vol.213 なりたい自分と今つながる方法

時間は、過去、現在、未来の順番で直線上に流れるというのが一般的な考え方ですが、実際はそうではありません。「いま」をどう解釈するかで過去の経験は変わるし、それに伴って未来もガラッと異なります。過去の経験が未来を決めるわけではないということです。

過去、現在、未来は別次元で同時に存在する。
 先日、HP制作で愛用していた三上のMacBookが突然壊れました。2度目の悲劇。1度目はある人に裏技で修復してもらえ、ラッキーでした。ただ、「今度壊れたら同じ手は使えません、その時はあきらめてください」と言われていたのです。モニターは黒一色。ガーン!!私の心も暗幕が下りたように真っ暗。立ち上がらない原因をあれこれ思い浮かべスマホで対処法を調べる。調べても立ち上がらない現状に疲れ、充電したまま約1週間放置。原因を探す思考を手放し、現実を見る。PCは高温多湿は厳禁。たぶん多湿の中で(冬・石油ストーブ・ヤカンからは蒸気)スイッチを入れ、中の部品の何らかのトラブルなのかも。それを払拭できる環境にして、直る!蘇る!という気持ちがむくむく湧いてきて、再度スイッチオン。見事生き返りました。

これを引き寄せや現実創造の法則に当てはめれば、“思いをめぐらせて待っている”という今の感じが同調した現実(未来)が創造されたということになるでしょう。
現実、創造における時間の概念は、過去、現在、未来と一直線上に流れているというより、別次元として同時存在すると考えるほうがしっくりきます。そこでは量子力学の、「存在するものは、すべて物質であると同時にエネルギーだ」という考えがベースになります。無意識というエネルギー領域にアクセスし、現実を変えるための脳トレを説くのがジョー・ディスペンザ博士。その著書『あなたという習慣を断つ ― 脳科学が教える新しい自分になる方法』では、考えることと感じることというエネルギー領域が同調したとき、目に見えない電磁波場に向かって「この現実が正しい」という信号が送られると語られます。

PCトラブルの時に、私という習慣(ダメだ、壊れた、あきらめる…)というような思考を断ち、“直る、蘇ったらめちゃうれしい”という感情方向にチェンジしたのが功を奏したのかも。

そこで人生を変えるには思考と感情という両方のエネルギーを変える必要があり、そのふたつが一致すると量子における創造の力が最大になるとか。つまり“そう思って、そう感じる” 現実が創造されるというわけです。
過去は「こうだった」、そして未来は「こうだろう」と頭で考える思考のエネルギー次元のものです。それに対して現在は、「こうだ」と見たり聞いたり感じるエネルギー次元のものです。言い換えれば、過去と未来は脳の言語で表現され、現在は身体・感情の言語で現される。考えと感じ方というその両方を一新して全体像としての真実を体験することで、望む現実を創造するというメソッドが「現実創造」や「引き寄せの法則」と言われるものでしょう。
だから頭でポジティブ・シンキングを貫こうと無理したり、わかったような気がするだけではダメで、それにいい気分という実感が結びついて初めて同調する次元の未来が創造されます。なぜなら私たちは霊的な存在でありながら同時に肉体を持つ物理次元の現れであり、心と体の両方を使って体験することを求めて、この物質世界に生きているからです。つまり大抵の場合において「引き寄せ」がうまくいかないのは、身体の言語である「感じ方」が置き去りにされているためです。
病気などはその一例で、思い、言葉、行動のいずれかが本当の自分から反しているというサインです。

時間は未来から過去に向かう、アビダルマの概念。

私のPCの例でいえば、時間は過去から未来へと流れるのではなく、“そもそも直る”という未来があって、そこに向かう過程として、“湿気を取り除く1週間待ちという現在”があったという見方です。
「あれに失敗したから、未来もダメだ」「あの人に振られたから、この先幸せはない」。そんなふうに私たちは通常「現状から実現できると思われること」の積み重ねに未来があると悲観します。そうではなく、ある未来に到達するための通過点としての“今”と捉えるこの時間の概念上では、誰かに失恋したのは、もっと良い人に出会うという未来からの筋書きかもしれません。その仕事を失ったのは、本当にあなたのことを求めている職業が待っているからかもしれません。
最高の未来を設定して“今”を見れば、どんな“今”であろうと、最高の未来につながるために必要な貴重な時間になります。どのみち最高の未来になるならと精神的な余裕が生まれ、“今”の自分はどう感じて行動したいのだろう?と選択し直すこともできます。

最高の未来から問題解決するバックキャスティング思考法。
バックキャスティングとは、はじめに目標とする「未来の姿」を描いてそこから「いま何をすべきなのか」を考える思考法のこと。 不確実性の高いテーマや課題に対して具体策を考えるのに有効な手法として注目されています。
この理想の未来の姿を起点にして現状を振り返り、今何をしたらいいのかを考える方法は、環境政策を考える上でもみられます。どのようにして理想の未来像を実現できるかに関心を持ちます。将来の望ましい状態を想定し、その状態に到達するためのステップを定義する方法です。SDGsなどにも取り入れられています。

そして何より大切なことは、目標と同じくらいプロセスを楽しむこと。なりたい未来の次元の自分から見れば、今のすべてが旬のストーリーです。それをゆったりと味わうことで願う未来の次元の自分とつながり、過去、現在、未来のすべてが同時に癒され、いつでも望む現実を創り出せます。   MAKIWARI JOURNAL For Our Genuine Happiness 参照

 

大谷翔平選手が使った目標達成シート(マンダラチャート)とは?

大谷翔平選手が高校一年生の時に作成した「目標達成シート」。高校時代の監督・佐々木洋氏からの教えにより作成したこのシートは、強い目標(夢)を中心に置き、周囲9×9の合計81マスに細分化した目標を書き込んだものです。大谷選手が中心に書いた夢は「8球団からのドラフト1位指名」でした。
夢を達成するための要素
1.体づくり2.人間性3.メンタル4.コントロール5.キレ6.スピード160キロ7.変化球8.運
体づくりを達成するための要素
1.体のケア2.サプリメントを飲む3.FSQ90キロ4.柔軟性
5. RSQ130キロ 6.スタミナ
7.可動域 8.食事夜7杯朝3杯
大谷翔平選手は目標達成シート(なりたい自分になる)を作成する際、なるべく具体的に、また少し高い目標を書き込むようにしたと話しています。ひとつの大きな目標を達成するために必要な要素を細分化し「叶えたいこと」への道のりを確立したともいえるでしょう。すべての要素をクリアしていくのは難しいもの。そこで具体性を高めると、目標を見失わずに進めます。