vol.197 5Gを知ろう!

便利•快適を追求すると、同時に
リスクを背負うことにもなる

 私は全国各地でお話会をさせてもらっています。今コロナ禍で、ニュースではほぼ毎日「○○人が感染」と伝えています。一体コロナの何が怖いのでしょう。死ぬこと?それとも感染?
 「人と違うことを選ぶことを怖がる」、「ブレーキのかからない状態になる」。今回の騒ぎでは見えないものに対峙して、みんなが同じ方向を向いている。これは戦前の空気感にとてもよく似ています。私はこのことの方が怖いです。

 さて、今回はリクエストがありました“5G”について少しお話ししたいと思います。5Gとは第5世代移動通信システムのことです。この危険度をお伝えすることは専門家ではないので詳しくお話しできる立場にありませんが、直感的にヤダなと思うわけです。スマホは情報をあらゆる方面から取得できる便利なツールですが、その発信元は巨大なコンピューターです。情報量が多くなればなるほどそれは巨大化します。そして危険度も増します。「オリンピックのために5Gを!」「経済をより活性化するために!」と声だかに喧伝されている5G。その結果、情報量と危険度は100倍から1,000倍にもなります。今でも電波塔から電波が飛んでいるわけですが、山の中など場所によっては届かないエリアもあるので、それを解消するためにあちこちに電波塔を建ててきました。
 5Gは大容量のデータを瞬時にダウンロードできます。周波数が短いので(ミリ波)、アンテナをたくさん作る必要があります。ですから、信号機や電柱、マンホールの中、果てはバス停にまでつけることになり、ほぼ100m間隔に設置されることになります。私たちは、その弊害について、また電磁波、化学物質に弱い人がいることを、もっと知る必要があります。欧米では設置に反対する運動も起きています。
 今となっては、ほとんどの人が手放せなくなっているスマートフォン。命の次に大事!とまでいう人もいる。頼りきっているというか依存してますね。その弊害を今更言っても…と思っていましたが、昨年6月、長野県伊那市の小学4年生のR君と出会って、自分の考えが一変しました。

  彼は電磁波や化学物質にとても過敏な子で、高遠という山の麓で生活しています。化学物質や電磁波に弱く、常にマスクをして自己防衛をしていました。ところが、伊那市はデジタルテクノロジーの最先端を取り入れる市で、小学校では早くから電子黒板とパソコンを設置していました。そんな環境にいると、頭に槍が刺さった感じになるようです。(絵1参照)。さらに、スクールバスに乗ってある場所を通った時、頭の中が真っ暗になって、3日間登校できなくなってしまったのです。(絵2参照)それからはご両親が遠回りして学校の送迎をされています。そんな事情を抱えている彼から、講演後に周りに生えている熊笹をもらいました。R君は「これを持っていると体が楽になるよ」って。

 今は全国がコロナ禍で、授業もまともに受けられない状況になり、オンラインになりそうです。R君のこともあり、「もう黙っているのは無理、なにか行動をしなきゃ」と思い、即署名用紙を作りました。ほとんど効果はありませんが、情報を知ってもらう意味で署名はとても大事なツールです。そうして集めた署名用紙を持って、総務省、環境省に2度提出しました。その答えは、「放射線は低線量だと被曝し体に入りやすいが、5Gは大容量なので皮膚まではいくが、そこから先には入りません」、というとても理解できない内容でした。現実、電磁波の影響を受けて苦しんでいる人たちが署名しているのにもかかわらず、です。5Gは水分に反応すると聞いていますから、人体では腎臓、眼などに反応が起きるのではないか。頭痛、めまい、学習記憶障害、DNAの劣化なども気になります。さらに動植物に影響を与え、その遺伝子にも影響すると私は考えています。

 今後R君のような過敏症は一気に増えるでしょうね。
 このままだと、どんどんアンテナ設置が進行して行きます。電磁波は免疫力や免疫機能が低下するとも言われています。さらに、兵器(藪の中に潜んでいる兵士が頭がふらふらになって出てくるように仕向ける)として開発され、平和という名を借りて化学兵器が農薬にすり替わったように私たちの生活の中に知らないうちに入ってきます。また、5Gとコロナウイルスとの関係も無視できません。
 国策を翻すのは不可能ですが、地方行政にアタックして、「住宅街には設置しないで」と訴えることは必要です。小さなことでも大きな問題につながります。5Gのこの事実、ぜひ知って欲しいと思います。


山田 征(やまだ せい)1938年生まれ。東京都武蔵野市在住。反原発運動、石垣島白保の空港建設撤回運動、食や洗剤、環境、貧困についての問題、フィリピンのスモーキーマウンテンでの取り組みなど、命と直結した課題に対して多岐にわたり活動。隠された真実を知る勉強会「菜の花の会」主宰。


[5G反対]を決議した町議会・市議会

世界では各国の自治体が、5G展開に「反対」の決議をしています。イタリアでは2019年3月、首都ローマ市にある19区のうち12区が、「市による5Gプロジェクトへの反対」を決議。イギリスでは、イングランド南部にあるトトネス町の議会が、「5G展開の一時停止」を決議。同町の住民約8,000人のうち1,600人以上が「5Gの更なる研究」を求めて5G展開に反対する請願書に署名。これを受けて町議会が決議したもの。アメリカでは2018年9月、カリフォルニア州のミルヴァレー市議会が、「住宅地における新たな5G基地局の設置を禁止」した。新設が認められるのは商業地域や公園などのオープンスペースのみ、ただし、商業地域であっても「基地局は450mごとの設置」が義務づけられている。

市町村、都道府県レベルで条例を

「ブリュッセルの人々はモルモットではない」として5Gをストップしているベルギーの首都ブリュッセルのように、日本でも都道府県で「5Gの一時停止」などを決めることは可能です。市民の一人ひとりが5Gの危険性を認識し、署名や陳情などで行政に働きかけ、無視できない数となれば、行政も動かざるを得なくなります。

小学校で子どもに電磁放射線被曝をさせない

日本の政府は、全国に小中学校に通う児童生徒が2023年度までに、一人一台のパソコンを使える環境を整備する方針を決めた。また、「GIGA(ギガ)スクールネットワーク構想」と銘打ち、2020年度から全ての小中学校を結ぶ超高速通信網(通信速度10Gbps<ギガ・ビット毎秒>相当)の整備にも乗り出している。2018年(11月21日〜12月12日)には、総務省が「技術試験事務」における「5G総合実証試験」として、小学校で初めて東京都小金井市立前原小学校で「5Gを活用した動画再生とファイルダウンロードを体験する学習会」を実施した。

「学校では有線LAN」を法律で決める

『もし誰か「5G」の詳細を知ったなら『すぐ逃げなさい』と、PCC(米国の連邦通信委員会)の元委員長トム・ウィーラーが言うほど危険な5G。それに小学生をさらして平気なのが日本政府。フランスでは2015年1月に、公衆への電磁放射線放射を管理する法律で「小学校で無線LANなどの機器は、授業で使う時以外は停止させること」を決めている。アメリカのオレゴン州でも2019年6月、「学校無線LANの有害性を各校に知らせ、有線LANを利用して被曝を最小限にするよう」求める法案を採択している。日本でも、「校内では有線LANを使う」、「無線LANは授業で使う以外は停止」を法律で決めるべきです。

バクテリア・昆虫・鳥がいなくなる

アマゾンの奥地でもヒマラヤの山頂でも携帯電話が繋がるように、5G用の人工衛星を打ち上げ、電磁放射線を放射することは、生態系を壊す行為ではないでしょうか。この貴重な惑星・地球は人間だけのものではなく、あらゆる微生物や植物、動物などが住まうところでもあるはずです。元国連職員のクレア・エドワーズさんによれば、「過去20年間で、電磁放射線によって昆虫の80%がすでに失われている可能性」があるといいます。そしてさらに、「自動運転車、バス、電車の継続的な5Gシグナリングを確保するために、何百万本もの木が伐採されるリスクがある」と。

『5Gから身を守る』より
古庄 弘枝・鳥影社(500円+税)