vol.225 やってみたシリーズ 第25弾

ウクレレとは密接なハワイアンミュージック。ハワイアンソングは、王族が音楽に深く関わっていた。中でもリリウオカラニ女王は160曲を超える曲をつくったといわれている。
「『クウ・プア・イ・パオアカワ二』というすごくいい曲があって、なんとこれはリリウオカラニ女王が幽閉されていた時に作った曲なんです。そんな時にこんなすてきなメロディがつくれるんだと、曲の背景にいちいち感動しちゃうんですよね」と、廣瀬さん。
「あとやっぱりウクレレの音色が好き。自分で弾いてて自分を癒してるっていう感覚」とも。
派手さはないけれど、弦が4本でシンプルなフォルムのウクレレは、小さく軽いのでどこへでも一緒に行ける、そんなペットのように可愛がる廣瀬さんのウクレレとの出会いは約10年前。
名古屋の百貨店の催事場で、偶然目にした男女ペアの演奏を聴いたとき「歌いながらウクレレを演奏するその人たちが本当に楽しそうで、私もやりたい!って思ったんです」家族にその話をすると、なんと誕生日にウクレレをプレゼントしてくれたとか。
ただ、それまで音楽に取り組んだことがなく、楽譜も読めないし、動画を見てもチンプンカンプン。何をどうしていいかわからなかった。そんなとき知った各務原市のウクレレ講座の募集。初心者向けの内容で、これならついていけそうと早速受講を申し込んだ。少しずつ弾けるようになってきた頃、友人の娘さんが絵画の個展を開くことを知った。
「友達の娘さんが今度個展を開くんです。そのオープニングセレモニーで一曲弾きたいんですが、こんな私でもあと1ヶ月で何とかなりますか?」と講座の先生に相談した。それから毎週一回、小牧市の先生の自宅へレッスンに通った。当日、お披露目したのは『見上げてごらん夜の星を』。
「とってもたどたどしい千鳥足の演奏でした。それでも屋外での演奏は、風に木の枝も揺らぐし、鳥も来てたし、とても心地よかった。あとでその時の動画を見たら、曲にあわせて体を揺らしている人がいたの。それがなんか嬉しくて、『あ、私はこういう世界を作っていたんだ』『やればなんとかできるもんだなあ』って。その時ウクレレをもっと続けてみようかなって思ったんですよ」
10年前にウクレレと出会い、講座の先生に出会ったことでハワイアンミュージックの良さを知り、オープニングセレモニーで人前で奏でる世界を知った廣瀬さん。
「5月18日にアートギャラリー是で開催される“おとなの音遊び”では「糸」に挑戦します。歌謡曲など身近にある曲もいいですよね。今まで聞くだけだった曲を自分で弾けるなんて思っていなかったから。やったらできる、すごいなあって自分を肯定できるんです」。
「今の目標は、歌いながら弾く。弾き語りって言うとなんか格好良すぎますよね(笑)。自分の楽しみとして、力まずゆるく続けていきたいですね」。