしませんでした。
現在1年生の孫もいますが、今回、その子も同じ様に近寄らず、遠くから見ていました。元旦に「カルタをやりましょう」と息子が娘家族を誘いました。犬棒カルタ・都道府県カルタ両方ともすごい早い取り口で、息子の圧勝。皆が呆気にとられました。1年生の孫にすれば、もう不思議で、不思議で、理解ができないのでしょう。何とも言えない表情をしていました。しかし、3年前にそんな状態だった4年生の孫は、すっかり変わり自然体で、何事も寛大に受け止め、嫌な顔を一切しないで上手に付き合っていました。
3年と言う歳月は、すばらしく成長をするのだなとびっくりするのと同時に、娘・娘婿がきちんと障がいについて話してくれたのだろうと想像しました。
一般の人は、障がいのある人と関わることが少ないので、このように順調に障がいを理解することはできないかもしれません。孫たちの姿を見ていますと、1年生の状態(理解できていないまま)の人が、障がい者を差別したりするのかもしれません。そのような人をなくし、障がい者を受容してもらうためには、障がいをきちんと説明する人、障がいのある人と接する機会、両方が必要なのだろうと思います。
最後に、4年生の孫が「あっちゃんにもよろしく言っといてな」と帰っていきました。


vol.206 未来に続く暮しの学び 最終回

食を囲む

人が集う場で平和と調和に満たされた関係性を築くには…。私は最近こんなことを考えています。同じ土地で、コミュニティとして持続可能な生活を探求しつづけてはや8年半。
2022年を迎え、過去2年もの間コロナの社会的影響を受け、厳しい規則の中で軌道修正を余儀なくされていたように感じます。でも持続可能な暮らし方は心の奥で待機している。と、いうことで、ここでの暮らしも新しい方向に舵をとる起点に立った気がしています。
実際に同じ方向を目指して、この土地(エリア)の全住人がそれぞれの生活があるなかで、共通点や、近所同士のつながりを求めています。
今年にはいり、月に一度はみんなで顔を合わせようと夕食会を開くことにしました。住人すべてのひとに共有できることとは…やはり「食」。そこで一品持ち寄り会をすることに。食ならみんな共有できる。食を中心にすることは、私たち人間が生きるための根本的な要素だと感じます。畑でとれる野菜をつかったレシピを紹介したり、なにがここの畑では育っているのかを、共有できるいい機会。とても和やかな会になってほっと一息。よくよく考えてみたら、先住民族に限らず私たちの先人たちも、収穫祭を行ってきた。実りの祭りとして、食を中心に集まるのは必要なことと改めて感じています。特に今年はローカルブッシュフードのバニャナッツの豊作の年なので、それを調理してみたり。先住民族の人たちは収穫祭として、わざわざ遠くに住む地域の部族も集まってくるという。テクノロジー世代の私たちでも、顔と顔を合わせることで、「土地を共有している」という意識が芽生え、それだけでも価値がある。私は今それを強く感じ、これからもお互いのつながりを大事に、ここの土地での生活を日々を感謝して過ごしていこうと思います。

YAO


vol.206 菌ちゃん野菜応援団 vol.27

まるっと3年ぶりに!!!

私たちの畑にトラクターが入りました!

暑いなかゼーゼー言いながらくわをふるい、草を抜いたり畝立てしたりしていたのを見ていた近所のお百姓さんが「冬にトラクターいれてあげるよー」と!!!!

ほんとですかー!!有りがたすぎますっ!と言うことで、その日大きなトラクターと共に颯爽と現れた農家さん、瞬く間に畑はならされていきました。

不耕起というやり方もありますが、あまりに草が生い茂りすぎて手におえなくなっていたので、大きな管理機は本当に嬉しい。
マルチや支柱などをどけたあと、ぐおんぐおんと土が掘り返され、ふかふかの状態になっていくのはもうもうわくわくしちゃう。その後お師匠さんがこれまた機械で畝を立ててくださり。私たちの目の前には瞬く間に見違えるほどの美しい畑がっ。

いやぁ、手で地道にやることも大切だけれど、文明の利器ってすばらしいー!!!さ、次は春に向けて草や生ごみを投入し、土の中に菌ちゃんを増やしていかなくちゃ、ですね。楽しみだー!!


絶品ゆず大根

・大根500g(1/2本)
(拍子切りして塩もみ)
・塩大さじ1・砂糖50g
・酢大さじ3
・ゆず1個(皮を千切りに実は絞る)

鍋に砂糖と酢を入れ沸騰しないよう弱火にかける
火を止めたらゆずの絞り汁を加え混ぜる
ビンに大根の水気を絞って入れ、甘酢と皮を入れる