被災地のがれき、受け入れるのか否か!
ここできちんと考えてみよう!
「日本の絆 色あせた」という新聞の記事を読んで深く考えている。感情論として、被災地のがれきを引き受け、痛み分けをしなければと思う反面、放射能を拡散したら大変なことになる!という現実。安全だ!と言われても、今まで二転三転する基準値はもう信用できないし・・・そしてもう一つ大きな疑問は、利権の臭い。復興支援金は被災地のためにあるはず。なのに、利権を巡り命より金が優先?!と思われる官僚の思惑にあ然とする・・・そんな時に高山市の市長(HP)と札幌市長の声明文を読んだ。気持ちにストンと落ちた。(HP)
いろいろ調べてみると、問題が浮き彫りになってくる。政府は岩手・宮城両県のがれき約2,045万トンのうち、20%に相当する約401tを被災地以外で処理するという方針を出した。今、岐阜県でも複数の自治体が受け入れを検討中だとか。しかし、がれきを「福島県以外でもここの地域のは安全で、こちらのは危険」という区分けは不可能だ。津波で沢山の工場が被害に遭い押し寄せられたがれきなので、アスベスト、PCB、六価クロム、ヒ素…など放射能も含め、公害となる多くの有害物質で汚染されている複合汚染であるということ。
がれきの使い道を提案した南相馬市長は「がれきは復興の貴重な財産。護岸工事に使いたいががれきが不足しているので宮城から運びたいと相談したら、放射線量が不明なので動かせない」と官僚に言われ、一方で広域処理のため地方自治体にはがれき汚染はないと言う。この矛盾。そもそもがれきの広域処理により儲けるのは一部の企業・為政者(行政・議員)だ!しかも汚染がれきを燃やすことで汚染を拡散させることになる。それでも受け入れがれきはごみ焼却場にバグフィルターがあれば放射能は99.99%漏れるのを防ぐと言っているが、フィルター製造に関わった全ての会社が「放射能除去できない、測定もしていない」と言っている。その結果、放射能だけではなく、複合的な有害物質が漏れ出てしまう。アスベストは中皮種を起こす、六価クロムは猛毒で皮膚を溶かす、ヒ素も猛毒…などなど挙げたらキリがないほど、がれきを燃やしていいことは一つもない。
被災地の中には、雇用のためにがれきを回してほしいと願う自治体もある。東北復興財源は1.6兆円もある。これを狙う広域の自治体の業者の何と多いことか!(既に、がれき受け入れの広告費に30億も使っている)目もくらむ金額が頭上を駆けめぐる図に、私たち庶民は成す術もないのか?いや、やれることはあるはず。まず実態を知ろう。
汚染は広げずに一箇所に留める。これは世界の常識。
日本にも「放射性物質の移動をしてはいけない」という法律が存在しているのに完全に無視されています。検査も「がれきの周辺の空間線量を測るのみ」というまったく意味のない、焼却ありきのごまかしの測定。ましてがれきすべての汚染測定をしていないのになぜ「安全」と言えるのか?
(1)放射能を拡散・移動させない。
放射能の管理については拡散させないこと、飛散させないことが重要。
(2)復旧・復興のための予算は被災地が使う。
がれきを処理するバグフィルターなどセシウムの遮断性に優れた機能を持った施設を地元に建設するのが望ましい。建設・運用において雇用が生まれる。焼却施設に発電施設を備えると、がれきの処理が終わっても森林などの間伐材を利用したバイオタイプの発電所が作れる。
(3)放射能が焼却施設に濃縮し、外部にも飛散する。
(4)施設の汚染。
放射能を利用する仕組みになっていないゴミ焼却施設が汚染し、解体時に除染する必要が出てくるが、そこまで考えられてない。
(5)低線量の内部被曝の危険性は高い。低線量の内部被曝の危険性は、広島・長崎の調査に基づいた国際放射線防護委員会のモデルでは正しく理解できない。最近の疫学調査はチェルノブイリの被害を受けた欧州各国では受け入れられているが、日本の放射線影響の専門家は非科学的だと決めつけ事実を見ようとしていない。
「日本の絆 色あせた」 元米紙記者が警鐘
【ワシントン=柿内公輔】米紙ワシントン・ポストは11日までに、「昨年の悲劇は日本を停滞から目覚めさせるのに失敗した」と題した元同紙東京特派員(ポール・ブルスタイン氏)の寄稿を掲載し、自治体ががれき受け入れを拒否している問題に触れ、東日本大震災直後に世界から称賛された日本国民の連帯意識が失われかけていると警鐘を鳴らした。〜(中略)〜 同氏は、「東北の人々に国民は同情と支援を惜しまず、それは『絆』という言葉に要約された」としながら、「その精神は色あせた」と断言。被災地のがれき処理問題について、「私の住む近くの街では、放射性物質が検出されなくても、地元の農業や漁業従事者が『風評被害』に悩まされる、といって当局が受け入れを拒否した」と疑問を投げかけた。
[産業経済新聞社 2012年3月13日(火)]
参考
マンガ「ガレキ受け入れが東北復興の為になるって思っていませんか?」
「瓦礫の受け入れに反対する理由 神戸大学・山内知也教授」
子どもを護れない国に未来はあるのでしょうか!
イベントのお知らせ
2012年6月11日 かんがえるONE DAY!
かえる同盟アンケート結果
調査日:’12.3.11 岐阜市金公園周辺にて
調査人数385人 有効回答345枚
2011/3/11 午後2時46分…あれから1年。何が変わって何が変わってないんだろう。アンケートに協力的な方たちの意見は圧倒的に「原発要らない」派。「原発は必要」派は、そこで働く雇用問題を理由に挙げた人が多かった。電力不足に関しては「不足するだろう」という不安からか。「わからない」は、「私に関わらないで」という雰囲気が漂っていた。マスコミでは毎日瓦礫問題を報じている。岐阜県も検討中。もう人ごとではないよ。瓦礫問題を機にちゃんと考えよう!そう、かんがえる人になろう!