vol.188 「いのちの水」特集

Part-1
再び水の話し・私たちのいのちをつなぐ「水」


私たちと「水」
陸上動物も、その起源は海の中にあります。海で命を育み、進化し、上陸を試み、陸上生活ができるように適応しながら、進化したため今日に至ることができたのです。自ら生まれた命は、水がなければ引き継いでいくことはできません。私たちもまた、水なしでは存在はあり得ず、水によって生かされているのです。

 

水を飲む
水を飲み、体内の水分含有量を保つことは様々なメリットを生み出してくれます。 その効果は数えきれませんが、いくつか代表的な例を挙げてみましょう。

*基礎代謝が上がる*体温が上がる*食欲の抑制*美白になる*ニキビや吹き出物などができにくくなる*乾燥肌・シミ・小ジワ・たるみが改善する*むくみの解消*リンパの流れが良くなる*老廃物をデトックスできる*血液がサラサラになる・・・・・・いかがでしょうか。
水を飲むということは、女性に嬉しい美容面はもちろん、成人病の元ともなる肥満対策・ダイエットにも効果抜群なこと。

こまめに水を飲む
「のどが渇いたら飲む」という方も多いかもしれませんが、のどが渇くということは、その時点で体内の水分が足りなくなっているということです。理想としては「のどが渇く前に飲む=水分が足りない状況を作らない」ことです。
習慣的にこまめに水を飲むことをおすすめしますが、より効果的なタイミングとしては、以下の5つが挙げられます。

*食前・食後*運動前・運動後*入浴前・入浴後*就寝前
いずれも「体内の水分を失うタイミング」です。

寝ている間にも発汗しますし、運動すれば汗をかきますよね。これはお風呂に入ることも同じです。食事に関しては「逆に食材からの水分補給になるのでは?」と思われるかもしれません。確かに食材からも水分は補給できるのですが、それを消化するために体内の水分が使用されてしまうのです。
「塩辛いものを食べると喉が渇く」なんて経験はありませんか?これは塩分を分解するのにより多くの水を必要とするからなんです。
ですから、日常的にこまめに取るのはもちろん、体内の水分を多く使用するタイミングで飲むことが、より効果的な飲み方となるのです。

体重の4%分を飲む
飲むタイミングを知ったならば、自分が飲むべき水の適切量も覚えておきましょう。よく「1日2リットル飲むと良い」など具体的な数字を見かけるかと思います。しかし人間には個人差があるため、誰しもが同じ量で良いわけがないのです。自分にぴったりの適切量を知るためには、自分の体重に4%をかけてみましょう。
体重50キロの人の場合:2リットル
体重80キロの人の場合:3.2リットル
このように、自分の体重の4%分が、あなたの飲むべき目安として覚えておきましょう。

水ならなんでもいいの?
「水なら何でも良いのか」というとそうではありません。
水分についてこれだけは覚えておきたいです。
1:水道水
ご存知のように、水には塩素(カルキ)が含まれています。
また貯水槽の衛生面によっても、細菌や微生物が多く含まれている可能性があります。「沸かせば大丈夫」とお考えの方もおられるようですが、水道水を沸騰させると、発がん物質であるトリハロメタンを倍増させてしまうことになります。そのためどうしても水道水を飲みたいと言うのであれば、15分以上沸騰させたあとの水を飲むようにしましょう。

2:硬水
これは体質にもよるのですが、日本人の体には硬水は合わないと言われています。日本の水は軟水ですが、海外の多くは硬水です。そのため「海外の水を飲んだら下痢になった」なんて話をよく聞くのです。

3:お茶やスポーツドリンク
「水分なら何でも良い」と、水以外の水分をカウントされる方もいます。しかしお茶やスポーツドリンクにはカフェインや糖質が多くふくまれているため、それらを分解するのにより多くの水を必要としてしまうのです。

「健康のために水分補給をする」というのであれば、やはり普通の水をおすすめします。

「自分の体の半分以上が水でできている」と考えれば、水が生命維持に必要不可欠な理由もおわかりいただけるかと思います。

きれいな水道水は日本の宝!
「水道水が飲める」これを当たり前のことだと思っていませんか?水道水がそのまま飲める国は世界でもたった15か国!
・ドイツ・オーストリア・スイス・クロアチア・スロベニア・フィンランド・スウェーデン・アイスランド・アイルランド・オーストラリア・二ュージーランド・南アフリカ共和国・モザンビーク・アラブ首長国連邦・そして日本(国土交通省)
このように主にヨーロッパ地方を中心とした国でしか、水道水を飲むことは出来ません。

なぜ日本はこんなにもきれいな水道水なのか。その理由は「水質基準がとても厳しいから」に他なりません。
日本の水道水の水質基準は、1957年に施行された「水道法」によって定められています。「ずいぶん昔じゃないか」と思われるかもしれませんが、ここで掲げられた目的はたったひとつ。

「水道水を生涯飲み続けても人体の健康に全く悪影響がないこと」日本はこのたったひとつの目的のために、60年以上前から厳しい基準を整備してきているのです。

具体的には以下の3つの基準、全てをクリアさせています。
世界保健機構(WHO)の基準値
水道法の51項目の水質基準項目と基準値
厚生労働省の26項目の管理項目
これら100項目以上の基準点によって、日本の水道水は世界最高水準のきれいさを誇っているのです。例として大腸菌。感染力の高さで知られる恐ろしい菌ですが、これに対する各基準は
WHO:水道水100ml中に検出されないこと
EU:水道水100ml中に検出されないこと
EPA:水道水1Lにつき5%以下に留めること
日本:検出されないこと
ご覧のように日本だけ厳しい基準値になっています。そのおかげで、水道から出てくるまま口にすることもできるのです。
(水・ネット)参照

Part-2
自然豊かな山ふところにはいのちの水がある

ちょっとまって
水道の民営化って・・・どういうこと?
私たちの飲み水、安全は?料金は?
地震大国ニッポンで災害時に
“いのちの水”は本当に守られるの?

そもそも水道法改正って?
自治体が水道事業の運営権を民間企業に売却するコンセッション方式を導入しやすくする内容を含んだ水道法改正案が、2018年12月6日の衆院本会議で可決され、成立した。民間のノウハウの活用で水道事業の立て直しを狙う一方、野党側は料金高騰や水質悪化の懸念があるとして反対していた。(産経ニュースより)

2019年2月2日朝日新聞の「耕論」で
「命の水」誰に託す  という記事を読みました。

大阪市長の吉村さんは、民営化に積極的です。民営化で更新・耐震急げと鼻息が荒い感じ。
「このまま放置したらどうなるのか、「『命の水』が外資に食べられる」と言った抽象的な議論をする人が多いが、何も対応しなければ水道料金の大幅値上げしかありません。コンセッション方式をいかし、企業に設計段階から任せ市の試算では5から10%ほどのコスト削減出来る見込みです。」さらに「地震に弱い老朽菅の解消が10年早まり、これを大阪モデルとして全国に打ち出したい」とも。

かたやトランスナショナル研究所研究員の岸本さんは、「民営化するとコストが下がると言われますがそんなことはありません。」ときっぱり。「水道管などの設備更新の費用は、民営化すれば自治体の会計上の借金からは消えて見えなくなりますが、本質的に財務状況が良くなるわけではありません。費用は、最終的には水道料金を支払う住民が負担するのです」「「水道ビジネスを手がける「水メジャー」と言われる多国籍企業は、多大な利益を得ています。日本も狙われている市場の一つです。コンセッション方式の場合、自治体と企業の契約書は数百ページにも及びます。水メジャー側はノウハウを持つ弁護士ら百戦錬磨のプロ集団が契約を担います。自治体の職員が自治体に有利な契約を結ぶことは不可能でしょう。」
「安全な水の使用は人権で、水道は社会基盤の一つです。地元で水源を保全し、多くの薬品を使わないなどコストを抑えるためにあらゆる努力をしても原価割れするなら国が財政支援するべきです。」これからの水道事業をどうするかは「自治の力」にかかっています。自治体や議会は、住民と開かれた議論をし、目先の財政負担軽減ではなく100年先を見据えた対応をしなければいけません。民営化の圧力をはねのけ、孫の代までも享受できる持続可能な公共サービスを目指すべき。彼女は、「自治の力」を喚起しています。

そして、熊本市「ラジオ水守」の水野さんは「自然や文化を守り届けたい」と熊本の100%地下水を誇ります。ですが、「水に恵まれた熊本でも、地下水が減っています。都市化が進んでコンクリートが地面を塞ぎ、減反政策で水田も減ったため、水が地下にたまりづらくなったのです。日本人のライフスタイルの変化が、地下水システムの危機を招いていると言えるでしょう」と憂いも隠せない様子。そして、「水道の役割は、水をポンプでくみ上げて人々の元へ運ぶだけではありません。阿蘇山から田、土の中を水が巡り、人が使った後はきれいにして豊かな有明海へ返す____。熊本の水道はそんな循環の一端を担っているのです。」と締めくくっています。

三者三様の意見に私的に寄り添えるのは、持続可能な視点に立った岸本さんと水野さんの意見でした。(三)

私たちの飲み水はどうなってるの?
各務原市の水道の水源は、すべて地下水で賄われています。
降雨や河川・水田の水は、地中に浸透しながら不純物が取り除かれ、土壌や岩石に含まれているカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分を吸収して地下水となります。

各務原地区には三井水源地に13本、西市場水源地に9本、弥平島水源地に1本、川島地区には小網水源地に3本(小網水源地内に2本、河田取水ポンプ場に1本)、笠田水源地に1本の井戸(取水井)を設備し、地下水をくみ上げています。各務原地区においては、消毒された水(浄水)は、送水ポンプの圧力で水源地から団地の受水池や山の上の配水池に送られ、そこに一旦貯水されます。貯められた水は、自然流下の圧力で配水管、給水管を通って各家庭などに届けられ生活用水として使われます。
川島地区においては、消毒された水(浄水)は、配水ポンプの圧力で配水管、給水管を通って各家庭などに届けられ、生活用水として使われます。( 各務原市のHPより抜粋)