花粉症の原因
花粉症は花粉に対するアレルギー反応が発生する病気。花粉は体内に入ると、免疫機能により受け入れられるかどうかを判断されます。そして異物と判断された場合、花粉を攻撃する抗体が作られ、花粉を体外に出そうとします。この抗体の働きがアレルギー反応であり、花粉を体外へ出そうとする行動が、くしゃみや鼻水、涙という形で現れる。そのため、花粉が体内にある限り、それらの症状が止まらなくなってしまいます。
花粉が飛ぶ日を把握する カラダカイゼン委員会より抜粋
花粉は特定の条件の日に飛散しやすいため、その日の外出を避けるのも効果的。
花粉が飛びやすい条件は
•気温が高く湿度が低い日
•風の強い日
•前日に雨が降った日
•晴れた日の昼過ぎ
•晴れた日の日没ごろ
反対に夜間や雨の日、気温が低い日は花粉が飛びにくいため、外出する用事はその条件の日に済ませておくのもいいですね。
花粉症におすすめ!普段から取り入れたい食べ物
花粉症はアレルギー反応のため、体の免疫力を高めることで抵抗力を上げ、アレルギー反応を抑えることが期待できます。
① 乳酸菌
花粉症は免疫機能の異常により発生します。免疫機能が正常に働くことで、花粉症特有のアレルギー症状の発生を抑えられます。免疫機能をつかさどる免疫細胞の約60%は腸に集中しているため、腸の環境を整えることが正常な免疫機能の活動につながるのです。
また、白血球の中に含まれる免疫細胞「Th1」「Th2」のバランスが、花粉症の発生に深く関わっています。
この2つのバランスが取れていると免疫機能が正常に働きますが、花粉に反応する「IgE抗体」の産生に関わるTh2が多くなると、アレルギー反応を引き起こす「ヒスタミン」を発生させやすくなるのです。
乳酸菌は腸内環境を整える働きが知られていますが、免疫細胞のバランスを整える働きも持っています。Th1とTh2のバランスを保つことで過剰なIgE抗体の産生を抑え、ヒスタミンの発生を抑えるよう働きかけてくれるのです。乳酸菌の代表的な食品としてヨーグルトやチーズ、味噌、キムチなどの発酵食品が挙げられます。
② 食物繊維
免疫力を高めるためには食物繊維をとることも効果的です。
食物繊維は腸内環境を整える働きだけでなく、乳酸菌などの善玉菌のエサになるため、腸内を整える善玉菌の増加をうながしてくれます。
善玉菌の増加は、アレルゲンとなる花粉の吸収を抑える「IgA抗体」の増加にもつながるため、積極的な食物繊維の摂取が花粉症の症状を抑えることにつながります。
花粉症を悪化させないために生活習慣を見直し、免疫力を向上させることで、花粉症の症状を抑えることができます。
免疫、とか、菌とか、いつもにらめっこの紙面に登場する慣れ親しんだ言葉にふと『土と内臓 微生物が作る世界』体の中の隠された大自然 という本を思い出した。
地中に伸び微生物と共生する植物の根と、「腸内フローラ」という言葉で知られるようになった私たちの体内での多様な微生物の働きを対比しながら、土と内臓という異なるアイテムをつないで語っています。「栄養を得ること」、「外敵から身を守ること」という生きていく上で欠かせない二つの要素を菌たちが助ける活躍は読んでいて頼もしい。原題は「隠された自然の半分」なんだそう。自然の半分は地球で最も繁栄しながら見えていなかった微生物のことなんですね。
以下は好書好日より
地質学者と生物学者の著者夫妻が自宅の裏庭を「不毛の荒れ地から生命あふれる庭園」にする懸命な試み、がんと診断された妻が健康や食生活を見直し始めた体験、二つの物語が科学と巧みに融合して微生物を身近な存在にしている。
『土の文明史』で農耕文明が土壌を使い尽くして衰退させていくことを示して話題になったD・モントゴメリーへの期待も本書が読まれる理由だろう。
本書も微生物と動植物の共生という科学の世界にとどまらず、科学技術史の流れからの位置づけ、目を引く話題、携わった研究者の物語も紡がれる。
有機物や微生物に頼らない化学肥料は、火薬と原料が共通で、肥料工場は有事に軍需工場に転換でき、それも化学肥料の普及につながった。健康な人の便を致命的な下痢患者に肛門(こうもん)から注入する「糞便(ふんべん)微生物移植」が1958年に行われ、圧倒的な効果がありながらも抗生物質が重用されてきた。「害虫を一掃するための農薬と病原体を殺すための抗生物質」も有用な微生物に被害を及ぼしている。
こうして考えてみると、地球に存在する「もの・こと・ひと」は全てつながっているんですね。何一つおろそかにできない。
コミュニケーションでつながっているのは私たち人間だけではないこともわかったし。植物、動物を見る目が変わってきませんか。そこに目に見えない世界にも意識をすることで、様々な「つながり」を感じることになりそうです。