vol.196 半農半X vol.37

遠慮のこころ        

 「遠慮する」といえば、他者に対して、控え目にすること、出しゃばらない意味ですが、その原意は、「遠い将来まで見通して、深く考えること」だそうです。遠い未来への配慮。「遠慮」とは、何とも尊い言葉なのですね。いまはすこし遠慮のない時代となっています。孫子が暮らすことになる時代に対して、私たち大人世代が少しでも配慮することで地球温暖化など、結果は大きく変わっていくと思います。こころに余裕を少し持ち、遠慮のこころをもってゆっくり生きる。いまの私たちにはそんなことが問われているようです。

新しい和の時代

 いまは「和ブーム」「和の時代」のようです。月の満ち欠けの入ったカレンダーや手帳が人気だったり、旧暦を見直す本もたくさん出版され、旧暦を大事にする人が着実に増えていることを実感します。特に若い人にそうした傾向があるのはこの国の希望の1つといっていいかもしれません。時代はますます月のリズムや先人の知恵をライフスタイルに取り入れる方向にゆっくり流れているようです。人間中心主義を超えて、万象と調和し、平和に暮らし合う「和」の考え方や発想は、おそらく今後の世界にとって、大きな財産になるであろうし、日本が世界に真に貢献できることの核の1つなのかもしれません。

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塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景と する。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、 半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。