買ったかまぼこ、作ったかまぼこ
ある日の授業から
名取 かまぼこを作ったけど、おうちの人の評判はどうだった?
子ども 味はよかった。長い竹がかっこいいって。かまぼこじゃなくてちくわでしょうっていってた。
名取 かまぼこって言葉は、ガマって草の穂に似てるからで、もともとは竹に巻きつけたものが由緒正しいものだよ。ところで、スーパーで買ってきたかまぼことちくわの食品表示を見て、自分たちが作ったかまぼこに使わなかったものが、入ってます。なにかな?
子ども 卵白!
名取 はい、たまごの白身だね。粘る力をつけてます。
子ども あとは・・・・・・発酵調味料。砂糖、ソルビトール、調味料(アミノ酸)。ソルビトールってなに?
名取 よくわからないけど、甘味をつけるための添加物だと思う。かまぼこはどうですか?
子ども 食塩。砂糖、発酵調味料、魚介エキス、卵白、でんぷん、植物油、酵母エキス、調味料(アミノ酸など)、加工でん粉、貝Ca。なんだかわからないものがいっぱい入っているね。
名取 そのわけのわからないもののほとんどを「食品添加物」っていいます。日本では300種類以上が許可されています。ほかにも甘味料、保存料、糊料、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、着香料・・・・・・。なにからなにまで合成の、化学的に作られたものです。これで見た目にきれいなもの、いい匂いのもの、食べたときのプリンプリンした感じ、味のいいものにして、たくさん売ろうとしているわけです。
食品添加物は安全だとされているけど、ほんとうのところはわからないといわれています。昔、豆腐の殺菌剤に使われていたAF2というのは、すぐ症状が出たから危険だと分かって使用禁止になったけど、発がん性があるかどうかは10年も20年もたたないとわからない。
それに何十年もたってから症状が出ても、あのとき食べたかまぼこのせいだって証明できないでしょう。
名取 それともう一つ、がんよりこわいのが、遺伝子を傷つけてしまうかもしれないことです。つまり、生まれてくる赤ちゃんに異常が出るかもしれない。あるいは、その次の世代、つまり私の子どもの子ども。
子ども 孫ってこと?
名取 そう、孫に異常が出るかもしれない。だけど、そのときおじいちゃんが食べたちくわのアミノ酸のせいだなんて立証できないでしょう。
それに一つひとつの添加物が安全だとしても、2つとか3つが化学的に反応して毒性のものを作ってしまうかどうかもわからない。
子ども じゃ、どうすればいいの?
名取 個人としては、食べものを買うときには注意して、なるべく添加物の入っていないものを買うことかな。あと、みんなで声を大きくして、わけのわからない添加物を使うなって会社や国にいうことかな。
食品添加物だけじゃなくて農薬も怖い。農薬って薬じゃなくて、農毒薬です。農毒薬をまいて死んじゃった人、病気になった人もいます。
このほか、遺伝子組み換え食品といって、除草剤を浴びても平気なように作りかえられた大豆やトウモロコシのことも問題です。
うちに帰ったら家族みんなと話してみてください。で、どうしたらいいかを考えましょう。