11月15日(金)に大垣で『激動、シリアの今』という大垣出身のフォトジャーナリスト久保田弘信さんのお話を聞きました。お話を聞いた中で印象に残ったことを少しずつピックアップしてお話したいと思います。
まずは自由シリア軍の勢力下にある地域の病院でのことです。毎日毎日たくさんの怪我人がはこばれてきて、ドクターは休む暇もありません。また、傷口を洗うきれいな水が足りてません。輸血のために必要な血も足りてません。ドクターは自分の血を取り、輸血に使います。骨を固定するメタルもありません。その辺に落ちている鉄を削って使っている、そんな状況なのです。
国外に逃れた人たちは難民キャンプの中に住んでいるのですが、その中にも貧富の差があります。さらに、難民キャンプにも入れず、苦しい中生活している人がたくさんいます。
毎日毎日、お墓がたくさん増えていく、そんな状況。みなさんはそんな状況が想像つきますか?私はつきません。また、皆さんはこんなことが世界で起こっていることを知っていましたか?私は知りませんでした。
久保田さんがある一枚の写真をみせてくださいました。私はその写真をみて、家族で避難するのかな?と思いました。そしたら、ちがいました。その家族は「トルコに避難したけれど、トルコでは食べていけない」と言って、危険なシリアに帰るところだというのです。「この写真をみた人たちは99%避難すると思うでしょう。」と久保田さんがいいました。私もその1人です。シリアからトルコに避難するところだと言う説明でこの写真を使いたいという雑誌の編集者の提案に、みんなに嘘はつきたくない、この写真にはもっと深刻な事情があることを伝えなくてはという思いでその写真を使うことを断ったそうです。
私が話を聞いている中ですごく心に残った言葉がありました。それは、シリアのドクターがいった言葉です。「頼むから、薬ではなく武器(身を守るため)をくれ。」私はこの言葉をきいてとても悲しくなりました。皆さんはどう思いますか?私が率直に思ったのはただ1つでした。「こんな世界でいいのかな?私たちは何をやっているのだろう」私ひとりでは何もできません。これは、日本中、いや世界中で考えなければならないことだと思いました。シリアだけではなく、困っている人たちはたくさんいるはずです。その人たちのためにも、考えなければならないことがたくさんあると、私は思いました。
最後に久保田さんがこのようなことをいいました。「他人事ではない。内戦を止めるために僕たちは向かっていかなきゃいけない。内戦を止められるのが日本人だ。僕たちは一人ひとりがシリアに対する思いをしっかり持たなければならない。」一人ひとりがちゃんと考えれば、いつか平和な世界になるはず!
そう私は信じます。