二ホンミツバチの向こうに NO.Ⅰ
二ホンミツバチの訪れる花(蜜源樹)について考えてみよう。
ミツバチは、春はフキノトウ、タンポポに始まり、ウメ、ヒサカキ、ナタネ、イチゴ、サクラ、カエデ等々。夏はニセアカシヤ、クリ、キハダ、アオハダ、エゴノキ、シナノキ、カキ、トチノキ、ハリギリ、フジ、オオハンゴンソウ、スイカ、トウモロコシ等々。秋はアレチウリ、アメリカセンダングサ、セイタカアワダチソウ、ウド、シソ、キク、カナムグラ、ソバ等々。冬でさえもオオイヌノフグリ、セツブンソウ、サザンカ、ツバキ、チャ、ビワ等々の花を蜜源としています。ここにあげた植物はミツバチが訪れる植物のほんのわずかに過ぎません。
ミツバチの観察会で「この里山には花が咲く木がないのですが、ミツバチは住めるの?何処で蜜を集めるのですか?」という質問を受けたことがあります。そこには、ヒサカキ、タラ、コナラ、クリ、リョウブ、ヌルデ、スミレ、ミソハギ、アザミ等の小さな花の咲く木や草で繁っています。モミジやドングリのような花が咲かないと思っている木々にも、花は咲きます。しかも、二ホンミツバチはそのような小さな花を好むのです。多様な植物や動物、菌類の住む、昔からの里山は蜜源の宝庫です。
農地や山を、作物や材木を生産するだけの場と考えず、人間が自然に解け込める場と考えることはできないものでしょうか。今だけ自分だけのために日本の里山を荒廃させてはいけません。野生のミツバチの向こうに、子どもたちの未来が見えてくるはずです。
写真・三輪芳明(みわよしあき)プロフィール 1952年 関市生まれ。仲間と岐阜県では絶滅したと考えられていたコイ科の魚類ウシモツゴを発見、人工的な大量繁殖させ野生復帰に成功する。岐阜・美濃生態系研究会 二ホンミツバチ協会 日本チョウ類保全協会。
障害のある方たちの生活支援をしているNP0法人オープンハウスC N。余暇活動の一環で定期的にクラブ活動を開催している。お茶会をしたり、ピザを作ったり・・・。
二○○四年、伊藤さんが理事長に就任。それを機に伊藤さんは、自分は何ができるだろうと考えた。書道の師範免許を持っているから、「書道ならできる、よしやってみよう!」と最初は数名でスタートした。
でも、現実は課題だらけ。じっとしていられない、書けない、自分の意思で書かない・・・そうでない人もいますが、スタッフも書道の専門ではないし、一部屋で大勢でやっていると、当然ですが目が届かない・・・そんな状況を見て、一人ひとりまったく違う特性を持っているし、やる以上ベストな状況をつくらないと私が納得がいかない。それで九月からは、マン・ツー・マン体制にしました。
二○○六年、受講者の一人が「障害者による書道・写真全国コンテスト」で銀賞を受賞しました。その受賞記念として、にらめっこ編集部(当時の編集部は中央町)にて個展を開催したんです。以降、応募する作品が毎年受賞するようになり、その都度、受賞者には個展をすすめ、開催してきました。
個展をするとね、本人が目に見えて成長するんです。受賞と同時に個展の準備を始めるのですが、受賞作を中心に、その子だけの制作に時間を費やします。全部本人が主人公ですから、楽しいでしょうし、私も気合いが入ります。マンツーマンですから濃密な時間を持てます。たくさんの作品を作るには、紙のサイズ、紙質、筆の種類、墨もいろいろ使い分けます。特別扱いですよ。そして誉めて誉めて、その子と楽しい時間を過ごす。私は心から誉めますから。嘘っぽくほめても人を見分ける能力に長けている彼らには通じません。するとね、本当に変わるんです。今まで出来なかったことができるようになったりして、親さんもそれを見て変わる。子どもが認められると、自分も認められるということなんです。そして、希望を持てるように。じつはこれが一番大事なことなんです。
目的がハッキリすると、気持ちが定まる。見通しが立つようになると落ち着く。それは、すべての人に通じます。仲間が受賞して、他の親も『うちの子も可能性があるかも』と、希望を抱くようになります。
私の長男には自閉症があります。絵を描くことが好きで、描きためた作品を見た方から『すばらしいじゃない、個展をやったら?』とすすめられたことがありました。息子が誉められたのですが、私が認められたって・・・。とってもうれしかった。そして個展を開催したのですが、その時のノウハウが今とても役に立っています。
その時に感じた「認められてうれしい」という思いを、いろんな人に味わってもらいたくて、受賞された方に個展をすすめています。お金はかかりますが、それ以上に得られるものがありますから。
数年前、果たしてうちの子に出来るのかと個展を迷っていた親さんに、他の親さんが薦めてくれたことがありました。無意識のうちにあきらめてるんですね。それはいけない。どの人にも可能性はあるんだから。
個展をやってみて彼女が私に言いました。『伊藤さんが書けるようにしてくれた。出来ないとフタをしてしまいがちだけど、伊藤さんが書道で可能性のフタを開けてくれた』と。この言葉がとても印象にのこっています。うれしかったですね。
現在は30名の人が通い、講師も一人増えて二人体制に。創作の時間を作り、全国の公募展に積極的に応募している。13年の活動がじわじわと浸透して、作品の依頼も来るようになった。チャンスは平等にという思いから、全員に同じ字を書いてもらい、それを依頼者に選んでもらう。地道に続けてきたことが今、確実に実を結んでいる。アートが社会を変えていく、そのモデルとなる活動にエールを送りたい。
手作り味噌のおいしい理由
今年も味噌を仕込みました。各務原市に引っ越してきて早30年。毎年2月に仕込んでいます。なんで2月に仕込むのか。それは、寒仕込みといって冬は気温が低くゆっくり発酵するからです。時間をかけて発酵させた方が、味に深みが出ておいしく仕上がる。暑い時期に仕込むと気温が高いため、急激に発酵してしまいます。なんでも最初は徐行運転が肝心。しかも、冬は雑菌が少ない!というのが理由。そしてもう一つ、秋は米や大豆の収穫時、なので、新鮮な米と大豆を原料にできますね。これもおいしい味噌にはかかせない条件です。
にらめっこ編集室でも毎年2月に味噌仕込みをします。第2農園で作付けした大豆、今年の収穫は5キロ弱。(写真)玄米麹と天然塩をまぜて、ゆっくりと発酵させます。一年後が楽しみ〜!
一年の気温の様子。このような四季を感じてお味噌は醗酵する。やはり一年熟成させたお味噌は格別です。(資料提供:マルカワみそ)